偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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突然非戦闘員オリキャラもちょいと出るよってことで初投稿です。

さすがに男モブ枠がいないのもアレなんでね……


新学期+シトラスレディの転校初日+一般枠男オリキャラの今更すぎる登場……なんかすまん

 

 やっハロー‼︎ 俺だよ、白哉だよ‼︎ みんなは夏休みが終わってしまいそうで悲しいと思っているかー⁉︎ 二学期が始まって憂鬱になったことはあるかー⁉︎ ちなみに今の俺はそんなこと思ってないですね。濃厚かつ非常識な夏休みを体験しすぎて、気がついたらもう二学期が始まるんだなーみたいなテンションになってる。

 

 まぁ俺の場合はどうなのかってのは置いといて。二学期が始まったのと同時に、今日からミカンが転校することになったぞー。イェーイ。ドンドンドン、パフパフパフー。とはいっても、当の本人は緊張気味……というかめちゃくちゃ緊張している様子ですがね。

 

 

「私……きちんと転校の自己紹介できるかしら……呪いの体質のこと、話しても引かれないかしら……」

 

「大丈夫、皆受け入れてくれるよ」

 

「私はミカンさんが今日から同じクラスで凄く嬉しいし、楽しみです」

 

「ま、こういう風にいざとなったら俺達がいるんだ。何かあった時には助けてやるから、もっと気楽にいこうぜ」

 

 

 ……ん? アレ? なんかどっかでこういった対応をしてもアレだとか聞いた気がするけど……

 

 

「……そんなエモいこと言われても呪いしか出ないわよ‼︎」

 

 

 ぶにゃっ⁉︎ 突然飛び出してきた野良の芝犬と野良猫。そいつらは優子に飛び掛かったり肉球で俺に殴りかかってきたりしてきた。……いやお前らどっから現れた⁉︎

 

 

「そういえば嬉しすぎても呪いが出るんでしたっけ……」

 

「そういえばそうだった……そういったタイミングでの呪いの発動は最近なかったから、すっかり忘れてたぜ……」

 

 

 うーむ、今課題を思いついた。というよりは思い出したと言うべきか。これからはミカンの呪いが発動しないように、ある程度刺激を与えないように立ち回らないとな。にしても飛び掛かり肉球猫パンチは思ったよりもイテェ……

 

 と、そんな事を考えていたら。

 

 

「ふぅ〜〜〜……おはよう白哉君、シャミ子君、千代田君、陽夏木さん」

 

「おう、おはよう拓海……って、なんでイナバウアーしながら滑って登場してんだお前は」

 

 

 ウザキャラの割合1:過保護キャラの割合9の陰陽師・拓海の登場である。って、ふぅ〜〜〜ってなんだふぅ〜〜〜って。その上でのイナバウアーでの登場とかムカつくんだけど。

 

 

「あぁこれ? 俺、フィギュアスケートの番組を観て競技に影響されてしまったみたいなんだ。どうだい? 美しいフォームはできているかい?」

 

「あーうん、そうだな。かっこいい」

 

 

 だが突然の久々のナルシストモードはちょっとな……まぁいつものお前の性格に免じて許すけどさ。で、イナバウアーはすぐにやめると。ナルシストならあのままもう少し継続させるがそれをしない傾向からして、完全なるナルシストでもウザキャラでもない証拠だ。

 

 

「……ねぇ、拓海ってあんな性格になることあったのかしら?」

 

「あぁ、拓海くんがいつもと違うあの雰囲気を見せるのは稀な程度らしいですよ。クラスの皆の憶測ですけど」

 

「あぁ、なんか噂ではアレを見れたらラッキーだとか皆言っていたよ」

 

「そ、そうなの?」

 

 

 知らん……何それ……怖……

 

 なんで拓海がウザキャラになることが珍しいことになってんの? そしてそれが幸運を呼び寄せる感じになってんの? ぶっちゃけ初耳なんですけど。というか俺、そのレアな光景の状態である拓海にもよく会っているんだが……色々と分からねェよマジで。

 

 

「アレ? 陽夏木さん、その服……あっ、そういえば今日は俺達の学校に転校する日だったっけ?」

 

「えっ。そ、そうだけど……」

 

「それはよかった。それならいつでも君に何かあった時に助けられるね」

 

 

 拓海はそう言って、ミカンの両手を優しく握り始めた。何の躊躇いもなく、何の企み云々もない感じに。

 

 

「えっちょっ……」

 

「もしも困ったことがあったらいつでも相談しに来てくれ。俺もできる限り協力するよ。前にも言ったけど君の力になりたいし」

 

「あっ、うぅっ……」

 

 

 あのさぁ……他意もなくというか何も考えずにミカンにドキドキさせるような真似をするのやめてくれませんかね? ドキドキさせる事も本来なら彼女の呪いが発動するんだからさぁ……ホントにやめてくれません? このバグみたいなのがいつまでも通用できるとは限らないけどさぁ……

 

 

「……シャミ子。こういう場面を指摘したらまたミカンの呪いが発動してしまうから、今は抑えよう」

 

「人というかまぞくを短期な奴だと思わないでいただきたい‼︎ さすがに二・三回経験したのですからもうそんなヘマはしませんよ」

 

 

 なんか二人がコソコソと話してるな。どうやら今の状況でのミカンの呪いの話をしてるみたいだけど、そんなに声が小さくないからミカンに気づかれ……

 

 

「ポォッ〜〜〜……」

 

 

 てないのかもしれへん。すっかり呪いを発動させずにいる拓海に骨抜きにされてるんだけど。おかげであの状態では今の二人の話が耳に入ってないだろうし、何より呪いも発動してない……

 

 拓海、ここで勝手に礼を言わせてくれ。お前がこの世界にいて本当によかったよ……

 

 

 

 

 

 

 まぁなんだかんだあったけど、とりあえずあそこから到着するまでにまた呪いとかいった事件みたいなのはなかったわけなので問題はなしっと。安心して登校できたぜ。

 

 で、ミカンがウチの担任の浅瀬先生のところに行っている中、俺達は各々の教室へ。とはいっても俺達四人の中でクラスが違うのは桃だけなんですがね。

 

 

「よっ‼︎ おはよう白哉‼︎」

 

「うおっ、ビックリした。なんだ勝弥か、おはよう」

 

 

 席に座った俺に突然声を掛けて驚かせてきたこいつは、広瀬勝弥。少し黒がかった茶髪に薄い翡翠色の瞳をした男子だ。身長は百八十センチで、俺よりも身長が十も高い。身長デカ過ぎだろ……

 

 ちなみに杏里と同じテニス部で、実は夏のテニス大会に一年生ながらも出場し、大量得点を獲得して優勝したんだとか。お前、プロの世界に挑戦してみたら?

 

 とはいっても、今の俺や拓海・全蔵みたいに特別な力を持っているわけでも、優子や桃・ミカンみたいに何らかの一族であるわけでもない。ただ滅茶苦茶テニスが上手い、普通の人間だ。それ以上でもそれ以下でもない。この世界でいう杏里ポジションやな。だからテニスも上手いのか……?

 

 

「久しぶりに会ったけど、今日はいつもと違って明るい感じが出てるな‼︎ いつに増して笑顔というか‼︎」

 

「そっか? まぁ最近色々あって、気が楽になってはいるんだけどな」

 

 

 勝弥の勘(?)の通り、優子と付き合い始めてから俺の心の中で縛り付けていたものが解き放たれた気はしていた。警戒するものが無くなったというか、寧ろ思いっきり受け止めようという思考に変わったからというか……

 

 

 

「あっ、もしかしてアレだろ⁉︎ シャミ子とマジで付き合うようになったからとかだったりして‼︎」

 

 

 

「えっ」

 

 

 は? えっ、ちょっ……えっ? な、なんで知って……? その事は登校日には一切伝えてないはず……優子だけでなく桃や杏里、全蔵や拓海にも念を入れて口止めしたんだぞ? なのにバレるはずが……

 

 

「いやぁ前から学校中で結構噂になっているんだぜ⁉︎ お前とシャミ子はせんぞがえりする前からよく一緒にいる程仲良しだったし、シャミ子が何やらお前を独占しようとしてるけど遠慮している……みたいな動作もあったし、それを気にしてないのか気付いているのかお前もお前で蔑ろにする気配を一切見せないし、その他諸々の出来事もいくつか相まって皆が皆『もうお前ら結婚しろよ』ってなってな‼︎ あっ、理事長も応援しているとかどうとか‼︎」

 

「それを当の本人の一人の前で堂々と言うか? 普通」

 

 

 っていうか、いつの間に学校全体で俺と優子はそういう認識を受けてたのか? しかも理事長まで公認みたいな感じにしてるし……怖いわこの学校。

 

 

「で、実際のところどうなんだよ?」

 

 

 ……これ、いつか絶対バレちまう噂だよな? 言い逃れができない感じだよな? ……腹を括るしかないか。幸いこいつにだけ明かして口止めさせておけば全員にバレるまでの時間を引き延ばし出来そうだし、バレた後も被害が出ると思うし……多分。

 

 

「………………そうだよ、付き合うようになってんだよ。念のため他の奴には言うなよ? 一番の被害に遭うのは優子なんだから」

 

「あーやっぱりか。となるとすぐバレるかもだけど、まぁ人の良いお前を裏切りたくないから内緒にしとくよ」

 

「本当だな? 本当に誰にも言わないんだな? 絶対に言わないんだな? バレた時に原因がお前だと分かったらその時点で絶縁するからな?」

 

「絶縁って……俺らは兄弟か何かかよ? 言わねーから落ち着けよ」

 

 

 すまん、さすがに疑心暗鬼になりすぎた。学校中に勘づかれていたものだから……気をつける。

 

 と、そんな事を考えてたら朝のホームルームが始まる時間となった。つまりどういうことか? ミカンが転校生としてここに来る瞬間である。

 

 

 

 

 

 

「陽夏木ミカンです。魔法少女です! よろしくお願いします‼︎」

 

 

 自己紹介で魔法少女を名乗ることにした世界線のほむほ……〇美ほむ〇ですか? 受け止めの度量が凄くてある意味良い人すぎる多摩町の人達の前だからいいけど、それ以外の人の前ではどう対処すると?まぁ、二次創作でお馴染みのガバガバ設定だからしゃーない部分もありそうだけどな。

 

 というか今気づいたけど、なんで小倉さんこのクラスにいるの? クラスちゃうやろ?

 

 

「───陽夏木さんは幼い頃の事故で少し変わった体質になっています。動揺すると体内の魔力的な防衛機能が勝手に発動して、周辺の人に小さな災難を与えてしまいます。呪いの発動は陽夏木さんの心拍数や怪我が引き金になっているそうです」

 

「……ちょっとあれな体質ですが、受け入れてもらえるように頑張ります‼︎」

 

「ドッキリ仕掛けようとしてる人は覚悟してくださいね」

 

 

 浅瀬先生……貴方ミカンの体質を全部ストレートにかつ割と細かく説明しますね。教師の癖に人の心とか半分しかないんですか? しかもドッキリ非推奨とはいえ止めはしないとか……面白い反応とか期待してるんですか?

 

 

「びっくりNGか〜。歓迎のクラッカーはいつ鳴らせば?」

 

「お前は何をしようとしてるんだ」

 

「杏里ちゃんノーです‼︎ しまってくださいっ‼︎」

 

「別にアポ取れば堪えてくれて呪いとか───」

 

「勝弥、ステイ」

 

「お、おう……」

 

 

 歓迎しようとしてくれているのはいいけどさ、遠慮ってものを考えなさいな。下手したらとんでもない呪いを受ける羽目になる可能性、あるぞ?

 

 

「皆さん、陽夏木さんに何か質問はありますか?」

 

「呪いのこと、魔法少女のこと、なんでも聞いてください」

 

 

 うーん……ここなら普通はその二つの事を皆一切に質問してくるところなんだけど、この世界の多磨町の人達のことだからな……

 

 

「目玉焼きに塩・醤油・ソースどれかける派ですか?」

 

「朝から揚げ物食べられる派?」

 

「体はどこから洗い始めますか?」

 

「服やアクセサリーはどのブランドをよく買ってますか?」

 

「好きな教科・または得意な教科はありますか?」

 

「美容はどの部分をよく気にしてるー?」

 

「男女ともにファンタジー要素ガン無視の質問ね……⁉︎」

 

 

 うん、そうなんです。これが多摩町民なんです。受け入れるスピードがエグいんです。ここは慣れていきましょう。というか三人目、お前の質問は犯罪臭がヤバいんだよ。しかもその質問をした奴が女子て。最後の男子の美容に関する質問の方がまだマシだぞ。最悪彼を見習いなさい。

 

 

「あの……体質のこととかもう少し聞いてくれても大丈夫です。寧ろ知っておいてもらった方が───」

 

「頭の不思議リボンの構造はどうなっているんですか〜?」

 

「これはエーテル体から生えてるもので、気分で移動もできまーす♡ ……だからそういう温度の質問じゃなくて‼︎」

 

 

 はい、ギャルっぽいノリツッコミ乙。ツンデレっぽかったりお嬢様っぽかったりもしてるけど、お前の中のキャラ渋滞してんの?

 

 

「魔法少女の先祖って誰ですか⁉︎」

 

「いやさすがにそれは知らないです⁉︎」

 

 

 勝弥、お前オチを狙ってわざとそんな質問したのか⁉︎ タチ悪ッ⁉︎

 

 

 

 

 

 

 ミカンの自己紹介が終わり、休み時間。彼女は上手く自己紹介できたかと不安だったようだが、全然問題なかったぞ。よくやったな。よく呪いを一切発動させずに済んだ。それと皆に受け入れてもらえてよかったな……いや受け入れてもらえたのはなんとなく予想していたけどな。

 

 とりあえず優子、その『かんきつ』と書いてあるうちわに変えたなんとかの杖を戻しなさい。桃に杖で遊ばないでとツッコまれとるやないかい。

 

 ちなみにこの後ミカンは杏里や勝弥とのID交換をする程に仲良くなりました。友達IDが増えるのはいいことだ。悩み相談をいつでもできる人が増えるからな。

 

 

「あのふるふるするやつ楽しそうです。私もスマホ欲しい‼︎」

 

「……私もシャミ子はスマホ持った方がいいと思う」

 

「だな。いざという時にいつでもどこでも連絡し、お金要らずで楽しめるゲームもできるから、スマホは持つべきだぜ」

 

「あっ………………うーん……」

 

 

 ん? 優子の奴、なんか悩んでいるような様子を見せているな? 値段の事なら確かに高いから悩むのも分かるけど、原作ではすぐにその事を指摘しているんだし、別に言うのを躊躇わなくてもいいんやで?

 

 

「シャミ子、なんで悩んでいるの?」

 

「いえ、その……よく考えてみたら、もし私がスマホを持ったらヤバくなってしまいそうな気がして……」

 

 

 は? ヤバくなってしまいそう? なんで?

 

 

「なんというか、その……白哉さんにしつこく連絡してしまう自分を想像してしまって……そして何かしらの問題があるかもしれないのに『なんで反応しないのか』と責めそうな気もして……」

 

「「……あぁ……」」

 

 

 なるほど、自覚あっての躊躇ってことか。うぅむ、よく考えたらヤンデレがスマホを持って好意対象の連絡先を手に入れた後って……うん、確かにヤバいな。優子がそうなった時の自分を危惧するのもわかるわ。

 

 

「……リリスさんを改造して電話機能をつければ、平地くんがスマホに触れる余裕があるのかどうか分かるし値段もタダだよ‼︎」

 

『小倉よ、イエローカードだぞ』

 

「いやレッドカードッスよそれは。あと小倉さんは人の心とかないんスか?」

 

 

 というか誰かこの倫理観ゆるキャラをなんとかしろよ。いつか絶対警察沙汰になるやろがい。

 

 話は変わり、杏里と勝弥がミカンをテニス部に誘おうとするが、本人は身体能力の高い魔法少女が普通の人達に混じってスポーツするとバランスブレイカーになってしまうため、気持ちは受け取るけど断ることにした感じになった。

 

 ここで杏里が桃とミカン、魔法少女同士がテニスバトルをするのは面白そうだし盛り上がるのではないかと推測する。それに優子がすごい食いついてきたが、桃はサーブでボールが割れてゲームが終わってしまうからやらないと言う。

 

 まぁ……桁外れの力を持った人達同士がやったらそれはもうテニスじゃなくてテニヌになっちまうからな。桃が却下するのも分からなくもない。

 

 

「スポーツと言えば……もうすぐ体育祭だよ。私と勝弥、体育祭委員もやっててさぁ。紅白に分かれて点数競うんだけど……魔法少女ズはどうしよう」

 

「そこは普通に各組一人ずつ入れればいいんじゃね? 二人は五十メートル走は何秒程だ?」

 

「六秒ね」

 

「三秒」

 

「あっ、千代田さんが思ったよりもヤベェわ」

 

 

 わかる。女子高生の五十メートル走は一番速くても六.五四秒程らしいのに、それの半分くらいのタイムで走り切るとかマジでヤバいよな。さすがは筋トレ好き魔法少女だわな。

 

 

「まぞくは八秒五です」

 

「それはそれでちょっとどうかと思うぞ。微妙だから」

 

「んなこと言うなコラ。遅すぎるってわけじゃないから文句言うな」

 

「なんで白哉が怒るんだよ」

 

 

 恋人を批判されたらそりゃ反応するわ。それに優子は俺が鍛えさせなかったら今よりももっと遅かったぞ? 俺に感謝することだな……あっ、俺の介入がどうとかを信じる奴いないか。そもそも言ってないし。

 

 

「魔法少女は点数に入れないのが無難だと思うわ」

 

「……そっかぁ。なんか……せっかく来てもらったのに交じってもらえないのはちょっと寂しいね……」

 

「だよなぁ……いくら点差を大きく開かせないためとはいえ、そいつらの頑張りが報われないのはどうかと思うよなぁ……」

 

 

 まぁ、それが力を持ってしまった者の代償というべきかもな。

 

 それだと俺や拓海・全蔵も含まれるんじゃねって思う輩もいるだろうが、俺のタイムは六秒八で、拓海のタイムは七秒程、全蔵は速いけど五秒程だからなー。他の競技でも各々が力を封じているわけで……俺は夏前に得たけど使わない方針だから。

 

 

「そこで魔法少女から力を一時的に奪う薬開発してみましょうかーっっ‼︎」

 

「小倉、累積退場だぞ〜」

 

「クラスメイトにドーピングさせるのも違反に決まってんだろ」

 

 

 ドーピング、か……? 一時弱体化の薬が……?

 

 

「ところで小倉さん、なんで俺達のクラスにいるんスか? また平地くんに召喚獣の頼み事ッスか?」

 

「あぁごめんごめん、ほんとはこれを渡しに来たんだ。千代田さんの闇堕ち安定剤」

 

「なるほど……って、闇堕ち安定剤⁉︎」

 

 

 うわおデッカい球状のヤクですなぁ。しかも真っ黒だからより禍々しいのですがそれは。というか通常サイズのボールの薬って何……?

 

 小倉さんの話によれば、これはこの前優子からもらった(本人の許可なく勝手に取った)思い出の品であるピンク翡翠で作ったモノらしい。これを飲めば闇堕ちしても魔力の減少と消費を抑えられるとのこと。つまりは桃のために作ったといっても過言ではない代物だ。

 

 

「あの思い出の石がこんないい物になって帰ってくるなんて……ありがとうございます‼︎」

 

「恩を仇で返さない……やっぱりお前は優しいな、優子」

 

「私、これ飲むの? 飲めるサイズに見えないんだけど。翡翠って石だよ? 他に何混ぜたの?」

 

 

 まぁ、桃の反応は正しいよな。なんで小倉さんはこんなもんを小さいサイズに分けて作らなかったんだよ。まさかアレか? いっぺんに口の中に入れないと効果が薄いってか? デカくて口に入れられないし、これもどっちもどっちじゃねェか。……知らんけど。

 

 と、そんな事を考えていたら委員会会議が始まるアナウンスが流れ、桃と全蔵がそれに参加するためここで退場。ちなみに拓海は美化委員で、全蔵は広報委員であるらしい……いや、待てよ? まさか俺と優子が付き合っているかもしれないという噂を流したの、広報委員である全蔵のせいじゃね……?

 

 

「せんせ〜っ。ミカンちゃんどこ行くか決まってないよ」

 

「陽夏木さんはどこにしましょうか。行きたいところはある?」

 

 

 で、今のようにミカンが転校したばかりで委員会に入っていなかったってことでどこかに入れさせてあげようと思う。この学校はどこかの委員会に所属する決まりだしな。

 

 

「ぜひとも人体標本磨き委員会に‼︎」

 

「つるむらさき栽培委員会が人手不足だよ」

 

「ゾンビ対策マニュアル作成委員会はどう?」

 

「アルバイトシフト管理委員会に協力してくれ‼︎」

 

「海水生物生態調査委員会も絶賛入会者募集だぜ?」

 

「こっちには多摩町グルメ考察委員会もあるけど」

 

「普通の委員会はないのかしら⁉︎」

 

 

 ちゃんとまともな委員会はあるけどさ、それよりも本来普通の学校には存在しない普通じゃない委員会の数の方が多いんだよなぁ……。男子もいるせいか原作よりも余計に増えているし、中には学校じゃなくてがっこうで暮らす覚悟を持っている奴がいて草だし……(オイ)

 

 

「うちの学校は生徒さんがお仕事を見つけたら委員会を作っていいの。だから少々変わった委員会も……」

 

「にしては学校に関係ないことをしているように見えて関係あることをしている委員会を出してますよね皆は。自由だなというか、これもう同窓会だろ的な」

 

「寧ろ自由すぎないかしら⁉︎」

 

 

 うん、そのツッコミも正しい。というか自由すぎるというレベルじゃないけどな。小倉さんの奇行を成績で許した件といい、この学校は本当に大丈夫だろうか?

 

 ん? 俺はどの委員会に入っているのかって? 優子と同じ保健委員だぜ。もしも俺がいない間に、優子が何か取り返しのつかないことをしそうだからってことで入ったんだよな。ま、特に入りたい委員会があるわけじゃなかったからいいけどね。

 

 で、優子がミカンを保健委員に誘おうとしたけど、ミカンが急な怪我人の時とか呪いが出そうで心配だとのことで断った。

 

 ここでミカンが浅瀬先生にみかん栽培委員会を作ってもいいかと問いかけることに……いやなんだよみかん栽培委員会って。それ学校に関係な……よく考えたらつるむらさき栽培委員会よりはマシかも。みかん売れるし。けど実ができるまで四・五年かかるとのことで却下されましたとさ。みかん食いたかった……

 

 と、みかんならいつでも食べられるだろみたいな思考をしている中。

 

 

「あの……私っ……佐田さんや広瀬君と一緒の体育祭委員会に入ってもいいかしら‼︎」

 

 

 何を思ってか、ミカンが杏里と勝弥に体育祭委員会に入ってもいいかと問いかけていた。ここも原作通りだな。

 

 

「えっ……いいの? 今は結構忙しいし大変だよ。っていうか大変だからあえて誘わなかったんだけど」

 

「それに力の問題で競技に出られないんだろ? ルールの調整でなら少しはやれるだろうけど、やっぱ……」

 

「大丈夫! イベント事は好きだし。二人とも、体育祭に参加させてあげられないことに悔やんでいたから。競技に出られなくても……裏方で頑張れたら、みんなともっと仲良くなれると思うの。もうすぐ体育祭ならやることたくさんあると思うし……一緒に何かをやりたいわ‼︎」

 

「……うん‼︎ 大歓迎だよ‼︎」

 

「あぁ‼︎ その熱意を無駄にしたくねぇ、一緒に頑張ろうな‼︎」

 

 

 ミカン……お前は本当に良い奴だよ。気遣いもできるし自分の出来る限りの事をして力になりたいという強い意志も見せられて……ホントにもう、こっちが保護者になった気分だよ……

 

 

「来たからにはもう逃がさないぜ……魔法少女の強力なパワーでガンガン設営を手伝っていただこう」

 

「そう、お前はもう窮地の領域に入ってしまったのだ……体育祭が終わるまで戦場から離脱できると思うなよ」

 

「うっ……思ったよりも大変っぽいわね……」

 

 

 まぁ、そりゃあ……学校の一大イベントの一つだからな。多大なる設営準備があるわけでして。ミカン、強く生きろよ……後お前らはプレッシャーかけるなプレッシャーを。下手したらミカンが圧に押されて呪いが発動すんぞ。

 

 

「陽夏木さん……自分なりにできる限りの事を考えているみたいでよかったよ。もしもまだ決まりそうになかったら、俺もなんとか彼女が入りそうな委員会を探そうかと思ったけど、その心配は無さそうだ」

 

 

 拓海は拓海で勝手に人の為の事をしようとしてるな。人に優しいのは良いけどさ、もうちょっとその加減ってのを……

 

 ………………ん? ちょっと待てよ? 気のせいだとは思うけど、こいつの過保護さ、なんだかミカンに対しては違うかとは思うけどな……? ちょっと耳打ちして聞いてみるか。

 

 

「なぁ拓海……ちょっといいか?」

 

「ん? なんだい?」

 

「その異様にミカンの為なことをしようとしている発言や、これまでの行動からして……お前、もしかしてミカンの事が好きなのか?」

 

 

 おっ? キョトンとした反応は見せてくれているな。さて、どうなる……?

 

 

「えっ? 友達だから好きなのは当然じゃないか」

 

 

 あっ(察し)………………ふ、ふーん……そっち路線かぁ……そっかそっかぁ……つまりはまだミカンに恋愛感情を持っていることに気づいていないのか、はたまた脈なしなのか、どっちかってことか……めんどくさっ。どっちなのかの確信がないから色々とめんどくさっ。

 

 

「………………むぅ」

 

「ど、どうしたのさミカン? 急に不貞腐れた顔して……」

 

「こっちはやっと気づけたというのに……いや、別になんでもないわ」

 

「そ、そっか……」

 

 

 こっちはどうやら脈ありになったらしいけどな……やっぱり恋愛は難しいものだな。

 

 

 

 

 

 

 放課後。先に会議が終わった俺と優子は何か困り事があった時にすぐ乱入して助けられるようにと、ミカン達が会議が終わって戻ってくるのを待つことに。待ってる間は何気ない会話をしたり優子に夜の営みは出来そうかと聞かれたりして、ね。

 

 そしたらミカン・杏里・勝弥の一年E組体育祭委員三銃士……と、美化委員として会議に参加したであろう拓海が戻ってきた。お前、どうせまたミカンに対する過保護な対応をするために……

 

 優子がミカンに何事もなかったと問いかけたが、逸れないように杏里達が気遣ってくれたらしい。拓海は絶対するとは思ったけど、彼のせいで杏里も中々に優しいことをちょっと忘れてしまったわ……杏里、すまん。

 

 ま、この後杏里の優しさについてを優子が語ってくれましたがね。原作と違って、中学一年の入学式の時に学校で迷子になってしまった優子は彼女に助けられた。しかも原作の高校でのイベントと同じくハイヤーで優子を運んで、先生に『困ったら呼んで』と注意されるという……結局中学でもそういう出会いになるのか?

 

 ま、よく思えばあの時に会ったおかげで俺の心は軽くなったってもんだ。優子のヤンデレを知ってから何かと俺達の相談に乗ってくれて、余裕が生まれたというか……あの思わずズレがあってよかったよ。

 

 そしたら何故か拓海がしんみりと涙を流して皆ビックリ仰天したわけで。そんな風になる程に涙腺が緩くなったのか? 勝弥とはこの高校で仲良くなったけど、拓海みたいに泣いたわけでもないし……もしかして拓海って、意外と涙脆いのか? わからん。

 

 そんな事を考えながら下校の準備……していた時。

 

 

「あれ? みんな帰り?」

 

「あ、桃……」

 

「いやちょっと待って? お前何してんの?」

 

 

 たくさんの猫と戯れている桃を発見し、何故か(?)一番先に勝弥がツッコミを入れました。いやツッコミを入れる奴は別に誰でもいいんだけどさ。

 

 

「委員会の業務中」

 

「「何の⁉︎」」

 

「猫に群がられ委員会」

 

「「どういう仕事⁉︎」」

 

「……それって飼育委員会じゃないのかい?」

 

「いや、猫に群がられ委員会」

 

「……ネコ科飼育委員会?」

 

「だから、猫に群がられ委員会」

 

 

 お前のその委員会(?)の名前に対する執着心は何なんだよ。それだとその委員会はどんな仕事をするのか、ちょっとだけとはいえわかりにくいでしょうが。バカなのか?

 

 

「行きたい委員会がなかったから、自分で雇用を創出した」

 

「よく創出を認めてくれたな学校側も」

 

「けどその仕事、学校に必要ないですよね?」

 

「……そんなことないよ、すごく必要な仕事だよ」

 

「だったらどんな行動が学校のためになるのかを具体的に述べな」

 

 

 オラオラァ、学校も創出を認めた委員会なんだろ? どんな事をしたら学校のためになるのか、是非聞かせてほしいものだなぁ?

 

 

「………………………………が、学校周辺に……住む猫が一匹一匹……元気なことを確認することで、町の平和……? が、間接的に分かる……?」

 

「きさま自分に嘘をついているな」

 

「はいギルティ。その委員会は廃止な」

 

「おサボりはダメよ‼︎」

 

「勝手にクラスの輪に外れないでもらいたいな‼︎」

 

「ちよもも明日から体育祭委員会入れ〜」

 

「罰としてめちゃくそ設営に手伝ってもらうぜー」

 

「ヤダ……」

 

 

 ったく、せめてもっとマシな嘘をついてもらいたいものだぜ。

 

 ……にしても猫に埋もれて幸せそうだったな、あいつ。俺も埋もれてみたかったぜ、まったく……って、何桃の味方になったかのような思考してんかな俺。分かってるからな? 桃が委員会の仕事だと言っていることはただのサボりだからな? な?

 

 




おまけ:台本形式のほそく話その24

白哉「そういえば優子、夏祭りの時俺が的当てで手に入れたNintendo Switchは使っているか?」
シャミ子「あっはい! 白哉さんの言う通り無料で遊べるソフトをたくさんやり込んでます‼︎ 最近では『遊○王マス○ーデュエ○』とか……」
白哉「えっ⁉︎」
シャミ子「ど、どうしたんですか? そんなに驚いて……」
白哉「い、いやぁ、遊○王のもあったなんて初耳だったものだからつい、な……」
シャミ子「そ、そうでしたか……」
白哉「(チクショウ、こっちの世界ではSwitch版のマスターデュエルなんて来てなかったんだぞ……ッ‼︎ なのにこの世界ではダウンロードできるようになって……ッ‼︎ 羨ましい……ッ‼︎)」
シャミ子「……あの、もしかして私が先にダウンロードしてしまったから、先を越されて悔しがっているんですか……?」
白哉「へっ? い、いやそんなことないぞ? こっちはスマホでダウンロードしているから、別に何とも……」
「と、ところで優子はいつもどんなデッキを使っているんだ?」
シャミ子「えっ? そうですね……悪魔族中心のが多いですね。悪魔族はまぞくみたいなものだから親近感が湧くと言いますか……」
「で、一番気に入っているのが○ビュリン○ですね‼︎ 中心となるモンスターさんが何処となく私に似ていますし‼︎」
白哉「似ている、か……まぁ確かに何処か似ている感じはするかもな」
「(こめかみに二本の角、女性、漂うドジっ子感、とある部分の大きさ……似ている感は確かに強いな)」
シャミ子「………………今、そのモンスターの胸と私の胸を重ねてませんか?」
白哉「ッ⁉︎ い、いや別に、そんなことは……」
シャミ子「フフフッ……真意がどうであれ、私の胸の方が白哉さん好みであることを証明しちゃりますからね……♡」
白哉「お、お手柔らかに……ッ」


次回からシリアス要素ありとなります。お楽しみに。
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