偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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バイキングめっちゃ好きってことで初投稿です。

桃がまぞくと魔法少女について話すみたいだが、少しだけ原作と異なる点が……?


どけ‼︎ 俺は桃の秘密を知りたいんだぞ‼︎ えっ? 優子の写真撮った? 普通に盗撮は犯罪やぞ?

 

 どうもー、ケーキをめっちゃ食いたいスイーツ男子にもなれる平地白哉です。

 

 最近ではミ○ドのドーナツを買って優子と一緒に食ったし、その前はカスタードタルト作ってみてみんなで食ったしな。充分なスイーツ男子だろ? ところでェ……ドーナツはケーキの類に入る?

 

 で、今俺達は体育祭委員会のメンバーの何人か+拓海+全蔵+柘榴さんで体育祭のお疲れ交流会を開くことにしてます。そして会場はケーキバイキングのできるスイーツラウンジ桜ヶ丘店っていうね。ケーキ大好き俺氏大歓喜。

 

 そして現在。

 

 桃の席ではおっちこと落合、みなみこと南野、それとたった今彼女達の会話の輪に入り始めたゆかりんンンフフフッwwwこと友香里と、今さっき『せいーん』と呼ばれてた阿音が取り囲んで、桃から情報を聞き出そうとしてる。

 

 ちなみに阿音がせいーんって呼ばれているのは、名字の青銅が元となっているからだそうだ。ぶっちゃけ阿音を由来にニックネームを付けてもらうべきだったろ。あおーん、みたいに。でないと誠司と被りそう。

 

 あっ、つるちゃんこと鶴牧も桃のところへと来ちゃってる。これでまた桃の席との距離が離れてまうわ。桃の話から情報を得やすくするには、出来れば彼女の近くにいるのが効果的だと思うけど、行きづらいな……

 

 それでも、それでもだ。彼等が桃から何を聞き出そうとしてるのか、めっちゃ気になる。でも色々と取りたいケーキとかがあるから、どうしてもすぐに席に戻って聞く耳立てるってのができない……何なんだよこの皮肉さは……

 

 ……アレ? ちょっと待って? 一席は優子が座ってたとこだよな? そこをナチュラルかつ勝手に奪い取らないでもらってよろしいか? というかそこに誰かが座ってたという認識あんのか?

 

 っておいミカン、お前レモン持った手を向けてくんな。というかかけようとすんな。こっちくんな。

 

 

「レモンかけたら美味しいんじゃないかしら」

 

「ダメです!! 違法です!!」

 

「みんなで食べる唐揚げに許可無くかけるくらいの重罪行為じゃねェか」

 

「えっ!? 重罪になる程の違法だったのかしら?」

 

 

 当たり前だろ、人の食うものに勝手に何かをチョイスしたり味変したりするのはどうかしてる。というか優子のプレートにも勝手にレモン乗せとるじゃねェか。責任持ってお前が全部取って処理しろや。

 

 ってか今気づいたけど、レモンを勧めようとしてた時に手の動きが北〇百裂拳になってなかったか? それかジョ〇ョの主人公のラッシュ技。どんだけ人にレモンを勧めたかったんだよ。

 

 

「ハァ……おい拓海、お前がミカンを全力で監視しとけ。またミカンが勝手に人のケーキなどにレモンを掛けることが無いようにするためにもな」

 

「えっ、なんで俺が? しかも全力って……」

 

「最近思ったんだよな……お前の行動が柑橘類を勧めようと暴走するミカンの抑止力になるんだってことに、な」

 

「は、はぁ……?」

 

 

 何やら心当たりがないって感じだな? そういうところだぞ。お前がそうやって『また俺なにかやっちゃいましたか?』みたいな天然かつ鈍感なことをミカンに対してしてるから、自然とそういう認識でお前にミカンの事を任せようって思えてくるんだよ。

 

 いい加減察しろよバカ。それかもう付き合っちゃえよ。

 

 

「ち、千代田さんにきちんとお礼が言いたかっただけです‼︎ 推しとかそういう感じじゃないです‼︎」

 

「千代田さん家の床になりたいって言ってたじゃん。魔のものを鑑賞したいって」

 

「まるで踏まれたいと言ってるようなものだったぞ。さすがに滅茶苦茶ドン引きするだろそれは」

 

「ど〜〜〜してそういうこと言っちゃうのぉ‼︎ ゆかりんが変な誤解しちゃってるって‼︎ もぉダメじゃん‼︎ 解散だよ‼︎」

 

「ゆかりん言うな。モンブランやるから落ち着け」

 

 

 え……? 何……? なんかマゾな発言が飛んできたんだが……? おっち本人は誤解だと言ってたけど、マジもんだったら距離置いてたぞ? みなみも変な誤解生ませるな。それと友香里はゆかりん呼ばわり定着されてる気がしてウケる。そして餌付けでおっちを落ち着かせようとするな。

 

 ふぃー、やっと優子と一緒に桃から一番近い席に座れたぜー。とはいっても四つ席が離れているけどな。桃に一番近いところにいる優子も二つ席が離れてるし……

 

 あっ、ちなみに俺達の間の席は永山ことにゃがが座ってたよ。それもナチュラルに。俺達カップルの間に挟まれるとはいい度胸じゃねェか。友好目的でしか触れてはいけないからな? 変なことしたら〆るから。

 

 

「なんかホントすみません‼︎ いつも千代田さん達を見てて、仲良くていいなーっていう‼︎ ノリで‼︎ そういう話になっただけで‼︎身内ノリですホント‼︎ 忘れてください‼︎」

 

「うちらだって仲良いだろ」

 

「……ふふ、面白い」

 

 

 おっち、めっちゃ饒舌に言い訳(?)してるやんけ。でも嘘ついてるわけじゃないし、本気で桃の床になりたいと思ってるわけじゃないみたいだし、問題ない……のかな? 桃から多少の好感度を持ててるみたいだし。

 

 っていうかどんなノリで桃の家の床になりたいって言えるんだよ。そのノリへと導いた話題が色々な意味でヤバいのだが?

 

 

「仲良くしてる奴の口から説明されれば、言い訳しても誤魔化せるわけないだろ」

 

「いやだからノリ‼︎ ホントにノリで言ってただけだから‼︎ ホントに千代田さんと仲良くしたいだけであって……‼︎ ゆかりんまともに受け止めないでよォッ‼︎ あの時の自分を思い返したら何やってんだろうって思って恥ずかしくなってきたしさぁ……‼︎」

 

「ゆかりんはやめろ。りんごタルトでも食って落ち着け」

 

「あっうん……」

 

 

 おいこいつ、おっちを落ち着かせるためとはいえまた餌付けしてるじゃねェか。彼女の事を猫だと思ってる? でも二回もゆかりん呼ばわりされたのに、テンパってる彼女を落ち着かせようとしてるのだが。その対応におっちは照れてるし。少女漫画かな?

 

 ……ふむ。これはあくまで俺の考察だが、他の奴らからゆかりん呼ばわりされた時は冷たくあしらってる感じがしてた。けどおっちに呼ばれた時は冷たい対応がなかったような雰囲気があった。それにさっきみたいにアワアワしてた彼女を宥めようとしてた……

 

 つまるところ、これは多分アレだ。友香里の奴、おっちに対して何か想いがある可能性があるとみた。おっちの方は彼よりもその可能性が高いし、こっちもなんだか良い雰囲気になりそうだぜ。

 

 って、どうした優子? 飲んでる飲み物からヤバい量の水泡が出てきてるんだが? しかも嫉妬と怒りの目ガンギマリなんだが? なんか桃がおっちに『タメ口でいいよ』と言った辺りからなったよな? もしかしてそれで不満なん? とりま落ち着け。

 

 

「桃ちゃんって同居? シャミ子ちゃんを守ってるんだっけ?」

 

「うん。まぞくを襲う魔法少女も居たりするから」

 

 

 お? これ、優子を特訓に初めて半ば連行した……じゃなくて誘った時にもちょっと話してたヤツだな。確か、慈悲も無く容赦無い魔法少女に遭遇したら一瞬でじっくりぐつぐつ煮込まれるぞって優子に忠告入れてたっけ。

 

 で、ここからはそれ以降聞かせてくれなかった話。何故魔法少女がまぞくを襲うのか、それにはれっきとしているらしい理由があるようだ。

 

 魔法少女は封印したまぞくの力、というよりは危険度に応じて討伐ポイントが貰えるという契約になっているらしい。そういえば朱紅玉さんが襲撃してきた時にジキエルが討伐ポイントとか言ってたな。アレかぁ……

 

 魔法少女がまぞくを倒した時に貰える報酬の形は、その時代を生きる人が親しみやすい姿に変化しているとのこと。昔は銀貨や宝石で、それが今のポイントカードになり、貯めたポイントの数に応じたものであればなんでも願いを叶えて貰える……だそうだ。

 

 ちなみに優子を倒したらどうなのかって話だが、桃個人の予想ではゼロポイントだとか……いや誰にも襲わせねェぞ? 俺の恋人を殺させねェからな? マジ許さん。たとえ魔法少女にとっては災厄な存在だったとしてな。優子だって俺と逆の立場なら、同じ事を考えるはずだ。

 

 

「しかし、その話を聞くと皮肉なもんじゃのぉ。魔族にも平和主義者がシャドウミストレスの他にも何人かはいるはずじゃのに、契約する奴側が願いを叶えるとか言って欲望につけ込んで魔法少女を増やして、その者らに害のないまぞくすらも狩らせようとしとるように聞こえるからのぉ」

 

 

 その意見は一理ある。叶えたい願いというものは誰もが抱いているものだし、中には叶うなんて夢物語だと思う野望を抱える者だっている。その願いを叶える機会を得られるといった状況に遭ったら、みんなその誘惑に乗ってしまい、そして叶えてもらうためなら手段も選ばなくなるかもしれないから……

 

 だとしたら、この町にいないまぞくは魔法少女に怯え、魔法少女は我欲のために問答無用に殺そうとするまぞく専門の殺人鬼と化しているんじゃないのか? そう考えるとどっちが正義か悪か分からなくなるし、洒落にならないな……

 

 

「闇雲にまぞくを狩る魔法少女がいる……そんな例外はないよ。最近は、だけど」

 

 

 それを桃は否定した。それも優子を見つめながら。そんな魔法少女はいない、いさせない。魔法少女は平和主義者であるべきだ。敢えて優子の方を向いて、『自分がそういう人だから』だとみんなに伝えているかのように。

 

 

「今のまぞくはシャミ子に毛が生えたような子ばっかりで、ほとんどが悪意を持たない子ばかりだったから。狩る側の動機もフワッとしだしてるし。まぁ、昔は人の社会を脅かすような大型のまぞくが頻繁にいて、それを恐れて、善悪見境なく退治しなければいけないと思って活動してた人もいたけどね」

 

 

 昔か……魔法少女は昔は巫女として活動していたみたいだし、そう呼ばれていた時代なら妖怪とか魔物とかって呼ばれる存在が出てきてもおかしくない。そしてそいつの方が今のまぞくよりも凶悪さが強いはず。そいつらが人々に襲い掛かっていると考えると、な……

 

 そう考えると、まぞくも魔法少女も事情があって、両者とも被害者であると考えられるな。そしていつかお互いの鎮静化を図るために魔法少女の契約内容も考慮して……なんだろうな。俺個人の考察で考えられると、だが。

 

 

「でも、落ち着いてからも時々ヤバい子が出たりして………………………………あ……この話やめよう。ご飯中だし……」

 

「あっなんかすまんッ⁉︎ 聞いてはならぬことを聞いてしもうたようじゃなッ⁉︎」

 

 

 えっ? お互い落ち着いているご時世にまだそんな世代遅れな奴がいるの? ちょっ、どっちサイドの事を言ってるの? 魔法少女の話題中心だったから魔法少女の方? 人間社会に被害を遭わせた時代があったらしいからまぞくの方? それとも両方? どっち?

 

 

「そういえば桃様って例の噂あるよね、『世界を救った』ってやつ‼︎ あれ、本当なの?」

 

「なぬっ⁉︎」

 

「うわぁ〜白哉君思いっきり聞く耳立て始めたねぇ〜」

 

 

 あ、ビックリさせてすまん。だって気になるんだもん、桃がいつ・どこで・どういった経緯で世界を救ったことになったのかが気になるんだもん。十年前に何をしてたのかねェ? ねェ桃ォ?

 

 

「柘榴さん、だったっけ? 貴方は桃ちゃんの幼馴染なんですよね? その事で何か知ってますか?」

 

「……えっ僕?」

 

 

 ここでつるちゃんが柘榴さんにも桃色魔法少女世界を救った英雄説を問うことにしてるようだ。彼ならこのメンツの中で桃の事を一番知ってるだろうし、めっちゃ仲良いんだよな。

 

 彼も桃が世界を救った場面にいたはずなんだよなぁ。そこでどんな事を彼女と一緒に体験したのか、そこで何があったのか、色々と気になりすぎて聞かざるを得ないぜ……‼︎

 

 

「……ごめん。彼女が世界を救ったなんて噂、知らない」

 

『………………えっ?』

 

 

 はい? 知らない? 桃が世界を救ったという大スケールの噂を? 桃の事をなんでも知ってるはずじゃあ? 別にそういうわけではないと? いや桃の何もかもを知ってるってわけではないだろとは思っているけどさ……

 

 

「……僕、留学する前はそんな噂を周囲からも全然聞かされてなくってさ、きっと僕が留学してる最中に起きたんだろうね。……いや、そもそも桃からもその話を聞かされてないし、彼女も口にしようともしなかったから、全然気にしてなかった。噂で聞いたとしても、彼女の方から言いたい時に聞けばいいかなって感じになってたと思う」

 

「あっ。そ、そうなんだ。なんかごめんなさい……」

 

「……別に、それほど気にしてない」

 

 

 気にしてないと言いながらちょっと不貞腐れてるじゃないですか。幼馴染に秘密にされてる事があるって事実に不満なんスかね? ホントは気にしてるじゃないですか嘘つくな。

 

 

「……で、桃? そこのところ、実際どうなのかな?」

 

「それは……そっか……みんなそういう認識でいたんだ……うーん………………その話は……私も整理できなくて………………ちょっと……ごめんね、これは柘榴の前でも言えない」

 

「……そっか」

 

「あぁ……ご、ごめんねー変なこと聞いて」

 

 

 昔の話は言えないことなのか。それも聞き手が柘榴さんだとしても、か……それほどまでに結構後味の悪い体験をしたということなのか? ってことは、桃はかなり辛い思いをしながら世界を救ったってことになるのか? じゃあ聞いたら良くない雰囲気が流れるところだったな。よかった……

 

 でも……なんでだろうな。今のはどうしても『聞かなくて良かった』っていうふわっとした認識でいちゃいけないような、そんな後味の悪い感じがする。

 

 ……まるで、夢の中で誰何さんに『桃に聞くといい』と言われて聞かされなかった、彼女が俺達と敵対してと告げた理由を聞き逃しているかのようだ。どうにも納得し難い……

 

 

「……じゃあ代わりに、僕が昔の桃の事、話すね」

 

「おおっ⁉︎ 幼馴染の口から明かされる桃ちゃんの秘密⁉︎」

 

「えっ?」

 

 

 おや? どうやらここで柘榴さんが昔の桃について教えてくれるらしい。なに何? 幼馴染しか知らない桃の過去にはどんなものがあるんだ? めっちゃ気になるー。

 

 

「……あれは数年前、桜さんに連れられて、桃と一緒にビーチに行った時の事「わああああああっ⁉︎」ムギュウッ」

 

 

 あっ口塞がれた。

 

 

「待ってッ‼︎ やめてッ‼︎ その事は誰にも言わないでッ‼︎ というか昔の私の事自体やめてッ‼︎ 私が恥ずかしくて消えそうッ‼︎」

 

「……ごめん」

 

 

 よ、よっぽど恥ずかしい体験談だったのか? 人前で真っ赤な顔して赤裸々な思い出だったってこと、みんなにバレちゃってますよー(まだ内容出てないけど)? 聞きたかったなー。

 

 

「せっかく桃の弱音握れるチャンスだったのになー。なぁ優子」

 

「………………………………」

 

「………………優子?」

 

「ハッ⁉︎ す、すみません。ちょっと考え事してました……」

 

 

 優子はもう一度呼ばれた時に苦笑いしてそう言ったが、その顔になるまでは何やら暗い表情をしていた。ミカンが優子のケーキにレモンをかけようとしたことに気づかない程の暗さだった(勿論拓海がミカンを止めてくれた)。

 

 

「た、確かに、桃の秘密を知るチャンスを失ったのは残念でしたね‼︎ まぞくが優勢になるチャンスを作れたはずなのに、惜しかったなー‼︎ フハハハ……」

 

「そ、そうだな……」

 

 

 作り笑い感が否めない。いつもの優子なら無理した笑顔を見せることはないのに、どうにも気が引ける。

 

 もしかしてお前、桃の事で俺と同じことを考えていて……?

 

 

「じゃあ次はシャミ子ちゃんと白哉君のターンだ‼︎」

 

「……え?」

 

「おっ?」

 

 

 なんだ? 今度は優子に質問するのか? いいぞいいぞ、優子本人がOKならじゃんじゃん聞いてやってくれ。彼女は心が広いのだからな。

 

 ……ん? ちょい待ちぃや。よく聞いたら俺の名前まで入ってたぞ。もしかして俺にも聞きたいことがあるのか? 言っとくが俺は魔力関連のものはあっても、普段はまぞくでも魔法少女でもなんでもない、ただの一般ピーポーだぞ? 別に優子達程興味のありそうな話はできないと思うが……

 

 

「はい白哉君これ‼︎ シャミ子ちゃんがダルがってる姿を盗撮したものだけど、どうかな?」

 

「盗撮は普通に犯罪だぞ………………いやちょっと待てなんだそのグルチャはッ⁉︎」

 

 

 にゃがが見せてきたスマホの画面を見て、盗撮ダメ絶対の常識論を吐いてた冷静な自分が一瞬でどっか行ってしまった。だってさ? こいつら俺達の知らないところで優子に関するグルチャを作ってたんだぞ? なんだこれって思うわ。

 

 

「あぁこれ? 一年生同士のチャットルーム『魔のものファンクラブ』‼︎ まぞくとか魔法少女とか、戦える系の人達を推す為のグルチャなの‼︎ ちなみに白哉君のファンもいっぱいいて、シャミ子ちゃんも大人気なんだ‼︎ ほら、メンバーの名前に誰推しかが書いてあるでしょ?」

 

「うおっマジだッ⁉︎ 俺の名前も一緒に入れてるヤツもあるッ⁉︎」

 

 

 ってか一年生だけでなんか結構なメンバーの数があるんだがッ⁉︎ もう全てのクラスの何人かが入ってるだろッ⁉︎ 何人かって? 総人数の方は見てないけど、即感的には四十人はいたよ……化物レベルのチャットルームだな。

 

 

「私もシャミ子ちゃん推し‼︎」

 

「俺は白哉君推しぃ〜」

 

「私ミカン推し」

 

「私全蔵推しだよ」

 

「僕拓海推し」

 

 

 色々なファンがいるんだな……しかも魔力持ちってわけじゃない拓海と全蔵のファンまでいるし。

 

 

「私に……まぞくのファンがいる……⁉︎ 地味な活動の成果が……‼︎」

 

 

 これには優子も大歓喜不可避。これまでの自分の行いが周りにも好印象を与えられ、多大な信頼を得ていることになっているからな。これは素直に喜ぶべき。

 

 

「………………ちなみにだけど。優子と桃、どっちのファンが一番多いんだ?」

 

『シャミ子ちゃん(吉田)(シャドウミストレス)』

 

「即答かつ全員一致で息ピッタリになる程にか⁉︎」

 

 

 この反応には素直にびっくら仰天しました。嘘……優子の人気度高すぎ……⁉︎

 

 あっヤベッ、ここで桃の表情が暗くなった。表情も何やら嫉妬の念が出てるような複雑な感じになってる。自分のファンの数が優子のファンに負けていることによるものなのか、それとも優子にファンがいることによるものか……タイミング的に前者かな。

 

 

「ってか……にゃが! さっきからシャミ子ちゃんと白哉君に近づきすぎ‼︎ カップルの間に挟まるな‼︎」

 

「挟まれちゃってます」

 

「百合の間に挟まれるおっさん以上に重罪じゃん」

 

 

 あっいつの間に。ってかよく考えたら、なんで俺と優子は隣同士にならないでわざわざ一席空けた感じに座ってるのだろうと思ったけど、まさかにゃががナチュラルに間に挟まれるように座ってたとはな。ちっとも気づかなかった。

 

 というか、この行為は百合の間に挟まれるおっさん以上に許されないものなのか。まあNLの方が百合よりも人気だからね、仕方ないね♂ 百合は好きな人を選ぶし、好きじゃないどころか毛嫌いする人だっているし……別にそれが正しいってわけじゃないけど。

 

 

「二人とも、そいつ地味にヤベェ奴だから気をつけろ。ガチの奴だから」

 

「……どっち方面でガチってんだ?」

 

「アンタらカップルを全力で推しに行ってんの。隙あれば二人が惚気てる瞬間の話とか聞いてくるから」

 

 

 えぇ……(汗)。それって俺達の事を揶揄ってる時の桃と同じってこと? いや、こいつの場合は常時その時の桃ってことになるかもしれないな。つまり桃の上位互換。

 

 下手すれば彼女の供養として、俺達カップルが恥ずかしい思いを受けることになるんじゃないか……? 近寄らんどいた方がいいのかな?

 

 

「……桃‼︎ ファンの数で勝ちました〜〜〜‼︎ 今日は私の勝ちですね〜〜〜〜〜〜‼︎」

 

「おいコラ優子、桃に勝ってるところ見つけたからってマウント取ろうとするんじゃない」

 

 

 まったく……ウチの上司(まぞくとの関係的に)は宿敵にマウント取れたとなると、すぐこれなんだから……いつかリリスさんみたいに投げ捨てられるぞ。

 

 

「ちなみにこのチャットにはアンケート機能もあって、一度『シャミ子ちゃんの頼れるパートナーは誰か』っていうアンケートも取ったんだよね」

 

 

 ………………………………

 

 

「択と投票数はどうなってたんだ?」

 

「白哉君と桃ちゃんの二択で、白哉君が圧倒的に投票数多かったよ」

 

「おっしゃあぁッ!! 俺こそ優子のベストパートナーだァアァアァアァアッ!!」

 

 

 分かってた!! こうなることは分かってたけど、実際にそうなったのはマジ嬉しいぜェッ!!

 

 あ ゙っ ゙、桃が持ってたコップのグラスが割れた……ついにガンギマるレベルの嫉妬になってしまったか。でも、恋人のナンバーワンに相応しい奴だってことを周りから改めて認識されたものだから、喜ばざるを得なくて……マジですまんかった。

 

 この後、優子はみんなに入院していた頃の話を包み隠さず教えていった。その時の桃は……そうだな、自分は過去の話を隠したくてしなかったのに優子は躊躇いもなく話していったことに、それとなく別の複雑な感情を抱いてる感じだったな。

 

 で、優子が桃を観察する裏垢をおっちに教えようとしたところで闇堕ち。裏垢で自分の行動が見られてるって事実を知ったらそりゃあ……ねェ? 怒ってしまうわけで。寧ろ怒らない方がおかしい。

 

 桃が闇堕ちした後は柘榴さんが宥めて元に戻ったというね。やはり幼馴染の対応……‼︎ 幼馴染の対応は全てを解決する……‼︎ 彼までも裏垢を教えてもらおうとしたことが減点対象だったけど。

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜‼︎ 満足したぜぇ〜‼︎」

 

「今日は楽しかったわね‼︎」

 

「時間さえも忘れてしまうほどだったよ」

 

「連絡先がいっぱい増えました」

 

「……みんなとたくさん、話せたしね」

 

「ああ……うん……」

 

 

 いやーマジで楽しかったわお疲れ交流会。っていう愉悦とした想いに浸りながら帰る我々。全蔵は帰路が違うのでここにはいません。

 

 もうホントにね、時間も忘れちゃうくらい楽しめたわ。会話も結構弾んだし、ケーキも結構食べれたし、余は満足じゃ。文化祭のお疲れ交流会もやってくれ、頼むから。

 

 あのネームドモブ達とまた話せる機会があったら是非お話したいなー。特に秀と阿音。あいつらキャラが濃すぎじゃねェか。もっと仲良くなりたくなったわ。

 

 ちなみに桃はお疲れのご様子。普段聞けない話も結構したからとのことらしいが、根本的な疲れの要因はそこじゃないだろ絶対。闇堕ちしてから魔力的にも精神的にも結構効いただろ絶対。優子には裏垢は……というか桃の観察を控えるよう言っとくからさ……(やめろとは言わない)

 

 

「ってか桃、貴方『世界を救った』って何? 私も初耳だったんですけど。そんな現場、どうして私や柘榴さんを呼んでくれなかったのよ」

 

「………………は? お前も聞かされてなかったのか? てっきり柘榴さんにだけ内緒にしてるものかと思ったぞ」

 

「えぇ……桃が昔から自分の事を話さない性分だからってのもあるけど」

 

 

 あっ……そういえば桃はそんな奴だったな。優子や俺達の事を想っての行動はする癖に、自分の事は後回しにするんだったよな。優子の危機管理フォームの特訓でも『魔法少女は血が大事』っていうのをミカンが話して自分はその日まで明かさなかったしな……

 

 

「……おなかに傷がついたことも気になってた。あんな傷、胴体が千切れないと残らない。一体何があったの?」

 

「すいません、今グロい発言しませんでしたか?」

 

 

 胴体が千切れないと傷ができないってなんだよ。胴体千切れたら普通死ぬだろ。魔法少女ってそんなゾンビじみた再生能力でも持ってんのか? 怖っ……

 

 

「………………」

 

「ま! 言えないならそのうち……ね」

 

「……うん。これ以上咎めるつもりないし、この話はやめるね」

 

「………………………………ごめん」

 

 

 魔法少女には普通できないはずの傷の件も、『世界を救った』という話と同様に話せないことのようだな。だんまりとしてたし、伝えるべきはずなのに怖くて伝えられなくて、申し訳ないと思っているような感じだ。

 

 ………………しかし、なんでだろうな。

 

 俺や優子、他の人達が知らない昔の桃の話なんて、別に無理矢理にでも言わせる必要なんてないはずだ。それを俺達が聞かないといけないってわけでもない。聞かないと今後の人生に響くってわけでもない。あいつが伝えようとしない理由もあるはずだから。

 

 なのに……なのになんでだ? 頭の中では『無理に聞こうとしなくても話してもらおうとしなくてもいい』と分かっていても、どうしても知りたいと……知らないといずれ後悔するのではと思ってしまうのは。

 

 ふと隣を見れば、優子も似たような感情を持っていることが窺える。釈然としない思いを持ってることが表情で分かるし、俺みたいに少しでも話に割り込める……ってわけでもなかった様子だったから。どうしても、桃の過去の事で引っ掛かりがあったのだろう。

 

 でも……よく考えてみれば、俺が不思議とそう思ってしまう理由が分かった気がする。

 

 あの時メタ子が見せてくれた、ヨシュアさんによって書き換えられた過去の記憶の一部。あれが桜さんの提案によって書き換えられたとなると、桃の話そうにも話せない過去と何かしらの繋がりがあるかもしれない……そう思えてきたのだから。

 

 それに、あの時俺の夢の中で現れた誰何さんも、その桃の過去の事を何か知っているのかもしれない。わざわざ自分が何者なのかを桃の口から聞くようにと告げてきたし、彼女が全てを物語らせているように感じる。

 

 気になることばかりすぎる。それが桃の話したくない過去と繋がってるかもしれないと思うと尚更……な。

 

 

「じゃあおやすみなさい二人とも」

 

「お休み、また明日」

 

「おう、おやすみ」

 

 

 気がついた時にはそれぞれが別々の帰路へと解散し、俺達もばんだ荘で解散することになった。いつの間に着いてたのか……考え事してると時間が早く経ってしまうんだなって改めて感じたぜ。

 

 

「……あ、そうだシャミ子。結界の中でニセ小倉と何を話してたの?」

 

「え……っ、大した話じゃないですよ⁉︎」

 

「目、死ぬ程泳いでるぞ」

 

 

 そういえば優子の奴、小倉さん救出の時ニセ小倉と二人だけで行動してたんだっけ。あいつに何かされた様子は微塵もなかったみたいだけど(メェール君達召喚獣が即座のバイタルみたいな魔法で調べたところ)、何か隠してるような……

 

 

「……ま、話せない無理に言わなくていいぞ。桃もそんなんだし」

 

「まぁ……それもそうだね。それじゃあおやすみ」

 

「あっ。は、はい……おやすみなさい……」

 

 

 ………………………………

 

 

 

 

 

 

 別れ際の優子は罪悪感を持ったような顔をしていた。なんで隠していることを明かさなかったのか、桃の過去の秘密を聞かないで本当によかったのだろうか、そんな悩みを抱えているかのような感じだった。

 

 いや、どちらかと言えば後者の方を考えていると思う。ミカンがあの事を桃に聞いた時から浮かない顔を浮かべていたから、どうしても気になって仕方ないと思うな。

 

 ……よし、ここは。

 

 

「なぁ、メェール君。突然だけど厨房使わせてくれ。それと豚バラともやし、しめじと葉ネギも使わせてくれるか?」

 

【別にいいメェ〜けど、一体何をする気なんだメェ〜?】

 

「ちょっとな……寄りたいとこへ行く前に、そこへ持っていくためのお手軽なもんを作ろうと思ったんだ。切って焼いて和えるだけ、簡単で短時間で作れるぜ?」

 

【こんな夜遅くに寄りたいところ? ……あぁなるほど、わかったメェ〜。好きに使うといいメェ〜】

 

「ありがとうな」

 

 

 よく考えてみれば、俺達の今があるのは桃のおかげだよな。優子に魔力の事とか一族の事とかを教えてくれたし、俺に優子への想いをどう思えばいいのか考えさせられてくれたし……

 

 最初は俺達というか優子の恋愛事情に植え付ける感じにちょっかいを掛けてくる奴だとは思ったけど、アレも俺達の今後の事を考えての事なんだろうな……

 

 あいつは俺達の事を色々と考えて関わってくれた。助けてくれた。様々な事を考えさせてくれた。色々と恩をくれた。だから今度は、あいつへの恩を返すためにも、優子と一緒にあいつの昔の話を聞かせてもらいたい。

 

 いや、私怨とかあるから言わせてやると言った方がいいかもな。私怨とか、我ながら人が悪いな……

 

 ってことを考えていたら、メェール君に頼んで使わせてもらった具材を焼いてごまだれを和えたものができた。それも念のため複数人でシェアできる分の量のが。この後何をしにこれを持っていくのか、作る前から既に決まっている。

 

 

「あっ、白哉さん……」

 

「……優子か」

 

 

 外に出たタイミングで優子とバッタリ会った。しかも手作りうどんを抱えて。これは……アレだな。

 

 

「それ持って外に出たということは、お前も同じ事を考えてたんだな」

 

「……はい。私達、やっぱり考えていることも同じみたいですね」

 

「あぁ……その事に気づかせてくれたのも、あいつのおかげだしな」

 

 

 ナイスタイミングだった。優子も桃の過去が気になっていることだし、一緒に聞こうって誘うところだったんだ。同じ組織の者は助け合い、気付かない振りしないで手を差しのべあってこそ俺達だもんな。

 

 そう思いながら、俺達は桃の部屋のインターホンを鳴らし、彼女を呼び出した。

 

 

「桃、二次会しませんか? こちらつまらないものですが。私達、桃の昔の話が聞きたいです」

 

「お前にとっては言いづらいことだろうけど、共有して今後のために何かしてやりたいんだ。だから頼むよ」

 

「………………奇遇だね。私も、二人と昔の話や今後の話がしたいなって思ってた。入って」

 

 

 ……よかった、無理強いさせる必要はなかったようだ。あいつもあいつなりの考えでそうしようと思ったんだな。助かるよ、これで桃に優子と二人で寄り添えるんだから。

 

 ちなみに桃の部屋に入る前、優子の桃を観察する裏アカウントは桃の手によって消されました。裏垢は持ってはいけない、はっきりわかんだね。

 

 この後三人だけの部屋で桃の昔の話を聞くことに……ってならず、既にミカンや拓海達といった複数のメンバーが集まっていました。なんで俺達が行動する前に、もう既にお前らがいるんだよ……

 

 




Q. どうして柘榴は桃が世界を救ったかどうかについて聞かなかったんですか?
A. 本編をよく読み返せや。

↓こんな事もやり始めたので、よろしければ
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=313843&uid=379192
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