偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語 作:名無しのモンスター
ちなみに原作者の事で色々と説いている場面がありますが、その人を不快にする気は全くありませんので、ほこのところはご了承ください。
三年G組銀八先生:続きの単行本が長年まだ出てないからって変な考察は控えるように
「起りーつ。れーい。着せーき」
東京都に設立させている、公立銀魂高校。
何故そんな名前なのかを出典先でも全く教えてくれない高校の、三年G組の教室にて。一人の生徒の号令によって授業が始まる……すみません、間違えました。ホームルームでした。
「ふーいお前らー、今からホームルームを始めるぞー」
眼鏡も白衣もネクタイも、全てをだらしなく身につけた教師・坂田 銀八が、やる気のない声でクラス全員にそう言った。
「えー、この小説『偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語』の、現在発売中である原作単行本の話六巻分の話を全部載せ終わって、本編もある程度の区切りがついてきたと思う」
二言目がこれである。突然のメタ発言やめてもろて。
「こっからはペースを遅くするかどうかはまだ決まったわけじゃねェが、本編に追加キャラを出せたらいいなって感じの特別編を出すつもりらしい」
「先生、これ以上作者の許可無しにこの小説の裏話をするのやめてください。色んな人から叩かれます」
続け様にメタ発言どころか、今後のこの小説の物語のネタバレとなる発言をする。それに危惧を感じたのか、生徒の一人であるV字髪で瞳孔の開いている男性・土方に注意を受ける羽目に。助かった……
「はい、注意されたので本題に入りまーす。せっかくこの小説に区切りがつきそうだなってことで、お前らがこの小説に対する質問を、とある人物に答えてもらうことにした」
簡潔に言えば、作者が独断で感じているだろう読者の疑問について取り上げ、それを答えていこうという考えらしい。色々と抜けている作者が執筆するもののため、全ての疑問に答えられるというわけではないのだが……
「ってなわけで、こっからは彼女が作者に代わって質問に答えていくぞー」
銀八がそう言うのと同時に、教室の戸が開く音が聞こえ、一人の女性が教室に入り教壇に登っていく。そして、その者の姿が完全に見えた途端、生徒の大半が仰天する様子が見て取れる。何故なら……
「はじめまして。とある学園からこの時のためだけに一時派遣されて来た、すいかです♪ 『なゆた すいか』。『誰何』と書いて『すいか』って読むよ。よろしくお願いしまーす♪」
質問に答えてくれるというその人物こそが……原作六巻の終盤にて、歪んだ底なしの善意を持ってして六年前に桃を追い詰め、彼女に一時的に完全無力化された謎の敵役──那由多誰何である。
何故本来の人型の姿として現れた……そう疑問に感じる者もいるだろうが、これは本編とは何の関係もない話なので、細かい事を気にしたら負けである。
ちなみに今の彼女の衣装だが、いつも被っている(?)黒い帽子の他に黒い女性用スーツを着込んでいる。とある学園から派遣されたというのだから、自分が教師なのだとを示すためだからなのだろうか。
「みんなが感じてるだろうこの小説に対する疑問に、ぼくが作者の代わりにいくつか答えていくから、みんな遠慮せず聞いていってね♪」
「ってなわけで、誰か誰何に質問したい奴はいないかー?」
「なんでも質問してねー、小説の事ならどんな質問でも大歓迎だよ」
誰何の来訪に一同が戸惑う中、教師の二人が何事も無かったかのように質問を受け付けようとする。それにバッと起立して挙手する者が。
「せ、先生‼︎ ちょっと待ってください‼︎」
ゴリラ……じゃなくて近藤である。
「質問してって言われましても、原作のラスボス候補相手に馴れ馴れしく話しかけること自体俺達には出来ないと思いますが‼︎」
ごもっともである。いくら世界線が違えど、本来の世界の本人の行動や特徴云々で思わず警戒せざるを得なくなることもある。ましてや本来の世界の誰何は狂気に等しいまでの底なしの善意によって凶行を引き起こしているため、その警戒心が強まってしまうのだ。
が、しかし。
「えっ何? こいつウッホウッホとしか喋らねェから何言ってんのかが全然わかんねェんだけど」
「えっまたこのパターン⁉︎」
そんな事は銀八にとってはお構いなし、というかそのような指摘をスルーして近藤をゴリラ扱いする。今はまともな様子なのにこの扱いをされるゴリ……近藤が可哀想。
「あー近藤君ちょっと待っててね、今から動物の言葉が分かるように巨大ナマズの姿に変わるから」
そう言うと誰何はギャグ漫画のように一瞬にして姿を変える。影のように全身真っ黒で、誰何の身長と同じ大きさのナマズとなっており、しかも身体中の複数の目が生徒達を見据えている。
『はい近藤君、もう一度お願いね』
「いやナチュラルに読者のトラウマになるヤツにならないで⁉︎ 後自由に姿形を変えられるのそれ⁉︎ そしてなんでナマズ⁉︎」
本当に何故ナマズの姿になったのだろうか……そして複数の目を覗かせるのは大半の者達に結構堪えるのでやめてもらいたい。
そんな中、近藤のストーキングによく遭っている女子生徒・妙が立ち上がる。
「先生。ゴリラと巨大ナマズがいたら、ここはもう学校でも動物園でもなくてアフリカのジャングルです。帰っていいですか」「えっ⁉︎」
「よし分かった。近藤、誰何、妙。お前ら全員アフリカに帰れー」
銀八、余計な一言のせいで妙にゲシゲシと蹴り倒される。生徒が教師に暴力を振るってはいけないが、二次創作なので多めに見てほしい。
ちなみに誰何もノリで、地上に打ち上げられた魚のようにビチビチと動きながら銀八を叩きまくっている。なんか『ヘイヘーイ』と言いながら。
『フゥ……で、二人とも今さっきなんて言ってたの? この姿だと人間の言葉を全然聞き取れないんだよねぇ。ゴリラ語も翻訳されるはずなのに』
「だから俺はゴリラじゃないです‼︎ ゴリラに似てるかもだけど‼︎ ってかなんで逆に人間の言葉分からなくなるの⁉︎」
結論。当然近藤はゴリラの言葉で話してないため、誰何のこの変身は無意味なものとなった。なんでこんな無駄な事してんだと思う者は多いだろうが、これはコメディ小説なのだ。こういう流れが無いとこの小説の面白味がないというものだ。
「はーい。私が翻訳してあげるから、誰何はそれだけをよく聞いといてねー」
そう言って挙手しながら誰何に近藤の質問を代弁すると伝えてきた者が。桃の姉・桜である。一応誰何と同じ学園の教師のはずだが、何故か元からこの銀魂高校の生徒としていたみたいな感じになっている。
「いやお前この学校の生徒じゃねェだろ桜。ってか誰何と共闘した事ある魔法少女なら、どっちかというとお前も教師側だろ」
無論、この小説を読んで察せられる上に同じ教師でもある銀八はそれを見逃さずツッコミを入れる。
「多分高校生の時ぐらいにコアになって、シャミ子ちゃんの体内に入っているので、実質歳を取らずに永遠の高校生をやってるようなものです。なので私もこっち側にいてもおかしくないですよ、先生」
「永遠の高校生は留年し続けている底知れないバカでしかねェよ」
正論である。二十代の高校生もある意味キツいものだ。特に社会的に。
「近藤君が言うにはこうです。『原作者は現在身体が弱いらしいため、よく原作を休止させてしまいます。このままでは連載中・または連載休止中に死んでしまう恐れもあり、それによって原作が打ち切りになる可能性があるのですが、それについてどうお考えになりますか』とのことです」
「んな原作者に対する不謹慎な事は言ってません先生‼︎ 言ったとしても周りから叩かれるだけでは済まないことが起きると思います‼︎ やっぱりこの子もバカです‼︎ ってかそれ捉え方の浅い作者の勝手な妄想じゃね⁉︎」
原作に関することかつ今後のこの小説に関わる質問。それが下手するととんでもない失態となる内容だが、そんな事などお構いなしに勝手な解釈(とは言えないヤツ)をする桜。これには近藤も今後の小説の未来の不穏を悟り、再びツッコミせざるを得なかった。
※ちなみに不謹慎な言葉はぼかしで隠しております。調べようとしないでくださいお願いします。
『ふむ、ふむふむふむ……』
桜による翻訳(という名の原作者アンチとなりそうな発言)を聞いた誰何は、生やしているナマズの髭みたいなものを腕の代わりにして組み、考えている人の素振りを見せる。そして……
『………………銀八先生、桜ちゃんは今なんて言いました?』
単純にこれも聞き取れなかったのか、銀八に問いかけた。
「聞き取れてねェじゃん‼︎ なんとなく察してたけどやっぱりこれも聞き取れてねェじゃん‼︎ やっぱりその姿になった意味なくない⁉︎」
ごもっともである。
「ヒソヒソヒソ……」
『あぁ、そういうこと』
「なんで銀八先生の言ってる事は分かるんだよ⁉︎ ってか先生何語で翻訳してんの⁉︎」
銀八が誰何の耳元で耳打ち……耳が見当たらないから横顔に耳打ちしてる感じに話しかけたところ、彼女はようやく質問を理解した様子を見せる。やっと区切りがついたと思ったのか、即座に元の人間の姿へと戻る。
「原作の今後の考察もこの小説に関わることだからね、ズバリお答えするよ」
そう言って誰何はフンスッと胸を張りながら、何処からか取り出した黒い縁の眼鏡を掛ける。それで賢い答えを出せると思い込んでるのかこのアホ教師は。
「原作者は伊藤いづも先生。先生は二千十九年十一月に『自律神経失調症』による体調不良で長期休載していた経緯があって、その二年前には原作連載中に一度高熱を出し、扁桃腺を大きく腫らして完治した後に、疲労するたびに喉と耳の奥が腫れる癖がついてしまったんだって。それと、アニメ化関連の仕事が大部分終わると同時に疲労や緊張による自律神経の乱れを起こしてしまったとか……」
「先生、これ以上原作者がこれまでに発症させてしまった症状の事を言わないでください。デリカシーの問題でこの小説が多大な批判を受けます」
原作者の事について説明し続ける誰何に土方が待ったをかける。それに気づいた誰何がテヘペロ顔をしながら握り拳を額にコツンッと当てる。あざとい事をすれば良いってものではないぞ。
この小説が批判を受ける……イヤダ……ゼッタイイヤダ……
「それでもね、いづも先生は頑張って漫画を描いてるんだよ? 何度も体調不良になりながらも頑張って連載を続けているんだよ? そんな人が死ぬとかどうとかを勝手に考えるのはやめた方がいいよ? それこそいづも先生に失礼だし、何よりかわいそうだよ」
いづも先生への風評被害の声が出ていると思い込んでいるのか、誰何は頬を膨らませながらも真剣な眼差しで一同にいづも先生の意思を説いた。
いづも先生、誠に申し訳ございませんでした。 by.作者
「まぁ要するに、一言でまとめるとこんな感じかな。と言ってもデリケートな話題だからってのもあるから、字を伏せた写真で見せることになるけど」
そう言いながら誰何は一枚の巨大な写真の貼られてあるカンペのようなものを取り出す。そこに貼られてある写真には……
一枚の八分の一サイズのスイカの皮が置かれてあり、そこに赤い文字で『人を本業の出来ない病人だと思い込むなよカス共が 特にクソ作者』とはっきり書かれていた。
「こんな感じだけど、まぁ文字なんか隠して見えないようにしてるから分かるわけないよね♪」
「先生‼︎ 全然隠せていません‼︎ スイカの皮にとんでもない悪口が書かれてます‼︎ ってかなんでスイカの皮で隠そうと思ったの⁉︎」
スイカの皮、とんでもない言葉をオブラート代わりとして隠すことが出来ず。というかその言葉を書かれている。なんだこれ。
「まぁこの言葉を言い換えるとアレだ。原作者の身体の調子や今後の漫画の進捗を勝手な考察してる暇があるなら、百合破壊の類の作品を見て性癖を破壊されながら待ちやがれクソ野郎ってことだよ」
「百合破壊とかとんでもないワードを入れながら暴言を追加しないでください。ツイートで炎上する可能性が出てきます」
銀八の余計な言い換えに妙がやめろと指摘する。別に百合を完全否定しているわけではないが、ねェ……?
「はい、他に誰何にこの小説に関する質問したい奴いないかー?」
「先生怖くて出来ません‼︎ 『銀魂 THE FINAL』のED後のおまけと同じ不穏感が‼︎」
「じゃあぼくのスリーサイズでも聞いていいよ? ぼく本編のキャラだし、それにみんな気になってるでしょ? 特に男の人はおっぱいの方を」
「それはそれで罪悪感デカくて聞けません‼︎」
質問(?)一つ目が終わって早々に感じる不穏さ。二つ目以降も不謹慎な解答が出てくるのだろうか。そして何故スリーサイズを答えようとしているのだろうか……いやこれは別にどうでもいいか。
ここで生徒の一人・神楽が銀魂本編では掛けてない伊達眼鏡をクイッとしながら質問をする。しかもいつもの典型的な協和語ではなく標準語で。
「はい先生。原作六巻編で登場したキャラに関して質問があります」
「おっ? やっぱりぼくのスリーサイズが気になったのk」
「いえ違います。大体誰何先生は原作五巻編でフライング登場してましたし」
自分に対する質問ではなかった。誰何はそれに気づいたからなのか、むうっと頬を膨らませながらの暗い表情で教卓に指をついてグリグリと弄り出す。ミステリアスで特殊な恐ろしさのある敵なのに可愛いと思えてしまう。可愛い。
「私が聞きたいのは魔王シャドウミストレスについての事です」
そんな誰何を無視して、別世界のシャミ子・魔王シャドウミストレスに関する質問をする。
「魔王シャドウミストレスは白哉を含めた知り合いほぼ全員殺された、未来の並行世界から時空間へと来たシャミ子だと聞きました。けど問題なのは、彼女がどうやって時と世界線を超えて本編の世界に来たのかです。その経緯については本編で一言も語られてないのですが、実際どうなのですか?」
「並行世界かぁ……」
神楽の質問に対して何か思う事があったのか、誰何は顎に手を当てて考え事をする。『う~ん』と唸るような声を漏らしていく内に、彼女は再び口を開く。
「並行世界と言えば、銀魂の映画完結編の方が結構印象が残ったよ。五年後の新八君と神楽ちゃん、衣装も口調もクール&ビューティーって感じで結構良かったんだよね。なのになんで途中で変えちゃうのさ。いつもの感じのがほしいのなら、現在の自分達と共闘するって感じにすればいいのに、五年後のを現在寄りにするとか明らかに勿体なさすぎるよ」
「いや何の話してるんですか先生⁉︎」
質問に関係ない事を呟く誰何に思わずツッコミを入れる近藤。しかも『銀魂 THE FINAL』の時以上にツッコミを入れる回数が多いというね。お疲れ様です。
「ごめんごめん、質問の無視はかわいそうだよね。じゃあ答えてあげる。確かに魔王になった世界線のシャミ子ちゃんが本編の世界線に来たのか気になるところ、それでいて本編でもそれを教えてくれなかった……きっとそれを教えてしまったら、白哉君が自分の過去の世界に来てしまう恐れを感じたからだろうね」
あり得るかもしれない白哉の今後の行動。それが最悪の結果になる事を恐れ、魔王シャドウミストレスは敢えて時空間へ来た経緯。教えなかったのだろう。誰何はその説を説き、一同を『あぁ……』と納得させる。
「ま、結論からすると以下の写真の通りだね」
そう言いながら、またもや一枚の巨大な写真の貼られてあるカンペのようなものを取り出す。そこに貼られてある写真には……
またもや一枚の八分の一サイズのスイカの皮が置かれてあり、その隣には『魔王のシャミ子が単に教えるかどうかすら考えてなかったし、白哉も聞かなかっただけ まぬけでワロタwww』とはっきり書かれている紙が置かれていた。
「結局これもシークレットだけど♪」
「それも全然シークレットになってません‼︎ もうスイカの皮はただ添えられてるだけになってます‼︎ っつーかそれが真相とかなんか嫌なんですけど‼︎」
最早スイカの皮を使うことすらしなくなった。しかも隠されなかった文が明らかに白哉とシャミ子をバカにしているようなものだった。
「まぁ俺が補足するには、二次創作にそんな細かい考察する必要はねェってことだ。深く考えても意味なんかねェんだよ、時間の無駄無駄。そんな事して原作に何かしらの影響が出るわけねェんだからよォ。考察は原作のだけにしなさい」
「やめてェェェッ‼︎ この小説を否定してることになるからそんなこと言わないでェェェッ‼︎」
銀八先生、アンタはこの小説どころか他の二次創作にまで敵に回す気か。近藤以外の実際にツッコミを入れてない者達もそう心の中でツッコミを入れる。
「他に質問したい奴はいるかー?」
「いつ○○○ヤるかとかでもいいよ♪」
「いかがわしいし最早小説関係ねェェェッ‼︎ とにかく先生もうやめてくださいボロが出て周辺から叩かれるだけです‼︎」
いづも先生の事を語った時点でもう手遅れだと思うが。
と、そこに桜が静かに挙手してきた。それも何やらシリアス展開でよく見る真剣な眼差しで。
「誰何。確かオリキャラの奈々ちゃんは魔法少女だったっけ?」
「えっと……うん、彼女も魔法少女だね」
「『まちカドまぞく』の世界の魔法少女にはナビゲーターが?」
「……付いてくるね」
「もひとつ質問いいかな」
一通り誰何に質問した桜は、突然として彼女に背を向け……間を空けてからそのまま誰何の方に鋭い視線を向け、口を開く。
「奈々ちゃんのナビゲーター、どこ行った?」
「‼︎」
桜が発した質問に対し、銀八は『まさか』と言っているかのように目を開く。そして誰何は溜息をつき、眼鏡を付け直してから桜を睨んだ。そして……
「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
「二人とも急にハガレンネタ始めないでください、ハガレンを知らない人達がついていけてません」
別作品のネタをノリで行っているだけだった。その事をマダオ……じゃなくて長谷川が指摘するも、両者ともハガレンフェイスを崩さず睨み合うままである。
「ま、あの奈々って奴は名前と自分が魔法少女である事以外をほぼ全部忘れてしまってるからな。その記憶喪失が奴のナビゲーターが出ない事と関係してるかもしんねェ。続報を待てってことだ」
このままでは埒が開かないと感じたのか、銀八が奈々の設定について語りながらいい加減な発言をする。二人がハガレンごっこらしき事をやめるのを待ち続けても時間の無駄だとも感じたのだろう。ぶっちゃけその通りだが。
「はい、他に質問したい奴はいないかー?」
「先生‼︎ オバZは魔族として本編に出てくれるのでしょうか⁉︎」
「出れるわけねーだろ‼︎ っつーかそれ別作品の二次創作でも引っ張る気かよ引っ込め‼︎」
桂小太郎、エリザベスフェイスで主張しながら本編でのゲスト参戦を狙っていた模様。だがそれは銀八にばっさりとあしらわれたことで失敗する。哀れである。
そんな哀れな桂が本編に出れないことに嘆く中、教室の戸が開かれる音が。その音の後に続くように入室して来たのは、原作『銀魂』ではツッコミの概念を知らず小説版『3Z』では堂々とポケをかましまくった不良男子生徒・高杉である。
「先生。原作五巻編で出て来たあのドリアって男、あいつは一体何者なんスか。本編の誰何の味方として暗躍していた可能性や主人公の父親・黒瀬を襲った化け物を使役してた可能性もあると思うんスが」
「な、謎に触れた‼︎ 高杉君がみんな気になっているだろう一番の謎に触れたぞ‼︎」
やっとまともな答えがくると感じたのか、ここまでほぼ全部のツッコミをしていた近藤が歓喜の声を上げる。原作で洛陽決戦篇以前はボケもツッコミも過去の回想以外ではして来なかったためある意味常人枠と思われる者から質問がきた、そんな感じだろう。
その質問が重要なものだったのか、銀八が気怠な様子を見せるのをやめ、いつもよりも真剣な眼差しを高杉に向ける。それに気づいたのか、誰何もハガレンフェイスを完全に解き、バツが悪そうな表情になる。
「それは今後の展開を考えて敢えて言わないことにしてんだよ。それともアレか? ネタバレされてまでも奴が何者なのかってのを知ってもそれを受け止める覚悟があると?」
「……あぁ」
どうやら高杉は、ドリアの正体が何者かを本編を先取りしてまでも知りたがっていた様子だ。どうしても引き下がる気がない彼の真剣な眼差しを見て、銀八は一つ溜息をつきながら視線を誰何の方に向ける。
「誰何先生、頼む」
「……分かりました」
誰何は何かしらの抵抗をする前に、既に心が折れた。銀八と高杉、二人の真剣な眼差しでドリアに関する謎を知ろうとするその意思に押し負けたのだ。
「じゃあ……その質問に答えるから、心して聞いてね」
意を決した表情となり、高杉の顔を目線を合わせるように見ながら、誰何はゆっくりと口を開いた。
「実を言うとね? 本当はドリア君の初登場回か桃ちゃんとぼくの戦闘回のどちらかで、ちょっとだけ明かそうかなって思ってはいたよ? でも書いていく内にね、文字数の多さやその展開を入れる気力が失われたりとかで後回しにしちゃって、完全に明かすタイミングを逃しちゃったんだ。というかその他の回でもそんな感じなのが多かったかな。大体がぶっつけ本番のテンションで執筆しちゃってるから、前もって組んでいた話のプロットやキャラの設定を勝手に色々と変えちゃう癖がよく出てしまうの。だから白哉君のモノローグで何を考えているのか分かりにくかったり、魔王シャドウミストレスが過去の並行世界に来た経緯や奈々ちゃんのナビゲーターについても書かずに放置しちゃったりと、色々と抜けてしまう部分が多くなっちゃうんだよね。時々深夜テンションや出勤前テンション、ノルマ文字数テンションなどでもそういう抜けてる場面が多くなっちゃって───」
「身も蓋もねェェェェェェッ‼︎ せめてスイカの皮で隠せェェェッ‼︎」
途中から気の抜けた表情になりながらの、とんでもないカミングアウトをする誰何氏。しかも長々とした説明で、小説の執筆全体に関する事主体で答えるように、だ。不謹慎以上のとんでもない失言に近藤は怒号を上げてツッコむ他なかった。
「というかさ? ぶっちゃけドリア君が今生きてるのかとか、そもそも黒幕に近いポジションとかで配置されてるのかとか、そういう細かい設定も考えてないんだよね。生死も不明な謎すぎるキャラになっちゃってどうしようかと考えたんだけど……」
腕を組み、困り事でもあるかのような素振りを見せる誰何。腕組みを解いたと思いきや、今度はグッと立てた親指を自分に差し、満面の笑みでこう語る。
「最悪、原作でぼくが辿る結末次第で決定しようかと思ったわけ。例えば生きて和解するかとか、無力化された時点でもう退場したのかとか、でね♪」
「オイィィィッ‼︎ 最終的に自分の現状か未来のどっちかで他人の設定を決めるつもりだぞこの人ォォォッ⁉︎」
そもそも原作を待っていたら、次にドリアを正体を明かそうとするタイミングはいつになるのやら……周囲は思わずそんな不安を頭に過らせる。
「ってなわけで、とりあえずぼくは七巻編以降でどうなるのか、みんなで考えるために多数決で決めるよ。生きてるか死ぬかって感じでいいかな」
「民主主義で自分の末路決めんな‼︎」
軽い感じに自身の生死を生徒達に決めさせようとする誰何。そんな事をしても原作での結末がどうなるのかが変わるわけではないのだが……という疑念を周囲が感じながらも、彼女はそんな事お構いなしに多数決の内容を黒板に記入する。
ちなみにこの多数決で出てきた択が……
・生きて和解する
・復活するもまた死に近いところにいる
・まだやれるとか言っといて結局記憶を失って転生した
・どうでもいいからもうドリアの事を教えろ 一票
………………ん?
「はい、これ。『生きて和解する』か『復活するもまた死に近いところにいる』か『まだやれるとか言っといて結局記憶を失って転生した』か、好きな方を選んでね」
「先生、既に関係なさそうな択に一票入れないでください。自身の行先を投げやりにしてるように見えます」
四つ目の選択肢を敢えてなかった事にするかのように、他の三択のどれかを選ぶようにと促す誰何。きちんと多数決をするようにと九兵衛に指摘される中、銀八が溜息をついて頭を掻きながら補足に入る。
「つまりアレだな。出す予定であるオリキャラのある程度の設定は、すぐに決められそうだから早めに決めておかないといけないってこったろ。原作に依存すべき点ばかり気にし過ぎて、本編の展開とか色々なところを詰ませたら本末転倒になるわけだ」
メタい。いくらなんでもメタ発言のレベルが高い。
キャラの一定の設定を決めておかなければ本編は進まない。進みはしてもまだある程度の性格や立ち位置云々の決まってないキャラを出さないままにすれば『あのキャラの正体は結局何だったのだ』と思われる始末となる。フードの人物もとい銀狼も六巻編になるまではその位置に当たっているのだ。
「っつーわけで、現時点ではドリアはどういうポジションなのかを一時的に決めるために、また多数決を取るぞ」
「アレ⁉︎ なんか誰何先生が出したヤツが無効となった気がするのは俺の気のせい⁉︎」
大まかな点は後回しに決めても問題ないと判断されたせいか、誰何が書いた多数決の内容は全て消されてしまった。代わりとして銀八が新たな多数決案を黒板に記入し始める。その内容が……
【ドリアは簡潔にいうとどんな奴?】
・白哉達の味方
・誰何の味方
・どちらでもない
・本編オリジナルの黒幕
・そんな事よりもみんなskebに小説リクエストしてね☆ 本編よりも優先的に書くから☆ 二票
………………アレ、デジャヴ?
「はい、ドリアは簡潔にいうと『白哉達の味方』『誰何の味方』『どちらでもない』『本編オリジナルの黒幕』のどちらだと思うか、お前ら好きな方に入れとけー」
「先生、既に先生が書いてない長い文の方に票を入れてる人達がいます。それも他校からの人達が入れてます」
「「てへっ☆」」
五択目は銀八が書いたものではなく、誰何と桜が共謀して密かに書いた択であった。当然バレないわけがなく、妙に指摘されたことに気づいた二人はてへぺろ顔を見せる。だからそれすればいいってわけじゃないからな。
「というわけで、作者はskebで小説のリクエストを承っている。金払ってでもこんな話を優先的に読みたいって奴がいたら、今すぐ以下のリンクに飛んでいけ。そっちでの名前は『O.K』だが、ちゃんとこの小説の作者のリンクもあるから同一人物だぞ。払う金が高ければ高い程率先して書いてくれるはずだ」
『https://skeb.jp/@LgWk09OtmVn1bct』
「先生、姑息な宣伝やめてくれやせんか」
まさかのskebやってるよ宣言。しかも募集の呼び込み。これにはさすがのマイペースなドS王子の沖田もツッコミをせざるを得なかった。そこまでしてお小遣い程度でも金がほしいのか作者は。
「じゃあskebに一票」
「私もー」
「俺もー」
狙ってやったものだからなのか、土方を中心に次々とドリアの件に全く関係のない『skeb』に投票が入る。そんな催促でskebにリクエストする輩が次々と出てくるとは限らないのだが……
そんな中、原作『銀魂』ではツッコミをよくやってる癖におまけアニメ『三年Z組』では全くツッコミどころか会話に参加せず、今回もずっと黙ったままの新八が立ち上がり、一言銀八に投げかけた。
「先生、『この回自体を無かったことにする』に一票で」
正しく、今回のオチに相応しい一言だった。ドリアェ……
完
なんかもうホント、色々とすみませんでした(震)
次回からは本編に繋がる(といいなって感じの)特別編を不定期でお送りします。いつも通りの週一だったりそうでなかったりとすると思うのでご了承ください。