戦闘後
なお非日本人ではないため文章力は微妙ですのであしからず
────音が聞こえる
まるで波のような、揺蕩うような音。
しかし波の静かさなどではなく、もので例えるのなら、本当になにも「ない」のが正しいのだろうか。
しかしそんな空間から、誰かの声が聞こえた
「あ~~あ、こっ酷くやられてるねぇ~情けないなぁ~?」
声を聞いたのか少年──
周囲はほぼなにもない、青黒い空間だけが存在する。そしてそんな空間の中、彼以外にもう一人の男性は、まるで空中に椅子がいるかのように足を組みながら座って、零導を嘲笑っている。
「……ここは」
「ただの何もない場所さ。今の君はまだ気絶してる最中だからな」
「そうか、あの時…首切られてたな」
意識失う直前の戦闘を思い出して、やや納得してる表情しながら起き上がる。
「にしてもまぁ、メス一人にあれほど一方的されてるなんて、流石に恥ずかしいねぇ~俺だったらこのまま死にたくなるくらいだよ」
「いや、実際見くびったのは事実ではある。判断ミスは何箇所もあったし、最後の詰めの甘さも……」
「あ~~~はいはいはい、そういうのいいから」
煽りが通じなかったのか、男性はため息をつきながら、空の椅子から降りてきた
「お前はそういうやつであることすっかり忘れてしまったわ。それで?お前はどうする?」
「……起きるまでどうしようもできないだろ、強いて言えば戦いの反省をするどころか」
零導は戦いの過程を思い出す。最初から最後まで流れは相手にほぼ掌握されたようなものだった。最初の一撃以外、ほぼ全部だ。自分の判断ミスで、自分だけでなく、妹にも、おそらく仲間たちにも迷惑をかけてしまったのだろう
最初…ならもし最初から───
「何考えてるかわかるぜ。迷惑をかけるくらいなら最初から相手を殺したほうがよかったとかそんなものだろ」
その言葉に、零導は少し躊躇った。
「否定はしない、だがしたところで、どこまで差が広げられるのかは未知数だ。それにあくまで今更の考えであって。今負けたという事実に変わりはない」
「よく分かるじゃないか。なら起きれたら、成すべきことはわかるな?」
「...ああ。多分は」
そしてしばらくした沈黙のあとに、空間が揺らぎ始めた
「おっと、そろそろ目が覚める頃合いかな?」
「そうだな…世話になった」
「できればもう来ないことを期待したいけど、まぁ〜無理だろうな。また来たら盛大に煽り散らかしてやるから、ほら散った散った」
男性は零導にシッシッと手を振り、それに対して零導も軽く頭を下げた後、ゆっくりと意識がおぼろげになっていく。
最後に、かすかな声が聞こえた
「もうしばらく、じっくり傍観してやろうじゃないの」
────────────
そして零導はゆっくりと、目を開く。
そこには見知った天井、そしてよく感じる自分の部屋の独特な匂いと感触。
彼は体を起こそうとしたが、ふと右手に重さを感じてしまう。
目を配ってみたら、そこには両手で彼の腕を握りしめながら静かな寝息を立てている、青髪の小柄な少女がいた。
「んんん...」
動きを感じたのか、少女は声をあげながら瞼を開く。
「にぃ……にぃ!?」
最初はまだ寝ぼけているのか、二色の目をこすりながらだらしない声を出していたが、目に焦点を合わせた直後にすぐさま跳ね上がって大声を出した。
「おい、いきなり大声を」
「にぃい!!!」
少女はそのまま押し倒そうとする勢いで彼を抱きしめた。当然零導は鍛えてる男とは言えども、起きた直後からの不意打ちもあって、そのまま勢いに押されたままベッドにおされてしまう
「うおっ…おい
「無事で…よかったぁぁ~…!!」
「いやっ、だから…」
「このまま死んちゃうじゃないかって…怖かったよぉ…うぅ、ぁぁああ…!!」
「っ……そうか」
零導の文句を遮るような形で、妹───朝倉紗由は彼の胸元で泣き出した。
彼女も当時の戦いに参加していて、兄である零導がそのまま切られているところを間近で目撃してしまった、吹き出した血液が顔や体に大量に付着しているほどに。
最終的に、彼女はそれほど大きい負傷はなかったものの、兄の負傷を目の前で目撃してしまったことに、精神的かなりダメージを負ってしまったのだろう。
だからか、兄が目を覚ましたことに安堵したのと同時に、心の中に貯めてた感情が無意識に爆発してしまった。
「にぃはすぐ無茶するから…昔から、ずっと…。今回だって、だめだと思って…うぅっ」
「すまないとは思ってる…」
「だって、だってぇ~…本当に、にぃが、死んちゃったら、私、わたしっ...」
「それほどの無茶はっ……」
泣き声でなんとなく察してしまったのか、零導は言いかけた言葉を飲み込み、そのまましばらく胸を貸した。
「……ごめん」
「ばかぁ…ばかぁ~~…」
「……うん」
二人はそのあと言葉は交わさず、片方は泣き続け、片方はただ相方の頭を撫でながらそれを受け止めるだけだった。
どれくらい経ったか、やっと泣き止んだ紗由はやっと零導から離れた。目元がガッツリ腫れており、若干鼻水なども服につけてるほどだ。
「ごめんね、ちょっと落ち着いたから…」
「…いや、心配かけちゃったこっちが悪かったから」
「うぅ、理性取り戻したら恥ずかしくなってきた」
「それ、今更な気がするけど…」
「ちょっ!?さすがに傷つくけどぉ!?」
紗由はそのまま体を起こしてそのままベッドから降りる。さっきの酷い?言われようで若干ご立腹なのか、頬を膨らませて不満を示している。
「そりゃ、子供の頃からずっとこんな感じだし」
「ううっ…否定できない…迷惑だった?」
「いや?思ったことないが」
「そ、そう…そっか…うひひ」
それを聞いて、何故か思わず嬉しくなって、つい頬を緩んでしまう紗由。
そしてこうしてダラダラしていたら、扉の向こうにもう一人の気配を感じた。
「ただいま~~。紗由ちゃ~ん、零導くんの調子はどう?って、あら?」
部屋に入ってきたのは、ぱっと見て20代前半くらいの女性である。
サラサラな蒼髪にサファイアと思わせる蒼瞳、百人中百人でも美人だと断言できるほどの麗しさを秘めてる外見20台前半くらいの女性だ。
「もう起きてたのね、よかった」
「あ、美幸さんだ」
「どうも……そうか、美幸さんが傷を治してくれたのか」
「まぁね、でも本当に危なかったからね、あと3分…ううん、1分でも遅かったら恐らく失血死しちゃったかもしれなかったよ?任務を全うのはいいけど、無理し過ぎはよくないからね?」
「そうだったのか…迷惑かけちゃったな」
「いえいえ、私は前線で戦える人ではないから、これくらいさせてよ。むしろ本職なんだから」
女性───朝倉 美幸(みゆき)は優しく微笑んだ。外見こそ若いが、実は朝倉兄妹の叔母にあたる女性だ。過去に色々あったため、身体年齢の成長は他人より衰えるけど実年齢は優に30を超えてる。ちなみに現在は知り合いの個人病院で働いており、医者と看護師両方のライセンスも持ってるというハイスペックな女性だ。零導の傷を的確に治癒できたのも、能力だけでなく持ち前の技術もあるだろう。
「……そう言えば、親父は?」
「よっくんならしばらく出かけてるよ。 『あいつが今必要なものを取ってくる』って。」
「……そうか」
いつも通りだった、と零導はボソッと言葉を口にし、そのまま目を閉じる
「すまないがもう少し寝たい。」
「あ、にぃまた寝るの?」
「回復に専念しないと練習もできないし、これ以上迷惑はかけれない。」
「あらら、じゃあにぃがいつでも起きて何か食べれるように、料理作ってくる!」
「いいね、私もお手伝いしましょうか?」
「はい!是非!」
紗由と美幸はそのまま部屋を出てしまい、一瞬で中が静まり返った。
そして残された零導は、しばらく天井を見つめながら、目を細めた。
(そうだ、これ以上迷惑はかけられない。)
(鍛えないといけない、力を手に入れなければならない)
(そして…)
「なにがあっても、あいつは必ず殺す」
その目には、自分の不甲斐なさと覚悟、そしてそれとは違う、彼らしくない「黒い感情」が混じりながら、ゆっくりと眠りにつける
ちなみに美幸さんが料理に乱入したせいで、10%ダークマターになる呪いが発動してしまい、ご飯が白米だけと、わりと寂しくなったのは別の話。
「…もしもし、私」
「……うん、大丈夫だったよ」
「……ええ、やはり思ってる以上に悪化してる」
「…大丈夫、ある程度祓ったから」
「わかった、そっちは?」
「うん…うん、なるほど」
「こっちはなんとかできそうだから、心配しないで」
「うん、じゃっ」
ピッ
っとまぁ、色々と?ちょっと補完