ナルトが綱手に引き取られる話 作:tanaka
木の葉崩しから数日。
木の葉の里の各所で里の復興が進められていた。
里の復興と一言で言っても、やるべきことは沢山ある。
瓦礫や半壊した建物の撤去。
新しい家屋の建設。
道路の整備。
食料の確保。
任務の消化。
里の警備。
この内上忍のほとんどは任務の消化に駆り出される。彼等は寝る間も惜しんで働き続け、木の葉の信用を守り続ける。
里の警備はうちは警務部隊の仕事だ。彼等も警備の緩くなった里の安全を守るため粉骨砕身で働いている。
肝心要の里の復興は、中忍が中心になって行われる。
普通災害の復興には数年をまたぐことが当たり前で、瓦礫や半壊した建物の撤去だけでも半年以上掛かるのが普通だ。
しかし、この世界には忍術という便利な能力がある。さらに、木の葉には木遁を使えるヤマトや、土遁を使える忍が多くおり、かなりのスピードで復興が進められていた。
それでも忍者だけで行うには仕事量が多く、一般人や近隣国…波の国などから大工や日傭労働者を雇い入れられている。
当然、そうなってくると唯でさえ不安のある警備に更に不安を生じさせることになるが、そこはうちはに頑張ってもらうしかない。
ちなみに、下忍であるナルト達も復興作業に従事している。とは言え、下忍で性質変化が使える者はそう多くないので専ら雑用が彼等の仕事だ。
資材を運搬したり、伝令を伝えたり、弁当を配ったり、やるべきことは腐るほどある。
さらに、下忍の中でも優秀な者達は本来中忍らがやるべき仕事を任されることもある。
たとえば、サクラは医療忍術を使えるので、医療班に組分けされ、負傷者の治療に当たっていた。
サスケは火遁が使えるので瓦礫の滅却などを手伝っている。
チョウジは倍化の術で、重量物の運搬を任される。
ナルトはお得意の多重影分身を使って、西に東に奔走し、下忍で一番大活躍をしていた。
もっとも下忍で一番騒ぎを引き起こしていたのもナルトだったが。
「弁当持ってきたってばよ!」
バンッ!と扉を開けてナルトが入っていったのは、木の葉第一病院の控え室。
現在、そこではナースやくノ一が着替えをしていた。
バッチリとナルトと看護師とくノ一達の視線がかち合う。
「「「「きゃああああああ!!」」」」
「うわわわわ!!」
「あー!またこのエロガキよ!」
「あの変態だわ!」
「これで何度目よー!」
「三度目よ!三度目!」
「わざとやってんじゃないでしょーね!」
「立て札見ろって言ったでしょーが!」
「こ、今回はちゃんと確認したってばよ!掛けてなかったってばよ!」
ナルトの言ったことは真実であり、「立ち入り禁止」の札を立て掛け忘れていたのは彼女達のミスだった。
しかし、そんなことは関係ないとばなりに目をつり上げた看護師達に、なぜか置いてあった縄を使って縛り上げられ、即座に吊し上げられるナルト。
このナルトは影分身なので強く縛りすぎると消えてしまうが、前回の反省を活かしたのか、消えないギリギリのラインを攻めた絶妙な縛りで、鍋に入れられる予定の豚のように天井に吊るされ、説教を受ける。
「不幸だってばよー!」
この一週間で何度目かになるナルトの悲鳴が響いた。
✝️
その日の夕方、火影が決まるということで、同期一同で火影邸の前に集まっていた。
現在いるのはシカマル、チョウジ、シノ、キバ、サクラ、サスケの六人で、そこに仕事を終わらせたナルトがやって来て加わった。
ナルトの両頬は見事に腫れており、何かあったことは明白である。
あの噂は本当だったんだなと、シカマルは納得し、ナルトに声をかける。
「ナルト、またやらかしたみたいだな。噂になってるぞ」
「もう噂になってるのかってばよ」
「今週だけでも…着替え中に入ってきたとか、突然水を掛けられたとか、胸を揉みしだかれたとか、色々な」
「全部事故だってばよ…本当に不幸だってばよー」
「どこが不幸なんだよ。羨ましいにも程があるぜ」
「わん!」
「いや、その後ボコボコにされるんだってばよ…木の葉の女は皆気が強いってばよ…見てくれよこの頬の腫れ!」
「気が強いって言えばイノの話だが…理由は知らねえが、なんかスゲエ怒ってたぞ…」
「うげ!まだ怒ってたのかってばよ!?うわー、この後会うんだよなー」
「その反応…やっぱりナルトだったか」
「んで、何やらかしたんだよ…このキバ様に教えてくれよ」
「俺も興味あるな…聞いても答えてくれねえんだ、相当なことだぜ」
「いや…そんな大したことじゃねえんだけど…今朝仮説トイレに入ったらイノがしてたんだってばよ…危うく殺されかけたってばよ」
「そりゃ当たり前だ…よく無事だったなお前」
「ま、何にせよイノには気を使うんだな…拗らせるとめんどくせえぞ」
「頑張るってばよ」
そんな事を話しているとイノが小走りでやって来た。
「はぁ~、ようやった終わったわー!まだ火影様は決まってないわよね?」
「ああ、まだ決まってないぜ…て、そこ段差あるから気を付けろよ」
「え?………とっ、わととっ!?きゃああ!」
注意が一瞬遅かったのもあり、 急いでやってきたイノは不運にも段差に躓き転倒する。
「あぶねえってばよ!」
ナルトは生来の優しさを発揮し、考えるより先に体が動いていた。
ドガーン!と特大の衝突音。
それと共にひんやりとした地面の冷たさが体に伝わり、ヒリヒリとした刺激が腕を伝う。
「いてて…腕すりむいた…でも、なんとか間に合ったってばよ…大丈夫か、イノ……怪我はな、……へ?」
ナルトの想像では自分が下敷きになりスマートに助けているはずだった。
しかし、目の前には自分の顔を挟むようにある肌色の太ももと白いパンツがあって
な、なななななぜこんなことにいいいい…!?
「え?……きゃあああああああっ!ど、どこに顔を埋めてんのよー!?はなれろバカナルトーっ!」
イノは羞恥心に顔を赤らめ、ナルトの頭を押さえる。
しかし、それは全くの逆効果だった。
ナルトの腕と指がイノの足とパンツに絡まっていたため、頭を押されると激痛が走り、ナルトは暴れだす。
──イデェェエエエ!!
「ちょ!顔を押し付けるなー!動かすなー!パンツを引っ張るなー!てか、早くはなれなさいよー!この変態!!」
「は、はなれたいのは山々なんだが………。とりあえず手を離してくれってばよ。腕が折れる」
「しゃ、しゃべるなー!」
ナルトが喋るせいで、吐息や口が股に当たり悶えるイノ。
それをやや離れてみていたサクラ達同期の下忍はコイツ何やってんだ、という目を向ける。
彼等の目にはナルトが突然奇声を上げて、いのに突進していった様にしか見えなかった。
「あんたねぇ…いくらなんでも盛りすぎでしょ」
「うすらとんかちが」
「火影が決められるって時になにやってんだよ」
「発情するな」
「ナ…ナルトくん…」
「羨ま…もといけしからん」
同期一同から白い目で見られる一方、木の葉丸軍団からは熱烈な支持を受ける。
「流石
「私達に出来ないことを平然とやってのける!」
「そこに痺れる憧れる!」
「「「キング!キング!キング!」」」
「バカにしてんのかお前ら!」
バカ騒ぎをして囃し立てる木の葉丸軍団にキレるナルトだが、ふと後ろから寒気を感じて振り替える。
「ナルトー!あんたって奴は毎度毎度!こういうの何回目かしら?!」
「イ…イノさん…ちょっと落ち着いて俺の話を…」
「うがーーーー!!」
「ぎゃあああああ!!」
その後、暫くして次期火影決定の知らせが出た。
ちなみに、ヒルゼンは死んだわけではなく、今回の木の葉崩しを防げなかった責任と、主犯の大蛇丸の元担当上忍として上手く教育出来なかった責任をまとめて取り、火影を辞任する運びとなった。
火影の候補として選ばれていたのは綱手、自来也、カカシ、フガクの四名。本来ならダンゾウも此処に含まれるはずだったのだが、彼は大蛇丸との繋がりが露見し、現在謹慎を受けている。
18:45
ついに固く閉ざされた扉が開く。
そして、出て来たシカクさんと扉の前でスタンバっていた男達が何言かやり取りをする。
「号外!号外!次の火影様はあの三忍の綱手様に決まったよー!」
男達は新聞記者のような触れ込みで次期火影の名を大声で触れ回った。
それはそこそこ離れていたナルト達の元にまでハッキリと聞こえる。
「ま、順当に決まったって感じだな」
「初代様の孫だもんな」
「歴代初のくノ一の火影かー。やっぱ憧れるわー」
「テンテンは綱手様のファンですからね。でも、伝説の三忍が火影なら此方としても頼もしいです!」
「ま、カカシ先生よりは頼りになりそうよね。あの人いつも目が死んでるし」
「イチャパラ読んでるときは輝いてるってばよ!」
「イチャパラ?」
「エロ仙人の人生経験と想像が織り込まれた小説だってばよ」
「へえ、なんかすごそうねー」
「騙されるな。ただのエロ本だ」
「エロっ!」
「でも、母ちゃんが火影になるなんてやっぱり信じられないってばよ」
「そうでもねえだろ。カカシ先生は若すぎるし、自来也様は覗きの常習犯、フガクさんはうちは警務部隊の隊長だ、この次期に警務部隊の隊長と兼任するのは無理筋だし、後を任せる予定の長男は現在自宅療養中…次男はまだ下忍だ…それに、あのダンゾウって奴は大蛇丸と繋がってたんだろ。だったら、もう綱手様しかいねえだろ。つーか何でお前が一番驚いてんだよ、ナルト。血筋にしろ、実績にしろ、信頼にしろ、順当も良いところだぜ」
「いや、だって何時も火影なんて面倒なもんやらないって豪語してるってばよ。しかも、良くエロ仙人と次期火影の座を押し付けあって賭けをしてたってばよ」
「そんなことしてたのかよ…火影って言えば誰もが一度は夢見る地位なんだがな」
「カカシ先生もやる気無いみたいだしね」
「それを言うなら父さんも、火影は性に合わないって言ってたぜ…周りのうちは一族はなって欲しいみたいだったけどな」
「こういうのって周りが騒ぐものなのかもね」
「確かに、自分でなりたいなりたいって言ってる奴はなれねえって相場は決まってるが…」
「恐ろしいこと言うなってばよ!俺はなるってばよ!絶対なるってばよ!」
「ま、ナルトにとっては良い人選だったんじゃねーか?」
「?」
「お前は火影になりたいんだろ?だったら、前火影が理解ある人の方が色々と有利だろ?」
「ほぉへー、そう言う考えもあるんだな…ま、でも、俺は自分の力でなるから大丈夫だってばよ!あ!出て来たってばよ!」
ぐだぐだと喋ってる内に、扉から綱手、自来也、相談役の水戸門ホムラ、うたたねコハル、うちはフガクが出て来る。
サスケは早速フガクの元へ駆けていった。
それを見たナルトも綱手の元に駆けていく。
火影を目指すナルトにとっては母親が火影になるのはライバル心を刺激されると同時に、誇らしくもある。それが自分のためかもしれないと聞かされれば尚の事嬉しい。
ナルトは高ぶる気持ちのままに綱手にダイブする。
「おめでとうだってばよ!母ちゃん!」
助走を付け、飛び上がって抱き付いた。
ナルトはもう13であり、かなりの勢いと重さがあったが綱手は危なげ無く受け止める。
しかし、その拍子に、浴衣がずれ、たわわに実った胸が露になる。さらに、丁度ナルトの右手が露になった乳首を摘まむように収まった。
「あん、まったく相変わらずナルトは甘えん坊だね」
「俺もいつか火影になるってばよ!母ちゃんは今日からライバルだってばよ!」
「勇ましいこった。楽しみに待ってるよ」
自来也は、あんなに堂々と乳首を摘まんだにも関わらず、優しくナルトの頭を撫でる綱手を見て、信じられないものを見たと、魚のように口をパクパクと動かす。
「おま!おま…おまままま、お前ェ!!な、なななななな、なんてことをしとるんだ!うら…けしからん!そこを変われってのォ!」
顔を赤くさせ、鼻血を出しながらにじり寄る自来也に、綱手は服を直して、拳を振るう。
見事に腹にクリーンヒットした拳は自来也を彼方まで吹き飛ばした。
特に落ちはない。
ラッキースケベが書きたかっただけの話です。