尊敬してますアクア様!   作:天道詩音

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今回はショートストーリー2つの構成です。
評価、感想、お気に入り登録ありがとうございます!

前話の修正点について
ゆんゆんが前話で習得したスキルを『ライト・オブ・セイバー』から『上級魔法』に変更しました。
理由はライトオブセイバーの習得条件が、上級魔法を習得したら覚えられるとご指摘がありましたので変更しました。情報ありがとうございます!
他は変更点はありません。


あるえとふにふら、どどんこと

 

【あるえのファン第一号】

 

「すとれ、おはよう。また新しい小説を書いてきたんだ」

「おはよ! 新作なんだ! あるえの小説大好きだから楽しみ!」

 

 教室に着くと真っ先にあるえが話し掛けてきた。小説を持ってくる日のあるえはいつもより表情が柔らかい。普段は感情が表に出ないあるえだけど、小説の話をする時は、私の感想に一喜一憂してくれて、褒めた時には笑顔になってくれる。

 

 だから、私はあるえの小説を読むのが好きなんだよね。面白いっていうのも理由の一つだけど。

 

「今回のストーリーは、紅魔族の族長の娘として生まれた少女が、人間の友達が全く出来なかった結果、魔物の友達ばかり作って、最終的には全ての魔物と友達になって魔王になる話なんだ」

「ええっ!? なにその、ゆんゆん闇堕ちストーリー!?」

 

 なんか、友達に紅魔族族長の娘でボッチの女の子が居る気がするんだけど……。実際、私とめぐみんが居なかったら、本当に人間の友達が出来なかった可能性もあるよね。

 

 ゆんゆんって今でこそクラスのみんなと友達だけど、学校デビューを失敗したせいか、教室だといつも下を向いていたからなぁ。

 

 私がクラスメイトと話してる時に、ゆんゆんにも会話に混ざって貰う事で、少しづつゆんゆんもクラスメイトと話せるようになって、いつしか私が居なくてもクラスメイトと仲良く話せるようになっていた。

 

 今はねりまきちゃんと二人で話してるみたいだし、あの子も成長したんだね……! これで、あるえの新作みたいな未来は起こらないはず!

 

「この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません」

「友達に似たような女の子が居るんですけど……。えっと、ちなみに主人公の名前は……?」

 

「…………よんよん」

「はいアウトー! でも気になっちゃったから読ませてね!」

 

 あるえの小説って時々、見たことがあるような人物が出てくるんだよね。めぐみんっぽいキャラは爆裂魔法でよく自爆してるし、ふにふらちゃんとどどんこちゃんっぽいキャラはかませ役でよく出てる。私っぽい子も出てくる時があるんだけど、なぜか登場する時は毎回ヒロインとして出てくる。

 

「ちなみに、ヒロインの名前はすとれんで、前魔王の娘だよ。主人公とのキスシーンもあるんだ」

「ほんとにアウトー! 私とゆんゆんがキスするシーンとか書かないでよ!? あるえの小説は好きだけどさ、私っぽい子がエッチな目に遭うのを読むのって恥ずかしいんだからね!? あるえって、毎回エッチなシーンを書いてるし、実はむっつりさんなのかなー?」

 

 あるえって王道なストーリーが好きだから、最後は主人公とヒロインが結ばれて終了みたいな話が多いんだけど……。ヒロインが私に似ている子が多いせいで、恥ずかしさでドキドキさせられながら読んでいる。

 

 あと……、『すとれとキスうううう!?』って言いながら目を真っ赤に光らせて、ねりまきちゃんをドン引きさせている子は静かにしててね!

 

「わ、私はむっつりじゃないから! 小説にはワンシーンは濡れ場が必要なだけだから!」

「ほんとかなー? まあ、あるえがエッチだとしても、小説は面白いから許してあげるね!」

 

 顔を赤くして、『私はエッチじゃないよ!?』って言ってるあるえは可愛かった。普段表情をあまり変えない女の子が、恥ずかしがってる姿って、なんかグッときちゃうよね!

 

「もう、そんな事を言うなら小説を読ませないよ!」

「ごめんごめん! あるえのファン第一号を見捨てないでよー」

 

 学校に入学したばかりの頃に、昼休みになってもノートに書き込みを続けてたあるえに、勉強熱心だねと話し掛けた時に小説を書いてたと知って、読ませて貰った時から、今日まで何十作品も読んできた。

 

 最初にあるえの小説を読んだのは私だったから、私はあるえのファン第一号だねって笑い合ったのを覚えている。

 

「仕方ないなぁ。読んだら感想を教えてよ? 私のファン第一号ちゃん」

 

 

 

【ふにふら&どどんこのめちゃモテ講座】

 

「すとれって今でも可愛いけど、もっと髪型とか服装を替えたら、あたしに負けないくらい可愛くなれるはずだよ! 今日はあたしが可愛くなる方法を色々教えてあげるから!」

「いや、すとれって既にふにふらの十倍くらい可愛いと思うし、むしろ教わったらいいかも」

「嘘でしょ……!? じゃ、じゃあ今日は教わろうかな……」

 

 学校に向かう途中でふにふらちゃんとどどんこちゃんに会って、一緒に登校してたらファッションとか美容の話になった。

 

 私自身、美容の事とかあまり気にしてなかったから、正直にそう伝えると、美容講座をどどんことちゃんがしてくれる事になったんだけど……気付けば私が教える流れになっていた。なんで!? 私教わりたいよ!?

 

「ふにふらちゃんって肌も真っ白で綺麗だと思うよ! 紅魔族一真っ白かもね。あっ……でも、最近めぐみんが家に引きこもって居るから、青白いくらいに白くなってるし二番目かも……。でも髪もつやつやサラサラのツインテールは可愛いし、相当美容に気を遣ってるんじゃないかな? 実質ふにふらちゃんの優勝だね! だから、ふにふらちゃんから教えて欲しいかなーって!」

「良いこと言うわね! ならわたしがすとれにモテる秘訣をしてあげるね!」

 

 思い付く限りの褒め言葉でふにふらちゃんを褒めると、なんとか美容について教えてくれる事になった。……あれ? 気づけばモテる秘訣を教わる事になってる……あれ?

 

「ふにふらがモテた事とか一度も無いけどね」

「どどんこうっさい! てか、めぐみんがニートになったって噂は本当だったんだ……」

 

 めぐみんはニートって職業に転職しちゃったんだよね。バイトを始めても何度も初日でクビになった結果、『働くなんて嫌いです! しばらく外に出ません!』なんて言って家から出なくなっちゃったんだよね。だから爆裂魔法を習得して、学校を卒業してからはほぼニートなんだよね……。

 

「すとれの髪ってかなり綺麗よね。腰まで伸ばしてるのにサラサラしてて、毛先のパサつきも全くないし、髪の毛には結構手入れしてるんじゃないの? 使っているシャンプーとコンディショナーとか教えてくれる?」

「えっと、手入れって言っても毎日髪をクシで梳かしてるだけだよ? あとシャンプーは使ってなくて、石鹸で洗ってるだけなんだけど……ダメだったかな?」

 

 石鹸はアルカンレティア製の物を使ってるんだよね。めぐみんもゆんゆんも同じ石鹸を使ってるから気にしてなかったけど、シャンプーとかコンディショナーなんて、この里にもあったんだ……。道具屋にも無かった気がするし、どこで買っているんだろう? 

 

「うそー!? ヘアオイルとかも使ってないの? てか、石鹸で洗ってたら髪がごわごわしちゃわないの!? あたし、髪がボサボサになっちゃうから高いシャンプーとコンディショナーを使ってるんだけど……」

「素材が違うんだよ、素材がね……。お嫁にしたい女の子ランキング一位のすとれと、一票も入ってないふにふらを一緒にしたらダメだと思う」

 

 なにそのランキング!? また、ねりまきちゃんが新しいランキングを作っちゃったのかな!?

 

「なにそのランキング!? あたし知らないんだけど!?」

「てか私に一票も入ってないってどういうことよ!?」

「ねりまきがお客さんに、お嫁にしたい女の子は誰かって聞いたのをランキングにしてたんだよね。二位はねりまきで三位はあるえだったかな?」

 

 ねりまきちゃんってランキングを作るの好きだからねぇ。この前は料理が上手い女の子は誰かってクラスで聞いてたね。私はねりまきちゃんに一票入れたけど、他のクラスメイトは私に入れてくれたんだよね。

 

 ここ数年は自分の分と、めぐみんとこめっこちゃんにもお弁当を作ってたから、かなり料理の腕が上がってたんだよね。クラスの皆にも好評で、どどんこちゃんには毎日おかずをねだられているし。

 

「てか、どどんこ! あんたも入ってないじゃない!」

「ふっ、私は一票入ってたから!」

「嘘でしょ!? あたし、最下位なんだ……」

「わー!? ふにふらちゃん、道路の真ん中で座り込んじゃダメだよ!?」

 

 最下位だったことに落ち込みすぎて、ふにふらちゃんが道路の真ん中で膝を抱えて座り込んじゃった……。奥さん方に笑われちゃってるよ!? あとで噂されてないといいけど、もうダメかも!

 

「あたしって人一倍、自分磨きに時間を掛けてきたのよ……。クラスの皆よりもお金を掛けてるはずだし……。でも結果は、なにもしてないすとれに負けてるし……この世界ってほんと不平等だ……」

「ね、ねぇ!? 道の真ん中で寝ないでーーー!?」

 

 今度は仰向けになって寝ちゃったよ!? なんか人も集まってきて、私達を見て、面白い事が起きてるって笑ってるんだけど!? 

 里の人達って何かあったらすぐに称号を与えちゃって、それが里中に広まっちゃうんだから……。道路の真ん中で寝っ転がっちゃってヘンな事を言っちゃってるし、もう手遅れかもしれない……。

 

「あぁ……。それでも空は綺麗だね」

「ふにふらちゃんがおかしくなっちゃった!? ねえ、どどんこちゃんも爆笑してないで助けてよ!?」

 

 この後、ふにふらちゃんを正気に戻すのに、かなり時間が掛かった。

 

 当然、学校には遅刻しました。




あるえ
クールの子が顔を赤くなるの好き。
小説を毎回楽しみにしてくれるすとれの事は特別大事に思っている。
ヒロインのキャラがすとれっぽい子になるのは、好きな気持ちが無意識に溢れた結果だと思う。

ゆんゆん
あるえメイン回なのに存在感が強かった子。
ゆんゆんっぽい女の子が主人公の小説『紅魔族族長の一人娘として生まれたけど、人間の友達が出来なかったので、魔物の友達を作っていたら、いつの間にか魔王になってました』は、将来里でベストセラー小説になる。ゆんゆんは泣いた。

ふにふら
不憫可愛い。
あの後、『空の美しさを知る者』と言う称号を与えられた。

どどんこ
ふにふらとよく一緒に居る。
すとれのお弁当のおかずを毎日ねだってる。

めぐみん
引きニート。

ねりまき
色んなランキングを作っている。
宿屋の娘なのに、料理ランキングですとれに負けたことは結構悔しかった。でもすとれから一票貰えたので悔しさより嬉しさが勝った。
実はすとれは酒場でバイトしてるので、ねりまきとはかなり仲が良い。


読んでいただきありがとうございました!
学校のクラスメイトが登場しました!
皆可愛いですよねー!
全員特徴があって可愛いので、もっと出てきて欲しいです。
でも、この子達との話を続けてたらストーリーが進まないのがジレンマですね。アクア様が出て来て欲しいですし。
とりあえず、紅魔の里編はまだ続くので、次回も読んでくれたら嬉しいです。
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