「じゃあ、お昼ご飯も食べたし、買い物に行こうか? その後で掃除もしないといけないし、やる事いっぱいだけど頑張ろうね!」
「あとクエストも受けておきましたので、時間がある時に向かいましょう」
「やる事多いし、一日で終わるかな……。って何でクエスト受けちゃってるの!?」
めぐみんが勝手にクエストを受注してたんだけど、流石に高難易度のクエストとかじゃないよね……?
「ね、ねえめぐみん。どんなクエストを受けたの……?」
「普通にジャイアントトードの討伐依頼ですよ。まあとりあえず肩慣らしにはちょうどいいと思いまして」
「勝手にクエストを受けるのはどうかと思うけど、めぐみんにしてはまともなクエストね」
めぐみんが私達に見せてきたのは、確かにジャイアントトードの討伐依頼だった。期限は五日間みたいだし、今日は討伐に行かなくても大丈夫かな。
「期日まで時間もあるし、今日は買い物と掃除を優先しようか」
頷いた二人を連れてギルドを出る。とりあえず商店街の方に行こうかな。それから二人と手を繋いで、並んで歩いていく。
「めぐみん、必要な物って何があるかな?」
「寝具類と食器ですね。寝具は値段がかさむようでしたら、一つでいいと思いますよ。私とすとれで一つのベッドに寝れますし、ゆんゆんは床で問題無いので」
「問題大有りよ! ね、ねえ、せっかくだから三人で同じお布団で寝たいな……!」
ゆんゆんだけ床なのは全然大丈夫じゃないからね……。まあ、ゆんゆんをからかいたいだけの冗談だと思うけど。
「えー、暑そうですし嫌ですよ」
「じゃあ、めぐみんこそ床で寝なさいよ!」
「二人ともそこまでねー。備え付けのベッドが大きかったから三人で寝ても問題ないと思うよ。寝具も大き目のサイズの物を買おうか」
備え付けの家具に結構お金が掛かっていそうなのに、あの部屋で家賃十二万円って安いよね!
「う、うん。にへへ、これで三人で寝れるね……!」
「仕方ないですね。分かりましたよ」
しばらく歩いていると、寝具の店を見つけたので入ってみる。三人で色んな布団を触り合って、肌触りの良い物を選んでいく。
「あっ! ねえ、パジャマも売ってるよ! やっぱり、お揃いのパジャマ買いたいなぁ」
「全く、ゆんゆんは子供ですね。私達は既に、全員が紅魔のローブを着てるんですから、それがお揃いの服って事でいいじゃないですか」
「よくないよ、全然ダメ! それなら、里の全員がお揃いって事になっちゃうじゃない! 私は三人だけのお揃いが欲しいの!」
まあ、気持ちは分からなくもないし、ゆんゆんも凄い欲しそうだから買っちゃおうかな。
でも、めぐみんって基本ドライだよねー。学校ではクールで孤高な存在アピールをしてたし、まだクールな部分が残っているのかな。
「ね、めぐみん。私もお揃いのパジャマが欲しいから、三人で選ぼうよ。めぐみんも一人だけ別の柄だったら寂しくて泣いちゃうでしょ?」
「泣きませんよ!? ま、まあ、仕方ないので選んであげる事にしますか」
「二人ともありがとうね! 私がお金出すし、何でも大丈夫だから!」
「では、一番高級なパジャマを……」
「だーめ、値段じゃなくて、柄で選ぼうね!」
めぐみんに注意しつつ、着ぐるみ系のパジャマが並ぶ列を見ていたら、猫耳とか犬耳の付いたパーカーを見つけちゃった。
「めぐみんにこれとか似合うんじゃない? 猫耳パーカーのパジャマだよ、猫耳めぐみんをまた見せて欲しいなぁ……。あっ、ちょっと逃げないでー!」
めぐみんは猫耳パーカーが恥ずかしかったのか、離れたコーナーに逃げちゃった。柄も黒猫っぽいから絶対似合うと思ったのに……。今度、こっそり買いに来ちゃおうかな!
「す、すとれ! これ、似合うかな……?」
「すっごく可愛いよ!」
ゆんゆんの方を向くと、もじもじと恥ずかしがりながら、白い猫耳パーカーを着ていて凄く可愛かった。二人とも元が可愛いからね、何を着ても似合っちゃうよね!
「猫ちゃんなゆんゆんも可愛いけど、私的にはこっちが似合うかなって思うよ。これ着てみてくれる?」
渡したのは、犬耳の付いたパーカーで、黒と茶色のダックスフンドがモチーフみたい。ゆんゆんって子犬っぽいイメージがあるんだよね。私を見かけると嬉しそうに近寄ってくる時とか、尻尾をブンブンと振りながら近寄ってくる子犬を幻視しちゃうし、構ってアピールをしてくる感じも犬っぽいんだよね!
「き、着たよ……」
「か、可愛い! 今のゆんゆんってほんとにワンちゃんみたい! ペットにしたくなっちゃうかも」
「すとれのペットに!? わ、私ペットになるよ!」
ワンちゃんみたいで可愛いけど、流石にペットは冗談だよ!?
「ペットにはならなくても大丈夫だよ……。えぇーっと……だ、だって、ゆんゆんには親友のままで居て欲しいからね!」
「親友……! にへへ、じゃあ止めるね!」
ゆんゆんがペットにならなくてよかったよ。ゆんゆんが暴走した時にも、親友ってワードを使えば大体何とかなるからね!
「このパーカーは買っておくから、着て欲しい時は言ってね!」
「あ、ありがとうね……」
犬耳パーカーを着て欲しい時っていつだろう……? まあ、可愛いからいつ着てもいいと思うけど。私も動物のパーカーを買って、今度お揃いで出掛けようかな。その時は当然、めぐみんには黒猫パーカーを着て貰わないとね!
それからゆんゆんに似合いそうな動物パーカーを着て貰ったり、逆に選んで貰った服を着たりしていたところに、めぐみんがため息を吐きながら戻ってきた。
「はぁ……いつまで二人でいちゃついているんですか……。パジャマは私が選びましたので、これと布団を買って次の店に行きますよ」
「ため息吐くなんて、めぐみん寂しかったの? あっ、二人で話し込んでてごめんね!」
「そうだったの……独りぼっちは寂しいよね。ごめんね、めぐみん……」
めぐみんがちゃんとパジャマを選んでくれてたのに、私はゆんゆんの着せ替えをしてただけだったよ……。
「あ、あの、普通に選んでただけですし、寂しいはずがないですから! それより、ゆんゆんの独りぼっちは寂しい発言は、本心が籠り過ぎてて悲しくなるので止めてください!」
「ゆんゆんは独りぼっちにならないから大丈夫だよ。私とめぐみんが居るからね!」
「ふ、二人ともありがとう……! じゃあ、パジャマと布団を買ってくるね!」
ゆんゆんは嬉しそうな表情のままに、めぐみんからパジャマと思われる黒い布を受け取って、店員さんの方に駆けていった。
めぐみんがどんなパジャマを選んだのか見なくて良かったのかな?
「めぐみんはどんなパジャマを選んだの?」
「ふっ、私達に合う大人のデザインをしたパジャマを選びましたよ! ちょっとしたストレス発散も兼ねましたけどね」
大人なデザインで、しかもストレス発散も兼ねちゃうなんて、すっごく不安だなぁ……。
そんな事を思っていると、真っ赤な顔をしたゆんゆんが駆け足で戻ってきた。紙袋を持ってきたからパジャマは買ったみたいだね。でも、そんな駆け足で戻ってきてどうしたんだろう?
ゆんゆんは戻ってきてすぐに、めぐみんの肩を強く揺さぶり始めた。そして、紙袋から取り出したパジャマは、真っ黒なネグリジェだった。それもスケスケの。ほぼ透明なんだけど……。あっ、でも小さな赤いリボンが胸元にあるのは可愛いかも。でもこれを着るのは流石に恥ずかしいかな……。
「ねえ、めぐみん何なのこのパジャマ!? ほぼ透明だよね!? なんでこれを選んじゃったの!? 店員のお姉さんにはお嬢ちゃん達にはまだ早いんじゃないかしらって優しく諭されちゃったのよ! すっごく恥ずかしかったんだから!」
「じゃあ、パジャマパーティー用の寝間着も買えたので、次の店に行きましょう」
そう言うと、私とゆんゆんに背を向けて、店の入り口に向かって歩き出していっちゃった。
「え、待って! まだ、布団もあるんだから手伝ってよ!?」
「私が手伝うよー。大きな布団だけど二人でなら持てるかな。これは、食器を買う前に家に置いてきた方がよさそうだね」
「あ、うん。それじゃあ、家に持っていかないと……」
半分に折りたたまれた布団の両端を二人で持って、店を出る。今日からこの布団で寝るようになるんだね。三人で寝ても余りそうなサイズだし、困り事が出てくるまでは一つの布団だけで十分かな。
「じゃあ、私達の家に帰ろうか!」
「う、うん! 私達の家……えへへ、いいかも!」
「ほら、早くしてください! 置いていきますよー」
「私達は布団を運んでいるのよ! ねえ、めぐみんもせめてこのパジャマくらいは持ってよ!?」
パジャマパーティーも楽しみだね。あのネグリジェは恥ずかしいけど!
めぐみん
黒猫パーカーは恥ずかしくて、逃げ出した。後日、すとれが買ってきて結局着せられた。
パジャマパーティー用の寝間着でスケスケなネグリジェを選んだ。
ゆんゆん
わんこ系女子。
独りぼっちは辛いって言葉にガチの説得力がある。
すとれ
ゆんゆんと着せ合いっこしてた。
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