尊敬してますアクア様!   作:天道詩音

35 / 37
評価、お気に入り登録ありがとうございます!


めぐみんとお出かけ!

 

「さあ、すとれ行きますよ、一日一爆裂です! 爆裂魔法は一日にして成らずですよ!」

「…………ふぁ、おはようめぐみん。まだ外は暗いのに早起きだね……。ふふ、私と出掛けるのが楽しみ過ぎて寝れなかったとか?」

 

 窓から見える空は、まだ殆ど暗いのに珍しくめぐみんが起きていたから、私と出掛けるのが楽しみで眠れなかったのかなーなんて思ったり。

 

 出掛けるにしてもまだ早くないかな、って思わなくもないけど待ちきれないめぐみんの為にも起きてあげないと。

 

「ち、ちがいますから! ちょっと早起きしちゃったので、早めに爆裂したかっただけですからね!」

「ふふっ、それなら早めに出掛けちゃおうね。じゃあ着替えるから少し待っててね」

 

 めぐみんにはベッドで座って待って貰っている間に、私はベッドから降りて着替えを取りに行く。パジャマのボタンをゆっくりと上から外して脱いでいき、下に着てるパジャマのズボンも脱いでから、棚から取り出した紅魔族のローブを被るように着たところで、朝ご飯は食べてから出掛けるかを確認しようとめぐみんの方へ振り返ると、ちょうどこちらを見ていためぐみんと目が合った。

 

「ねえ、朝ご飯は食べる? 今日は朝からめぐみんと出掛ける予定だったから、温めたら食べられるように用意してたんだよねー」

「ば、爆裂魔法が待っているのですぐに向かいましょう、すとれも着替えた訳ですし、もう行きますからね!」

 

 そう言ったと同時に部屋の外に出て行ってしまったので、私も追いかけて部屋を出る。そんなに爆裂魔法を撃ちに行くのが待ち遠しかったのかな?

 

 今日は朝からめぐみんと出掛けるんだけど、何日か前に二人でお出掛けしたいって誘われていたんだよね。買い物とかだと思ったら爆裂魔法を撃ちに遠出したいって事だった。本当にめぐみんって爆裂魔法が好きだよねぇ。私が支援魔法で魔力強化ができるから、私と一緒だといつも以上に威力が高い爆裂魔法を撃てるし、それが目的で誘ってくれたのかな?

 

 既に家を出ていためぐみんに追いついたところでめぐみんの手を握って隣に並ぶ。

 

「せっかく二人でお出掛けするんだから一緒に行こうよ」

「そ、そうですよね、許可しますよ!」

「ふふっ、許可制だったんだ。じゃあ、許可してくれてありがとうね!」

 

 一緒に出掛ける許可を貰ったので、二人で手を繋ぎながら朝の街並みを眺めつつ歩いていく。でも、まだ日が出始めたばかりだから外には誰も出ていなくて、世界には私達二人だけみたい、なんて事を思っていた。

 

「まだ早朝ですし、私達以外に誰も居ませんね。まるで世界に私達しか居ないみたいですね」

「……私も同じ事を考えていたんだよね。世界に私達だけになっちゃったらめぐみんはどうする?」

 

 こんな感じで、もしもの話をしたくなったのは昔からめぐみんとこんな話ばかりしてたからなんだよね。小さな頃のめぐみんは他の子供達と違って、外で走り回るような体を動かす遊びには興味が無いみたいで、私の家で本を読んだり、魔王になったらどんな風に世界征服をしていくかなんて、もしもの話をしてばかりいた。まあ、魔王になったらどうするかって話の時は私は聞いてばかりだったなぁ。

 

「そうですね……。世界に私とすとれだけになったとしたら、私なら特に何も変わらないかもしれませんね。まあ、ゆんゆんが居ないとからかう相手が居なくなるので、少しは詰まらなくなるかもしれませんが」

「ゆんゆんのこと大好きだもんねー。でも、あまり変わらないんだ。めぐみんなら、誰も居ないなら大きな建物に爆裂魔法を撃ちまくりたくなるかなって思ったのに。アルカンレティアの大教会とかどう?」

「それは爆裂しましょう。でも誰にも罰せられない訳ですから、どうせなら王城に撃ってみたいですね。あとゆんゆんの事が大好きだなんてあり得ませんから。まあ、ライバルとは認めてますけど」

 

 王城を撃っちゃうんだ。まだ王都には行った事が無いけど、多分凄く大きくて立派な建物なんだろうなぁ。しかもベルゼルグのお姫様もそこに住んでいるんだよね。そんな凄い建物を爆裂しちゃったとしたら次は何を狙うんだろう……、魔王城とか?

 

「王城を我が爆裂魔法で粉砕したら、王都中のマナタイトをかき集めて世界でも破壊しましょうか。ふふふ、世界を滅ぼすのは爆裂魔法に限ります……!」

「世界滅ぼしちゃうんだ……、そしたら私達も滅んじゃうし、もっと一緒に生きていこうよー。私ならめぐみんと一緒に世界を旅すると思うなぁ。だって、見える範囲には私達しか居ないとしても、他の街には誰か居るかもしれないし、世界のどこかには私達と同じで生き残っている人達が居るかもしれないよ。それなら私は諦めたくないって思うはず。それに、誰にも会えないとしても最後までめぐみんとは一緒に居れるんだから」

「……確かに、世界を破壊しちゃったら私達も巻き込まれて死にますね。それなら二人で世界を巡るのも悪くないと思います」

 

 めぐみんと二人で旅をしていたらどうなっていたのかな? めぐみんと私で旅先の街にある高難易度のクエストを攻略しながら、色々な所に行っていたかも。

 

「なら、世界に二人きりになったとしたら一緒に旅しようね。めぐみんとなら何があったとしても乗り越えていけそうだし」

「ふっ、何とでもなりますよ、私達なら!」

 

 そんな風にIFの話をしている間に、日が昇って辺りを明るく染めていた。朝日と一緒に家々からは少しずつ人が出てきたから、気付けば世界には私達だけじゃなくなっていた。

 

「どうやら世界には私達以外も居たみたいですね」

「ふふっ、また同じ事を考えていたね。でも、やっぱり私達以外にも誰か居てくれた方が良いって思うなぁ。二人よりも、ゆんゆんが居る三人の方が明るくて楽しいし、アクア様とカズマ君が居る五人でならもっと賑やかで楽しいもん」

「でも私は二人だけでもいいって思いますけどね。そのために今日は誘ったんですから」

「えっ、そうなの?」

 

 何か二人きりで話したい事でもあるのかな? 私はただ爆裂魔法を撃ちに行きたいだけだって思っていたよ……。

 

「もともと、私達は二人でしたからね。学校に通うまではいつも二人で居ましたし、あの頃はそれがずっと続くと思ってました。まあ、今の大人数も悪くは無いと思いますけど、時々二人になりたいって思う時がありますね」

「だから今日は二人だけで出掛けたかったんだ。そしたら爆裂魔法を撃った後も二人だけで街を見て回ろうか?」

「いいですね! この前すとれが話していた魔道具の店も気になりますし」

 

 ウィズさんのお店の事かな……? ウィズさんがリッチーで魔王軍幹部だって事は話していないけど、変な魔道具が沢山あるお店で、そこの店長さんとお友達になったって話をしたら、『次にそのお店に行く時は着いていきます!』って喰い気味で言ってきたんだよね。よっぽど変な魔道具の事が気になっているのかも。でも、効果の割に値段が高いからあまり買わないで欲しいんだよねぇ……、ウィズさんには悪いけど。

 

「じゃあ、パパッとエクスプロージョンしてから、二人でウィズさんの魔道具店に行こうか?」

「待ってください! 爆裂魔法はパパッと撃つものじゃありませんからね。時間を掛けて詠唱をして、魔力を高めきった上で放つのが最高に気持ちいいんです。すとれはもっと爆裂魔法に興味を持ってください、そして爆裂魔法を習得して二人で同時に撃ちましょうよ!」

「あはは、めぐみんって本当に爆裂魔法が大好きだよねぇ。私はめぐみんが撃つ爆裂魔法が好きだから、自分で使うのは止めておこうかなぁ。代わりに一番近くで爆裂魔法を見せてね」

 

 爆裂魔法を使う瞬間のめぐみんが一番格好いいもんね。真剣な眼差しで標的を見つめながら、長い詠唱を唱えている時のめぐみんの事を格好良いって思っちゃうのは、私が紅魔族だからかな?

 

「……ッ! 分かりました、最高の爆裂魔法を見せてあげましょう!」

 

 朝日のせいか顔が赤くなっているめぐみんと一緒にアクセルの門をくぐって、街の外に出た。

 

 今日の爆裂魔法も楽しみだなぁ。

 

 まあ、爆裂魔法よりも、爆裂魔法を撃つめぐみんを見る方が楽しみなんだけどね、だって格好良いもん。

 

「さあ、まずは最高の爆裂ポイントを探さないといけませんね。この前見つけた古城とかはどうでしょうか? あれを崩壊させたら最高の気分になれそうです!」

「この前のクエスト中に見かけたお城の事だよね? ルナさんに聞いたら貴族が管理してるお城なんだって、壊したら逮捕とか罰金とか……」

「そんな……、今日はあの古城を破壊する予定だったのに……。それなら、世界に居るの私達だけだったら良かったんです、そしたら罰せられる事無く爆裂魔法が撃てたんですから」

「あの古城はダメだけど、代わりとして、いつか魔王城に爆裂魔法を撃ちに行こうね。この前テレポートを習得したから、魔王城付近を転送先に登録しておけばいつでも撃ちに行けるよ。まあ、危ないから二人では行かない方がいいと思うけどね」

 

 前回のクエスト中にレベルが上がって、テレポートを習得出来る分のスキルポイントが溜まっていたから覚えちゃったんだよね。テレポートがあればアクセルにすぐに戻れるようになるから冒険が楽になるし、いつでも紅魔の里に行けるようになるって思ったから、すぐに習得しちゃった。

 

「魔王城ですか――、最高ですね! 破壊してからその土地に、新たな魔王城を建ててあげましょう。くく、私が新たな魔王です……!」

「結局、魔王になっちゃうんだ……。ふふっ、小さな頃から変わってないんだから、めぐみんってほんと可愛いよね」

「んなっ!? か、可愛いとか言わないでください!」

「未来の魔王ちゃまに可愛いは失礼でしたねー、ごめんなさーい」

「誰が魔王ちゃまですか、ちゃんと魔王様って訂正してください!」

 

 隣でぷんぷんと可愛らしく怒っているめぐみんをなだめながら、爆裂魔法を撃つポイントを探して二人で歩いていく。

 

 よーし、今日はめぐみんと二人で色々楽しむよー!

 

 この後、最高の爆裂魔法を撃つ事に張り切り過ぎて、街に戻っても魔力切れで動けなくなっためぐみんと出掛ける事は諦めて家に帰ったせいで、皆で過ごす事になった。

 

 二人で出掛けるのはまた今度にしようね。




めぐみん
小さい頃から魔王になりたかったらしい。頭紅魔族。

すとれ
爆裂魔法を撃つ時のめぐみんの事を格好良いって思っている。頭紅魔族?
テレポート習得済み。つまりアルカンレティアへいつでも行けるようになりましたね!

読んでいただきありがとうございました!

次回は26日予定ですが、ハイパー忙しいので一日くらい遅れるかもです。
今日も19時投稿に間に合わずすみません!

次回はゆんゆんと二人でお出かけする予定です!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。