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「す、すとれお待たせ! ま、待った……?」
「ううん、今来たところだよ」
ギルドの前でゆんゆんと待ち合わせをしてたけど、私が着いてすぐにゆんゆんも来てくれたから、ほとんど待っていなかった。やっぱり、これなら一緒に家から出掛けても良かったんじゃないかなー?
今日はゆんゆんと二人でお出掛けする日なんだけど、この前めぐみんと二人で出かけた日に、魔力切れのめぐみんを背負って家に帰ったら、リビングでトランプタワーを建てているゆんゆんと目が合って、何で二人で出掛けたのかを問い詰められたんだよね。そしたら、めぐみんが『すとれと二人っきりでデートをして、とても幸せな時間を過ごしてきました』なんて言っちゃうからゆんゆんがズルいって拗ねちゃって、なだめていく時にゆんゆんとも今度二人で出掛けようねって、言った結果が今日のお出掛けに繋がったんだよね。
ゆんゆん的にはデートがしたいみたいで、恋愛小説で良くある待ち合わせをしたいって言っていたから、ギルドの前で待ち合わせをする事になっていた。なので、お気に入りの白いワンピースを着てゆんゆんを待っていたんだよねー。
「す、すとれのワンピース可愛いね……! すとれには、やっぱりロングスカートが似合うと思うなぁ」
「ありがとね! それなら、今度出掛ける時にもロングスカートを着ていこうかな?」
「また二人で出掛けていいの!? やった……!」
二人でとは言ってなかったけど、ゆんゆんが凄く嬉しそうだしまた二人で出掛けないとね。最近はめぐみんとゆんゆんと私の三人で出掛ける事が多かったから、二人で遊びに行くのは結構楽しみだった。
「ゆんゆんも紅魔のローブじゃないから、何だか新鮮だねー。上に着てる薄いピンクのフリルブラウスと、ライトブラウンのミディ丈スカート*1を合わせてて、いつもより大人っぽくて綺麗だよー」
「あ、ありがと! これ、すとれに選んで貰ったコーデだったの……、覚えているかな……?」
「覚えてるよー。ゆんゆんの誕生日に、私と紅魔の里の服屋で買ったよね。あの頃からゆんゆんって大人っぽかったから、それに合いそうなコーデを選んだの。うん、やっぱり似合ってるよ!」
前回のゆんゆんの誕生日に、ねりまきちゃん家の酒場でお誕生日会をする事になって、サプライズパーティーだったから、準備中にゆんゆんと時間を潰している時に入った服屋で買ったんだよね。誕生日用に別のプレゼントは用意していたけど、せっかくゆんゆんに似合うコーデを選んだから、それも買ってあげた事を覚えている。
「それじゃあ、行こうか? 今日のデートプランはゆんゆんが決めてくれたから楽しみにしてるね」
「で、デート……! う、うん、昨日寝ないで考えたから楽しみにしてて……!」
「昨日寝てないんだ……。ま、まあそれだけ楽しみにしてくれてたのかな……?」
流石に出掛ける前日は寝た方が良かったと思うなぁ……。ちょっと顔を近付けてゆんゆんの事を見てみると、うっすらと目の下にクマが出来ている事に気が付いた。本当に寝てなかったんだ……。
「す、すとれどうしたの……? にへへ」
私がゆんゆんの事を見ている事に気が付いて、少し顔を俯かせて頬を染めつつ、小さく笑っているゆんゆんが可愛かったので、取りあえず撫でておいた。クマがあるか確認していただけなんだけどね、嬉しそうに撫でられているゆんゆんは見てて癒やされるし、まあいいか。
でも夜更かしは身体に悪いからダメだよー。
「それじゃあ、まずはどこに連れていってくれるのかなー? 今日は全部ゆんゆんにお任せしちゃうね」
「うん、任せて! まだ朝早いから、最初は公園を散歩します!」
何故か敬語で散歩をすると宣言したゆんゆんと手を繋いで、二人でアクセルの端にある森林公園に向かっていく。その公園には、前にアクア様と来た事があるんだけど、公園自体のエリアはそれほど大きくは無いけど、花壇には色とりどりの綺麗な花が咲いていて、木々も青々としていて、街の中なのにしっかりと自然を感じられる、アクセルの憩いの場になっている公園だった。
前に行った時は、アクア様が『最近、家で寝てばかりだったから、たまには外で遊びたいわね!』って言っていたので、公園に一緒に行った時に小さな子供と楽しそうに遊んでいたのはいいんだけど……、途中からアクシズ教団の教義を子供達に教え始めたところで、それまでは微笑ましそうに見ていた親御さん方が子供達を連れて帰っていっちゃったから、泣き出したアクア様をなだめるのが大変だったんだよね……。
その後は、私が遊びますって約束したら泣き止んでくれたから、二人でかくれんぼとか、鬼ごっこをして遊んだんだよねぇ。アクア様って体力が凄いあるから、ヘトヘトになって帰った事を覚えている。アクア様が楽しんでくれたから、良かったと思うけどね。
「着いたよ……! ここに公園があるって最近知ったんだけど、街の中にこんなに自然がいっぱいのところがあるなんて、凄いよね! すとれは知ってた……?」
ご、ごめんね。キラキラした目で私がこの公園の事を知らないのだと思って質問をしてくれたと思うんだけど、前にアクア様と来ちゃったから知ってるんだよね……。嘘はつきたくないから、ここは正直に伝えようか。
「実は前にアクア様と来た事がね……、あ、でも、ゆんゆんとここに来たのは初めてだから、二人でこの公園でお散歩出来るなんて楽しみだよねー!」
「そ、そう? えへへ、じゃあ早速行こうか……!」
セ、セーフ……! 私が来た事があるって伝えた時に、ちょっと表情が暗くなったけど、二人でお散歩する事が楽しみだって伝えたらニコニコしてくれたから、良かったよ!
二人で森奥に続く散歩コースを並んで歩いていく。左右に並ぶ並木の葉の間から優しく降り注ぐ朝の光が、キラキラとしてて凄く綺麗だ。ゆんゆんも目を輝かせてその光景を観ている。
「すとれ、すっごく綺麗だね……! クエストで森に入る時は、こんなにゆっくりと自然を観れていなかったけど、森ってこんなに綺麗なんだね」
「本当に綺麗だよね! 流石に街の外の森にはモンスターが居るし、自然をゆっくりなんて観ていられないけど、ここならモンスターが出る心配が無いから、安心してこの景色を観てられるねー」
ゆったりと木々の隙間を二人で歩いていくと、森を抜けて小さな広場に辿り着いた。広場には一面芝生の緑が覆っていて、中央には大きな木が立っていて、それがまた広場をより良く見せていた。あの木の下で寝転んだら凄く気持ちがいいかもね。
「ゆんゆん、あの木の下に行ってみない?」
「う、うん! ここも凄く良い場所だね、広場には私達しか居ないしゆっくり出来そうだね……!」
広場の中心にある木の下で日陰になっている所に二人で木を背にして座る事にした。木の下はそよ風も吹いていて涼しく、ゆったりと過ごすには丁度良い場所だった。こんなにゆっくり出来る場所があるなんて知ってたらお弁当を作ってきたら良かったかもね。そしたら、一日ここで二人でお話ししてるだけでも楽しかったかも。
「ゆんゆんはここに来たかったのかな?」
「う、うん。一人で街の散策してる時に見つけたの! だから、すとれと一緒に来たかったなーって……!」
確かに、他の人にも教えたくなるくらい良い場所だよねぇ。また遊びに来たいかも。その時はまたゆんゆんと一緒に来ようかな? 皆で来てお弁当を食べながらお話しするのも楽しそうだけどね。
「教えてくれてありがとうね、また今度一緒に来ようか?」
「絶対行くね……! えへへ、すとれが気に入ってくれて良かったよ……」
それからしばらくの間、肩を寄せ合って座りながら風に揺れる木々を眺めていたら、ふと、肩に重さを感じたので振り向くと、目を瞑っているゆんゆんの横顔がそこにあった。
そう言えば、昨日は寝てないって言ってたもんね。こんなに心地良かったら寝ちゃうのも仕方ないって思うなぁ。
目を瞑っているゆんゆんの頬を指先で何度か押しても反応が無いからぐっすりと寝ているみたいだね。ふふっ、すやすやと寝ちゃって可愛いんだから。
肩により掛かっていると寝づらそうだから、ゆんゆんを起こさないように慎重に頭をずらして膝上に置いた。肩よりも、膝を枕にした方がゆっくりと寝れるよね。
気持ち良さそうに寝ているゆんゆんだけど、風に揺られて髪の毛が顔に掛かって少し寝苦しそうにしていたので、顔に掛かっている髪を優しく退かすと、また気持ち良さそうにすやすやと寝息を立て始めた。
ゆんゆんが寝ている姿を見ていたら私も眠くなってきちゃったけど、夜更かしした子がぐっすりと眠れるように、頑張って見守ろう。デートプランをしっかりと考えてくれたみたいだけど、それはまた次の機会に楽しませて貰っちゃおうかなー。だから今はゆっくり休んでね。
辺りが夕暮れでオレンジ色に染まり始めた頃、私もうつらうつらと半分寝かけていたんだけど、突然ぱっちりと目を開けてから起き上がったゆんゆんに驚いて、ぱちくりと何度か目を瞬かせていると。
「あ、あれ……、何でもう夕方に……? えぇーッ!?」
「おはよー。ふふっ、ぐっすり寝ちゃっていたねー」
「えっ、嘘でしょ……!? 私、寝ちゃってたんだ……、せっかくデートプランを考えたのに……」
普段夜更かしなんてしない優等生ちゃんなゆんゆんが夜更かししちゃったからねー、まあ眠くなっても仕方ないって思うな。
「どんなプランを考えていたのー?」
「えっと、夕方の今頃は小高い丘の上でキスして――」
「え? キス……?」
「わあああっ!? な、何でもないから! ほ、ほんとに何でも無いからね!?」
そんな、両手をわたわたと動かして慌ててたら誤魔化しきれないと思うなー。
「ふーん、デートプランが上手くいってたら私、キスされちゃってたんだー」
「ち、違うの、寝ないで考えていたから、深夜テンションで考えがヘンな方向に行っちゃっただけなの!」
ゆんゆんが何度も頭を下げて謝ってるけど、考えていたくらいでそんなに謝らなくてもいいのにねー。で、でもそんなにキスしたかったのなら、私もちょっと頑張ってみようかな……!
「はい、ちょっと目を瞑ってねー!」
「は、はい!」
何故か、姿勢を正して直立して目を瞑っているゆんゆんに近づいて、頬に軽くキスをしてから……サッと身を離した。
だって、キスをした途端、恥ずかしくなっちゃったんだもん……、何故か凄くドキドキしちゃったし……!
ゆんゆんが突然の頬への感触に驚いて身体を跳ねさせて、目を開けたゆんゆんに背を向けて、公園の出口に向かって歩き出す。
「す、すとれ……? いま、ほっぺに……」
「ゆ、ゆんゆんのデートプランは失敗しちゃったから、今日はここまでだよ! だから今日は帰ろうね! ほ、ほら、公園の出口まで競争だよー!」
ゆんゆんの返事は待たずに出口の方向へ駆け出す。絶対顔が赤くなってるから見られたくないもん。何でキスなんてしちゃったの私!?
「えええっ、待ってよー!?」
待ちませんからー!
うぅ、まだ恥ずかしいよ……!
ゆんゆん
恋愛小説にあるようなデートがしたかったらしい。
デート前日に夜更かしした結果すやぁ……ってなってた。
すとれ
ゆんゆんの頬にキスをしたら凄い恥ずかしくなってた。
きっと、あるえの恋愛小説を読んだ効果。
読んでいただきありがとうございます!
改めて投稿が遅れてすみませんでした!
次回の投稿は未定です。すみません!
ちまちまと続きは書いていますので、完成次第投稿します。