地味な顔の女に成り代わったジジイの勘違い鬼殺譚   作:道央花子

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下手な文章を凝りもせず投稿させていただきました。道央花子です。鬼滅の刃全巻読みました。
前書きでこういうことを描くのもどうかと思うのですが嫁×宇髄天元を妄想しておりますのでもしかして続きを書くときに出番が多くなるやもしれません。
ラスボス前にエタってしまう可能性が高いですのでチラ裏にて失礼いたします。どうぞ優しくお願いいたします。


地味な顔の女に成り代わったジジイの勘違い鬼殺譚 序章

酷く風の強いある夜の事。

地味な顔の女が1人、手の内の簪を握りしめる。

後ろには人の形をかろうじて保った異形の生き物が追ってきている。

今まさに女の背に異形の手が迫った時、簪を両の手で握りヤケクソで振り回した。それは花を模した簪で、運良く異形の手に刺さるとそこからヒビが入ったように裂けていく。

次の瞬間には粉の入った袋を投げたような音と共に塵と消えた。

 

ーーーーーーーーー

 

「花を使って鬼を倒す女?」

不死川は眉をひそめて眼前の大男を睨めつけた。

鬼とは元来特殊な金属で作った刀、日輪刀で首を落とすか日光に当てねば死なないものであった。例外は鬼の始祖鬼舞辻無惨の呪いか、鬼殺隊の蟲柱胡蝶しのぶの藤の花から作った毒のみ。

「するってぇとなにかい。胡蝶みたいに毒を操るって言うのか市井の女が」

言葉を続けた不死川に宇髄はかぶりをふった。

「いいや、そのまんま手折った花だ。花を振るだけで異形が崩れ去って死ぬって。噂だがな」

昼の茶屋に似合わない傷だらけの不死川と体格がよく歌舞いた様相の宇髄は遠巻きにされているのをいいことに話を続ける。

「へっ、花を振って鬼を倒せるなら世話ねぇや。それでなんだってその噂話を俺に。嘘か誠かもわからねぇんだろ?」

「いやなに、お前の担当地域を中心に出回ってるウワサだからよ、真偽を確かめるにも出回ってる場所があちこちでいまいち規則性がなくてつかみきれない。容姿を尋ねても長い髪に白い顔手がかりになりそうもないものばかりでな。唯一が花を持っているということだけだ。」

串団子をひょいと口にいれた宇髄が不明瞭な声で言う。不貞腐れたように聞こえるのは気のせいではないだろう。不死川はふぅと湯呑に息を吹き吹き思案の顔を見せた。

「まぁ本当なら是非迎え入れたいってのが御屋形様のお考えだ」

「……何かお見えになられたのか」

「そうかもしれないが明言はされなかった。探すのも強制ではないんだが……」

「俺が見回ってるうちにそういう噂は聞かなかったがねぇ」

「そりゃお前は一途だからぁ?」

「うるせぇ、時間だもう行くぞ」

茶屋を出て2人は別の方向へ足を進める。

えらく目立つ容貌の二人はするりするりと人垣を抜け、夕暮れの町を行く。

 

ーーーーー

 

サエコはどこにでもいる町娘だった。オシャレを楽しみ学友との交流を楽しみ、恋を楽しみ。

そんなサエコが自分が(よわい)80を目前にした爺であることを思い出したのは両親が謎の異形からサエコを逃がそうとし囮となって幾ばくもせず切り裂かれた時だった。

記憶が唐突に蘇ったこと、両親が目の前で血飛沫を上げた事で恐慌状態に陥ったサエコは箱を持ったまま転がるように外に走り出た。

そして小石か何かにけつまづいて転んだ。

ほんの二刻前ほどに恋人から届いた簪の入った箱を取り落とした。

「あっ」

中からころげでた簪は意匠が大きく、青い花がとても印象的だった。じじいの意識がそれを拾って刺せばきっと隙になる。その間に逃げるんだ。そう叫んだ気がした。

簪を両手で力強く握りしめ、振り上げ異形の手に刺すと異形はこの世のものとは思えない声をあげた。かと思うとサエコが簪で刺したところからザラザラと砂のようになり、ドサリと崩れ落ちると風に消えていった。

「はっ……ざまぁみやがれ!!」

異形が消えた後、物音に気が付いた野次馬が乱れた格好で叫んだサエコの周りに集まってきた。サエコの視線の先には血だらけで倒れ伏す両親があった。野次馬はサエコの手に握られた簪と血だまりを見てサエコが両親を簪で刺し殺したのだと思った。

「ひ、ひとごろし!人殺しだ!サエコが両親を殺しやがった!」

「キャーーーーーーーーー!!」

一人が叫ぶようにサエコを人殺しと断じると一様に野次馬が混乱に陥ることになった。そしてその野次馬らの叫びを聞きつけて町の警官がサエコを取り押さえんとやってきた。

「違う!俺じゃない!!」

「狐憑きじゃ!サエコは狐に憑かれたんじゃ!」

狐憑きだと叫んだのは隣家に住んでいたサエコの祖母だった。孫は俺などと言わない。祖母の言うことに信ぴょう性を感じた町民に混乱は広がっていく。

「捕縛しろ!気を抜くな凶器を持っているぞ!」

警官がサエコに向って手を伸ばして来た。サエコはどうにか誤解を解こうと考えるが、どう考えても信じてもらえる話じゃない。サエコはサエコとして生まれる前に爺だったなんて。

(佐伯勝蔵(さえきしょうぞう)がサエコになるとはなんの因果だ!)

サエコは逃げた。幸いサエコの家は林に近く、上手く隠れながら町を離れていった。

「追え!逃がすな!!」

遠くから警官らしき男たちの声が聞こえてくる。裸足で駆けるサエコは痛みに立ち止まり物音におびえまた走り町の明かりが完全に見えなくなってやっと呼吸を整えることができた。

 

 

 




序章、お読みいただき誠にありがとうございました。
できれば前中後終章で納めたいと思っております。おそらく今年中にまたUPいたします。
エタってもいじめないでいただければ有難いです。どうぞよろしくお願い致します。
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