桜満集無双   作:らんの

1 / 10
随分と遅れてしまいました。30分間分まるまる書くのは疲れますね

セリフの前には人物名を入れ、モブには何も無いこととします。


第一章
#1発生 genesis


通学途中の電車内、俺は大きく欠伸をする。昨日できた頬の擦り傷が少し痛んだ。やはり肉弾戦での多闘戦は無理があったか、

 

祭「おはよう!集。その傷大丈夫?」

 

中学からの友人である祭が声をかけてきた。気づくのが早い…

 

集「うん、大丈夫だよ」

 

祭「あまり危険なことしないでよ?集は昔から危なっかしいところあるから」

 

集「昨日怖い人達に絡まれちゃってさ」

 

祭「もう、集が強いのは知ってるけどやっぱり心配だよ」

 

集「大丈夫だよ。祭を置いて行ったりしないから、」

 

祭「急に…そんなこと言われても……」

 

顔が俯いている。怒らせちゃったか?

 

目のやりどころに困り、なんとなく窓の外を見るとそこには戦車があった。それはいつものことだが少し違和感がある。

 

集「なんか多いな、今日。」

 

いつになく多いGHQの戦車や兵を見てつぶやく。

 

祭「ニュース見てないの?」

 

昨日は不良と闘って家帰ってすぐ寝たからなぁ

 

祭「昨日、テロとか何かあったらしいよ、」

 

祭は端末を見ながらそう言った。

 

祭「お台場…じゃなくて今は24区だっけ?」

 

集「ふーん」

 

そんなことがあったのか。確かに今の現状を良いとは思わない。しかし一介の男子高校生がどうこうしようとは思わないしできるとも思わない。そんなことを考えながらぼんやり窓の外を眺めていた。

 

-------------------------------

学校に着いて自席に座ろうとする。

 

颯太「おい集!」

 

クラス一のお調子者、同じ映研に所属する颯太が俺に駆け寄ってきた。

 

集「何だよ、」

 

颯太「これ見てくれよ!」

 

颯太は自分の端末を俺に見せてきた。そこにはどっかで見たような見なかったような映像が映っていた。

 

颯太「これ、EGOISTのPVなんだけどさぁ」

 

興奮気味に俺に話してくる。

 

集「エゴイスト?ああ、サイコパスのED歌ってたアイドルグループか、」

 

颯太「EGOISTはウェブアーティストだし俺はサイコパスは見てねえんだよ、」

 

これもノイタミナ枠だろうが、見とけよ。まあいいか、

 

集「それで?これがなんなのさ?」

 

颯太「いや、こんなすげぇ映像だぞ⁉︎映研としては抑えとかなきゃダメだろうが!」

 

集「おっ、おう…」

 

うーん、ミステリアスって感じか?つーかこれに匹敵するほどのを作るのは面倒だぞ⁉︎あえて無理とは言わない。というよりやる気さえあれば可能ではある。さらさらやる気などないが

 

颯太「でもそれだけじゃなくてよぉ!このボーカルのいのりちゃんを見てくれよ!」

 

いのり?どっかで見たような…まあいい。とりあえず見てみた。何かピンク掛かった髪とかどこかのブラコン姉を思い出す。寒気がしてきた。とは言ったものの細部は違うみたいだ。なんかこいつは生物のように見えない。なんつーか、人形みてえだ。そんなことあまりにも失礼だから言えたものではないが。

 

集「こいつがどうかしたのか?」

 

颯太「どうかしたって…可愛いと思わねえか⁉︎」

 

やはりそういう話題だったのか…むしろこちらがメインか?男子高校生はこういう話で盛り上がるのかねぇ?ただし

 

集「悪い、タイプじゃない。俺の苦手なやつに面影が似ててさぁ…」

 

そう、2029年にロスト・クリスマスを引き起こした張本人。俺の実の姉である桜満真名にどことなく似てる。全責任が彼女にあるとは言えないが。俺の化け物発言は関係ないだろう…ないよな?ないわ。

 

颯太「…お前……なんか大変なんだな…」

 

お調子者のテンションがここまで下がるとはね…まあ自分の可愛いと思った異性をここまで否定されればそうなることもわからなくもない。

もう戻って行ってしまった。

 

祭「颯太君、可哀想…」

 

集「いや、嘘ついて可愛いとでも言えってのかよ、」

 

祭「ちょっとは空気読もうとか思わないの?」

 

別に怒ってるわけでなく本気で疑問に思っているようだ。

 

集「思うわけない」

 

空気は読める。ただ読まないだけだ。読んでるつもりで全く読めてないクズよりはマシだろう。俺は本当のことを言っただけだしな。

 

 

「空気を読む」俺はその必要性がわからないわけではない。でもそんなことをして友達風のものを大量に作るくらいならば、本音を言い合える友人が数人いるだけでいい。もしそれで一人も友人がいないのであればそれでもいい。友人がいなくても死なないし飯も美味い。その感覚がズレていることも分かっている。

内心焦りながら皆と話を合わせていても、そんなの居心地が悪いだけだ。

 

 

日本は今、独立風の主権で運営している。母さんはそう言う。10年前、アポカリプスウイルスのパンデミックでこの国は滅茶苦茶になって、大勢の余所の国にとんでもなくお世話になった。今でもお世話になりっぱなしで日本はようやく屋台骨を支えている。色んな事実が俺らに伝えてくる。

 

“君たちには任せておけない”

“君たちには大切なものを守る能力がない”

 

だが、そんなのは間違っている。こんな状況をいつまでも続けて行くことを俺は良しとしない。だから、

 

「強くなる」

 

そう言い残し10年前、俺の前から去って行った親友と共に俺は強くなると誓った。俺にもやれることがあると信じて。そして俺の大切なものを守るために、

 

祭「でも集はああいう子は好みじゃないんだ…」

 

ホッと一息つきながら小声で呟いた。

 

集「ピンク髪より茶髪の方が好きだからな。」

 

祭「っ…⁉︎そっ、そういうことは普通聞いてないものでしょ!」

 

顔を真っ赤にしながら怒った。

理不尽だ、

 

-------------------------------

昼休み。俺は映研の作業をしようといつもの廃校舎に向かっていた。そこで弁当も食う。なぜならあそこは誰の干渉も受けないベストプレイスであるからな。ちなみに言っておくが俺はぼっちではない。颯太や祭、それから谷尋というクソイケメンと委員長もなんだかんだ付き合ってくれる。俺の性格を受け入れてくれてるのか、それとも映研だからかは知らん。

 

 

廃校舎に着いた。しかしすぐ中に気配を感じた。

ここにこの時間、誰かがいたことは一度もない。俺以外がいることは滅多にないのだが例外あってもおかしくない。99%ならば1%が起こることだってあるのだ。

俺は少し警戒しながら中へと入っていた。

 

♪咲〜いた〜 野〜の花よ〜

 

歌声が聞こえる、これは今朝聞いた…「エウテルペ」

 

声の持ち主はやけに露出のおおい少女だった。

うーん、すごい既視感。

その光景に気を取られていた俺は落ちていた空き缶に足を当ててしまった。

 

カランカラン

 

いのり「……っ⁉︎」

 

こちらを振り向き警戒体制に入った。すると少女の影から白いタチコマみたいなのが飛び出してきた。そしてワイヤーを俺の左足へと伸ばしてくる。その姿を見ながら前へ走り、ジャンプで避けながら一気に距離を詰める。手の届く範囲まで一瞬で近づき、そしてタチコマを片手で掴み持ち上げた。どうやら最後の抵抗だったらしい。タチコマは力尽きたようだ。よくできているもんだ。

少女は恨めしそうに俺を睨んでいた。その髪からそれが誰なのかは見当はついているが、

 

 

集「侵入者はおまえらだろ?急に失礼じゃねえか」

 

少女の目を見て睨み返しながら言う。よく見るとボロボロのようだ。どうりではだけているわけだ。

 

集「……EGOISTの、いのりだな?」

 

ボロボロの格好、俺に気づくまでの反応、警戒心、そして昨日の24区でのテロ。これらを掛け合わせ、そしてあることを思い出した。

 

“楪 いのり”

 

どこでその名を見たのかを思い出した。随分前に、葬儀社とか言う名のテログループのコンピューターにハッキングしたときに、名簿の中にそんな名前があったのだった。ちなみにあそこのセキュリティは他のテログループのと比べ少し強かったが、俺が失敗するほどではない。

それはそうとこいつがテロリストであることは間違えない。このご時世、テロリストに人権はないのだから、つまり今ここでどうしようが俺の勝手だ。サツに届けるのが一番模範的だがそこまでGHQに協力するつもりはない。

 

ググゥーー…

 

そんな思考を張り巡らせていると、

この緊迫した状況の中で間の抜けた音が鳴った。

 

-------------------------------

 

カタカタカタカタ

 

 

作業に取っ掛かりながらおにぎりを一個食っている。他は楪にやった。昨日から今までろくに飯も食べてないのだろうしテロリストに飯与えたくらいで罪にはならんだろうしな。最悪知らなかったで済ませればいい。これだけでテロリストだと勘づく奴なんて俺くらいだろうしな、

 

 

いのり「…EGOISTの曲で何が一番好き?」

 

おにぎりをムシャムシャ食いながら聞いてくる。警戒解くの早えなぁ…いつまでも警戒されてても面倒ではあるが、

 

集「“名前のない怪物”だな、」

 

いのり「そっちなの…」

 

なんかションボリされた。

 

 

-------------------------------

 

いのり「ロンドン橋落ちた♪落ちた♪落ちた♪」

 

上でタチコマを弄くってるようだ。

 

集「なぜここにいるんだ?」

 

上に上がり尋ねてみる。もちろん分かってはいるが念のためと反応を確かめてみるためだ。あと出てってもらうためにも。

 

いのり「この子を涯に届けるの。」

 

集「え?」

 

一瞬戸惑った。だが一瞬だ。涯、“恙神 涯”のことだな。ハッキングした時に見た。そのタチコマは持ち物らしいから恐らくは“その中身”が重要なのだろう。まあそれが何だっていい。それが世界を揺るがすものだろうが、ここで取り返すような正義の味方らしいことはしない。

 

ちなみにこいつは俺の問いに答えられていない。恙神 涯にそれを届ける気があるのならば速やかにこの場から立ち去り一刻も早くリーダーの元へと行ってもらいたいものだ。しかしこんなところにいるくらいだからトラブったんだろうな…せいぜい頑張って欲しいものだ。

 

いのり「取って、…えっと……、」

 

 

集「桜満 集だ。」

 

そういやまだ名乗ってなかったんだな。

そんなことはどうでもいいがこいつ、俺にあやとりを突き出してきた。どこかのブラコン姉を思い出させる。まあいい。あやとりが得意なわけではないがこれくらいはできる。とりあえず取ってやるか。

 

集「ほい、」

 

すると楪は笑顔を見せた。

 

そのとき、

 

 

ドカッ!

 

扉を蹴る音、そろそろ来たか。

 

 

駆け寄ってくるアンチボディズの兵達を平然と見下ろす。

 

いのり「ふゅーねる、」

 

そう呟いて下へと飛び降りて行った。自分を犠牲にしてまで守るとは。そこまで大事なものなのか、

その目的意識には感心する。

 

ふゅーねると思われるタチコマは前に進もうとしたが力尽きる。俺を倒そうとした気合はどうした!気合は!

 

いのり「っ……!」

 

グエン「おっと」

 

撒こうとするがすぐにハゲに捕まる。あいつが親玉か。

 

いのり「ウッ…⁉︎」

 

一人の兵がライフルで楪の腹を殴った。女相手に容赦ねえなぁ、俺は女は“極力”傷つけないようにしてるぞ。極力。

 

バタッ

 

まあ楪は倒れた。

 

グエン「学生か?」

 

威圧するように俺にそう言う。

 

集「ええ。やはりそいつ、何か昨日のテロと関係あったりするんですかねぇ?」

 

確信してた様子は見せない。何言われるかわからないし。まあ動揺はしてないけど。

 

グエン「察しがいいな、この女は犯罪者だ。もし庇うのであれば君も同罪として浄化処分するぞ。」

 

兵二人が俺にライフルを向ける。

 

集「別に庇う気なんて無いですよ。少し気になっただけです。」

 

両手を挙げ、敵意がないことを示す。こんなことをしなくてもここで今すぐ浄化処分されることはないだろうが、余計なことは避けるべきだ。

 

グエン「フン、中々肝の据わったガキだ。データ照合の結果は?」

 

 

兵「六本木の、葬儀社の一員に間違いありません。」

 

ビンゴだったな。どうでもいいが、

 

グエン「フン、テロリスト風情が!」

 

ハゲは容赦無く楪の顔に蹴りを入れる。そこまでひでぇことは俺でもしねぇよ。少し引いた。

 

グエン「連行しろ、」

 

兵達「ハッ!」

 

こうして楪は引きずられて行かれました。

 

-------------------------------

 

カタカタカタカタ

 

作業を再開させる。今回はかなり変わったことがあったが所詮何も関係ない。俺はまたいつもの俺に戻るだけだ。

 

ギュイーン

 

集「は?」

 

ふゅーねるがこちらに猛スピードで近づき、そして地図を表示する。つーかこいつまだいたのな。すっかり忘れてた。

恐らく地図で示された場所に恙神 涯がいるんだろうな。GHQに楯突くという目的の下届けるのもありではあるが、やはり面倒だ。とりあえず中身見てみるか。見るだけならバチも当たらないだろう。

軽い気持ちでふゅーねるを開けてみた。しかし、

 

集「…⁉︎これは!」

 

液体の入った見覚えのあるシリンダー。いや、忘れるはずがない。突如俺の中で10年前の記憶が呼び起こされる。

 

 

 

------------------------------

10年前、真名によって滅茶苦茶になってしまった教会を尻目に俺は走り出していた。父親の元へ、

 

しかし予想外のことが起こっていた。父-桜満 玄周-が血塗れの状態で倒れていたのだ。

 

集「父さん!しっかりしてよ!」

 

俺は父に必死に呼びかけていた。

 

玄周「…し……集…。父さんは……もうダメだ。」

 

集「そんな…」

 

玄周「いいか……よく聞け。今からお前に投与するのはとても恐ろしいものだ…。しかし……これがたった一つの……希望なんだ…。」

 

内心一体何を言っているのかわからなかった。父は涙を流し、そう言いながらポケットから一つのシリンダーを出す。

 

玄周「これから…お前は辛い思いをすることとなるだろう……。だが…、僕はもう……これをお前に託すことしかできない。これが……僕の…意思なんだ……。大切なものを守りたいのなら……この力を使いこなしてくれ!」

 

そして、父は俺にシリンダーを刺した。

 

------------------------------

 

それからはよく覚えていない。ただとても苦しんでいた記憶がある。気がついた時には母さんがいただけだった。そして分かったのは、父と姉が死んだということだった。

 

集「そうか、あいつ、セフィラゲノミクスから…」

 

俺はふゅーねるを恙神に届ける気はさらさら無かった。しかし中身を見てしまった以上“王の力を持つ者”として、協力しなければならないという義務感が生まれてしまう。これが誰の手に渡ろうが俺には関係ないはずであるのだが。

やむを得ない。これから地図の示す場所まで行くか。

 

------------------------------

 

ふゅーねるを抱えて地図で示されたところまで来た。六本木か…。できれば来たくなかった。なぜなら、

 

「おいおまえ」

 

こういう人たちがいるからだ。

 

集「はい」

 

とりあえず当たり障りの無いように返事をしておく。

 

「それ炊けんの?」

 

集「は?」

 

「それ飯炊けんの?」

 

集「いや、それはないだろ…」

 

炊飯器持って歩く奴がいるかアホ。

 

「それ置いてけよ」

 

集「それは無理だ。」

 

 

すると相手はいきなり殴りかかってきた。

単純な攻撃だったため、避けて一発鳩尾に膝を入れる。

 

「グフォッ⁉︎」

 

集「こっちは両手塞がってるんだからもうちょいがんばれよ…。」

 

「なんだあのガキ⁉︎やりやがったな!」

 

他の三人が襲いかかろうとする。だが昨日のより人数は少ない。

 

「野郎!」

 

一人が背後から殴りかかってくる。

 

背後に回り込みながら回し蹴りのような動きで背中に膝を思いきり打ち付ける。

 

「ガァッ!」

 

一人倒れた。

 

「やりやがったな!」

 

また一人こちらに走ってくる。正面にふゅーねるを持ったまま走って向かいうち、最低限の首の動きで拳を避ける。走った勢いそのままに腹部へと頭突きした。

 

「ウゴォッ!」

 

二人倒れた。

 

「畜生!」

 

最後の一人がナイフを取り出した。穏やかじゃない。気に留めることなく再び走り、飛び上がって顔面に両足で蹴りを食らわせた。

 

「ブフッ!」

 

最後の一人も倒れた。

 

手応えが無い。こちらは両手が塞がってるわけだし数でも勝っているのだからもう少し頑張ってほしい。

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

すると突如こちらを無数のライトが照らした。

 

涯「やあ、死人の諸君」

 

金髪の男が俺を見下ろす形で言った。こいつが恙神 涯か?そいつの顔をよく見ると、記憶の中の誰かと重なった。そしてすぐにそれが誰なのかわかった。印象は相当変わっているが俺の直感が間違うはずはない。そう、彼は幼少時代を共に過ごした、

 

 

集「トリトン…なのか?」

 

 

かつて強くなるといって去っていった親友。それがトリトンだった。彼が居なければ今の俺は居なかっただろう。断言できる。

 

 

涯「ほう、覚えていたか。」

 

トリトンは笑みを浮かべる。

これが運命の悪戯かと思いつつ気配を感じたのでそちらへと視線を向ける。

 

集「ん?」

 

 

ツグミ「それふゅーねるでしょ⁉︎返して!」

 

ふゅーねるをそこにいた猫耳に奪われた。

 

集「感謝ぐらいしてくれてもいいんじゃないのかな?…猫耳ちゃん。」

 

ツグミ「いのりんを見捨てるような最低男に感謝なんてしないわ!ベーッ!それと私はツグミよ!」

 

集「知るか」

 

あれ見捨てたってことになるのか?俺が助ける義理ないよな?そもそもあの状況で一介の男子高校生に何を求める?

 

その間にも恙神 涯がこちらに向かって来た。

 

涯「で、あれと一緒にいた女はどうした?」

 

ふゅーねるを指差しながら言った。

 

集「ハゲ率いるアンチボディズの方々に連れてかれた。」

 

涯「見捨てたのか」

 

集「助ける義理はないだろ。」

 

ドーン!

 

俺がそう言った瞬間に近くで爆発が起こった。

 

「涯!GHQの白服共が街に入り込んで来てます!」

 

ヤバイな、なぜこんな時に。やはりゲノムはここまでしてでも取り返したいのか。

 

------------------------------

 

 

街まで来てしまった。

 

アルゴ「チックショー、あいつら!お構いなしに実弾をばら撒いてやがる!」

 

不良っぽい見た目をした奴がそう言って走って行った。どんな独り言だよ…

 

涯「ツグミ、綾瀬達はどうしている?」

 

ツグミ「綾ねえ達は…左方に機影!」

 

左方を見てみる。エンドレイヴとか言うロボがこちらに走ってきているようだ。最悪飛び越えるか。

 

だが上から来たもうひとつのエンドレイヴがそれを踏み潰した。

 

ドゴーン!

 

目の前で爆発が起こる。

 

集「チッ!」

 

バックステップで少し距離を置く。

 

 

綾瀬「どいて!邪魔よ!」

 

エンドレイヴから声がした。へいへい。

 

涯「行け!集!そいつを絶対に手放すな!今度こそ守ってみせろ!」

 

テロリストの仕事押し付けて走って行きやがった。一応感動の再会のはずなんだけどな。まあ依頼されたら何も言わずすっぽかす俺では無いので走り出した。

 

今見た感じなら、エンドレイヴ一機くらいなら生身でも勝てるだろう。エンドレイヴは痛覚が直接パイロットに行くと聞いたことがある。使徒でも倒しに行くのか知らんけど。つまりは痛覚を刺激すればパイロットを倒せるだろうから強制ベイルアウトにでも追い込めばいいだろう。

 

とりあえずヴォイドゲノムを守りきることが俺のノルマだな?

 

------------------------------

 

ビルの物陰から出る。すると瓦礫の上へと登っていく楪がいた。しまった!エンドレイヴと対峙してるじゃねえか!

 

躊躇いなく俺は最高速でエンドレイヴへと駆け寄っていく。

 

集「ハアアアァァァ!」

 

大声で叫びながら向かっていく。こちらに注意を引き付けるためだ。

 

エンドレイヴの一つがこちらに銃を向けてきた。よし、

 

 

チュドン!

 

 

一発こちらへと打ってくる。俺は上へと飛び上がりそれを避ける。人は敵と自分とに圧倒的な戦力差があれば絶対に油断する。今パイロットは絶対に勝ったと思っただろう。ニ発目を打ってこないことが何よりも証拠である。俺はエンドレイヴまでの距離を一気に詰め、そして瓦礫の上の楪のすぐ横を通過する。もう一度飛び上がり、エンドレイヴの痛覚部分へとかかと落としを食らわせる。

エンドレイヴは思いきり地面へと叩きつけられた。

 

もう動かない。やったか。しかし周りを見渡してみるとまだ複数のエンドレイヴがいた。

 

集「これは、まずいよな?」

 

すぐに瓦礫を登り、そして楪を抱きかかえ逃げようとした。

 

集「行くぞ!楪」

 

そう呼びかける、しかし、

 

いのり「集…お願い!私を……使って!」

 

そしてこちらへ両腕を開く。すると銀色の光が光り始めた。

 

『この力を使いこなしてくれ!』

 

急に、父さんの言葉が聞こえてきた気がした。そうか。

 

 

「これが“王の力”なんだな!」

 

 

そして俺は楪の胸へと手を伸ばした。

 

 

 

 




感想・アドバイスありましたらよろしくお願いします
m(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。