桜満集無双   作:らんの

4 / 10
ホンットに遅くなってクソスミマセンでした!
一応弁明だけさせて頂くと忙しかったんですよね、最近

頑張ってどんなに遅くとも月一は目指したいと思います。


#4浮動 flux

谷尋「悪いな」

 

同じ学校の生徒の一人がGHQに捕まる。その異様な光景に、車内にいた天王洲第一高校の生徒達は皆戸惑いを隠しきれない。

 

花音「桜満君?…」

 

その一人、草間花音もそう言うことくらいしかできなかった。

 

 

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恩を仇で返すという言葉がある。俺は今回まんまとそうなっちまったわけである。わざわざ目撃者を殺すこともせず穏便に済ませようとしたらこのザマだ。

とにかく今は谷尋をぶん殴ることしか考えていない。

 

カチャ

 

ピエロのような風貌の男に手錠をかけられる。俺のヴォイドで意識を奪ってしまおうとも考えたが、これ以上抵抗するとさらに状況がややこしくなると思ったのでこうして素直に従っているのである。

 

嘘界「君はとてもいい友達を持ちましたね。」

 

集「ええ、ぶん殴りたくなるほどいい友達をね。」

 

こいつ性格悪いな。今の一言で分かった。

 

 

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車内。どこに連れてかれているのかは検討もつかない。とりあえず死刑と終身刑は御免だ。

ちなみにこの日本にも終身刑が導入された。ロストクリスマスの後にね。

 

ピッピッピッピッ

 

どうやら横でさっきのおっさんが携帯をいじってやがる。しかもガラケーときてやがる。まだ生きてたのかよ。

 

嘘界「桜満君、君に質問があります。」

 

集「答えられる範囲であれば何でもどうぞ。」

 

質問によっては答えないぞと釘を刺す。

 

嘘界「…“脚にフィットするパンツやタイツのこと、スパッツやカルソンとも。”四文字。なんだと思います?」

 

集「えっ、」

 

何か尋問するんじゃなかったのか⁉︎まあいいや

 

集「レギンスじゃないですか?」

 

嘘界「なるほど⁉︎ありがとうございます!レギンスっと、」

 

ピピピピッ

 

高速で打ち込む。手慣れてるねぇ。

 

嘘界「私はパズルの空欄が大嫌いでねぇ…君にはそのパズルを埋める協力をして欲しいのです。少し狭いですが静かに考えられるよう部屋を用意しました。パズルが解けるまで、好きなだけ居ていただいて結構ですよ?」

 

居ねえよ。さっさと俺を日常へと帰しやがれ。

 

集「ところでおっさん、」

 

嘘界「おっさんとは失礼ですね。私には嘘界=ヴァルツ・誠という立派な名前があるのですよ?」

 

苦笑しながらこちらに話してくる。

 

集「へえ…父さん並みに酷い名前ですね、」

 

嘘界「あまり桜満博士を馬鹿にするものではありませんよ?」

 

自分自身については否定しないのかい。とりあえず話ができそうな人で良かった。あの脳筋ハゲデブ野郎だったらどうなってるか分からんかったからな。

 

 

 

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教室

 

颯太「ええっ!集がGHQに捕まったって。あいつGHQの兵士を殴ったりしたのかよ⁉︎」

 

当たらずとも遠からず、と言ったところである。これが日頃の行いというものなのか。

 

花音「私もびっくりして先生に確認したけど、何も分からなくて…」

 

 

祭「集が…って。嘘でしょ⁉︎」

 

祭は集のことを聞いて涙ぐむ。その光景をいのりはただ見ているしかなかった。

 

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茎道「桜満博士の息子を?」

 

嘘界「はい。葬儀社に関与した容疑で拘束しました。お気に障りましたか?」

 

画面越しに特殊ウィルス災害対策局長-茎道修一郎-は怪訝そうな様子でそう言う。

 

茎道「そうではない。君の心証は?」

 

嘘界「黒です。彼が葬儀社に関与しているのは間違いありません。」

 

そう言って嘘界は映像を流し始める。

 

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嘘界「寒川君からのプレゼントです。」

 

そう言ってからおっさんがディスプレイに表示させたのは、俺がトリトンと話してるところやその他葬儀社についての写真だった。

 

集「まあ…これは随分と迷惑なプレゼントですね。」

 

本当に迷惑だよ…

 

嘘界「これは恙神涯、葬儀社のリーダーだ。」

 

ディスプレイに映ったトリトンの写真を指し、そう言う。

 

嘘界「なぜ君のような少年がこんな所にいて、こんな男と話さなければならなかったのかな?」

 

ああ。もう完全にバレてる…

 

集「まあ……運命の悪戯って奴ですよ…」

 

一応嘘は言ってない。

 

嘘界「桜満君、」

 

おっさんは一瞬「?」といった表情を浮かべたが、さほど気にしない様子で話し始めた。

 

嘘界「ここのご飯は美味くないよ?あのソフト麺ってやつを、僕は給食以来初めて食べました。その辺のことをよーく考えて話したまえ。」

 

これは脅しのつもりか?最も、ここにいれば葬儀社に振り回されることもなくタダ飯も出されるというのであればここで過ごすのも悪くないんじゃないかとまで思えてきた。それに…

 

集「俺が小学生の時にソフト麺なんて出ませんでしたが、」

 

嘘界「まあ!それは羨ましい限りですね、」

 

にこやかに返される。この人見かけに寄らずいい人なんじゃないかって思えてきた。

 

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映像が終わる。

 

嘘界「…と、黙秘しておりますが…」

 

茎道「明らかに余計なことを言っていないか?」

 

嘘界「そこはお気になさらずに、」

 

ところどころ雑談が過ぎたようだ。

 

嘘界「ただ、テロリストにありがちな思想に固まった感じが全くしないあたり、ただのメンバーでもないようだ。つまり、謎です!」

 

 

 

 

茎道「見たまえ、嘘界少佐。」

 

そう言われると画面に葬儀社のリーダー-恙神涯-の姿が映る。

 

茎道「七分前に、さまざまなニュースポータルに一斉送信されたらしい。」

 

涯『明日、葬儀社はGHQ第四隔離施設を襲撃する。抵抗は無駄だ。我々は、必ず同志を救い出す。』

 

嘘界「ほほう、犯行予告ですか…」

 

すると恙神涯と桜満集の話す光景を不意に思い出した。

 

嘘界「局長、一つ閃いたのですが、」

 

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ズルズルズル

 

俺は一人個室でソフト麺というやつを食べていた。確かにおっさんの言うとおり美味くはないが、決して食えない味ではない。というより俺は食べ物に対して贅沢は言わないのだ。

 

ガチャン、ガラガラ

 

眼鏡が入ってきた。飯中なんだけど…

 

 

 

手錠をかけられた俺はそのまま嘘界のおっさんのもとへ連れてかれた。

 

嘘界「状況が変わりました。君に全てを話しておきましょうか。」

 

すると手錠が外された。

 

集「お、自由にしてもらえるんですか?」

 

ダメ元で聞いてみる。

 

嘘界「いえ、少し見せたいものがあるのです。」

 

まあ無いわな。

 

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車に乗せられる。

 

集「うわっ、」

 

何故か武装した兵がそこらじゅうに配置されていた。

 

嘘界「物々しくてすみません。非常警戒中でして。棟の地下にいるある囚人の警戒を強化しなければならなくなりましてね。まっ、詳しい話はまた後で、」

 

集「そ、そうですか…」

 

囚人かぁ。そういやルーカサイト攻略にスカイツリー爆破事件の犯人が必要なんだっけ?ソースは葬儀社のメインサーバー。セキュリティーがガバガバなんだよ…

 

とりあえずまあ、トリトンも動くんだろうなぁ…

俺は放っておいて欲しいが。

 

嘘界「ともかく君に見てもらいたいものがあるのですよ、」

 

楽しげに言ってきた。そんなに見せたいものってなんぞや?

 

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どっかの建物の中に連れてこられる。

 

嘘界「隔離用の病棟です。ここの施設は本来、この病棟のために作られたのですよ。そして、寒川君がどうして君を売ったか、その理由もここにあります。」

 

集「さいですか…」

 

嘘界「彼は中毒患者ではありません。シュガーはノーマジーンの売人でした。あの日封鎖されていた六本木に行ったのもその取引のために。彼はどうしても金が必要だったのです。」

 

大体話が読めてきたぞ?

 

嘘界「なぜならば、ご覧なさい。」

 

そこには無数のベッドとそこに横たわるアポカリプス患者、そして看護師がいた。

 

集「…なるほど、ここはアポカリプス発症者のための施設であると、」

 

嘘界「そうです、そしてあそこにいるのが…」

 

そう言って指を差す。その先にいたのは、

 

集「…谷尋……」

 

ベッドの横に座る谷尋。そしてそこに横たわるのは…

 

嘘界「彼の名は寒川潤。谷尋君の弟です。」

 

既に谷尋の弟には多量のキャンサーが出ていた。

 

集「あれくらいになると、ステージ3……いや、4ですか、」

 

嘘界「ええ、その通りです。」

 

集「つまり奴は弟の治療費のために俺を売ったと…」

 

嘘界「ええ、それを踏まえてどう思いますか?」

 

こんなところに入れておいても気休め程度にしかならねえのになぁ。こいつら感染してるかもわからない奴らを平気で殺そうとする集団だぞ?

 

集「変わりませんよ。やはりあいつは殴りたいくらいいい友人です。」

 

嘘界「ほう、」

 

おっさんは薄気味悪い笑みを浮かべていた。

 

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今度は一面ガラス張りの部屋に連れてかれた。金かけすぎだっつーの。

 

嘘界「コーヒーはどうしますか?」

 

集「ブラックでいいです。」

 

砂糖もミルクも邪道だ。

 

 

 

 

嘘界「…私は許せないのです。必死で守ろうとしている秩序を乱そうとする葬儀社が。」

 

これまでの日本の経緯について話した後、こう締めくくった。

 

集「なるほど、あなた方の言い分もまあ一理あると思いますよ。」

 

ホント、こんな献身的な対応、涙が出てしまいますよ(棒)

 

嘘界「それは嬉しい限りです。しかしすると余計にわからない。桜満君、なぜ君のような賢い少年が我々の善意を踏みにじろうとするのか。」

 

集「そうですね…まぁ、あれが善意とは思えなかったからです。」

 

嘘界「あれ、ですか?」

 

集「六本木の件ですよ。目の前で人が殺されそうになってたんですよ?あなた達にね、」

 

嘘界「フォートの住民達は非登録民です。定期的なワクチン接種も拒んでいる。いわば感染の温床だ。」

 

集「…なるほど。それなら人を殺していいというのですか」

 

納得いかないな。少なくともガキから親を奪おうなんて人のすることじゃねえよ…

 

嘘界「我々の兵士も殺されました。彼らも故郷のある身です、異国の地で死にたくなかったと思いませんか?」

 

集「…⁉︎」

 

返す言葉が無い。

フォートの住民を助けることと同時に兵士の命を奪ったことは事実。俺は最小限に止めているが、

 

集「結局、絶対的な正義はないのかもしれませんね…」

 

嘘界「と、言うと?」

 

ここからはもう自分達の都合の話になるな

 

集「つまりあなた達の正義のためにフォートの住民は犠牲になってしまう。そして、兵士達は葬儀社の正義のために犠牲になったということですよ。」

 

嘘界「そうですか…ならば大量虐殺犯を解放することも正義だと言うのですか!」

 

力強く眼差しでそう訴えかけてきた。大量虐殺犯…城戸研二のことか

 

集「…目的のためなら、やむを得ないのかもしれませんね。」

 

無論、俺もこれはどうかと思うがな。つーか俺フォートの住民救ったんだからもう葬儀社とは関わりたくない。

 

嘘界「……。」

 

無言でスクリーンのリモコンを操作する。

 

嘘界「あのスカイツリー爆破事件の犯人、城戸研二。葬儀社は力尽くで奪うと言ってきました。あなたではなく。」

 

そう言ってきた。だがこの人は一つ勘違いをしている。

 

集「当たり前ですよ。別に俺は奴らの仲間になった覚えはありませんから」

 

別に俺はあいつらの助けを望んでなどいない。

それに出ようと思えばこんなところ、簡単に抜け出せるしな。

 

嘘界(この状況でこれだけの平静を保つとは、やはり面白い子だ…)

 

嘘界は愉快に思った。

 

嘘界「桜満君、一つコツを教えましょう。“自分を信じろ”と言う人間に気をつけなさい。」

 

俺は はなっから一番信じられるのは自分なんですがね。それに、

 

集「友人信じて裏切られた俺に、自分すら信じるなとはどういうことですか?」

 

少し冗談めかして言った。

 

嘘界「フフッ…」

 

ん?

 

集「どうかしました?」

 

嘘界「いや、君はつくづく面白い子だ、と思ってね。」

 

笑いながらそう言った。

 

集「それは光栄ですよ、」

 

 

カチャ

 

おっさんはオレンジ色のペンをテーブルの上に置いた。

 

嘘界「これは発信機です。恙神涯と一緒にいる時、このボタンを、青、青、赤の順に押してください。そうすれば我々が彼らに相応しい罰を与えにいきます。例えそれがどんなところでも…」

 

例えそれがどんなところでも?それ完全にルーカサイト起動するつもりじゃねえか!前言撤回。こいつ全然いい人じゃねぇじゃん。俺ごと殺す気だわ。まあ面白い。少し揺さぶるか、

 

集「へぇ、面白いや。試してみよう」

 

嘘界「…⁉︎」

 

俺はそれを手に取る。

 

集「青、青…」カチッ、カチッ

 

順番に押していく。

 

嘘界「やめなさい桜満君!」

 

結構必死そうに止めてきたので、赤に指をかけたところでやめておいた。

 

集「冗談ですよ。俺もさすがに自分の命が惜しいので、」

 

あんたのその反応が見れただけで満足だわ。

 

嘘界「…君はそれが何なのか分かるんですね。」

 

集「大体見当は付いてますよ。」

 

嘘界「本当に厄介な子だ。」

 

集「まあ、念のため貰っておきますよ。気分次第では葬儀社を潰してあげられるかもしれないですからね。」

 

それに普通のペンとしても使えるしね

 

嘘界「そうなることを期待してますよ…」

 

今ので割と疲れたようだ。

 

-------------------------------

 

♪咲いた、野の花よ

 

いのりの歌声が虚しく廃校舎に響き渡る。

いのりはディスプレイに映し出された集の作成していた映像を、ただ見ながら歌っていた。

さまざまな描写が思い出される。ふゅーねるを掴んでこちらを睨んできた集や、エンドレイヴを前に走り込んできた集、八尋と闘う集にホームに取り残された集。どれも集のことばかりであった。

 

いのり「ねぇふゅーねる。どうして私、寒いの?集なら、知ってる?」

 

-------------------------------

 

また個室に戻っていた。ベッドもあるので普通にゴロゴロしていた。学校行くよりかはここに来た方が割と面白い気がする。まあ授業なんて怠いから寝てるんだけどな。

 

ガラガラ

 

俺の平穏が邪魔された

 

「弁護士との接見だ。出ろ、」

 

へいへい…

 

-------------------------------

 

面会室の椅子に座らせられ手錠をされる。海楼石でもない限り俺を拘束することはできないっつーの。あっ、俺能力者じゃなかったわ。てへっ、

 

「やあ集君!初めまして、」

 

弁護士が来た。非常にうるさいって…

 

集「…⁉︎」

 

トリトン…何をしている…

目の前にいたのは変装したトリトンであった。

 

涯「君のお母さんの依頼を受けて、君の弁護をする、メイスンだ。もう何も心配しなくていいよぉー」

 

お前が一番心配だわ!

 

涯「早速始めましょうか!」

 

ツグミ『あい!メインシステムへのハッキングを開始!』

 

通信していたツグミが返事をし、そしてカメラとマイクを潰すべくハッキングを仕掛けたのだった。

 

涯「もう話しても大丈夫かな?」

 

ツグミ『カメラとマイクは潰したよ。いつでも始めて、』

 

涯「よし、全員スタンバイ開始。」

 

急に従来の悪い目つきに戻った。俺のトリトンに関する記憶だとまだ新しいのだがな。

 

集「お前も城戸解放作戦に向かえよ。俺は一人で十分だっつうの。」

 

涯「そこまで勘付いてるとは、もはやすごいを通り越して気持ち悪いな。」

 

集「黙れよ、」

 

真顔でそんなこと言うとは腹立つなぁ

 

涯「まあ話が早くて助かるな。お前はこれからここを出て…」

 

集「それより面白いもの貰ったんだぜ、」

 

涯「」

 

集「テッテレー!ルーカサイト発射装置ー!」

 

我ながら中々酷いネーミングである。

 

涯「は⁉︎」

 

驚いて目を見開いてやがる。フフフ、見たか

 

集「これを青青赤の順に押すt…」

 

ガチャン

突如暗闇と化す。折角いいところなのに。

 

プープープー

警告音が鳴る。

 

「システムは、何者かのハッキング攻撃を受け…」

 

ハッキングしたってバレたら二流だぞ。だから俺に知らないうちにいろいろ見られてるんだよ。

 

涯「作戦を開始する。」

 

ドゴーン

爆発音がする。ミサイルまで撃ち込み始めた。これでは本当にどちらが正しいかわからねぇぞ…

 

涯「時間がないぞ、」

 

窓の外は地獄絵図である。

 

集「しゃあない、行きますかね…」

 

結局流されてばかりだ。面倒だ、

 

いのり『集⁉︎』

 

集「は?楪?」

 

通信機から声がする。

 

いのり『良かった、行くから待ってて、』

 

集「いや、待てはしねえよ…」

 

お前の力より俺の力の方があてになるしな…

 

ガンッ

 

涯「待機だと命令したはずだ!どうしてお前が!」

 

作戦通りに行動しないとは…本当に迷惑な奴だ。俺?さあ、なんのことですかねぇ?

 

ツグミ『涯!いのりんの位置を確認!施設内に単独で潜入してる。集の独房の位置をダウンロードしてるわ!いのりんは集を助けるつもりなのよ!』

 

ありがた迷惑な話だなぁ…あといのりんいのりんって3倍エンハやりそうな呼び方はやめろ。

 

にしても単独とは奴も中々の人外やなぁ。俺がここまで強くなければ最強クラスだったのかもな。

 

「接見は終わりだ!早く戻れ!」

 

楪単独にしておくのも偲びないしまあ確保しに行くか…

 

集「じゃあな、トリトン。ちょっ、どけ、」

 

「ゴォッ⁉︎」

 

おっさんの腹に肘を入れて気絶させる。

 

涯「おい!」

 

そして俺はトリトンを無視して走って行った。

 

-------------------------------

 

バババババンッ

兵士達がマシンガンを撃ってきた。

 

集「邪魔だよ!」

 

全弾よけながら走って接近する。

 

「何っ⁉︎……グフォっ⁉︎」

 

腹を殴ったり後頭部をチョップしたりして気絶させる。武器を取ろうかと思ったがマシンガン一丁じゃとてもじゃないけど分が悪い。結局素手頼りとなってしまった。

 

 

 

集「ん?」

 

しばらく走ると目の前にエンドレイヴが立っていた。量産型だし一機だけか、チョロいな。

 

集「そこどけよ!」

 

「何っ!」

 

最高速の状態で飛び蹴りを食らわした。

 

するとエンドレイヴは吹っ飛んで壁にめり込み、動かなくなってしまった。

 

シューー

 

左からシュタイナーが来た。敵か⁉︎

 

綾瀬「あんた…今のは一体……」

 

生身でエンドレイヴ倒したところを見られたらしい。こいつ俺を邪魔呼ばわりした姉ちゃんだな?

 

集「お前に話す必要はない。とりま俺は楪の馬鹿を確保しなきゃならねえんだよ。」

 

綾瀬「そうそうあなた、いのりに何したの⁉︎」

 

集「何ってなんだよ?」

 

綾瀬「じゃなきゃあの子が涯の命令に逆らうわけないじゃないの!お陰で作戦が滅茶苦茶よ!」

 

お前の言い分が滅茶苦茶だ。

 

ん?

 

集「ちょっとどいてろ!」

 

綾瀬「何なの⁉︎」

 

シュタイナーの後ろからゴーチェが接近していた。

素早く距離を縮めるとヤツのアームを掴む。

 

集「セイヤッ!」

 

「なっ!」

 

背負い投げの原理で遥か下へと落としてやった。

 

綾瀬「何なのよ…あなた…」

 

集「ただの男子高校生だよ。それより悪いけど俺のこと運んで欲しいんだけど…」

 

もう走りたくない。疲れてはいないけどね。このくらいで疲れるほど軟弱じゃない。

 

-------------------------------

アポカリプス発症者のための施設

 

 

 

ドーン!

 

バキューン!

 

ボカーン!

 

 

先程の警告音の後から銃声や爆発音がひっきりなしに聞こえてくる。このままここにいては不味いな。俺は良くとも潤が危ない。

 

八尋「兄ちゃんが絶対守ってやるからな。少し待っててくれ。」

 

そして寒川八尋は戦場へと向かった。

 

 

 

-------------------------------

 

 

運んでとは言ったけどさぁ

 

綾瀬「ごめんちょっと隠れてて!」

 

わざわざ一番下のエンドレイヴ集中してるところに運ばなくてもいいじゃん!

 

ドシーン!

 

集「うわっ!」

 

踏み潰されそうになった。

 

集「何すんだ…っよ!」

 

俺はエンドレイヴより高い位置まで飛び上がると、頭にかかと落としを決める。

 

「ギャァァァァァァァーー!」

 

うわっ、断末魔がエグい。痛覚は伝わってるんだもんな…

ご愁傷様です。

 

ウィーンウィーンウィーン

ガシャガシャ

 

集「あっ、ヤバイ」

 

一気にエンドレイヴに囲まれた。さすがにこの量相手は無理だ。シュタイナーの姉ちゃんは……向こうで闘ってる…

余裕ぶっこきすぎたツケが来たか…

 

「ぎゃっ⁉︎」

 

ドコーンッ!

 

「なんだ⁉︎」

 

突如エンドレイヴが吹っ飛んで行った。一体…

 

八尋「ったく、世話の焼ける奴だ…」

 

集「…てっ、テメェはぁ‼︎」

 

八尋が目の前に現れやがった。どの面下げて来たんだよ!

 

集「一発ぶん殴らせr…」

 

八尋「今はそんな場合じゃないだろ…周りを見ろ。」

 

そういやエンドレイヴに囲まれてるところだった。

 

集「しゃあねぇなぁ。じゃあ半分任せたよ。」

 

八尋「分かったよ、」

 

よく分からんが八尋が来たお陰でどうにか事なきを得たのであった。

 

-------------------------------

 

集「何で来たんだよ?」

 

ホント、一般人の来るところじゃねえんだが。俺も含め、

 

八尋「お前らのせいで潤が危なかったからだよ。」

 

集「そりゃ悪かったな。」

 

八尋「じゃあ俺は潤連れて逃げる。しばらく学校には行かないからそのつもりでな。」

 

集「今度会ったら仕返しさせてもらうからな!」

 

八尋「助けてやったんだからチャラでいいだろうが…」

 

八尋は歩いて出て行ってしまった。つーか逃げるなら普通に潤連れて逃げれば良かったじゃねぇか……

 

…まあ殴るのは許してやるか、

 

 

 

 

ボーーーン!

 

集「今度は何ですか?」

 

見るとトリトンがロケランで橋を壊してるところだった。酷いな、

 

「んーっ!んーっ!」

 

噴水でもがいてる奴がいる。城戸か、

 

城戸「んっ⁉︎」

 

突然動きが止まり、銀の光と共に城戸からヴォイドが出てきた。何故だ⁉︎

 

集「ハッ⁉︎」

 

上を見る。するとトリトンは掌を城戸の方に向けていた。

 

集「なるほど。お前はもう既に…」

 

こりゃ心強いな。ただあいつが王の力手に入れたんだから俺はいなくていいだろ…

 

集「とにかく今は…」

 

残りのエンドレイヴに城戸のヴォイドを撃ってみた。

 

ヴォーンウォン…

 

集「これは…重力操作か、」

 

エンドレイヴが次々浮いて行った。

 

綾瀬「ったく!キリが無いのよ!」

 

大量のゴーチェに追われて大変そうですね。

 

バキュン

 

集「これで一気に浮かせるか、」

 

噴水の上に上がって大量のエンドレイヴを全て狙う

 

ウォンウォン

 

ウォンウォン

 

次々にエンドレイヴが浮き上がっていく。

 

涯(あいつ…射撃の腕まであるのか⁉︎)

 

綾瀬「凄い…」

 

集「これなら余裕ありそうだな」

 

いのり「集ーーーーーっ!」

 

楪が上から飛び降りて来た。来たな、メインウエポン!

さっさといのりソードで終わらせちゃおうぜ。

 

飛び上がる。楪まで届いた。

 

いのり「集…お願い、信じて」

 

俺は手を取る。そして楪からヴォイドを引き抜いた。

 

いのり「ンッ…」

 

近くに殺気を感じる。すぐさまこちらを狙っていたスナイパーの意識を集める。近くには……嘘界のおっさんもいるな。

 

 

スタッ

 

俺は剣と楪、両方持ったままおっさんの前に降りる。

 

集「おっさん、今このスナイパー殺そうとしたな。」

 

嘘界「…この素晴らしい芸術を邪魔するものは消そうと思ってね……」

 

芸術?ヴォイドの光のことか?

 

いのり「集?」

 

楪は状況が分かっていないようだ。

 

集「何が異国の地で死にたくなかっただろうだよ。ちょっと悩んで損したぜ。」

 

嘘界「そうですか」

 

特に動揺もない様子で聞いている。

 

集「やはりあんたの正義は認められない。俺は葬儀社でもGHQでもない。“俺の正義”を貫く。そう決めた」

 

そう語りながら今自分の中で整理がついた気がする。

俺は大切なものを守るためにここまで強くなったんだったよな。忘れかけてたよ。

 

嘘界「なるほど、君はどうしても私の敵となるわけですか…非常に残念ですよ。」

 

集「こんな世じゃなきゃ……いや、やっぱ何でもねぇ。」

 

思ったことを言おうとしたが、咄嗟にしまい込む。

 

嘘界「ん?」

 

集「俺は行く。多分また会うことにはなるんだろうな…では、サヨナラ。行くぞ楪、」

 

いのり「うん、」

 

俺は楪を抱え、そして跳んだ。

 

嘘界(君は、とても面白く、厄介で、本当に憎たらしい子だよ。フフフ…)

 

嘘界「美しい!これがヴォイドの光!」

 

 

 

-------------------------------

 

切り札を手にしてしまった俺はもう容赦無くエンドレイヴ達を切り裂いて行った。まさに鬼に金棒というわけだ。

 

そしてエンドレイヴがいなくなる。

 

スタッスタッ

 

俺と楪は第四隔離施設だったものを後にする。

 

バッ

眩しい

トリトンが俺の顔をライトで照らしたようだ。

 

集「城戸ならここにいるぞ、」

 

後ろで寝ている城戸を指差す。

 

涯「そうか。綾瀬、回収を。」

 

綾瀬「はい!」

 

 

 

涯「お前はどうするんだ?」

 

いのり「集…」

 

楪は見つめてくる。

 

集「俺は俺の日常に戻りたい。そう思ってたが今回の件でそれは困難なことが分かった。やむを得ない。行くよ。トリトン。」

 

いのり「ヤッタッ」

 

楪が小声で喜んだ。お前笑えるのな

 

涯「……行くぞ、」

 

トリトンは向こうへと歩いていく。そして俺達も着いて行くのであった。

 

俺の日常は当分戻ってきそうにない。




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