桜満集無双   作:らんの

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久しぶりの更新です。お待たせしました。
最低でも月一、できればもっと更新スピードを上げていきたいですね。


#6訓練 preparation 2

シャーー

 

まだ6時を回らない頃、集は一人シャワーを浴びていた。

集は早朝のランニング後の朝シャンが好きだった。頭皮に悪い以上、そう高い頻度で行うことはないがそれでも朝から汗をかいた時には、集としてもなるべくしたいのだ。

 

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軽い朝食を済ました後、集は以前作戦を知らされた最初の部屋へと足を運んだ。朝食は質素なものではあったが、置かれている立場を考えれば贅沢など言えない。そもそも集自身、食べ物に文句を言う気はないので普通に食べることにしたのだった。

 

涯「なんだ、風呂でも入っていたのか。」

 

中にはメンバーが何人かいた。その中には涯、綾瀬、アルゴなどといった主要人物もいる。

 

集「早朝にひとっ走りしてきたんでな。朝シャンはいいぞー。」

 

涯「お前はいつの時代の女子高生だ⋯、」

 

アルゴ(こいつ、朝もそんなことしてんのか⋯見習わねえとな、)

 

それぞれさまざまな思いを抱いた。

 

綾瀬「それで、今日から私の訓練は受けないんでしょ?どうするつもりなの?」

 

集「そうだなー。とりあえずこいつと白兵戦何回かやってからは自主トレかな。大まかには決めてるけど、」

 

アルゴを指差しながらそう答えた。

 

綾瀬「テストさえ受けてくれれば良いけど。また昨日の馬鹿みたいなトレーニングするんでしょ?」

 

呆れた様子で言う。

 

集「えぇ⋯テストするのかよ⋯。まあいいや、せいぜい覚悟しとけ、」

 

今朝もそのトレーニングをしていたことは言わずに、得意げに綾瀬に向かって指を差してその場を去っていった。

 

綾瀬「ホンットムカつくあいつ!」

 

綾瀬は、絶対集に痛い目を見せてやると誓った。

 

 

 

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アルゴ「ハァ⋯ハァ⋯」

 

いつものバーみたいな所で、何回か月島と白兵戦をした。結果は言わずもがなだ。疲れ切ったこいつは床に寝転んでいた。

 

アルゴ「なんで全く当たんねえんだ、」

 

集「いくらお前のナイフが速かろうが銃弾のそれに勝ることはないだろ?」

 

答えになってないような答えを言った。

 

アルゴ「⋯まあいい。明日も付き合ってもらうからな!」

 

起き上がった月島はそんな捨て台詞を吐いて去っていった。いつの間に師弟関係ができてんじゃねえか?

 

 

 

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いのり「集ーー!」

 

いのりが集に向かって手を振る。

夕方、集を探していたいのりは外で向こうから来る集を見つけた。

何やらリュックサックを背負ってやってきた。

 

いのり「どこに行ってたの?」

 

集「自宅とかその他いろいろ、」

 

当たり前のように言い放った。だがそんな気軽に外歩きしていい身分ではない。

 

いのり「それ、大丈夫なの?」

 

いのりは集が捕まったりしないのかについて心配した。

 

集「そう簡単に見つかるほど俺はアホじゃねえよ。まっ、こんな所にいる暇あったら訓練頑張れよ、」

 

ヒュッ!

バババババン

 

集は持っていた空き缶を投げ、素早くホルスターから銃を取り出すと右手で五発撃った。

 

集「これくらいにはな。じゃあな、」

 

いのりが空き缶を見ている間に、集は中へと入っていった。急いで缶の方へ駆け寄ると、確かに全弾命中していた。

訓練に熱を入れさせるために挑発した集の意図とは裏腹に、いのりはただ、集の銃の腕に驚いていた。

 

 

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集「⋯」カタカタ

 

俺は部屋に戻って家から持ってきたノーパソを弄っていた。特に面白いことはないか⋯

 

ガチャ

 

集「トリトン、ノックを。」

 

涯「ここは奉仕部じゃない。それよりそれはどうした。」

 

お前そのネタ分かるのかよ、

 

集「これ?家から持ち込んできた。」

 

涯「いつ、」

 

集「さっき、」

 

涯「何外出してるんだ。」

 

集「ごめんなさい。」

 

ばれてしまった。問題はない。

 

涯「まあお前のことだ。見つかるようなヘマはしていないだろう?それより飯だ。早く来い。」

 

リーダー直々に呼んでくださるとは。感激の一言に尽きますよ(棒)

 

 

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夕飯も風呂も済み、もう寝てもいい頃だ。さすがに俺とて風呂後に汗をかくようなことはしない。

 

集「⋯」トテトテ

 

集「ん?」

 

廊下を歩いていたら向こうから車椅子に乗った篠宮が来るのに気づいた。ちょうど周りには誰の気配もないこの状況。俺の中にある考えが浮かんでしまった。“ヴォイドを引き抜いてみる”という考えがな。

あいつも俺とタメだと聞いてたから引き抜けるはずだ。ササッと引き抜けば記憶は残らないしな。

 

 

綾瀬「あら?集じゃない。風呂に入っt…」

 

入ってきたの?と続けようとした篠宮の胸に手を突っ込んだ。

エロい意味じゃないよ、

 

綾瀬「うっ⋯」

 

気を失った篠宮。そして俺の手にあったのは、

 

集「エアースケーター?」

 

履いてみるとかなり速く動けることがわかる。それどころか飛べる。

 

これ貸してやればこいつ車椅子いらねえな、

使うのは俺だが、

まあ機会があれば貸してやろう。

 

俺はヴォイドを戻しそそくさと退散するのであった。

 

 

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俺はベッドに横たわっていた。

 

確か俺のテストはD-14に基づいた模擬戦だと聞いた。だとすれば間違いなく相手になるのは篠宮の操縦するシュタイナーだろう。奴の操縦するエンドレイヴは間近で見た。並大抵のやつでは足元にも及ばないだろう。何せ旧型で18分間持ち堪えるという無茶な任務すら遂行した女だ。

 

隔離施設では八尋が来なければ逃げるくらいしか手段は取れなかった。それではまだまだ未熟だ。明日以降は対策を練っていかなきゃダメかな。

 

 

⋯ダメだ。考え事を始めると眠れなくなってくる。少しそこらへんを散歩してくるか。

 

 

 

そんなことを思い立った集はベッドから起き上がると、ビデオカメラを持って部屋を出るのであった。

 

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こんな風に六本木を歩いたのはあの日以来だっけ。

 

集はそのような思考を張り巡らせながら、かつてふゅーねるを奪おうとした荒くれ者と闘い、そしてトリトンとの再会を果たした場所を歩いていた。辺りに人気はない。

 

 

かつてここはテレビ局だったらしいが今では見る影もないほどに廃れている。確かエウテルペのPVを見ながら颯太のやつはあの映像に対抗しようとしてたな。ここら辺の動画を上手く弄ればいけるかもわからないな。

 

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数日後、ついにテストの日が来た。空白の時間についてはまたきっかけがあれは語ることにしよう。

 

カチャ

 

集「ん?」

 

俺が部屋を出ると違和を感じる。何故ならいつもはそこにいないピンク髪がいたからだ。

 

集「何の用だ、楪。」

 

まだ午前3時だ。普通なら寝てる時間だ。

 

いのり「し⋯集と最近話してなかったから、今日テストだし⋯それで⋯ね?」

 

そういやまともに会ったのは自宅帰りの時だけだっけ?後は自室でパソコンいじってるかトレーニング、後は月島を始めとしたいろんな奴らを鍛え上げてたんだよな。あれ?これもう俺テストしないで葬儀社メンバーで良くね?

そんなことはともかく、

 

集「ね?って言われても分かりません。」

 

ホントに分かりません。

 

いのり「だから⋯頑張ってね、」

 

目を逸らして頬を赤らめとる、

慣れないことをするものではありません。

 

集「安心しろ、絶対勝つからよ。」

 

こっちをあからさまに見ない楪の頭をワシャワシャする。

 

いのり「もう、髪型が崩れる⋯」

 

ジト目になった。こいつ思いの外まともに喋れるのな、

天使と同等くらいか

いや、天使は篠宮か。声的な意味で、

 

タッタッタッ…

 

梟「桜満さーん!」

 

梟きゅん…ゴホンゴホン、梟君が笑顔でこちらに走ってくる。

 

集「どうしたんだ?梟、」

 

今日は客が多いな。

 

梟「今日のテスト、僕は見れませんから挨拶に来たんですよ。」

 

そうか、そういや任務行くんだったっけ?

 

梟「頑張ってくださいね!」

 

うん、お兄さん絶対勝ってくる。

 

集「当たり前だ!俺頑張るからなぁ!」

 

梟君の頭をワシャワシャする。

 

梟「それでは、さよなら!」

 

集「じゃあなー!」

 

手を振りながら向こうへ行ってしまう梟君に手を振った。

 

いのり「集⋯」

 

集「いや、いのりさん。そんな不機嫌そうにしないでください。」

 

インターフェースはわけわからん。

 

 

 

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アルゴ「集!やっちまえ!これで晴れて葬儀社の一員だからな!」

 

競技場の端から叫んでくる。俺やっぱり一員じゃなかったんだ⋯

 

綾瀬「集、どういうつもりよ。」

 

明らかに不機嫌そうに尋ねてきた。

 

集「どうって?」

 

綾瀬「あんたね!何で午前4時にテストしなきゃならないのよ!」

 

実は無理言って時間を早めて貰った。それも相当。勿論意味なくそんなことしたんじゃないぞ。

 

集「梟君のためだ。少しばかり付き合え、」

 

 

 

綾瀬「うっ、」

 

集のいつもとは違う鋭い目付きに綾瀬は一瞬戸惑った。だが、

 

集「にしてもこの朝っぱらから多いな。人、」

 

すぐいつもの様子に戻った集を見て、今のは何かの見間違いだったのだろう、と自らに言い聞かせた。

 

綾瀬「あんたのテストだからってみんな気合入ってたのよ。なんなのかしらね、」

 

 

 

集「あいつら全員俺が修行つけてやった奴らか。」

 

「集ー!頑張れよー!」

 

「集さん行けー!」

 

様々な応援が聞こえる。まあ随分と俺の人脈も広くなったもんだ。

 

綾瀬「あんたそんなことしてたの⋯。それもう葬儀社の一員でいいんじゃないかな?」

 

集「お前が言うか。俺が一番疑問に思ってるよ。」

 

大体トリトンのせい。

 

綾瀬「そろそろ気を取り直して行くわよ。これから、模擬戦を始めます。ルーカサイト攻略作戦、シナリオD-14を下敷きに、あんたが単身エンドレイヴと対峙しなければならなくなった場合の想定よ。シュタイナーを抜いて、私の後ろにある車両に駆け込めたらあんたの勝ち。ペイント弾でも当たれば気絶くらいするわ。集中して。良いわね?」

 

その言葉はいつもの篠宮とは違った硬い表現ではありながらも、確かに彼女の覇気が見受けられた。こいつ、本気で俺に勝つつもりらしい。面白い。

 

集「分かったぜ。」

 

俺は口角を上げ、そう答えた。

 

 

 

 

大雲「確かにあいつは凄いやつだ。しかし流石に無理があるんじゃないか?」

 

大雲はアルゴに尋ねた。

 

アルゴ「俺もそう思っただろうな。あいつと対峙してなければ、」

 

大雲「どういうことだ?」

 

アルゴ「あいつは強い。俺やお前、いや、涯すら遠く及ばねえ。集ならきっとやり遂げてみせるさ。」

 

数日前、自分のライフルをいとも簡単に操って見せた集を思い浮かべる。アルゴの言うことも満更ではないと思った大雲だった。

 

 

 

ツグミ「綾ねえ、接続よろしい?」

 

綾瀬「やって、」

 

その一言でシュタイナーが動き出す。

 

ツグミ「それじゃあレディー…」

 

ふゅーねるからツグミの声が流れる。

 

ツグミ「GO!」

 

その声でついに模擬戦が始まった。

 

集「フン」

 

右足でバックステップしながらシュタイナーとの距離を取る。一気に抜いて行くのもいいがそれでは実戦では状況を悪化させかねない。論外だ。

 

装備はこのマシンガン型のペイント銃一つだけだ。こんなものエンドレイヴに対しては役に立たない。正攻法で勝つのは無理だ。だとすれば、

 

綾瀬「いきなり逃げ腰?みっともないわよ!」

 

ペイント弾をぶっ放しながらこちらへと接近してくる。

 

俺はそれを全てかわした後、左の柱の陰へと隠れる。

 

綾瀬「えっ⁉︎」

 

ワーッ!

 

綾瀬の戸惑いを尻目に、会場では大きな歓声が上がる。

 

「集さんあれをかわした!」

「すげーぞ集!」

 

アルゴ「なっ!言ったろ!」

 

大雲「なるほど、」

 

アルゴの言っていることに確信が持てた。

 

綾瀬「隠れても無駄よ!」

 

シュタイナーは集の隠れた柱へと駆け寄っていく。

 

綾瀬「っ⁉︎」

 

しかしそこに集の姿はない。

 

集「後ろだ。」

 

既に集はシュタイナーの背後、それも既に跳躍した後であった。

その声にシュタイナーが振り向く前に、痛覚部分へ一発、右ストレートを入れた。

 

綾瀬「きゃあっ⁉︎」

 

痛みが綾瀬へと伝わる。エンドレイヴだから女を殴ったことにならないだろうと、集は言い聞かせる。

 

スタッ

 

集はシュタイナーの上から飛び降りた。

 

綾瀬「どうやったのよ今の。」

 

集「簡単だ。お前に対して常に柱の反対側にいればお前からは見えない。」

 

綾瀬「なるほどねっ!」

 

そう言いながら綾瀬は至近距離から集を狙撃する。この距離からの不意打ちなら決まった。そう思った。

 

集「甘い⋯」

 

綾瀬「⁉︎」

 

ペイント弾は空中で破裂した。否、集の撃ったペイント弾によって破壊されたのだ。

 

 

いのり「凄い⋯」

 

その光景を上から見ていたいのりは思わず呟く。手に持っている空き缶には、五発の弾に撃ち抜かれた穴があった。

 

 

 

綾瀬「これなら!」

 

そう言ってペイント弾を連発する。

 

集「だから甘いっつってんだろ。」

 

全てを集は打ち抜いた。

 

ワーッ!

 

会場のボルテージは頂点へと達している。

 

“いくらお前のナイフが速かろうが銃弾のそれに勝ることはないだろ?”

 

アルゴ「なるほどな⋯」

 

いつか集に言われた言葉の意味がわかった。

 

 

パパパパパンッ!

 

集は弾を撃ちぬきながら後ろへと下がっていく。そして突如

 

ズザッ!

 

集は向かいの柱へと走り出した。

 

綾瀬「また同じ手を使うつもりなの⁉︎」

 

シュタイナーは集を追いかけた。

 

あと数メートルでシュタイナーの手が集に届くと思われた時、集は柱を蹴り空中へと跳んだ。

 

綾瀬「ええっ⁉︎」

 

集は空中で一回転するとシュタイナーの頭上から垂直に蹴った。

 

集「うりゃあ!」

 

綾瀬「いたぁっ!」

 

お互いの声が鳴り響いた。

 

集「今だ!」

 

集はすぐさま飛び降りると、車両へと駆け出した。

 

綾瀬は占めたと思った。

 

確かに集の足は速い。しかしそれでもシュタイナーのそれには遠く及ばない。車両までの距離はまだまだある。それに集は今、自分に対し背中を見せた状態なのだ。勝てる、と。そう確信した。

 

綾瀬「背を向けるの⁉︎」

 

アルゴ「不味い!」

 

アルゴは危険を察知した。集はシュタイナーを見ていないこのままではペイント弾が当たってしまう。

 

パパパパパンッ!

 

シュタイナーがペイント弾を撃った。綾瀬は勝利を確信した。

 

だが、

 

綾瀬「えっ!」

 

戸惑い、

 

なんと集はその場に立ち止まり、そして背を向けた状態で全ての弾を避けたのだった。

 

 

アルゴ「何だと⋯」

 

こればかりは歓声ではなくどよめきが起きる。

 

綾瀬「っ⁉︎でもこれで終わりよ!」

 

シュタイナーは集へと接近する。万事休すかと誰しもが思った。ただ一人を除いて、

 

集「終わりはお前だよ⋯」

 

ライフルをその場に捨てる、そしてシュタイナーの手の部分を両手で掴んだ。

 

集「うおおぉぉぉぉぉあああ!」

 

綾瀬「えっ⁉︎」

 

シュタイナーが空中へ浮く。そしてそのままシュタイナーの腕を中心に転がり、ひっくり返った。

 

集「油断大敵⋯だな。」

 

集はゆっくりと歩いて車両へと入っていった。

 

一瞬の沈黙。

 

アルゴ「⋯や⋯やったぜ!」パチパチ

 

その沈黙を破ったのはアルゴの拍手だった。それをきっかけに各所から拍手、そして歓声が上がった。

 

ウォォォォォ!

 

「ホントにやりやがったぜ集さん!」

「エンドレイヴ投げたぞ⁉︎半端ネェ!」

 

様々な声が蔓延った。

 

 

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車両から出てきた俺を弟子たちが迎えてくれた。っていうかこいつらもう弟子でいいよな?

 

アルゴ「でもよ、集。いろいろ分かんねえところがあんだよ。」

 

周りの奴らも同じ意見を持っているようだ。仕方ない説明してやろう。

 

集「具体的には?」

 

アルゴ「主に二つだ。途中でノールックで弾を避けたじゃねえか。そもそも避けること自体おかしいがそこは集だからってことにしてもよぉ。」

 

避けること自体は黙認してくれるのが助かる。

 

集「それは音と空気の流れだ。」

 

アルゴ「は?」

 

集「つまり銃声で撃たれた場所の距離を図って空気の流れで弾の位置を把握する。後は避ける。それだけだ、」

 

素人にはまず無理だが、

 

アルゴ「それだけって⋯怪物かよお前、」

 

集「その怪物に勝とうとしてたのは誰だよ。」

 

アルゴ「うるせぇ」

 

笑いながら言った。

 

アルゴ「あともう一つ、最後エンドレイヴ投げただろ?あれはどうやったんだ?」

 

綾瀬「私も聞きたいわよ。」

 

腑に落ちない様子で車椅子を漕ぎながらこちらに来た。

 

集「あれは投げたというよりは引っ掛けた、という表現の方が正しいな。」

 

アルゴ「引っ掛けた?」

 

集「ああ、俺に接近してきたシュタイナーのスピードは相当の速さだっただろ?そんな速いスピードで走ってる時に腕を固定されたらどうなる?」

 

アルゴ「⋯⋯コケるな、」

 

集「そうだよ。つまりそういうことだ。無論、それには手を掴むほどの動体視力と握力が必要だがな。」

 

アルゴ「⋯何か役に立つかと思ったが全く役に立たなそうだな⋯⋯」

 

これを実践できそうなやつなんて他に一人くらいしか思い浮かばないしな。

 

綾瀬「全く、ホンット呆れた!次があったら今度こそギャフンと言わせてあげるんだからねっ!」

 

集「へいへい、楽しみにしてます。」

 

時間を確認する。そろそろ出るか。

 

集「篠宮、悪いが一つ頼みがある。」

 

綾瀬「え?」

 

 

 

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綾瀬「行くのね、集。」

 

集「ああ、もともとこのためにこんな早い時間にテストしてもらったんだからな。」

 

アルゴ「気を付けろよ?」

 

集「問題ねえよ」

 

笑いながら言った。

 

いのり「行ってらっしゃい、」

 

微笑みながらいのりは手を振った。

 

集「ああ、行ってくる!」

 

集は戦闘服のまま、アジトの外へと駆け出していったのだった。

 

 

 




集の人外度が増してしまった気がする。後悔はしてない。

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