五刃への追悼
1,012文字2分
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流血注意

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砂漠の眼球•五刃への追悼

だれだ

だれ

 

「テメェ……誰、だ」

 

頭の中でこだまする雷鳴と砂煙が俺を包んで巻き込み、つつみあげ、脊髄を下半身から脳天まで、燃えるように貫く。

 

「が……カ、は……ぐ……ッ」

 

みえ、ね

 

なんもみえねぇ

 

 

目を閉じているせいなのか、右眼窩を抉られたせいなのか、唇までどろりたした液体が伝う感触に、ノイトラは意識を保つので精一杯だった。

惨めな醜態に苦渋を押し殺しながら、僅かに動く片腕で、黄砂をかき乱す。

 

「っ────────だ、れ……だ、俺ッおれ、おれはァ?おれ、オマエ、ぐっが!!!っはっ、ぅ゛あ゛」

 

狂え

狂喜乱舞して欲望に塗れ、朽ち果てろ。残骸は捨ておいてやる

 

?!

 

「殺、コロ、ス……っ!!!!」

 

意識は朦朧とし、視界はなく────ただ身体中を駆け巡り、肌を、臓腑を蹂躙する熱い感覚だけが、今、俺がここにある証拠でしか無い。

 

 

そんなモノ、掻き消えちまえば善いのに。

全てを無駄にして否定して、なかった事に?

んな朽ち果て方なんざ、俺ァ選びたかねェ。

 

 

テスラの御為倒しが、俺を見抜いて実質支柱として存在たり得たのは、

 

 

……俺が

 

 

 

 

 

ょぇえからだ。

 

 

 

 

熱さを求め止まぬ

目ん玉は何処いきやがった。

 

思考に語りかけてくるのはあの時の言葉と、チラつく顔だった。

ケンドーって

あの、漆黒の瞳って…う…名前、…あンてったっけ…

貫かれて切り裂かれた痛みよりも、快感の方が勝った俺は、どうやらブチ壊れてるみてぇだな。

 

 

う……

 

う゛

 

 

「がぁあああーーーーッッ?!?!!!誰、ひゃ、ぐ、……」

 

 

首を掴まれ、どこからか童歌(わらべうた)が聴こえた。

 

 

それが遠くなり途切れ、俺は藻掻くことすら出来ずに、苦悶する。

蜘蛛の巣に捕らえられていたのは何時しか蜘蛛自身だった。

 

捕らえ、捕食する────────

 

いや…

される

 

 

くわ、れる……

 

 

大きく仰け反った様を確かめつつ、首に、体に食い込むすべての力が強まり高まり、身体が勝手にビクビクと跳ね上がる。

 

 

ちが、う、こんな、こんな事で……この程度だ、単なるこの程度だ、

 

 

 

 

たす、け……ッ痛みと快感で気が変になりそう…だ!!!!!!

 

 

 

 

「──────────さま」

 

 

「?!?!??!」

懐かしい声に弾かれたように起き上がり、

 

大きく目を開けると……

 

それはそれはもう、にこやかな柔和な瞳が俺を見下ろしていた。

 

「テ……ス、ら」

 

??!!

 

「さあ、ご馳走です今日は。どうぞ?ノイトラ様……」

 

 

 

 

 

 

優しくほほ笑みかけるテスラの持っている、白い大きな皿の上に

 

 

「──────────っ……!!」

 

 

 

 

俺の右眼球が

ゴロリと乗っていた。

 

 

 

 

 

 


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