五刃への追悼
1,012文字2分
R-18G設定にしました。
流血注意
だれだ
だれ
「テメェ……誰、だ」
頭の中でこだまする雷鳴と砂煙が俺を包んで巻き込み、つつみあげ、脊髄を下半身から脳天まで、燃えるように貫く。
「が……カ、は……ぐ……ッ」
みえ、ね
なんもみえねぇ
目を閉じているせいなのか、右眼窩を抉られたせいなのか、唇までどろりたした液体が伝う感触に、ノイトラは意識を保つので精一杯だった。
惨めな醜態に苦渋を押し殺しながら、僅かに動く片腕で、黄砂をかき乱す。
「っ────────だ、れ……だ、俺ッおれ、おれはァ?おれ、オマエ、ぐっが!!!っはっ、ぅ゛あ゛」
狂え
狂喜乱舞して欲望に塗れ、朽ち果てろ。残骸は捨ておいてやる
?!
「殺、コロ、ス……っ!!!!」
意識は朦朧とし、視界はなく────ただ身体中を駆け巡り、肌を、臓腑を蹂躙する熱い感覚だけが、今、俺がここにある証拠でしか無い。
そんなモノ、掻き消えちまえば善いのに。
全てを無駄にして否定して、なかった事に?
んな朽ち果て方なんざ、俺ァ選びたかねェ。
テスラの御為倒しが、俺を見抜いて実質支柱として存在たり得たのは、
……俺が
ょぇえからだ。
熱さを求め止まぬ
目ん玉は何処いきやがった。
思考に語りかけてくるのはあの時の言葉と、チラつく顔だった。
ケンドーって
あの、漆黒の瞳って…う…名前、…あンてったっけ…
貫かれて切り裂かれた痛みよりも、快感の方が勝った俺は、どうやらブチ壊れてるみてぇだな。
う……
う゛
「がぁあああーーーーッッ?!?!!!誰、ひゃ、ぐ、……」
首を掴まれ、どこからか童歌(わらべうた)が聴こえた。
それが遠くなり途切れ、俺は藻掻くことすら出来ずに、苦悶する。
蜘蛛の巣に捕らえられていたのは何時しか蜘蛛自身だった。
捕らえ、捕食する────────
いや…
される
くわ、れる……
大きく仰け反った様を確かめつつ、首に、体に食い込むすべての力が強まり高まり、身体が勝手にビクビクと跳ね上がる。
ちが、う、こんな、こんな事で……この程度だ、単なるこの程度だ、
う
たす、け……ッ痛みと快感で気が変になりそう…だ!!!!!!
「──────────さま」
「?!?!??!」
懐かしい声に弾かれたように起き上がり、
大きく目を開けると……
それはそれはもう、にこやかな柔和な瞳が俺を見下ろしていた。
「テ……ス、ら」
??!!
「さあ、ご馳走です今日は。どうぞ?ノイトラ様……」
優しくほほ笑みかけるテスラの持っている、白い大きな皿の上に
「──────────っ……!!」
俺の右眼球が
ゴロリと乗っていた。
了