「ヘンタイ・プリズン」のSSです。
ソフりん協力の下で伊栖未に合うファッションをチェックしていくお話です。

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時系列はグランドルートの後を想定しています。


伊栖未のファッション雑誌デビュー

★場所:LALEオフィス

 

【ノア】

「えっ……お姉ちゃん、本当ですか!?」

 

【ソフりん】

「あぁ。本当だ。わざわざ嘘をつくためにこんな遠いところまで来るわけないだろ」

 

【妙花】

「ソフりんがファッション雑誌に載る、ねぇ。さすがじゃねぇか」

 

【柊一郎】

「しかも表紙を飾るって」

 

【伊栖未】

「おぉ、おめでとうございます」

 

【妙花】

「しかしどういう経緯でそういう話になったんだ? スカウトでもされたのか?」

 

【ソフりん】

「だいたいそんな感じだな。柊菜子さんの知り合いにファッション雑誌の編集をしている人がいてな。それで声をかけられたんだ」

 

【ノア】

「でもお姉ちゃんなら納得のいく話です。元々服には一家言ありましたからね。ようやく芽が出た、といったところでしょう」

 

【ソフりん】

「ただの趣味なんだけどな」

 

【柊一郎】

「ちなみにその雑誌名は」

 

【ソフりん】

「SP〇R」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【ソフりん】

「…………」

 

【柊一郎】

「大丈夫ですか」

 

【ソフりん】

「まぁ、大丈夫だろ」

 

【伊栖未】

「なぁ、なにが……?」

 

【妙花】

「なんにしてもめでてぇことだが……そんで、うちまで来て一体どうしたんだ?」

 

【ソフりん】

「あぁ。それなんだが……実はその編集の人にな、黒のモード系が似合いそうな友人がいたら連れてきてほしいって言われてな」

 

【柊一郎】

「モード系」

 

【妙花】

「あんま詳しくねぇがあれじゃねぇか。モノトーンカラーで統一してるやつ」

 

【ソフりん】

「簡単に言えばそうだな。そこで……黒鐘、お前にぜひ来てもらいたいんだが」

 

【伊栖未】

「え。わぁ、わたし……か?」

 

【ソフりん】

「駄目か?」

 

【伊栖未】

「いや、駄目とか、そういうんでなく…………」

 

【柊一郎】

「そもそもオレたち元犯罪者なんですけど」

 

【妙花】

「あぁ。雑誌に載るとなると変に嗅ぎまわる連中も出てくるだろ。その辺どう考えてんだ、ソフりん」

 

【ソフりん】

「お前たちの言うことは分からなくもない」

 

【ソフりん】

「だが黒鐘の件は正当防衛が認められ無罪となっている。堂々としてれば何も問題はない」

 

【ソフりん】

「それに10年以上も前の話だ。足がつく、というより話題になる可能性は相当低いと思うぞ」

 

【伊栖未】

「…………」

 

【柊一郎】

「たしかに。ノアや妙花と比べたらその点安心できる」

 

【ノア】

「まぁ私たちの場合は比較的最近ですからね」

 

【妙花】

「アタシにいたっては元ヤクザだからなぁ……」

 

【ソフりん】

「だからそう構えることはないよ。……で、どうだ。黒鐘」

 

【伊栖未】

「あ、うん。その話はわかったけど……」

 

【ソフりん】

「まだ何か心配事があるのか?」

 

【伊栖未】

「べ、別にわたしモデル体型でもないし。背も低いし、見た目幼いし。雑誌に乗るにはちと無理があると、思います」

 

【ソフりん】

「その辺りの心配は問題ない。撮影の編集――いわゆる"魅せ方"次第でどうにでもなることだよ」

 

【ソフりん】

「肝心なのは服が似合うかどうか、だからな。大丈夫だと思うぞ」

 

【伊栖未】

「そ、そう……?」

 

【ソフりん】

「それに……あっちの要望は"黒"だからな。となると、私の知人でイメージに合うのは黒鐘しかいないんだよ」

 

【ノア】

「いいんじゃないですか鐘さん。せっかくですし、引き受けたらどうですか」

 

【妙花】

「滅多にない機会だからな。行ってこい、伊栖未」

 

【伊栖未】

「い、いいの?」

 

【柊一郎】

「何日も拘束されるわけじゃないだろうから。こっちの心配はいらない」

 

【柊一郎】

「だから……楽しんできてほしい」

 

【ソフりん】

「それに来てくれたら撮影の空いた時間でどこか美味しいものでも食べに――」

 

【伊栖未】

「――行きます!」

 

【ノア】

「目の色が変わりましたね」

 

【妙花】

「ソフりんの財布が心配だな」

 

【柊一郎】

「それで、伊栖未は何を着るんですか」

 

【ソフりん】

「私のほうで候補をいくつか考えてるんだが……ちょっと待ってろ」

 

【ソフりん】

「えっと…………あった。これだこれ」

 

【ノア】

「え、これってもしかして……お姉ちゃんの私服ですか?」

 

【ソフりん】

「まぁな。今回は黒鐘に合わせて小さめのサイズのものを持ってきた」

 

【柊一郎】

「派手な服ばっか」

 

【妙花】

「今日持ってきたバッグがやたらデカいなと思ってたが、服が大量に入ってたからか……」

 

【ソフりん】

「ひとまず試そうと思うのは三種類。それぞれ着てみて、どれが黒鐘に一番似合うか確認してみよう」

 

【伊栖未】

「うぃ」

 

【ソフりん】

「えっと……まずはこのレトロ柄の黒シャツを着てくれ」

 

【ノア】

「さすがはお姉ちゃん。お洒落なシャツを持ってますね」

 

【妙花】

「モード系って話だったが、どっちかと言えばこりゃストリート寄りじゃねぇか?」

 

【ソフりん】

「そういうものもあるぞ。着こなすのは難しめだけどな」

 

【柊一郎】

「下は?」

 

【ソフりん】

「ボトムスは……こっちのレザースカートでいいかな」

 

【ノア】

「完全にオールブラックコーデですね」

 

【妙花】

「だがそのほうが伊栖未らしくていいんじゃねぇか? アタシは好きだぞ」

 

【ソフりん】

「……で、どうだ。着心地は」

 

【伊栖未】

「元々ソフりんのだから、ちょっと大きい気もするけど……大丈夫、です」

 

【柊一郎】

「スカートはいいけどシャツがちょっと……違和感がある」

 

【伊栖未】

「え、そう……かな……」

 

【妙花】

「なんというか……柄が妙にマッチしてねぇというか……」

 

【ノア】

「服に着られてる感がありますね」

 

【妙一郎】

「「あ、それそれ」」

 

【伊栖未】

「…………むぅ」

 

【ソフりん】

「言わんとすることはわかるがもうちょっと言葉を選んでやれ」

 

【柊一郎】

「他のも試してみよう」

 

【ソフりん】

「そうだな……あ、じゃあこれはどうだ?」

 

【ノア】

「これは……ニット? とはちょっと違いますね」

 

【ソフりん】

「メッシュプルオーバーだな。ほら、メッシュだから中が少し透けて見えるだろう? だからインナーと合わせて着るんだよ」

 

【柊一郎】

「いかにもお洒落上級者が着そうなやつ」

 

【妙花】

「これのインナーに無地のシャツ……だとつまんねぇか。ソフりんだったらどうするんだ?」

 

【ソフりん】

「そこで使えるのが……このピンクのロングシャツだ。これが意外と黒のプルオーバーに合うんだよ」

 

【妙花】

「へぇ……さすがだな。ピンクが差し色になるのか」

 

【ソフりん】

「ボトムスはキックスカットパンツ(黒)を履けば……ほら、どうだ」

 

【伊栖未】

「おぉ……!」

 

【ノア】

「なんか大人な雰囲気が出てていいですね」

 

【柊一郎】

「うん。さっきよりは似合うと思う」

 

【妙花】

「だがちょっと大人すぎる気がしねぇでもないが」

 

【ノア】

「元々はお姉ちゃんのですからね」

 

【伊栖未】

「どうせ子どもっぽいし……」

 

【妙花】

「あぁほら悪かったよ。そう拗ねるな」

 

【ソフりん】

「おーい、もうひとつ試してみたいんだが……いいか?」

 

【柊一郎】

「それは……ニット?」

 

【ソフりん】

「正確にはハイゲージニットっていうんだけどな。その上にジャケットを羽織る。ボトムスはシアースカート」

 

【ソフりん】

「……ほら、こうするとスタイリッシュで、よりモード感が出るだろ?」

 

【柊一郎】

「かっこいい……!」

 

【ノア】

「いいですね! 鐘さんっぽい感じが出てますよ!」

 

【伊栖未】

「そ、そう……?」

 

【妙花】

「今までの中だったら一番似合ってると思うぞ。これでいいんじゃねぇか?」

 

【ソフりん】

「あぁ。これなら雑誌でも採用になると思うぞ。……ふふっ、やっぱり私の見る目に狂いはなかったな」

 

【伊栖未】

「これでわたしもモデルデビュー……えへっ、えへっ、えへっ……」

 

【柊一郎】

「エロゲのシナリオライター兼ファッションモデルって今までいたことあるのかな」

 

【ノア】

「何気に史上初じゃないですか?」

 

【妙花】

「もしそうなら話題性としては抜群だな」

 

【柊一郎】

「つまり注目を得られるから……ゲームの宣伝も不可能じゃない!」

 

【ノア】

「鐘さん! マジで頼みましたよ!」

 

【妙花】

「ラーレの未来……手前に託したぞ」

 

【伊栖未】

「変なプレッシャーかけないでほしい」

 

【ソフりん】

「一応言っとくが黒鐘のモデルは今回限りだからな?」

 

 

 

 

 

 

   ◆◆◆

 

【ノア】

「――で、お姉ちゃんも鐘さんも本当に雑誌に載ったわけですが……」

 

【柊一郎】

「なぜか表紙が伊栖未になってる」

 

【妙花】

「……ソフりんが表紙って話じゃなかったのか?」

 

【伊栖未】

「な、なんかお偉いさんにすっごい気に入られちゃって、急遽表紙のモデルをわたしに変更……って」

 

【ソフりん】

「…………」

 

【妙花】

「だからさっきからソフりんは機嫌が悪いのか……」

 

【ノア】

「でも表紙じゃないってだけで中のページにはきちんと載ってるじゃないですか! ほら!」

 

【ソフりん】

「まぁ、そうなんだけどさぁ……」

 

【伊栖未】

「そ、そんでまたオファーするからその時はぜひ来てほしいって言われた。つまり、わたし本当にモデルとしてデビュー……!」

 

【柊一郎】

「おめでとう、伊栖未」

 

【ノア】

「えぇ、それは本当に嬉しいことですけど……」

 

【ソフりん】

「…………」

 

【妙花】

「……一応聞くが、ソフりんは」

 

【ソフりん】

「私は特に。次のオファーとか、何もなかった」

 

【気まずいラーレ(+ソフりん)】

「…………」

 

【伊栖未】

「もぉ、もしかして……これ、わたしが悪い、のか?」

 

【妙花】

「そういうわけじゃねぇと思うが……」

 

【ノア】

「とりあえずお姉ちゃんに謝ってください」

 

【伊栖未】

「えぇ……」

 

【ソフりん】

「気にするな。こういうことだってあるさ。黒鐘は自信を持っていいと思うぞ……ははっ」

 

【伊栖未】

「罪悪感がすごい」

 

【柊一郎】

「伊栖未のあとにソフりん見たら"普通"のファッションにしか見えないし仕方ないと思う」

 

【ソフりん】

「黙れ万年パーカー野郎が――――!!!」

 

【柊一郎】

「とても痛い」

 

【妙花】

「なんでアイツは全部言うんだ?」

 

【ノア】

「元全裸マンの分際でよくファッションを語れたものですね」

 

【伊栖未】

「厚顔無恥」

 

 

 

 


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