プロセカの世界に転生したので皆を救いたいと思います(制限時間付き)   作:蛮族さん

10 / 14
第九話 【挑戦】後編

「っだぁ~!!やっと帰ってきた!!!」

俺は玄関でそう叫んだ。

 

愛莉にブチギレられたあと、数十分間正座させられた。

普通の正座だけならよかったかもしれないが、愛莉の妹を乗せながらの正座だったので、普通に辛かった。

 

「っぐ...くぅ....」

 

「お兄ちゃん大丈夫?辛かったらお姉ちゃんにやめてってお願いするからぁ...」

 

「大丈夫っだぁ!!だからそのまま俺に抱き着いていてくれぇ!」

 

「わかった!ぎゅ~!」

 

「ぐはっ!」

 

「あんたわたしの妹に何させてんのよ!!!!」

 

という感じで、俺が罰を耐えるためのエネルギー補給が、さらなる罰を呼んだ。

 

というか、愛莉は何であそこまで怒ってたんだ?

 

罰を受けきったあとは、愛莉ののやりたいこと付き合わされて、時間が過ぎていった。

 

その結果、絵名たちが俺の家に来る時間の数十分前まで愛莉の家にいた。

 

さすがにこの時間までここにいては間に合わないと思った俺は、めちゃくちゃ気まずそうな雰囲気を醸し出し、

「すまん愛莉...この後ちょっと急用があってさ...帰っていい?」

と言った。

 

「え、急用?...別に、いいけど」

愛莉はちょっと残念そうな顔でそう言った。

 

そんな感じで家に帰ったけれど、少し動いたせいか、微妙に服の着心地が悪い...

こんな時はシャワーで軽く汗を流すのが一番だ!

 

俺はカゴに服をぶん投げて、シャワーを浴びに行った。

 

 

 

---

 

 

「ねぇ、なんで彰人まで来る必要があるのかなぁ?」

今日は前々から楽しみにしていた響君の家に行く日。

響君と二人っきりになって、いっぱい褒めてもらおうと思っていたのに、どこから情報を知ったのかはわからないけど、彰人も来ることになってしまった。

 

「なんでってなんだよ、別にいいだろ」

 

「よくないからこうやって言ってるんでしょ!」

あぁ...本当にムカつく...いつもいつも私が響君に会おうとすると、彰人は邪魔ばっかしてくる...

 

「あー、うるせえな。小さいことでぐちぐち言いやがって、そんなにも響と二人っきりになりたかったら別の日に行けよ」

 

「それじゃ意味がないじゃない!あんたが響を独占したいだけでしょ!」

こうやって口喧嘩していると、いつのまにか響君の家についていた。

 

「お、押していいのかな?...」

なんだろう、直前になって緊張してきた...

私がインターホンの前でビクビクしていると、

 

「いや、押さないと入れないだろ」

彰人が平然とインターホンを押した。

 

「ちょったあんたね!心の準備ってものが!」

 

「は~い」

インターホンから優しい声が聞こえてくる。

響君のお母さん...なのかな?

 

「東雲彰人です、響君と遊びに来ました!」

 

「あら!響のお友達じゃない!鍵は開いてるから、上がって~!」

 

「はい、わかりました」

彰人は軽くお辞儀をして、玄関に向かう。

 

「彰人...あんた、意外と礼儀正しいのね」

 

「いやあれが普通だろ、どんだけ俺が失礼なやつだと思ってんだ」

 

「日頃の行いだとそう思われても仕方ないでしょ!」

 

「そんな風に思われるようなことをした覚えはねぇよ!」

 

「あらあら!仲のいい姉弟じゃない!」

 

「「どこが!!」」

 

「「あ...」」

 

「ふふふ...元気でよろしい!」

 

「「す、すみません...」」

玄関には、響のお母さんがいた。

しかも、会って早々乱暴な言葉遣いをしてしまった...

というか、両親いたんだ...いや、いるのが当たり前か...

 

「いいのいいの!さ、上がって?」

 

「「お邪魔します...」」

 

「あらま、息ピッタリ」

 

「「っ!!...」」

危ない...また乱暴な言葉を出してしまうところだった。

 

 

 

---

 

 

 

「うわぁ...すごい...」

 

「これが...響の家なのか?...」

 

玄関を抜けると、まずは広いリビングが広がっていた。

そして、至る所にトロフィーやメダルが置いてあった。

 

「あら?あの子どこ行ったのかしら?」

私達のことをソファーに座らせると、響君のお母さんは周りを見回す。

 

それに釣られて、私達も周りを見てみるけど、どこにも響君の姿はなかった。

 

「もしかして倒れてるんじゃっ!」

 

「え?...」

響君のお母さんの口から、よくわからない言葉が出てきた。

倒れてる?...誰が?響君が?なんで?

頭の中がごっちゃになる。

 

どういうことなんだろう?

 

昨日、今日のことが楽しみで、ビデオ通話とかをしてたけど、響君の調子が悪いようには見られなかった。

 

それに、もし風邪を引いていたとしても、倒れるなんてことはない。

 

だったら病気にかかっている?

 

でも、今まではそんな素振りは見かけなかったし...

 

不安で頭の中が埋め尽くされる。

 

そんな風に、目の前が真っ暗になっていると、

 

「おい、大丈夫か?」

彰人が私の表情を伺っていた。

 

「うん...大丈夫、ちょっと落ち着いた」

 

まだ気分は悪いけど、さっきよりはよくなっている。

 

「あれ...響のお母さんは?...」

 

「なんか二階に行っちまったぞ、よくわかんねぇ..,」

彰人は困惑した表情を浮かべる。

 

「あ、ごめん、もう来てたの?」

そんな時に後ろから、昨日の夜、耳に焼き付けていた声が聞こえてくる。

 

「ひ、響君!」

私はすぐに振り返った。

 

「あえ?何で泣いてるの?」

そこには、バスタオルで体を包んでいる響君がいた。

 

でも、私にとって、それはものすごく刺激的で...

 

「あ、もう駄目...これ...」

 

「おい姉貴!!」

 

「ちょっとなんで!?」

 

私は意識を失ってしまった。

 

 

 

---

 

 

 

「おいおい響...お前狙ってやったのか?」

 

「いや何を狙って!?俺が絵名を傷つけるようなことする訳ないだろ!」

俺の目の前でおおげさに否定する響。

 

「はぁ...とりあえず、姉貴はここに寝かせておいてもいいか?」

 

「おう、そんでもってなんで急にこうなったんだ?もしかして調子悪いのか?」

 

「いや、どう考えてもお前さんが原因だろーがよ」

姉貴は響のことが超がつくほど好意を持ってる...まぁ、響が姉貴のことをめちゃくちゃ褒めたり、承認欲求を満たしまくってるから、考えみれば当然だ。

 

しかし、好きな相手の上裸を見ただけで倒れるか?

 

響の母さんが何か言っていたけど、変なことでも言ったのか?

 

「なぬ?俺が原因だと?」

 

「そうだよ...ったく、お前は鈍感だな」

 

「鈍感?結構鋭いつもりだぞ?あ、チーズケーキ作ったんだけどさ、食べるか?」

 

「お!マジか!勘がいいじゃねぇか!」

 

「だろぉ?」

 

 

 

---

 

 

 

「あれ...ここって」

 

「あ、やっと起きた、調子はどう?どこか痛くない?」

 

「響君...大丈夫...どこも痛くなっ!?...」

 

響君は、私の顔色が悪くないか確認するために、近づいてくる。

私の目と鼻の先には、響君の顔がある。

 

心臓の音が激しくなっていくのがわかる。

 

え?なんでこんなに響君は積極的なんだろう?

 

もしかして、このままキスしちゃうのかな?

 

でも...響君ならいいかも...

 

「お~い響~!この写真なんだ~?すげぇかっこいいんだけど!」

 

「ちょっと待ってくれ!今そっち行くから~!それじゃ絵名、もうちょっと寝ていてね」

 

そう言って、響君は彰人の元へ走っていく。

 

 

「...彰人!!!!!!!あんた...やってくれたわね!!!!!!!」

 

 

 

---

 

 

 

 

「ほら絵名、こっちおいで」

俺は、自分の膝をポンポンと叩く、いつもの合図をする。

 

「...うん」

絵名は、やっぱりちょっと恥ずかしいのか、よそよそしい雰囲気で近づいてくる。

 

「頭は痛くない?俺の太ももって固いからさ」

 

「ううん、大丈夫、これが一番いいから...」

 

あぁ...正直な絵名もなかなかいいな...

 

俺はこのように、絵名に周期的に膝枕をしている。

 

俺が絵名を、できるだけ苦しい道に行かないようにするために考えた最初のことは、承認欲求の解消だ。

 

絵名の承認欲求は将来的にかなり度が過ぎたものになる。

 

まぁ別に悪い...ということでもないのだが、良いというわけでもないから、一応という感じでやっている。

 

正直に言ってしまうと、承認欲求の解消は、絵名の最大の悩みである絵に関することとはあまり関係はないのだが、私生活を成り立たせる上ではいい結果を出すだろう。

 

「絵名はいつも頑張ってていい子だよ...それに、かわいいし」

 

「ん...」

 

そう、これは仕方のないことなんだ...

絵名の度が過ぎた承認欲求を芽生えさえないためには必要なんだ...

 

膝枕をするだけなら、いくらでもすることはできるのだが、それに加えて相手のことを褒めるとなっては、話が大分違ってくる。

 

でも...正直自分で言ってて超恥ずかしい。

俺が絵名に対して思っていることを全部言っているわけだし、俺は誰かを褒めるという行為はあまりしたことがないから、言葉の内容も単純なものばかりだ。

 

「俺はさ、絵名が何かを楽しんでいるところを見るのが好きなんだよね」

 

「楽しんでいる?」

 

「そう、例えば、パンケーキを食べている時とか、絵を描いている時、それ以外にも、みんなと一緒に遊んでいる時とか、そんなときの絵名を見ることが好きだよ」

 

「す、好き...」

 

「だからさ、絵名には...自分が楽しいと思えることをやり続けて欲しいんだ」

 

「わかった...これから、そうしてみる」

 

「ありがと、これでかわいい絵名をいっぱい見ることができるよ!」

 

「っ!?響君って本当に褒めるのが上手だよね、他の友達にもそう言ってるの?」

 

「ん?いや、そんなに言ってないし、そもそも思ってることを言ってるだけだよ?」

 

「あうぅぅ...」

 

 

 

---

 

 

 

「んぅ~...ひびきくぅん...そんなに____だめだよぉ...えへへ...」

 

「出てきても大丈夫だよ~彰人~」

 

「ったく、戻って来て早々何やってんだよお前...」

頭を掻きながら、レジ袋を差し出す。

 

「ほれ、お前たちご要望のアイスだよ」

 

「お!サンキュー!でも、絵名は寝っちゃったから、冷凍庫に入れといてくれないか?俺...動けそうにないからさ」

 

「おいおい、パシリの次はこき使うのかよ...まぁ別にいいけどよ」

 

「ありがと、さすが彰人君!優しいね!」

 

「うっせぇ!」

 

とか言いながらも、彰人は冷蔵庫に向かっていった。

 

しかし、本格的にどうしようか。

絵名は俺の膝の上でガチ寝してるし、無理に動いて起こしちゃうのもアレだしなぁ...

 

俺が悩んでいると、後ろから声が聞こえてくる。

「なぁ響」

 

「どうした?」

 

「響は、姉貴のことをどう思ってるんだ?」

 

「おぉ、随分と急だな」

 

「で?実際どうなんだ?」

 

「そうだなぁ~...甘え上手な妹的な?」

 

「...響、お前、まさかとは思うが、姉貴にやってるようなことを他の誰かにやってるのか?」

 

「ん~、わかんね。」

 

「いやわかんねって...」

 

「最近さ、覚えるのが苦手なんだよ。誰かと約束してもすぐに忘れちまうし、記憶と感覚が一致しないことだってあるんだよ。」

 

「なんだそりゃ?新手の病気か何かか?」

 

「どうだろーなぁ...まぁ、別に覚えていなくたって、メモしてっから大丈夫だよ。ほれ、俺のメモ帳だ。見てみ」

 

「なんだこの量!?お前どんんだけ細かいこと書いてんだよ!」

 

「いや細かいほうが...なんか達成感出て気持ちがいいじゃん?」

 

「ちょっとわかる気がするが、メモ帳見返すときかなり大変じゃないか?」

 

「あぁ~、確かにそうかも」

 

「いや今更かよ...」




ふぅ...響君どうなるんだろ~心配だなぁ~(棒)

幼少期の頃にこのキャラをもう少し深堀してほしいなぁ~という風に思っている人がいると思うので、 アンケートを取りたいと思います!ちなみに、現在公開されている話と書き溜めを合わせると、全キャラが登場済みです。 名前の右は登場回数です、書き溜めも含めています(男性キャラは除外させていただきます。正直男性キャラをメインにすると、私の文章力が一気に低下してしまいますので。すみません)

  • 星乃 一歌(2)
  • 天馬 咲希(1)
  • 望月 穂波(1)
  • 日野森 志歩(1)
  • 花里 みのり(1)
  • 桐谷 遥(1)
  • 桃井 愛莉(1)
  • 日野森 雫(1)
  • 小豆沢 こはね(1)
  • 白石 杏(1)
  • 鳳 えむ(1)
  • 草薙 寧々(1)
  • 宵崎 奏(3)
  • 朝比奈 まふゆ(2)
  • 東雲 絵名(1)
  • 暁山 瑞希(1)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。