プロセカの世界に転生したので皆を救いたいと思います(制限時間付き) 作:蛮族さん
「響君!おはよう!」
朝っぱらとは思えないような笑顔をしながら近づいてくる雫。
「ふわぁぁ~あぁ、おはよ」
そんな雫とは対照的に、俺は沈んだ表情で立っていた。
...いやまだ朝の六時だよ?あと一時間は寝れるのに...あぁ...数週間前の俺を助走を付けてぶん殴ってやりたい。
そう、朝に対して超絶不利属性を持っている俺が、何故こんな時間に外にいるかというと、
「ラジオ体操第一~!」
「いっちに~さんし!」
「...ねむ」
そう、町内会のラジオ体操に参加してしまったからである。
「ほら響君!もっと声を出して!」
「むりぃ...声出ないぃ...」
事の経緯は至って簡単だった。
まずは、俺が雫と遊んでいる時に、突然こう言われた。
「ねぇねぇ響君!明日から始まる町内会のラジオ体操に来てくれない?」
「えぇ...ラジオ体操ぅ?...」
もちろん、俺は最初は全く持って乗る気はなかった。
というか、断る未来しか見えなかった。
前世でも、もちろんラジオ体操は存在していた。
そして、親からの、
「あんたはただですら外に出ないんだから、夏休みぐらいは行ってきなさい!」
という、真っ当かつ俺の駄目なとこを突き付けられた記憶によって、俺は完全にラジオ体操が嫌いになっていた。
まぁ、前世では、最初の一週間だけ行って、そのあとはずっとサボっていた記憶しかない。
そもそも、ラジオ体操ってなんだよ!わざわざ公園行く必要ないじゃん!家でやってもいいじゃん!だって___(省略)
まぁそんな感じの理由で、どのみち断るための言葉を考えていた時に、泣きそうな顔をしている雫が目に入った。
「やっぱり...嫌だよね...」
雫は俯きながら、消え入りそうな声でそう言った。
「あぁいや全然嫌じゃないよ!逆にうれしいよ!雫と一緒にいれるんだから!俺にとっちゃいいことしかないよ!」
俺は女の子の泣き顔を久しぶりに見たため、とんでもなくパニくった。
いつもいつも笑っていたはずの雫が泣いてしまったという理由もあるだろうが、俺が泣かせてしまったということがパニくった最大の要因だろう。
「ホント?...一緒に来てくれるの?...」
雫は不安そうな顔で、俺の表情を伺う。
「あぁ、当然だ。ほら、綺麗な顔が台無しだよ」
俺はポケットからハンカチを取り出し、涙で濡れた部分を拭っていく。
「というか、そんな泣くほどことだったの?」
「...うん、ホントはしぃちゃんと一緒に行くはずだってんだけど、しいちゃんが私と行くのは嫌だって言って...無視ばっかりするようになって...うぅ...」
「なるほど...」
志歩はこういう人がいっぱいいるところが苦手って言っていたからなぁ...
しかもこんな早い時間なら尚更...
「あぁでもさ、その町内会のラジオ体操って、俺が行ってもいいの?」
なんか普通にラジオ体操をしに行って良い、みたいなのが前提で話していたけど、雫が地域と俺が住んでいる地域は違うし、まぁまぁな距離がある。
「うん、それなら大丈夫。毎年人が少なくて寂しいってえらい人が言って、違う地域の人も来てもいいことになったから...」
「あ、そうなの。ちなみに週に何回あるの?」
「え?毎日だよ?...」
「...終わったぁ...」
---
「響君!このあと予定あるかな?」
俺がベンチでうたた寝していると、雫の元気な声が聞こえてくる。
「んあ?...多分ないと思うよ、それがどうしたの?」
今日は日曜日だから、もちろん学校はない。
誰かから遊びにも誘われないし、誘いたい相手もいない。
結果から言うと、とてつもなく暇な日ということになる。
「今日、私の家に遊びに来ない?お昼ご飯も作る予定だから!」
と、何故かよそよそしい態度で遊びに誘う雫。
「行く!今日は丁度めちゃくちゃ暇だったからさ!楽しみだよ!」
今まで友達の家に上がることは何回かあったけれども、雫の家に行くのは初めてかもしれない。
志歩とかもいるのかな?もしいたら...ちょっといたずらでもしてやろうかなぁ...
「本当!じゃあ10時ぐらいに来てね!」
雫は微笑みながらそう言って、自分の家に帰って行った。
「何もってけばいいんだろ?...」
俺は雫がいなくなったことを確認しながら考え込む。
そう、俺はいつも友達の家に遊びに行く際に、一体何を持っていけばいいのか?と熟考している。
何も持って行かなくてもいいかもしれないが、それでは雫の両親からの評価は上がらない...
雫の友達となるためには、それ相応の人間性が必要...なんだよな?
あれ、そもそもなんだ俺って友達の両親からの評価を気にするようになったんだっけ?
俺は記憶の限り思い当たるものを探ってみると、
「あ、まふゆの母親か」
というものが、俺のこの癖のようなものが発生した原因だと思えた。
まふゆの母親は、まふゆと関わる人間が、【自分の視点から】まともな人間でなければ、まふゆにその人間と関わらないように誘導してくる。
だからこそ、まふゆと会ったばかりの時には、できるだけ模範的な子供を演じていた。
その際の副作用として、この考えすぎてしまう癖がついたのか...
「必要ないかもしれんが...持ってくか」
俺は、自分の中で悩んでいたことが解消され、自分の家に帰ろうと、振り向いた瞬間、
「私のお母さんがどうしたの?」
と言いながら、俺の肩をものすごいパワーで掴まれた。
「お、おうまふゆ!久しぶりだなぁ!お母さん?なんのことだ?俺はそんなことは一ミリも...あいたたた!!」
「もうそれはいい。それよりも、さっきの女の子誰?随分と仲が良さそうだったけど、響が変なことでもしたの?」
まふゆが俺のことを引き寄せる。
目と鼻の先には、まふゆの整った顔がある。
「変なことは何もしてない...よ?それに、仲が良いのは...雫が優しいからだよ!」
「雫...へぇ、もう名前呼びなんだ。私が名前で呼ばれるのに何か月もかかったのに」
俺の肩を掴む力が強まっていく。
「いっっっ!!!!!」
さすがに俺が許容できる痛みの上限を超えてしまったのか、俺の体は反射的にビクン!と跳ねた。
そして、今の状況は、目と鼻の先にまふゆの顔がある。
「んむっ!?」
「ん...」
唇に柔らかいものが当たっているのがわかる。
そして、少し甘い匂いがする。
ずっとこのままがいいのになぁ...と、愚かなことが脳内を駆け巡ってから、俺は一瞬にしてまふゆから距離を取ろうとしたが、
「だめ」
と言って、まふゆは逃げようとした俺の体を引き寄せる。
「んっ...ちゅ...」
「.........」
俺は今、何が起こっているのかがわからなかった。
奏に押し倒された時のように、頭の中が真っ白になる。
何も考えることができず、何も行動することができない。
まふゆは、俺が抵抗するのをやめたと理解した瞬間、口の中に柔らかいものが侵入してくるのがわかる。
「あむ、んぅ...」
俺は、そのまま一方的に弄ばれた。
---
「やっと私を見てくれたね、響?」
少しぼやけている視界の真ん中にまふゆはいた。
あれからどれぐらいの時間が経ったんだろう?
俺は周りを見渡してみる。
「......」
俺が考え込んでいた時にいたはずの人たちは一人もいなかった。
まるで、最初から誰もいなかったようにも思えた。
「どうしたの響?」
まふゆはいたずらが成功して喜んでいるような子供のように笑いながら、そういった。
というか、今のこの状態が非常にまずいのだ。
俺がベンチに座っていて、まふゆは俺のふとももの上に乗っている。
そして向きあっている...
...俺は、邪念を振り払い、まふゆに語り掛けた。
「まふゆ?どうしたあんなことを?」
まふゆが考えなしにキスをするなんて到底考えれない。
でも、まふゆに何か変なことをした記憶もないし、俺からああいったことをしたこともない。
「響は、なんで私がキスしたのか、まだ分からないの?」
まふゆは、至って真剣な表情でそういった。
「え?わざとなの?」
「うん」
...え?あれ、わざとなの?
確かに後半は完全にまふゆの意志でやってるとは思ったけれど、始まりは完全に事故だと思っていた。
「...じゃあなんでわざと___」
「好きだから」
俺が、キスをした理由を聞こうとした途中に、まふゆは答えた。
「え!?す、好き!?」
ドクン!と、心臓の鼓動が跳ね上がった。
まふゆが、俺のことを好き?...
うれしいけど...俺はまふゆのことをどう思ってるんだろう?
確かにまふゆは好きだ。
でも、その【好き】は推しに向けているものであって、果たして恋愛感情の【好き】
と同じなのだろうか?
結局結論は出ず、俺は押し黙ってしまった。
そうしていると、まふゆが口を開いて、こういった。
「私がここまで行動したのは、響が他の女の子に取られると思ったから」
まふゆは、俺の首に手を回す。
「演劇が好きな子と、さっきの女の子。他にも奏とか学校の友達とか、響のことを好きな子はいっぱいいる」
俺の目を真っすぐと見る。
「最初は何もしないで黙ってようと思ってた。でも、ずっと我慢しているうちに、頭がおかしくなりそうになったことが何回もあった」
「夜寝ると、いつも嫌な光景が頭の中に浮かぶんだよ?響の隣は私の場所のはずなのに、気づいたら私以外の子が満面の笑みで居るの」
「最初からそこは自分のものだったみたいに、笑ってるの」
「胸の奥が張り裂けているのかと思うぐらいに痛くなって、頭をぐちゃぐちゃに潰されているみたいに気持ち悪くて、息ができないくらいに苦しかった」
「こんなに苦しい思いをするぐらいなら、我慢なんてしなくてもいいよね?」
まふゆはさっきのときと、同じように、俺にキスをした。
「大好きだよ、響」
「ずっと一緒にいよ?」
「こいびとになろ?」
そんな甘いことばが耳元で聞こえてきたような気がした。
---
「響君、どうしたの?さっきから上の空って感じだけど?」
雫は俺のことをじ~っと見てから、机にお菓子を置いていく。
「なんでもないよ...」
俺は、朝のことが未だに忘れられず、ポカーンとしていた。
この世界に生まれてきてから、かなり長い間接してきたまふゆが、あんあなことをしだしたんだ。
正直、あれが本当に起こったことなのかすら疑わしい。
でも、ゲームの時のまふゆは絶対あんなことはしないはずだから、まふゆが廃人になるような可能性は下げることはできたのだろうか?
それなら...大丈夫なのだろうか?
そもそも、今度まふゆと会う時、俺はどんな顔をして接すればいいのだろうか?
今までどうりの友達感覚でいくのか、それとも恋人としていくのか。
「なんでもないって思ってるときは、そんな顔をしないよ?ほら、私に相談してもいいんだよ?」
雫は腕を広げて、俺のことを迎え入れようとするが、
「いや大丈夫、これは相談しちゃいけない気がするんだ」
俺は、その誘いを断った。
このことは、100%俺の意志で決めなければならないと思ったからだ。
「そう...じゃあ、気分転換におままごとでもする?」
「そうだね、じゃあ俺は何役?」
「私の旦那さん!」
「ブフっ!?!?」
あれ、もしかして俺って...
恋愛耐性ないのかな?...
...R-18にはならないよね?...運営さん?...セーフだよね?ここ日本ですし?ね?(涙目)
もし、こういうのが苦手な方がいましたらすみません...というか、これが本編でいいのだろうか?番外編のほうがよかったんじゃないのかな?
...なんだろう、今後のストーリーのて展開が死ぬ程難しくなってきたような気が...まぁいっか(思考停止)
あ、ちなみに更新を早めた理由は、嬉しい感想が来たからです(^o^)
幼少期の頃にこのキャラをもう少し深堀してほしいなぁ~という風に思っている人がいると思うので、 アンケートを取りたいと思います!ちなみに、現在公開されている話と書き溜めを合わせると、全キャラが登場済みです。 名前の右は登場回数です、書き溜めも含めています(男性キャラは除外させていただきます。正直男性キャラをメインにすると、私の文章力が一気に低下してしまいますので。すみません)
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