ー 七耀暦1209年1 月 ー
エレボニア帝国 《セントアーク》の酒場
???
「うん、麦酒はあまり飲まないけどたまには悪くないね、悪いね弟弟子くん突然訪ねてしまった上にご馳走してもらって」
???
「いえ、手合わせをしていただけでも助かりました。最近は一人で鍛練しかしていませんでしたから、このぐらいはお安い御用です。」
酒場で二人の男女が食事を楽しんでいた。女性は白い長髪で腰まで伸ばし、服装は長袖シャツのズボン姿だったがかえってスタイルが強調されていて周囲の男達の注目を集めていた。一方ね男性は短髪黒髪で長いコートを羽織り女性を歓待していた。
???
「そう言ってもらえると助かるよ。帝国は初めて来たからさ、知ってる人が居たのは僥倖だったよ!」
???
「ははは…まぁそろそろいいんじゃないですか?」
???
「うん?何が?」
???
「名前ですよ、以前は名乗らなかったじゃないですか?」
???
「……あぁ!確かに名乗ってなかったね!!ごめんごめん、じゃあ改めて名乗るね!」
〘斑鳩副隊長シズナ・レム・ミスルギ〙
シズナ
「猟兵団斑鳩の副隊長を勤めてるシズナ・レム・ミスルギ、改めて宜しくね《帝国の若き剣聖》リィン・シュバルツァー君?」
リィン
「シズナ師姉ですね。こちらこそ宜しくお願いします」
シズナ
「あははは、師姉かぁ照れくさいけど悪く無いなぁ兄弟子達しか居なかったし、素直なかわいい弟弟子で良かったよ!」
リィン
「はは、まだまだ若輩者の身です。カシウス師兄やアリオス師兄には及びませんよ」
シズナ
「それはそうだよ、そんな簡単に追い抜かれたら立場がないよ?それに老師が免許皆伝の書を君に渡したのは君の実力なんだから胸を張りなさい。」
リィン
「肝に銘じます…ところでシズナ師姉尋ねたいことが…」
シズナ
「老師が何処に向かったかは知らないよ?そもそも唐突に訪ねてきて、唐突に居なくなったから私が居場所を知りたい位だし?」
リィン
「そうですか…老師は息災でしたか?」
シズナ
「元気も元気だったよ、老師が倒れる姿なんて想像出来ないくらいだよ」
リィン
「ははは、想像出来ますね。ところでシズナ師姉はどうしてエレボニアに?」
シズナ
「なに、単純に観光さ…向こうは色々ゴタゴタがあったからね、少々疲れていたから団全体で休みを取ったんだ。それで私はエレボニアに行ったことはなかったからちょうど良いやと思ってね?」
シズナ
「まあ、光の剣匠やオーレリア・ルグィン、ゼクス中将と手合わせできるかな〜?とも思っだけど無理だったし…どうしようかと思っていたから君と会えて本当に助かったよ。」
リィン
「さらっと言わないでください。御三方の居住地に忍びこもうとした賊というのは師姉だったんですか…それに手合わせならリベールのカシウス師兄やクロスベルのアリオス師兄もいるじゃないですか?」
シズナ
「う〜ん、リベールの兄弟子ははぐらかされて手合わせは出来ないし、クロスベルの兄弟子は…何と言うか、興が乗らないんだよね〜?」
リィン
「興が乗らない…ですか?」
シズナ
「そう、5年前のクロスベル事変覚えてる?あの時師兄は自ら遊撃士(ブレイザー)を辞してクロイス1党に加わり罪を犯したじゃない?」
リィン
「……俺もエレボニアを世界大戦の引き金を引いたから人のことは言えませんが?」
シズナ
「君の場合は人為らざる存在が関係してるし、寧ろ止めようとした側何だからそれ以上自分を責める必要ないよ。話を戻そうか、師兄は君と違い唆されたとはいえ自らの意志で犯罪に走った訳じゃない?それがどんな理由があろうとも」
シズナ
「まぁ猟兵が何言ってるかと思うだろうけど、A級という肩書きを持つ人間がやって良いことじゃ無いしそもそも罪に問われないなんてー」
ー猟兵だろうが遊撃士だろうが取るべき筋を通さずに行こうなんて許せるはずがないだろう?ー
リィン
「!…ッ(なんて圧)」
シズナ
「まぁ、私にはどうでもいいけど君にとっては先達だから敬意を払うのを咎める気はないよ。学べる事沢山有るだろし…ね?」
リィン
「恐縮です…」
シズナ
「さて、そろそろお開きにしようか?ごちそうさま、今日は楽しかったよ。今度また共和国においでよ、穴場の温泉を紹介するから、それじゃあバイバイ」
リィン
「…恐ろしい人だ、俺も日々精進しないとな…」
後日これを目撃していたレクター少佐の報告によってリィンを慕う女性陣が問い詰めに来るのは別の話
黎の軌跡後にシズナが帝国に旅行してリィンと再会したら…?という妄想です楽しめれば幸いです。