転生したら姫ギルだったんだが。 作:Crimson Wizard
キャラの解像度が低いのと短いのと読みづらいのは許して。次はゆっくり書ける時に投稿します。
……弱みを握っているのだ。あの女が我を裏切ることはなかろう。
これで我の不在時はシドゥリとあの女……なんという名前だったか忘れたが、第三王女。
流石にいきなりあの女だけ残して国を離れる事は出来ないだろうが、長い目で見ればかなりシドゥリの負担が軽減するだろう。
「貴様!ラナー様に何をした!」
クライムと呼ばれたみすぼらしい男は我を見るなりそう声を上げた。
「……ラナーと言ったか。飼い犬の躾は済ませておく事だ。」
顔を合わせる度にこのように吼えられては堪らん。だからと言ってこの小男を殺せばこの女は恐らく自死するだろう。全く面倒な……
「クライム!止めなさい!……もういいのよ。私が大人しくしていれば全て丸く収まるの。」
「くっ!貴様ぁ!」
……なるほど。そういう方向に持っていくとは。この女、黒いのは腹の中だけでは無かったらしい。
弱みを握られている状況で我に嫌がらせするほど肝も座っていると来た。これは面倒だな……帰ったらシドゥリに任せるとしよう。
◇
その日、我はいつも通り執務を終わらせ自身の部屋に足を向けると……違和感。
「……虫けら、貴様あれか。我が国の魔術師に怪我を負わせた輩の手の者だな。」
傍から見れば1人で喋っているように見えるだろうが、自室の天井には不可視化の術を纏っている蜘蛛の様な魔物が複数体張り付いていた。
攻撃をする素振りもなく、何かを喋る様子もない。何の為に我が国に侵入し我の私室に待機していたのか。
「情報収集にしては杜撰過ぎる……貴様らの飼い主は何がしたいのだ?この様な真似をしようと手に入る情報などたかが知れていよう。」
やはり何も喋らんか。自死もせず逃げ出す素振りも無い。恐らく主に攻撃を禁止されているな。
「まあ良い……今は気分がいい。今回は見逃してやろう。だが次我の庭で貴様らの手の者を見つけたら、その時は主共々殺しに行く。覚えておけ。」
「……!」
「何時まで見ている……早々に消えるが良い。」
我がそう言うと蜘蛛の様な魔物は姿を消したまま逃げていった。……気色悪いな。
◇
「申し訳ございません!」
確かに
とはいえ遠隔で俺を覗き見るレベルの相手には意味が無い事はデミウルゴスだって分かっていた筈だ。
……俺が分かった振りをしているのが全ての原因といえばそうだが、理由はどうあれ今回は明らかにデミウルゴスの失態だな。
その国のトップであろう女は今回は見逃すと言ったらしい。だが次同じことがあれば殺すとも。
レベル49の
「はぁ……まあ良い。失敗は誰にでもある。だが私は前もって言っていたはずだ。くれぐれも見つかるなと。」
「……仰る通りで御座います。どのような罰でも受け入れる所存です。」
「そうだな。もうウルクという国家に手を出すな。その女は次があれば私を殺しにくると言ったそうではないか。
私は意味もなく敵を作る程愚かでは無い。それとウルク以外の国家にも余計な真似はするな。例の女の様な実力者が居ないとも限らんからな。」
くそ、いつもデミウルゴスの考えてる事は分からないが今回は得に分からない。俺ですら49レベルが70レベルに敵わないという事は分かる。
何故わざわざハンゾウのみならず
◇
「……だって。竜王国の女王はウルクの下に着くことに寧ろ前向きだったよ。」
「だろうな、庇護下に入り今後ビーストマンが襲って来たとしても我が国の兵士を盾にする腹積もりだろう。」
竜王国の女王、ドラウディロンと言ったか。当人に余計なプライドは無く、損得のみを考えるならば我の下に着くことにはメリットしかない。
度重なるビーストマンの襲撃で国が疲弊しきっているだろうからな。もはや国としての形を保てればどうでも良いのだろう。
「……まあ、竜王国はもはや手中に収めた。大した旨みはないがな。次は法国だ。」
あの国には未だ分かっていない事が多くある。恐らくプレイヤーの興した国だろう。プレイヤーとやらの血を引く存在が居てもおかしくは無い。
その場合、我が欲している我が国の抑止力となる存在がいる可能性もある。
だが、歴史に名を残すレベルの強者となると総じて癖が強い。法国に居たとして、一癖も二癖もある奴である可能性が高い。
金や女に靡く俗物であった方が扱い易くはあるが、我が国の抑止力としては相応しくないな。
まあ、全てこの目で見てから決める事だ。
我はエルキドゥを連れてスレイン法国までヴィマーナを飛ばすのだった。