転生したら姫ギルだったんだが。   作:Crimson Wizard

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ギル様が転移しても空を飛んでも全て宝具です。で納得出来てしまうくらいだから流石は公式チート。
ちなみに社長が言ってたので脳内CVは坂本真綾さんです。


第4話

 

演説後、夜の帳が下りて国民の大半は寝静まったであろう頃、

我は玉座の間近くにある、今回使用する宝具と無駄に場所を取る魔法陣の前に立って儀式の仕上げに入っていた。

 

「では……シドゥリ。ウルクの存亡に関わる危機にのみ、我を起こすことを許す。

我の動けぬ間は執務をお前に任せ切りにしてしまう事になるが……問題ないな?」

 

「ええ、それは問題ありません。

……一つだけ、転移後の地理にもよりますが我々の転移先で現地の知的生命体が接触してきた場合はどうされますか?」

 

ふむ。やはりそこは我が指示を出しておくべきか……

 

「無論、相手の出方にもよるが敵対的ならば容赦する必要は無い。

足元を見てくる輩も同様だ。それとは別に国家関係者以外に入国を求める者は……そうだな。

身分を証明出来る且つこの国の法に従うというなら入国を許す。

入国させるにしろ、お前達の執務に影響しない程度の数にする事だ。

それと当然だが間諜は検問の段階で篩い落とせ。

我の不在中、有事の際は我が国の魔術師共も使ってもよい。

あれらはあまり表に出したくなかったが、今回に限り兵達に加えてお前に指揮権を預けておく。」

 

魔術師という生き物は得てして扱いにくい生き物だからな。

扱い方を誤れば無用な混乱を起こす羽目になる。

 

「我は魔力が回復次第戻ってくるが、

それまではお前に、国を預ける。ウルクの存亡はお前に掛かっている、シドゥリよ。」

 

「ええ。祭祀長として、見事王の信頼に応えてみせましょう。」

 

幼い頃はよく甘えてきていたモノだが……逞しくなったものだ。

嬉しい反面、どこか悲しくもある。

 

さて……

 

「では始める。」

 

我は魔力を蓄えてきた宝具を魔法陣の中心へと置き、上手く魔力を術式に通す。

繊細な作業ではあるが、それ以上に厄介なのは凄い勢いで魔力を吸い取られていく事だ。

 

ものの数秒で時間をかけて溜めた筈の宝具の魔力は空になった。

そして我の身体からも、人間ならば一瞬にして即死するレベルの魔力を持っていかれる。

 

そして……

 

「はっ、漸くか…!」

 

もう間もなく儀式に必要な魔力が溜まり、術が発動する寸前の事だった。

 

『……』

 

完全に抑止力に勘づかれた。

これは……並行世界でエアを全力解放しようとすると感じたモノだ。

抑止力(ガイア)はすぐにでもこの国を滅ぼす為の駒を送り込んでくるだろう。

 

だが……こちらが魔術を発動する方が圧倒的に早い。

 

 

「っ……!」

 

我は自身の魔力を全て魔法陣へ流し込む。

すぐに術式が完成した事により魔法陣全体が我の黄金色の魔力で光る。

 

これで、この後すぐにこの大魔術は効果を発揮するだろう。

流石に疲れたな……。

 

 

「我は……少し休むぞ。」

 

我は心配そうにこちらを見ていたシドゥリに後を任せ、

朦朧とする意識の中ですぐ近くにある自身の寝室へと歩いていき、寝台に辿り着く前にその場へと倒れ込んだ。

 

あと数秒で魔術は発動する筈。

今後は色んな意味で忙しくなるだろうが、それまでは暫しの休暇という訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

我は程よい風と太陽の眩しさ、それと酷い倦怠感で目を覚ました。

そこはかつて……もはや風化した記憶に残る前世とやらが我の身体で放り出されたような森だった。

 

何か問題が起きているようだな。

意識を失う寸前だったとはいえ、間違いなくあの魔術は発動した筈だ。

 

「ふむ。」

 

それにしても王たる我を土の上に放り出すなど本来ならば万死に値するが、残念ながら文句を言う相手もいない。

 

さて……

 

「面倒だが、ウルクを探すしかあるまい。

抑止力は感じられない。魔術は問題なく発動した。という事は、間違いなくウルクもこちらに転移して来ているはずだ。」

 

それにしても頭痛と倦怠感が酷い……

まああれだけの魔力を使ったのだ、当然か。

 

「……仕方あるまい。」

 

当初は時間経過による自然回復を想定していたが、更に何が起こるか分からない現状、

時間が経てばいつの間にか蔵に戻ってくるポーションを温存しておく意味など無いと結論付けた。

 

我はポーションを一気に飲み干す。

 

「んっ。……不味いな。」

 

次に我は更に宝物庫から一枚の紙とペンを取り出し、そこにシドゥリに宛てた手紙を書く。

そしてその紙へ魔力を込めるとそれは鳥のように羽ばたいて空を飛んで行った。

 

これは式神の原典だ。

 

これは術者の記憶にある宛先の人物、その魔力で居場所を特定して飛んでいく為、

ウルクが何処にあるか分からない現状これに着いて行けばシドゥリがいるのは間違いない。

 

先程飛んで行ってしまったが我の魔力で空を飛んでいる為、当然そこには軌道が残る。

あとはその魔力の残滓を追っていけばその先にシドゥリがいる。

 

つまりウルクがある筈だ。

 

「さて……では行くか。」

 

我はヴィマーナの原典を取り出すと自身の魔力の残滓を追って空を駆けた。

 




また間違えて中身消して発狂しかけました。
高評価よろしくです。

ギル様の一人称について。

  • 我(われ)
  • 妾(わらわ)
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