転生したら姫ギルだったんだが。 作:Crimson Wizard
続きをお、置いておきますね。
で、では……失礼します()
「ふーん?それで……あ、負けた。もう一回やろうよ!」
「はぁ…。全く、たかが余興に夢中になってどうするのだ。」
エルキドゥと共にチェスというボードゲームをしながらこの先、ウルクという一国家としてどのように立ち回るのかを話し合っていた。
その筈なのだがな……
「だってその話は面白くないじゃないか。というか、僕はあくまで緊急時の戦力なんだから何かあるまでは自由にさせてよ。」
「フン、お前を召喚する為に聖杯の魔力をほぼ全て割いたのだ、故に他の英霊を召喚する事は出来ん。最低限の仕事はして貰うぞ。」
あくまでも座に登録された英霊としての特性を付与されただけの本人である為、本人が嫌がる事を強制する事は出来ない。
まあ、我としても本気でそのような事を望んでいる訳ではないのだが……
「それは君が勝手に……はぁ。でもさ、よく考えてみなよ。僕はともかく、他の英霊は勝手に召喚されたら怒ると思うけど……
そもそもこの方法を召喚というのはかなり無理があるし……なんたって呼び出すのは本人なんだからね。」
それは事実だ。サーヴァントとしてならば令呪という鎖を着けておく事が出来るが、
英霊本人の意志を無視して
それに……あまり人類の守護者である英霊を引き抜きすぎると抑止力が何らかの対策をしてくる可能性もある。
そもそも全盛期の英霊クラスの力を持つ者に反感を抱かれたまま指揮下に入られてもそれは爆弾を抱え込む事と同義だ。
「ふむ、それは確かに課題だな。あくまでサーヴァントのままこちら側に召喚する方法を模索する必要はある。」
「まあそれよりはこの世界の強者を味方につけたり、この国の兵士達を強化する方が今はまだ現実的だね。」
それは既に指示を出してある。名のある強者の情報を集めながら、この世界特有の魔法とやらも魔術師共に研究させている。
そして今、我が気にしているのは周辺諸国の情勢だが……
「なぁ、シドゥリよ。」
「はい……なんでしょう?」
声を掛けるとボードゲームをする我を見ながら微笑んでいた我が国の祭祀長は即座に我に返事を返す。
「王国の辺境にある村に帝国兵が襲撃を仕掛けたという報告があったな?」
「ええ、恐らくはスレイン法国の偽装兵ですが。」
「帝国兵に扮しているのがどこの国の者かというのはこの際然程重要では無い。問題はその襲撃を阻止したという魔術師……
この世界では
呪詛返しの様なモノを使っていたのかは知らんが遠見の魔術を発動させた術者が爆破されたとの事だ。
幸い、元より結界を張って対策していたらしく多少のダメージを受けただけで済んだらしいが、腐っても我が国の精鋭に怪我を負わせるレベルの魔術師……
がいるのは間違いない。そして反撃されたという事は、こちらの遠見が感知されたのと同義……最悪を想定して、常に警戒を怠るな。」
「分かりました。」
だが、その魔術師については情報が足りない。
王国……というよりも現地の戦力は魔術師共によるとお世辞にも高いとは言えないらしい。
恐らくではあるが、王国の戦士長ですら我が国の兵士一人と拮抗する程度の実力との事。
だが……
「そういえばシドゥリよ、冒険者組合という国家を跨いで根を張る組織があったな?」
「ええ。一応はモンスターを相手取る傭兵的な立ち位置らしく、冒険者が表立ってその国の戦力として数えられる事はあまり無いらしいのですが……」
……そんなのは建前だろうな。国が切羽詰まればすぐにでも徴兵の様なことをするだろう、従う従わないは冒険者次第だろうがな。
それに、既に裏では国や貴族の私兵として使われている冒険者とやらも十中八九いるだろう。
「冒険者が戦争に参加しない、国の指揮下につかない等というのは、まあ国を跨ぐ組織ならば規則として組み込むのは当然だ。
力のある冒険者が国に引き抜かれるという事は、組織としての弱体化を意味する。我が懸念しているのはそこでは無い。
このレベルの組織となると、国の要人等に組合の人間が金で買収されている可能性がある。そして……それは逆も然り。」
要するに、ギルド……つまり冒険者組合という組織は支部を置く各国の要人に取り入ってその国の機密情報を入手したり、
可能性は低くとも、要人との繋がりがあればその国の政に間接的に介入する事も理論上は可能な訳だ。
情報の不足している現在、聞く限りではその冒険者組合とやらの方が周辺諸国よりも余程警戒すべきだろう。
まあ、各国もそれを懸念しているのかギルド改め冒険者組合というのはあまり立場が良くないらしい。
確かにその手の話は考え出すとキリが無いからな。
それならば……
「名のある冒険者とは今まで敢えて接触を避けてきた。未だ探りも入れていない。
国として敵対するリスクがある以上、後回しにして来たが……既に周辺国家の戦力は法国を除いてある程度把握した。
その上でだが、冒険者とやらの実力も大体理解した。恐らくではあるが、どれだけ個として優れていたとしても精々我が国の魔術師程度だろう。
そして、組合のランク付けとやらを見るにそれも上澄みの極一部のみ。それに我が国は王国と敵対した以外、未だ周辺諸国との関係を築いていない。」
つまり、今の我にはやる事が比較的少なく時間的な余裕がある訳だ。
「王よ、それはつまり……?」
「要するに個としての強者を警戒する必要性が薄れた今、比較的時間に余裕のある我が直接組合に出向いてやるというのだ。」
そういうと何故か頭を抱えるシドゥリ。
「安心しろ、エルキドゥは置いていく。」
我の不在時に何かあると困るからな。
「えぇー?勝手に決めないでよね。僕だってかなり暇なんだよ?」
「別に遊びに行く訳では無いのだぞ?居るかも分からん強者を探し、序に組合を見極めて来る。
今回は敵国である王国の組合だ。もし、内部から王国を侵食しているようならやはり組合は危険なのでな。」
まあ、一応敵国なのは最悪武力で何とかなるからだ。
それに……我が冒険者として登録するのも面白いかも知れん。
流石に一国の主が冒険者となった事例は無いだろうからな。
「まあ、娯楽が入ってるのは否定せんがな。」
さて……冒険者組合とやらを見極めてやろうか。
高評価よろしく!(モチベーションの向上で投稿頻度が上がるかも)
……知らんけど。
ギル様の一人称について。
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我(われ)
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妾(わらわ)