作者は豆腐メンタルなので多分そのうち無言で消します。
ゲーム『ポケットモンスター サン・ムーン』の後日談という設定です。
誰かヨウリエ書いて……。
ある少年が初代アローラチャンピオンになってから丁度1年。
船に乗った少女は金色の髪をたなびかせながら、1年ぶりとなるメレメレ島の姿を目に焼き付ける。
「会いたいです……」
少女、リーリエはそう呟くと、空を見上げる。
雲ひとつない青空に、太陽が燦々と輝いていた。
***
1年とちょっと前、リーリエはメレメレ島で1人の少年と出会った。
オニスズメに襲われていた『ほしぐもちゃん』を助けてくれたのがその少年だったのだ。
その後、旅の中で幾度となく彼に助けられてきた。
トレーナーでなかった自分を守るために、何度も無茶をして、戦ってくれる彼の姿を見る度に、リーリエの心には淡い想いが募っていった。
1年前、母親のルザミーネをウツロイドの毒の後遺症から救うためにカントー地方へと旅立った日、リーリエは彼との別れに船の上で涙した。
そして今、再びこの海原を渡ってきたのは、母の容態が回復したからだ。
***
グラジオやハウ、ククイ博士をはじめとした多くの人がリーリエを迎えて歓迎してくれた。
しかし、その中にあの少年の姿はなかった。
当然だ。彼にだけは帰ってくることを伝えていないのだから。
リーリエが彼にだけ伝えなかった理由は2つある。
1つは、サプライズをしたかったから。
もう1つは、彼に会うことが怖かったから。
(私はずっと足手まといでした……。嫌がられていてもおかしくありません)
本当は自分がいなくなって清々しているかもしれない。
それどころか、大変な事件に巻き込んだ自分のことを恨んでいるのではないか。
そう思うと、会うのが怖い。
でも……会いたくて仕方がない。
そんな矛盾する気持ちを抱えたまま、リーリエは夜まで過ごすのだった。
***
リリィタウンに島キングやキャプテンたちが集まり、チャンピオン就任1周年記念として祭りが催される。
リーリエはそこで、チャンピオンである彼と再会するつもりだった。
しかし、そこに彼はいなかった。
***
祭りの喧騒が遠くに聞こえる中、少年は1人、ただ佇んでいた。
「会いたいな……」
祭りの主役であるはずの彼、ヨウがいるのは、戦の遺跡に繋がる吊り橋の前だった。
***
1年とちょっと前、カントー地方から引っ越してきたその日。
ヨウはそこで1人の少女と出会った。
オニスズメに襲われていた彼女の『ほしぐもちゃん』を助けたのがきっかけだった。
島巡りの旅の中で、彼女のいろんな一面を知った。
優しくて、少し臆病で、でも芯の強い女の子。
旅を続けていく中で、ヨウは無自覚に彼女に惹かれていった。
でも、その気持ちを伝えることはできなかった。
ヨウがその気持ちを自覚した頃には、彼女は、母親をウツロイドの毒の後遺症から救うためにカントー地方へと旅立っていたのだ。
ピッピにんぎょうと、『ほしぐもちゃん』ことソルガレオを残して。
***
彼女とはたまに手紙でやりとりするくらいで、テレビ通話などは一度もしていない。
その手紙も最近は来ていない。
(きっと、元気でやってるんだよね……)
1年もの時間が経ったのだ。共に旅した日々は過去の思い出として忘れられ、カントーで新しい生活を送っているだろう。
そう思いながらも、ヨウは諦めきれなかった。
***
彼の居場所に、リーリエは1つだけ心当たりがあった。
かつて、自分と彼が初めて出会った場所。
1年前、一緒に祭りを抜け出して、彼とともに訪れたあの場所でなら会えるかもしれない。
リーリエはそう思い、歩き出した。
***
(1年前も、祭りを抜け出してここに来たんだっけ……)
ヨウはそんなことを考えながら、1人夜空を見上げていた。
ぽっかりと穴の空いた心とは反対に、欠けた部分のない満月が煌々と輝いていた。
それを見るたびに、否応なくヨウは欠けている自覚に襲われ、彼女のことを想起してしまう。
胸が張り裂けそうなほどに苦しい思いをしてなお、彼女に会いたいという気持ちだけが残っていた。
「会いたいよ、リーリエ……!」
「私も、会いたかったです……ヨウさん!」
突然抱きついてきた柔らかな感触に驚きつつ、声の主の方へ視線を向ける。
そこには、1人の少女の姿があった。
陽光のような金色の髪と、月光のような色白の肌を持つ少女。
間違いなく、ヨウがずっと焦がれ続けた少女、リーリエだった。
「ヨウさん……ヨウさん……!やっと、やっとお会いできました……!」
リーリエは涙を流し、嗚咽混じりの声でヨウの名を呼ぶ。
「リーリエ……」
ヨウもまた、リーリエの名を呼んで彼女を抱きしめる。
お互いに強く、お互いの存在を確かめるように。
「なんで……?どうして……ここに?」
「それはこちらのセリフですよ……。お祭りにいると思ったらいないんですもん。探しましたよ……」
「ごめん……」
「いいえ……こうしてまた会えただけで十分です」
リーリエは涙を拭うと、ヨウの顔を見て微笑む。
そんなリーリエの存在に気づいたのか、ソルガレオがボールから飛び出した。
「お久しぶりですね、ほしぐもちゃん!」
「ラリオーナ♪」
再会できたことが嬉しいらしく、嬉々として彼女にじゃれつくソルガレオ。
ヨウもまた、負けじと彼女を強く抱きしめる。
「お帰り、リーリエ……!」
「ただいまです、ヨウさん……!」
***
「帰ってくるならそう連絡してくれればよかったのに……」
「ふふっ、貴方が驚かれている姿が見たかったんですよ」
しばらく抱き合っていた後、自分たちの行為を自覚し赤面した2人は、星空を見ながら会話をしていた。
ちなみにソルガレオは空気を読んでボールに戻っている。
2人はこの1年間のことを語り合った。チャンピオン防衛戦のこと、UBの捕獲任務のこと、リーリエがポケモントレーナーになったこと、ルザミーネの容態のこと……。
話したいことも聞きたいことも多くありすぎて、いくらあっても話し足りないほどだった。
「どうして最近、手紙を送ってくれなかったの?」
「それは……どうしてもサプライズで帰って来たかったので、ヨウさんにだけは悟られたくなかったのです……」
「そっか……。僕のことなんて忘れて、楽しく過ごしてるのかと思ってたよ……」
「そんなわけないじゃないですか……。私は一時たりとも、ヨウさんのことを忘れたことなんてないんですよ」
リーリエはそう言うと、少し恥ずかしげに俯いた。
「……ヨウさん、ずっと伝えたいことがあったんです。聞いてくれますか?」
「うん、もちろん」
ヨウが即答すると、リーリエは深呼吸をして、意を決したような表情で口を開く。
「わ、私は……1年前からずっと、ヨウさんのことが……!」
ずっと胸に秘めていた想いを伝えようとしたリーリエ。
しかし、突如として現れた影によって中断される。
「カプゥーコッコ!」
「うわっ!」
「カプ・コケコさん!?」
突然の登場に驚いた2人がメレメレ島の守り神カプ・コケコの方を見ると、カプ・コケコは何かを差し出していた。
「これは……かがやくいし、ですか?」
「カプゥ!カプッ!!」
カプ・コケコはそれをリーリエに差し出すと、どこかへ飛んで行ってしまった。
「良かったね、リーリエ」
「はい!」
「それで、僕に伝えたいことって何だったの?」
「あ、あれはその、えぇと、また今度ということで……」
「そっか……残念だな」
そう言いつつも、ヨウはさほど気落ちしている様子はなかった。
「リーリエのタイミングで良いからさ。その時は聞かせて欲しいな」
「はい……必ず伝えますから」
そう言って、リーリエは笑った。
***
その後、手をつないで現れた2人は、お祭りの主役として大いに揉みくちゃにされたり、手を繋いでいたことを冷やかされたりしながら祭りを楽しんだ。
「ねえ、リーリエはアローラに戻ってきてやりたいことあるの?」
一息ついたところでヨウがそう問いかけると、リーリエは迷いなく答える。
「はい。私はヨウさんと一緒に旅がしたいです」
それは1年前、ナッシーアイランドで交わした言葉。
リーリエの夢であり、2人にとって何よりも大切な約束だった。
「もちろんだよ、一緒に行こう」
「はいっ!」
満面の笑みを浮かべるリーリエ。
そんな彼女を見ているだけで、ヨウの心は満たされていくのであった。
「またよろしくね、リーリエ」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ヨウさん」
2人は笑い合うと、また手をつなぐ。
こうして、彼らの新たな旅が始まるのだった。
元々リーリエがヨウと島巡りをする話の1話として書いていたものを短編にして出したのでいかにも続きそうな感じになっちゃいました……。
リーリエの最終的な手持ちは?
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フェアリー統一
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タイプ統一しない