やはり俺の行きつけがリコリコなのはまちがっている。   作:百合の間に八幡挟む

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何だかんだとクルミは抜け目がない。

 

 誕生日と言えば、まあ一般的には祝われるものと言っても良いだろう。一年に一度、生まれてきてくれてありがとう、といった意を込めて祝われる行事。

 生誕したことを無条件に、周りから喜ばれる特別な日だ。

 そう考えると誕生日って最高だよな。

 無事生まれてこれたのは半分くらい母ちゃんの頑張りだってのにそれを独り占め出来る訳だし、その後は取り敢えず生きておけば必ず祝われるんだもんな。

 ひと月に一度は実施して欲しいくらい有難いイベントである──とはいえ、それをウキウキと楽しみに出来るのは幼少期の頃だけだろうが。

 あるいは陽キャの連中だけである。

 

 もうね、俺くらいのぼっちともなれば、誕生日とか新たなトラウマを刻み付けられるイベントと言っても過言ではないから。

 8月真っ只中に生まれたので、十七年間の人生で一度も家族以外に祝われたこと無いし。

 誕生日会自体、呼ばれたことも呼べたこともないし。

 クラスの連中がバースデーソング歌ってくれたと思ったら、俺と同じ誕生日だったやつ向けだったし。

 何なら親にすらバースデーケーキに書かれた名前を間違われたほどである。

 そういう訳で、今年の誕生日もまったりと家の中で過ごした。

 

 つっても、この歳にもなると親からもろくすっぽに祝われないからな、精々小町からラインが来たくらいだ。

 0時になると同時に送ってくるのだから可愛いものである。いやもう本当、俺の妹可愛すぎない?

 軽く人間国宝として登録しても良いレベルの可愛さである。とてもではないが俺の妹とは思えない。

 そりゃ両親も小町を溺愛するというものである。

 来年の小町の誕生日はそれはそれは派手に祝ってやらなくてはな……なんてことを考えながら、コーヒーを一口。

 

 珍しいことにMAXコーヒーではないし、砂糖やら練乳やらをぶち込んだコーヒーでもない。

 喫茶リコリコ看板娘が一人、井ノ上が淹れたコーヒーだった。

 あの日以来、コーヒー一杯問答無用で出されるようになったんだよな……。

 練習ということだから料金を払わなくて良いのは助かるのだが、それはそれとして砂糖とか入れようとすると睨むのはやめてください……。

 流石の俺もブルっちゃってそのまま飲んでいた。

 大してコーヒーには詳しくないので、ぶっちゃけたところ美味しいのかそうでないのか良く分からないのだが、まあその辺は店長が判断するのだろう。

 それに、詳しくないとは言えども比べることは出来る。

 店長の出すコーヒーとは確かに比べ物にならない出来ではあった。かといって、不味いのかと言われればそういうことでもないのだが。

 

 まあ、俺を練習台にして喫茶店店員としてのレベルが上がるのならそれで良い。俺に特にデメリットも無いしな。

 そんな訳で、座敷席で白熱する錦木主催のボードゲーム大会を横目に小説を閉じた。

 時刻はまだお昼過ぎ。少々喧しいものの、落ち着いた時間が流れている。

 こういう時間は嫌いじゃない。平和という言葉がぴったりあてはまって、実に落ち着く。

 まさか自分の居場所だと言えるはずもないが、それでも心地よくはあった。

 

「おー、相変わらず目を腐らせてるな、八幡」

「出し抜けに失礼なこと言うねお前……」

 

 ぴょこんっと対面の席に現れたのは金髪の幼女、クルミであった。

 先程までボードゲーム大会で大暴れしていたはずだが……。

 

「ちょっと勝ちすぎたからな、一回休みという訳だ」

「そーかよ、それで? 生憎宿題はもう無いぞ」

「何だ、八幡は夏休み初日で宿題全部終わらせるタイプか?」

「まあ、そうだな」

 

 初日でとは言わないが、早めに終わらせる方ではあるだろう。どっちにしろ、家にいるとやることないからな。

 ついでに言えば外に出てもやることが買い物か講習か、あるいは此処に来るくらいである。

 そして此処に来るのであれば、必然的に読書か宿題となるのだから、早めに終わるのも当然というものだろう。

 

「それじゃー暇だろ? 混ざらないのか? 八幡は」

「俺は良い……っつーかあれだ、誰かと一緒にやる系は向いてねぇんだよ。何せほとんどやったこと無いし、一度やったことあるが勝ちすぎてハブられた」

「そ、そうか。すまんな、失言だった」

 

 素直に謝られてしまい、こちらこそ申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。それもこれも、あの時俺を露骨にハブった道仲と須和同のせいである。

 途中から滅茶苦茶睨んでくるもんだから普通泣きそうだったし、次の日から会話すら拒絶するのは小学生の俺にはそこそこ堪えたぜ……。

 お陰で一人でやるゲームばっかり上手くなっちまったよ。一人野球とか、一人サッカーとかな。

 もうソロプレイなら全体的にプロ級と言っても過言ではない。

 

「まあそれはそれで構わない。ボクの暇潰し相手をしてくれるなら、文句はないさ」

「何でナチュラルに俺が子守役になってんだよ」

「子守だと!? ボクを何だと思ってるんだ!?」

「どう見ても幼女だろ……」

「は~? そうやって見た目で何でも判断するのは良くないぞー? はーちまーんっ」

 

 がるるるーっ、と威嚇をしてくるクルミだった。すげぇ、全然怖くない。むしろ小動物的な可愛さまで感じられるほどであった。

 思わず俺のお兄ちゃんスイッチが入っちゃいかねないレベル。

 

「ま、ちょうど本も読み切ったところだし別に良いけどよ。あっちの観戦してた方が楽しいんじゃねぇの」

「いやいや、八幡が最適なんだ。何なら八幡以外ではダメと言っても過言ではないな」

「もう不穏さしか感じねぇんだけど……」

 

 俺じゃないとダメって何だよ、ちょっと怖いだろ。

 新たなトラウマが生まれる予感すらしてちょっと身震いした。

 

「なぁに、ちょっと試させて欲しいだけだ……よっと。ほら、これ。付けてみろ」

「あん? 何だこれ……眼鏡?」

 

 渡されたケースを開ければ、縁の細い眼鏡が姿を現した。

 

「や、別に俺、目悪くないんだが。何なら視力はどっちも2.0なまである」

「安心しろ、伊達眼鏡だ」

「それ何の意味があるんだよ……」

「何って……お洒落、とか? まあ良いから、ほら、かけてみろ!」

 

 好奇心で目をキラキラさせながらクルミが押し付けてくる。

 何だってんだよ……。

 問い詰めようかとは思ったが、今何を聞いたところで「良いから、ほら、早く」としか返されない気がしたので、素直にかける。

 う~ん、うん。

 特に何か変わった感じはしないな。どこぞの小学生探偵のように、何かしらの機能がある感じでもない。

 本当にただの伊達眼鏡だ。

 これで満足なのか? と言う目で見れば、

 

「おぉ……」

 

 と感嘆の息を漏らすクルミがそこにいた。何が何をもってそのような反応を引き出しているのかさっぱり分からず、首を傾げる。

 

「何だよ、そんなに似合ってないか?」

「逆だ、逆。八幡、そこそこ似合うじゃないか。腐った目とか、結構まともに見えるぞ!」

「マジで?」

 

 眼鏡すげーな、人の目を浄化する能力とかついてんのかよ。

 ちょっと鏡とか欲しいなと思えば、パシャパシャとクルミに写真を撮られる。

 そういうことするなら先に言おうね? 今めっちゃ間抜けな顔しちゃってたから。

 

「うんうん、似合う似合う。ボクの見立て通りだな」

「そーかよ……で、満足か?」

「ああ!」

「じゃ、返すわ」

 

 言いながら眼鏡を外す。けれどもそれより先に、クルミにその手を止められた。

 クルミが俺を見て、ニヤリと笑う。

 

「いいや、いらない。それはボクからのプレゼントだ、八幡」

「はぁ? プレゼント?」

「誕生日、八月だろ? 結構過ぎたが、まあ今月内だしセーフだろ」

「……お前って、そういう風に人を気遣えるやつだったんだな」

「八幡はボクを何だと思ってるんだ!?」

 

 これでも立派な大人だーっ! と実に子供らしく訴えてくるクルミだった。

 懐かしいなあ、小町も小学生の時似たようなことで駄々をこねていたもんだ。

 俺は駄々をこねるタイミングを逃したが、小学生というのは誰でもこういう道を辿るものなのかもしれないな。

 

「まあ、何だ。ありがとな」

「最初からそう言えば良いんだ。そんなんだから、捻デレとか言われるんだぞ?」

「おい、それどこで聞いたんだよ……」

「ふっふっふっ」

 

 怪しげな笑みを浮かべるクルミ。普通にちょっと怖かった。

 これがフィクションだったら盗聴器とか仕掛けられてるんじゃないかと不安になるレベル。

 ……だ、大丈夫だよね? そんな法に触れるようなことはしてないよね? ねっ?

 

「ボクの前じゃどんな隠し事も出来ないってことだ」

「いやこえーな……将来探偵とか向いてんじゃねぇの」

「探偵かぁ、それも良いな。もしそうなることがあったら、助手として雇ってやろうか?」

「はっ、何があろうと俺に働く気はねぇよ」

 

 初志貫徹と言うように、働きたくないをモットーに生きていくのが俺の初志である。

 生涯大切に貫いてやるからな、俺の初志……。

 しかし、誕生日プレゼントか。

 まさかこの歳になって貰うことがあるとはな。

 純粋に嬉しい──と、思って良いだろう。多分。

 裏がありそうな幼女ではあるが、これに裏があるとも思えないし。

 

「ん、まあ、大切にするわ」

「そうしてやってくれ」

「お前も誕生日が近くなったら教えろよ、俺に出来る範囲でならなんか奢ってやる」

「ほんとかっ!? 実はボクも今日誕生日なんだよ、いやぁ、助かったな~!」

「絶対嘘だろお前……」

 

 何早速集ろうとしてんだ。早くも有難い気持ちが抜け落ちてきちゃったんだけど?

 もうちょっとくらいは噛みしめさせろよ……。

 これはやはり、一度俺の手でわからせてやらねばなるまいか……と思案していた、その時である。

 

「比企谷さ……ん? です、よね……? あれ? やっぱり違う?」

「えっ、何? 突然俺の顔の記憶だけ記憶喪失しちゃった感じ?」

「その声……! やはり比企谷さんですか。いえ、目が腐ってなかったので」

「お前、俺のこと目で判別してたのかよ……」

 

 至極ストレートに失礼な井ノ上だった。

 誰にでも言われるので流石の俺も、特徴の一つであるという自負はしていたのだが……。

 眼鏡かけてるだけでこんな言われるとは思わないだろ。

 最早迷彩服並みの効果発揮してんぞ、この眼鏡。

 

「目、悪かったのですか?」

「んにゃ、貰ったんだよ。クルミに」

「そう、ボクがくれてやったんだ」

「クルミが、ですか?」

「すげぇ訝し気な目するなお前……。誕生日プレゼントなんだとよ、ついでにこれは伊達眼鏡だ」

「誕生日? 誰のですか?」

「そりゃ俺だろ」

「っ!?」

 

 露骨にびっくりした様子の井ノ上が、数秒思案した後にピューンッと走り去った。

 

「……えっ、何? 俺の誕生日って人避けみたいな効果があったりするのか?」

「まさか、逆だろ。良く見てみろ~?」

 

 ニヤニヤ笑うクルミに誘導されるように視線をズラせば、見慣れた金髪頭が物凄い勢いでやってきた。

 

「ヒッキー誕生日な──うぇぇえええぇぇ!? 何その眼鏡!?」

「うるせぇな……」

 

 超大音量の一声に耳がキーン……と虚しい悲鳴を上げる。

 店中の客がざわざわっとこちらを見るので、何だかむずがゆかった。もう帰らせてくんねぇかな……。

 

「ふむ……」

「急に静かになるなよ、何? 音量調整下手くそなの? 壊れたスピーカーか何かなの?」

「良いねぇ、似合うじゃん! ヒッキー、かっこいいぞー?」

「……喧しい」

「あははっ、照れてる照れてる~」

 

 ほれほれ~、もっと良く見せてみ~? と頬を突いてくる錦木だった。

 こ、この野郎……。

 思わず眼鏡を外せば、「えー」とクルミからブーイングが上がる。知るか、これ以上揶揄われてたまるか。

 丁寧にケースに戻せば、またもや錦木がニヨニヨとした笑みを向けてきた。

 

「うん、うん。いつものヒッキーもやっぱり、結構イケてるよ」

「まあな、俺は基本的に高スペックな男だからな」

「そういうところが無ければもっと高得点なんだけどなぁ。あと目が腐ってなきゃ」

「うるせ、腐ってんのは俺のせいじゃねぇよ」

 

 ついでに言えば捻くれてもいない。周りが歪んでるからそう見えるだけである。

 そんな中で一人孤独に自分を真っ直ぐ貫く俺とか超カッコイイ。代償として目が腐るのは超かっこ悪い……。

 

「でも、誕生日かあ。そういうことは先に言っておくのがマナーじゃないかね? ヒッキーくん」

「一々言うほどのことでもないだろ」

「そんなことありませんーっ。むしろ自らアピールしても良いくらいだよ、ねっ、たーきな?」

「……まあ、そうですね。8月というのなら、夏休みは始まってますし、言ってくださればサービスしましたのに」

「サービスならもうしてもらってるだろ、ほれ」

 

 空になったカップを見せれば、「それはまた別です」とピシャリと言い返される俺だった。

 いや、でもなあ。

 これ以上サービスされても、遠慮が先立ってしまうというものだった。

 そもそも、そういうのを求めて来てる訳じゃないからな。

 

「それにあれだ、祝われたら祝い返さなきゃならないだろ。俺、お前らの誕生日とか知らないし」

「そんなの言ってくれれば幾らでも教えるよぉ~」

「ついでに言えば、そういう仲でもないだろ」

 

 客と店員。ちょっと色々あったが、やはりこの関係性が一番だ。

 踏み込みすぎず、踏み込ませ過ぎず。適度な距離感は維持されて然るべきだ。

 あまりにも近寄り過ぎると、期待してしまうし、期待させてしまうから。

 失望はしたくないし、されたくもない。

 

「まーたそういうこと言って、ヒッキーは面倒臭いなあ」

 

 そう言って、少しだけ微笑んだ錦木に両頬を挟まれた。

 

あにふんだよ(なにすんだよ)……」

「私はもう、ヒッキーとは友達のつもりだよ。それはきっと、たきなもクルミもそうなんじゃない?」

 

 ね? と振り返れば、たきなが「ふむ」と頷いた。

 

「そうですね。ただの知り合いというよりは、もう少しだけ親しくしてくださっている気はします。それは言葉にするのなら、やはり友人となるのではないでしょうか?」

「ボクはどっちでも良いけどなー。でも、プレゼントまで用意してやったんだ、ただの知り合いって言うには、ちょっと足りないんじゃないか?」

「だってさ、ヒッキー。どう?」

 

 慈愛に満ちた緋色の瞳が、鋭く俺を捉える。

 心臓は嫌に激しく打っていた、背中には冷や汗が流れている。

 友達……友達って何なんだろうな。

 放課後良く話す人間をそう呼ぶのだろうか、あるいは良く遊ぶ相手? 毎日連絡を取り合っていれば、それは友人と言えるのだろうか。

 互いの合意を以てなるものなのだろうか、それとも、他方の思い込みだけでそうなるものなのだろうか。

 分からない。これまで友人の一人なんて出来たこともない俺に、そんな問いは難解過ぎた。

 

「……なんてね、ヒッキーが素直に答えられないのは知っている千束ちゃんなのでした!」

「お、お前な」

「でもね、ヒッキー。いつかは答えて欲しいかな」

「……悪いな」

「いーんだよ、それがヒッキーだし! あー、でもでもぉ、代わりに誕生日は祝わせてもらっちゃおっかな~!」

 

 誕生日パーティーやろうぜ~! と宣言してからキッチンの方へと走っていく錦木だった。

 ぼんやりと眺めていれば、不意に目が合った井ノ上が小さく笑い、それから彼女も錦木の後を追った。

 

「甘えたな、千束の優しさに」

「まあな、俺は甘えるのだけは得意なんだ。何なら社会にだって甘える姿勢を貫くレベル」

「次は、そういう馬鹿な言葉で躱すなよ」

「……分かってるよ」

 

 ぶっきらぼうに言えば、どこか大人らしく笑うクルミだった。

 ──そうだ、考えなければならない。

 人と人との関係は、紡ぐのがやたらと難しいくせに、ほんのちょっとしたことですぐに罅が入る。

 ほんの少しの行き違いで、ちょっとだけ歪んでしまっただけで、大いに影響が出てしまうほどには繊細だ。

 だから、慎重になった。慎重になり過ぎたのかもしれない。でも、それくらいがちょうど良い。

 それはきっと、彼女ら以外についても言えるのだろう。

 けれども軽々にラベリング出来るほど俺は器用じゃないから……器用には、なりたくないから。

 待たせ過ぎることにはなってしまうかもしれないが、ゆっくりと、時間をかけて。

 いつか答えを出そうと、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 キッチンへと飛び込んできた千束が、壁に背を預けて片手で顔を隠している。

 何をやっているんだ、と喫茶リコリコの店長であるミカは声をかけようとしたが、それより先に千束が口を開いた。

 

「あー、もう、本当にヒッキーは面倒臭いなあ。卑屈だし、捻くれてるし、頑固だし、自己卑下が多いし、すーぐ自己完結するし、面倒臭い!」

「面倒臭いが二個出てないか」

「だぁって本当に面倒臭いんだよ? ……でも、そういうところが、全部気になるんだ。ね、先生。これってどういうことだと思う?」

「……さてな。千束が自分で見つけて、自分で名前を付けてやれば良い。それがきっと、正解だ」

「難しいこと言うなあ」

 

 千束は思う。

 ようやっと一歩踏み出せた。今までも頑なに距離を保とうとし続けた彼に、やっと一歩踏み込めたのだと。

 それが何よりも嬉しくて、同時に何よりも怖い。

 機械の心臓は鼓動を打たないのに、もうずっと心臓は高鳴っているようだった。

 誰かと関わり始めてこんな気持ちになるのは初めてだった。

 だから、千束には分からない。

 自分は彼と友人になりたいのか、あるいはそうではないのかが。

 きっと、昔は友人になりたかったはずなのに。

 それでは足りないような気がするのは、何故なのだろう。

 答えは出ない。誰も教えてはくれない。

 けれどもきっと、いつか彼が答えを出す時には。

 自分も答えを出そうと、そう思った。

 

 

 

 

 




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