ひぐらしのなく頃に 巻込編   作:ポロロン

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俺は尻派胸派両方いける派閥代表地田冬夜だ

 結局ドッキリと言われずに土曜日を迎えた。どうやら、本当の本当にタイムスリップをしてしまったらしい。もう諦めてしまった。誰にも相談できないままだからか、少しばかり寝不足が続いている。

 本日土曜日は興宮のおもちゃ屋に行く予定だ。園崎系列のお店だろうか。いろんな所で商品展開しているから、もしかしたら可能性はある。さっそく原付で目的地へ向かうことにした。そんなこんなでバイクを走らせていたところ、見たことのある男をみかけた。

 北条鉄平。北条沙都子の叔父にあたる人である。横には美人のお姉さんもいた。どうやら喫茶店に入っていったらしい。これだけ見れば愛人と遊んでいるだけということで終わるのだが、相手が相手だった。去年の失踪した北条悟史と北条沙都子を虐待していた疑惑がある人物だ。まさか興宮にまだいたとは思わなかった。

 冬夜はあまり当時の状況を知らないのだが、雛見沢の噂を聞く限り、そうとうな嫌がらせを子どもたちにしていたらしい。

 嫌なタイミングで見てしまった。あー、いやだいやだ。関わりたくない。

 

 

 

「と、言うわけで魅音ちゃん。少しばかり席を外してもいいかな?」

「状況が分からないんですけど!?」

「緊急の要件なんだ。すぐ戻ってくるから良いかな?」

 

 ま、まぁ良いですけど。そう了解を得たためにおもちゃ屋からトンボ帰りをして、先ほどの喫茶店に入る。タバコの臭いが壁に沁みついていると思えるほどのタバコの煙が充満している。さきほどの北条鉄平とお姉さんがいるのも確認できた。適当に座るふりで近くの座席に座った。

 

「―――んで、次はそっちの番じゃ。上手くいっとんね?」

 

 さすがに話の最初は聞くことはできなかったが、仕方がない。あ、コーヒーください。ミルクとシロップもお願いします。

 

「順調さ。竜宮っているところの男から、そろそろ契約ができる」

「それだけじゃ足りんじゃろ」

「安心しなよ。・・・園崎の上納金に手を出すつもりさ」

「いや、それは危険じゃないんか。上手くいく算段があるっちゅうんか」

 

 もう十分だろう。俺の嫌な予感というのは当たっていたらしい。うぅ、胃が痛い。どうすれば良いのだろうか。これは俺だけで対応できる案件じゃない。甘ったるいコーヒーを一気に飲み干してから、おもちゃ屋に向かった。

 

 

 なるべく早く切り上げておもちゃ屋に向かったのだが、どうやら部活メンバーが勝った直後だったらしい。魅音ちゃんはこれからバイトをしにいく途中のようだ。親戚の所のお手伝いということなのでお小言は無しである。魅音ちゃんと前原君以外は優勝の景品だろうか、紙袋を持っていた。

 魅音ちゃんに遅れてしまったことを謝ったが、ひじで腹をドスドスと叩かれる。痛い痛い。しかし、魅音ちゃんは今日は忙しいらしい。今日園崎家に行くのは難しそうだ。

 

「あ~、魅音ちゃん。明日なんだけどさ、園崎家に訪問してもいいかい?」

「良いですよ。ばっちゃも喜ぶと思います」

「ちょっと真剣な話なんだ。お魎さんだけじゃなくて、信頼できる人を呼んでくれるかい?」

 

 園崎魅音は一瞬呆気にとられたような顔をするが、どうやら単純に遊びに行く予定ではないと気づいたのだろう。すぐにキリッとした顔になる。他人に頼って良いのかわからなかったが、園崎家のバックがあれば、何かしらの糸口が見えてくるかもしれない。少しは休ませてくれよ~。

 本来であれば週末にエンジェルモートへ向かう予定だったが、それも園崎家へ向かうことになったので行けなくなった。で、あれば今興宮にいるのだから今からエンジェルモートへ行ってもいいだろう。

 魅音ちゃんがバイトへ向かったのを見送ってから、竜宮さんが話しかけてきた。

 

「魅音ちゃん、かわいい人形さん欲しかったんじゃないかって思うんです」

「へ、へぇ・・・」

 

 竜宮。北条鉄平の連れ添いの女性が言っていたのも竜宮だった。いや、まさか流石に・・・。少しばかり言葉がどもってしまったが、落ち着いて話を聞いてみると、どうやら前原君が景品で可愛らしい人形を手にしたらしい。それで前原君は竜宮さんに人形を渡したらしい。

 

「なるほど。それで竜宮さんはどうすれば良いか悩んでいると」

「そんなに魅音は人形欲しかったのか?」

 

 悩んでいる竜宮さんと気にしていない前原君。まぁ確かに前原君の気持ちは分からなくはない。男には難しい繊細な話だもんな。

 竜宮さんの言っていることは十分理解できた。俺はすぐに店主に同じものを頼んで購入する。それなりにお金はあるのだから問題はない。あれ?意外に高いぞ?あれれ?いや、ここで購入を頼んだのだから引くに引けなくなってしまった。

 購入した人形を前原君に渡して、気を見て渡すようにお願いをしたのだが、竜宮さんから止められた。なぜか俺が直接渡してあげてほしいとのこと。それは魅音ちゃん残念がるでしょ。前原君と魅音ちゃんはとりわけ仲が良いのだから、プレゼントで渡した方が喜ぶんじゃない?そのような言い訳をすると、竜宮さんは大きな溜息を吐いた。なぜ憐みの目で見るのだろうか。状況は分からなかったが、とりあえず俺が持っていけば良いということなので、明日園崎家に行った時に渡すとしよう。

 

 

 

 部活メンバーと分かれた後にエンジェルモートへ向かった。やはりエンジェルモートは最高である。巫女服もあればなお良いのだが。もう既にコーヒーは飲んでいたのだが、いつも通りのコーヒーとショートケーキを頼もうと店員さんを呼ぶ。

 

「いらっしゃいませ。ご注文で――――」

「み、魅音ちゃん?」

 

 店員を呼ぶと魅音ちゃんが対応してきた。しかもエンジェルモートの制服である。なんとけしからん。何という事だ。ただでさえ可愛らしい魅音ちゃんが!いかんいかん。相手は中学生だ、落ち着け俺。

 

「こ、コーヒーとショートケーキ」

「はい・・・」

 

 魅音ちゃんは顔を真っ赤にして注文を承った。俺もエンジェルモートで注文している姿を知り合いに見られるとは思わなかったが、ここは開き直るしかない。俺は客だ!ただの客!

 いつもなら注文を頼んだ後、店員の後ろ姿を拝んでいたが、さすがに今日はできなかった。もう許してくれ・・・。いたたまれない空気の中商品を待っていると、またもや魅音ちゃんがやってきた。商品も持っているが、コーヒーカップが2つ?

 

「今の時間は休憩時間でして・・・」

 

 絞り出すかのように声を出した。顔は相変わらず真っ赤である。何とも言えない空気が流れるが、俺も応えなければなるまい。

 

「親戚の所でバイト、じゃなかったのか?」

「ち、違うんです!ここ園崎家系列店なんです!ここの店主も叔父さんが経営してて!」

 

 園崎家次期当主にこんな破廉恥な姿でバイトさせる叔父さんは、この先大丈夫なのだろうか。闇討ちされないか心配である。知り合いじゃかなったからこそ楽しめたお店なのだが、これからはエンジェルモートに行くことはできない・・・だろう(血涙)

 

「あの、デザートフェスタのチケット上げますので、このことは内密に」

 

 また行きます!フェスタ楽しみですね!おっといけない。思わず本音が・・・。

 

「チケットは貰うし、俺はバイトしても良いと思うよ。ただ受験生なんだから勉強も頑張ってくれ」

「はいぃ」

 

 今の魅音ちゃんは言いなり状態である。いつもこれぐらい素直ならありがたいのだが。あ、そうだ。

 

「バイト終わったら渡したい物があるんだけど、大丈夫?」

「え!?別に問題ないですけど・・・」

 

 丁度良いし、今日渡すとしよう。しかし最初は驚いたが、エンジェルモートの制服がここまで似合うとは思わなかった。できれば巫女服とか来て欲しいのだが・・・。

 もう既にタイムスリップの事など記憶からすっぽ抜けてしまっている。やっぱりエンジェルモートは最高だぜ!

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