ひぐらしのなく頃に 巻込編   作:ポロロン

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真相絶対教えないマン

 冬夜がいつもの集合場所から離れた少し後の事である。いつもの警察三人組は後詰に入っていた。

 

「今回の薬の入手経路ですが、公由祖母が知っている範囲の病院のリストがこちらです」

 

 赤坂が提示した病院リストを確認していく。数件ぐらいのものであるが、この中に薬を提供した医者がいるのは確かだろう。

 本来であれば冬夜にも見せて共有する必要があるのかもしれないが、これを冬夜に見せてどうにかなる問題ではなかった。今までは元雛見沢住民の聞き取り調査ということで警察であることを誤魔化すことができたが、病院ではそうはいかない。プライバシー保護が強い病院内部では、一般人という立場は弱いものだった。

 

「じゃあ、この病院は私が回りましょう」

 

 大石が力強く言う。彼はこういった情報を隠している機関などに対する強硬策を多く知っていた。それは警察としての経験であるし、強引な手を若い二人に任せるわけにはいかなかった。

 

「それじゃ、次は鷹野三四の内容です」

「改竄のデータは入手できそうですか?」

「いえ、だいぶ難しいかと」

 

 検死の新人、南井にとっては知己なのだが。現状資料を見させてくれることは難しそうであると彼女は言う。

 

「データが手に入るまでは確証できません。赤坂さん、何か伝手はありますか?」

「公安関係に当たってみますか?警察内部で裏切者がいる中ですから限定しますが」

「そうしましょう。鷹野三四の死体と決めている歯形に関する病院は見つかっていますか?」

「そちらは確認済みです。明日には向かおうかと」

 

 大石は大きく頷いた。これで冬夜の負担を減らせるはずだと大石は確信していた。さすがに警察内部のゴタゴタまで冬夜を巻き込ませるわけにはいかない。もう十分巻き込んでしまっているが、せめてものという心情であった。

 

 三人が情報共有をすましたその時、緊急連絡として警察署に備えられているスピーカーが大声を出した。

 

『警察署近辺にて暴力事件発生!暴力事件発生!」

「大石さん、赤坂さん。すみませんがこれから向かいます」

 

 南井は慌てて準備に取り掛かった。とはいえ、彼女は常に出られるように必要なものは身に着けていたのだが、部下に指示を出さなければいけない。

 部下に準備を促し、さて向かおうとした。

 

『若い男性2名が乱闘をして、一人は負傷。一人は逃走した模様。班を分けて行動せよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地田冬夜は薄らと目を開けた。目に広がるのは道路だろうか、コンクリートしか見えない。もしかして倒れてしまったのだろうか。ゆっくりと首を動かす。だいぶ会議で話しこんでしまったのか、暗い空が見えていた。雛見沢ならもっと綺麗な星空が見えていたのだろうか。住宅街の発する光が邪魔をして全く見えない。

 どこか遠くでドタバタと音がする。しかもサイレンだろうか、やたらと五月蠅い。

 

「冬夜さん!冬夜さん!」

 

 いつの間にいたのか、南井さんが叫んでいる。なぜ叫ぶのか、耳が痛い。お腹がジンジンと痛みを発している。ふと手で触って確認する。べたり、という感触がする。

 

 そういえば、若い男が突然腹を刺してきたのだったか・・・。やけに落ちついてしまっている自分に驚いた。まさか死んでしまうのだろうか。

 まぁ園崎詩音にはだいぶ刺されたし?今更刺されてどうにかなるのかと言いたいのだが。今回は分かる。刺された場所が悪いことも。

 南井さんが叫ぶがもう声すら聞こえない。何か言わなければ。何か・・・。そう、一つ男の特徴は知っているのだ。

 

「け、拳銃・・・」

 

 血で汚れた手で南井さんの腰に触れた。警察の拳銃。それが冬夜の見た最後の記憶である。それ以外の事は正直覚えていない。突然のことだったのだ。

 しまった、血で服を汚してしまった。もったいない。弁償しないといけないのだろうか。いや、園崎家からの賠償金でたらふくお金はあるから問題は無いか。

 

 死んでしまうのか。本当に死んでしまうのか。これから生きて真相を知ろうとしたというのに、こんな簡単に死んでしまうのか。まだまだ謎が多かったのに。畜生、死ぬならもっと遊びたかった。

 ループをするというのに、冬夜は後悔の念が絶えなかった。そうか、生きたかったのかと初めて理解をした。死んであの頃の雛見沢へ戻れると喜ぶべきなのに、冬夜は今の人生を最後まで貫こうという心が片隅にあったのかもしれない。

 

 冬夜は死んだ。

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