多分これから増えます。
『"枯渇鎮守府"の面々』
【暁】
暁型駆逐艦一番艦。自称一人前のレディ。お子様言うな
【響】
同二番艦。たまにロシア語の出るクールビューティ。感情表現が少し苦手なだけで、内面は熱い
【雷】
同三番艦。面倒見がいい。ダメ提督製造機
【電】
同四番艦。ドジっ子だが頑張り屋、なのです!
【提督】
本名は戸部古勝。平和なのをいいことに自堕落な生活を送っており、資源をよく無駄遣いする。秘書艦は1週間ごとに変える
【猫】
鎮守府に迷い込んだ野良猫。名前が決まらなかったので猫呼ばわりされている
『"別の大きな鎮守府"の面々』
【長門】
長門型一番艦。武人気質な渋井の秘書艦。ロリコン疑惑あり
【陸奥】
長門型二番艦。提督曰く、"色気ナンバーワン"
【大和】
大和型一番艦。ワケあって長い間戦場を離れていた
【北上】
球磨型三番艦。マイペースな軽巡
【大井】
球磨型四番艦。北上大好きで、提督や渋井とは結構遠慮ない態度で接し合う仲。大井っち
【島風】
とにかく速い子。自由奔放すぎて渋井すら手を焼く
【渋井隆道】
提督。枯渇鎮守府の提督とは親友で、かつて横須賀鎮守府に共に勤務していた。程よくモテる。秘書艦は長門
【江野島百合香】
渋井の部下。少尉。提督にひっそり思いを寄せている。提督志望
『大本営』
【連合艦隊司令長官】
艦娘や彼女らを指揮する提督全員に信頼を置く。ストレスで禿げてきている
【大越鷹山】
中将。艦娘を信用しておらず、従来の軍艦による反撃を主張する。提督が左遷された原因
【小野寺里見】
少将。艦娘と人類が共存する未来を目指す。現場からの叩き上げ
【神崎殺兎】
中将。艦娘を兵器として扱い、人以下の存在とするろくでなし
【坂田銅時】
陸軍中将。"海軍と陸軍は犬猿の仲"という言葉を体現するかのような存在
【あきつ丸】
坂田の秘書艦。提督には個人的に恩があり、彼と一緒になりたいと思っているが立場上許されず、苦悩している
『ドイツ海軍』
【Bismarck】
戦艦娘。エーベルハルトとはケッコンカッコカリしている。よくエーベルハルトを主砲で吹き飛ばすが、彼への愛は本物だったりする。「ドイツを代表する強さとおっぱい」by 提督
【エルンスト・エーベルハルト】
提督。普段は脳内おっぱい星人で、よくBismarckに木っ端微塵にされる。指揮能力の高さは各国の提督が手本とするほど。規模で他国に劣るドイツ海軍の英雄。秘書艦はもちろんBismarck
『イギリス海軍』
【Warspite】
戦艦娘。英国淑女
『日本政府』
【総理】
支持率が下がっている
【官房長官】
艦娘には懐疑的
その他
【中谷】
破滅思想の持ち主で"深海派"のテロリスト
【村上と柴】
遠征帰りの艦娘を狙う海賊コンビ
【首相】
英国首相。イギリスの国力低下を憂う
【大統領】
米国大統領。日本との協調路線を取る
【ゲラルト】
ドイツの政権を掌握した極右政党の親衛隊大佐
【南郷平九郎】
元海軍大将。日本を代表する提督。当時世界最強と謳われたバルチック艦隊との演習で完勝し、その後の深海棲艦との戦いでも活躍した。現在は引退し、秘書艦の武蔵と隠居中
【武蔵】
大和型二番艦。南郷とは歴戦のパートナー
一体、何年前になるだろう。
突如として人類に牙を剥いた謎の勢力、深海棲艦。
奴らの攻撃に晒された人類は、次々に活動領域を奪われていった。
目的は何か。
どこから来たのか。
何もわからないし、教えてもくれない。
深海棲艦のやることと言えば、ただひたすらに人々を蹂躙するばかりである。
当然、人類も黙ってやられていたわけではなく、何度か反攻作戦が行われた。
しかし、巨大な戦艦による砲撃も、パイロット達による爆撃もまるで効果がなく、連敗を重ねた。
誰もが、種の全滅を覚悟していた。
そこへ、彼女達は現れた。
見た目はただの少女だが、深海棲艦と互角に戦える存在。
艦娘である。
瀕死の人類に差し伸べられた女神の手であると、誰もが疑わなかった。
勝ち筋を見出した人類は、生き残るために深海棲艦へ戦いを挑む。
勝った者が生きる。
負ければ沈む。
最大規模のサバイバルが、今幕を開ける……!
★★★
殺伐としたこの世界を守る要となるのは、鎮守府と呼ばれる施設だ。
多くの艦娘が配属され、提督の指揮の元、深海棲艦と戦いを繰り広げるのだ。
各地に鎮守府は存在しており、こんなど田舎にもある。
前述した殺伐とした世界と同じ世界なのか疑いたくなるくらいのどかな景色に囲まれたこの鎮守府にも、勿論提督はいる。
それなりに引き締まった体。
顎に生えた無精髭。
手入れもされずボサボサの髪。
彼こそが、その提督である。
海軍の軍服に身を包んだ彼は、執務室の椅子に座り、鉛筆を齧っていた。
「……」
ドアがノックされ、セーラー服を着た少女が2人入って来た。
「お? 暁に響。遠征ご苦労さん。その様子じゃ成功みたいだな」
ひょいと片手をあげて笑う提督に、暁は自信に満ちた笑みを向けた。
腰まで伸びた紺色の髪の毛に白と紺のセーラー服。
頭には戦闘帽が乗っている。
妹の響も同じような格好であるが、髪は銀髪である。
「当然よ! 暁は一人前のレディなの! どんな遠征でもこなしてみせるわ!」
「よっ。流石レディ」
響が淡々と告げる。
「ちゃんと資源は得た。今度こそ出費は程々に」
「……心得ております。はい」
しゅんとする提督に、響は真顔で容赦ない追撃を浴びせる。
「遠征に出るための燃料さえ不足しているのは非常にまずい。その浪費癖だけはどうにか抑えて、司令官」
「……何も言い返せん」
この鎮守府に配属されているのは、4人の駆逐艦娘。
暁、響、雷、電である。
1年ほどこの鎮守府に提督も暁達も勤めているが、人員が変わったことは一度もない。
部屋もほとんどがガラ空きであり、食堂にも演習場にも誰1人いない。
ただ、人気のない各施設はボロボロで、長年放置された廃墟のようであった。
それもこれも、全部提督のせいである。
集めた資源はすぐに工廠に全て持ち込み、新たな装備を開発しまくった。
フィギュア収集に金銭を注ぎ込み、暁達を大いに呆れさせた。
お陰で鎮守府の財政はカツカツであり、提督の本名からもじられて"枯渇鎮守府"なんていう不名誉な渾名を頂戴することとなった。
幸い、付近の海域には深海棲艦はほとんど出ないし、出るとしてもちっぽけな駆逐イ級程度であり、ここの4人でも撃退は容易であった。
もちろん燃料を消費するので、提督としてはなるべく出撃はさせたくない。
最近は、近くの島まで遠征して資源を集めつつたまに現れる深海棲艦を撃退し、その他の時間はみんなでのんびり過ごすという生活が続いている。
遠征は1週間に一度、暁響ペアと雷電ペアを交互に送り出している。
彼女達と提督の仲は悪くなく、むしろ良好であった。
「もっかい言うが、遠征ご苦労さん。雷電も呼んで飯にしよう」
「暁が作るわ。レディは料理も簡単にこなしてこそよ」
「レトルトカレーしかないぞ」
「え……」
提督の言葉に、暁と響は肩を落とした。
「てっきりボルシチくらいはあるものだと」
「ないわ」
提督も肩を落とす。
自分のせいで艦娘達に迷惑がかかるのは申し訳ないし、何より美味い飯が食えない。
ただ、癖とはなかなか抜けないものだ。
直そうとは思いつつも、簡単にはいかないのである……。
★★★
がらんとした食堂。
他の鎮守府なら艦娘で溢れかえっているのだろうが、ここの場合無駄に広いだけで、飯を食っているのは5人だけだ。
「レトルトなんて……。レディに似合わないわ!」
なんて言いながらも、暁はガツガツレトルトカレーを食べている。
「レトルトカレー、美味いなー」
提督は完全に棒読みである。
そんな提督に、雷が心配そうに声をかけた。
「司令官。何か困ってるの? もっと私に頼っていいのよ?」
「そうなのです。電もお手伝いしたいのです」
電も同意するように頷く。
雷と電は双子のような見た目をしており、姉の暁や響とは少し違った容姿をしている。
それでも仲良し姉妹であることに変わりはない。
「いや、大丈夫だ。お前らは心配せずに、のらーりくらーりと暮らしててくれりゃあいい」
「ほんと?」
「ああ」
雷は何度か念を押してみたが、提督の返事は変わらなかった。
「あっ。電、カレーついてるわよ」
「え? どこなのです?」
「待って。拭いてあげる」
雷はハンカチを取り出し、電のほっぺについたカレーを拭ってやった。
「雷ちゃん、ありがとうなのです。雷ちゃんはやっぱり優しいのです」
「ふふん。もっと私を頼っていいのよ!」
「いつも思うが、雷よお。結構気配りが出来てるじゃねえの。そういうところいいと思うぜぇ?」
「司令官も、どんどん頼って頂戴!」
にかっと笑って、八重歯があらわになる。
提督は「うむ。グッドスマイル」と呟いて食事に戻った。
これに対し、暁が唇を尖らせる。
「雷は甘やかしすぎよ。司令官がこれ以上ダメ司令官になっちゃったらどうするのよ」
「そう?」
「そうよ。一人前のレディはもっと……」
「け、喧嘩はダメなのです!」
「おーい。食事中に言い争いはなしだぞー。提督様が喧嘩の種摘み取ったるぞー」
皆がワイワイ食事する中、響だけが黙々とカレーを食べていた。
これは、色々とカツカツな鎮守府に勤める5人の日常を描く物語である。