爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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最強のやる気スイッチ

〇美食の町プッチ『マストダイ農場』

 

魔海の主と呼ばれる男が少女達に後継を託すことを宣言してから一年が経過した。

2年の半分が経過したところで男は改めて13人の少女達の前で話していた。

今回はイタミ少将同席である。男は剣術の指南をお願いしてもいたので断り切れなかった。

 

「この一年で全員が海軍本部中将並みの強さには至っていると言えるようになりました」

男は海軍本部少将の前で彼女の上司より上と言い切った。

だが、イタミ少将も平均的な中将なら少女達の方が強いと断言できるので沈黙した。

 

イタミ少将は魔海の主の御守を強いられており、そのままの地位にいた。

ちなみに海軍元帥は最高権力者五老星から彼女を特例として扱うよう命令されている。

その関係で海軍内ではイタミ少将の強さ等が正確に伝わっていない。

功績が大きすぎて多少の我儘が許され、今の地位にいると周囲から思われている。

だが、イタミ少将の強さは準ロジャー並みに強くなっていたりする。

大体の原因がほぼ毎日、男と鍛錬と評する死闘を続けていたからだったりする。

剣術で男に負けるわけにはいかないという意地がイタミ少将を強くしていた。

 

「鍛錬と実践でここまでは行けました。ですが…正直、まだ足りない」

男は新世界でも既に過剰戦力といえる面々に対して言い切った。

 

「ロジャー、金獅子、リンリン等には本気で来られたら一日持たない」

男は昨今、新世界で暴れている面々を挙げて断言した。

逆に自分ならば持つと断言できる男の頭と強さがイカレているのだが、その自覚がない。

 

「いや…あの」

イタミ少将は流石に男の非常識を訂正しようとした。

男は海軍本部でも厳しい戦いになることが避けられない名前を挙げていた。

 

「個人でもパトリック・レッドフィールド等の存在もいる。貴方達13人全員が必ずしも万全であるとは限らない」

男はイタミ少将の言葉を無視して続けた。

少女達全員が万全でかかれば単騎で相打ちレベルの強者はまだまだいた。

ロジャー世代は皆が化け物クラスに強い。

なお、男は自分もそこに含まれていることに微妙に気が付いていない。

 

「…はい」

少女達は男の言葉に同意した。

イタミ少将には万全の状態かつ全員で挑めば勝てるようになったと断言できる。

だが、男の言う通り、常に万全な状態とは限らない。その事実に少女達は声を落とした。

魔海の後継としてならばその程度すら満足にできないことを恥じた。

 

この日、過去と現在、そして未来においても世界で一番頭がおかしい会話が成されていた。

最年長14歳の少女達に求めている力が異常過ぎた。

実年齢13歳は自分ができることを少女達に願っていた。

正確には準ずるレベルまで鍛え、何かあれば応援に間に合うようにしたかった。

 

「ですが…皆、強くなりました。貴方達全員の努力の賜物です」

魔海の主は先ほどとは打って変わって少女達を認め、賞賛した。

それは心からの言葉だった。6歳の時の自分はここまで強くなかった。

一年でここまで強くなれた少女達に酷なことを言っている自覚は男にあった。

 

「まだ、もっと」

少女達は男の言葉に感動しながらも、まだ強くなれるという意志で男を見た。

…その意志だけで並みの海賊や海軍佐官すらも圧倒する覇気があった。

 

「…」

男はその意志を汲み取り、安堵した。

そして、次の段階へのテストを実施することに決めた。

 

「…話は変わりますが、私は一週間程プッチの町を留守にしたいと思っています」

男は短期間少女達に全て任せることを宣言した。

男としては初の完全に自分の意思で行う外海遠征となる。

当然の様に一週間で必ず戻って来られるとは断言しない。

 

「…その期間、この海を守ってくれますよね?」

男は自らの後継達に尋ねた。

皆を眺めるように視線を動かしながら、万が一の連絡手段を知るサラーに一瞬目を合わせた。

 

「「「はい!」」」

魔海の後継は主の名に恥じぬよう死力を尽くすつもりでそれに応えた。

 

「…力み過ぎず、かといって緊張を無くさずに」

魔海の主はそれだけ忠告し、後を頼む事にした。

 

「イタミ少将、これから出ますので着いて来てください」

男はイタミ少将の無理やり引きずって連れて行くことにした。

拒否権は今回に限ってない。そもそも事前に伝えてもいない。

当然、イタミ少将側の都合は無視である。

 

「ちょっ…!」

イタミ少将は強引に自分を求める男に対して動揺して言葉を失った。

…結局、そのまま手を繋いで海岸まで行って恥ずかしくなった。

 

少女達は気合を入れなおすと同時に何時まで経ってもイタミ少将の弱さに呆れかえった。

…最年長14歳のルビーは押せば倒れそうな関係なのにしないのならば、横から掠め取っても問題ないと思い始めた。

同様に思った彼女らは一年以内にイタミ少将に勝てるのを目標にすることにした。

8年もそのままなのが悪い。少女達は開き直った。

 




・魔海の後継
13人の少女達。一年でロジャー世代の中将クラスの強さに全員なった。
能力無しでの評価であり、悪魔の実の能力も覚醒には至らないものの練度も高めている。
四皇幹部クラス程度に既に強い。男の3年以上の教育により全員高水準で穴がない強さという化け物である。
魔海の主のイタミ少将への扱いとそれに対応するイタミ少将を見てモチベーションが過去最高になった。
8年もいる癖に何もしないなら十分義理を果たしたと認識している。

・イタミ少将
ろくでもないことしそうなので見張りに来ただけのつもりだった。
実際、ほぼ物置と化していたが最後の男への対応のお陰で少女達のモチベーションを過去最強にした人。

・五老星
イタミ少将に対して諦めモードになってきている。
イタミ少将の容姿が変わらないのは男が噛んで寿命等を延ばしたと思っている。
そこまでされたならもう押し倒せるだろと思っている。

・魔海の主
まだ強くしたいが、モチベーションを上げる方法がわからず不安に駆られていた。
結果的に凄まじい結果になった。
少女達には自分の子どもの様に愛しく思っている。
だが、かなり酷いことをしているので尊敬はされてもそういう感情はないと思い込んでいる。
実際、この時までは殆どその認識で合っていた。
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