爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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叱責

 

魔海の主はキューカ島で記者からの取材を受けるという目的を終えた。

その日の内にキューカ島でお土産の品を買い、その場を後にしようかと考えた。

だが、あちこち動き過ぎて連れであるイタミ少将を振り回し過ぎたかとも思った。

 

実際のところ、イタミ少将も仕事なので気にしていない。

イタミ少将は男の監視的な役職についていた。だが、仕事は海賊を狩ることくらいである。

イタミ少将は世界政府から魔海の主の脱法行為等を認可する権限を与えられている。

イタミ少将はそれを行使したことは一度もない。CP等が裏取りしているが本当にない。

 

イタミ少将は強いていえば今回のメルヴィユを見なかったことにする程度であろうと思っている。

後、プッチの農園で働いている少女達への拷問染みた教育方針くらいだ。

少なくとも世界政府の認知している範囲で男は法を守り、滅茶苦茶は合法の範囲で止めている。

それ故に、五老星も魔海の主が善良な市民の範疇で平和に貢献しているとしか言えない。

魔海の主が本当に善良な市民かつ無欲という事実は世界政府の方が困っている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇キューカ島 第三プール場

 

「イタミ少将。やる事がないので帰ろうかと思うのですが大丈夫ですか?」

男は取材を終えたのでビーチチェアから降り、イタミ少将に尋ねた。

休憩途中の国等でお土産を買いつつ、海賊討伐しながらプッチへ帰れば丁度一週間である。

 

後継のように海賊艦隊を滅ぼしたりしたいがそんな都合の良いことはない。

男は魚人空手により波を起こし海賊艦隊を海で包んだ形で凍らせて、中に麻痺毒を充満させる『フヴェルゲルミル』という技を開発していた。

50隻5千人の艦隊だろうと絶対逃がさない毒の泉である。男はその他使う機会の無い害悪技の数々を思いついていた。

ロジャー級の覇王色の覇気もあり、数で男を囲むのは不可能と言えた。

なお、少数精鋭の全盛期ロジャー海賊団が男の弱点である。

ロジャーだけでも必死の覚悟なのにそれに準ずる者達で構成されているのは卑怯だと魔海の主は思った。

どちらが卑怯かは火を見るよりも明らかであるが男にその視点はない。

 

「いや…ないですけど。貴方は他にないんですか?」

イタミ少将は男に対して聞き返した。

 

雲に届く秘境での冒険も4日で済ませ、少女達の危機に念のため駆け付けた。

キューカ島でも録に過ごしていない。イタミ少将は男が休んでいるのを見たことが無い。

自分は休みで高速船を借りて海賊狩ったり、実家に住む家族と電伝虫で会話したりしている。

イタミ少将は秘境で見せた男の顔を思い出し、常に無理をしているのではないかと思った。

 

「…ないと言えば嘘になるかもしれない」

男はイタミ少将の何時にもなく真剣な顔を見て真面目に答えた。

 

欲を言えば未知の冒険等をしたいし、自由な航海をしたい。

男は海賊を討伐しながら海賊に羨望を抱くこともあった。

ロジャー海賊団等その最たるものである。

 

だが、男にはそれ以上に守る宝が出来てしまった。

世界中の人々が賞賛する魔海と呼ぶ一帯は自分自身で築いたに等しい平和な地域になった。

男が必要以上に懸命になり築き上げたその宝は同時に重すぎる足枷になっていた。

後継者達に強さを求めるのも男の我儘である。そして、想いでもあった。

ロジャーは初めて会った魔海の主、自分を引き籠りと言った。

半分は当たっていると男は思った。

 

「ですが、心配するまででもありません。菓子作りが出来て、後継者まで育っている」

男はそう言ってイタミ少将へ背を向けた。

思わずの行動であるがそれが答えだとイタミ少将は直感した。

 

イタミ少将は男を強引に向けた背を戻させて、目を見た。

 

「貴方は休んで良いんです!」

イタミ少将は男に言い切った。

魔海の主などという肩書で縛られている男へ自分の海軍将校という肩書を無視して言い切った。

イタミはこの時、自分の職務を完全に放棄して自分の言葉を男に伝えた。

 

「…はい」

少年は大人の叱責に思わず頷いた。

大人からの言葉は男の脳に永遠に焼き付いた。

 

…それはそれとして男がやることは変わらないが。

 

 




・イタミ少将
この後すぐに正気に戻った。
だが、働き過ぎの男に海軍将校という肩書で諭すのは難しいと思った。
男が聞いてくれるかは別として言いたいことは言った。
全力で愛する市民を守り、魔海の主などと恐れられた男がしたかったことは別にあると直感した。
メルヴィユでのような出来事が男のしたいことであろうと感じた。
海軍将校として世界政府の下で正義を掲げている以上、男の望みは自分では叶えられないと悟ってしまった。

・魔海の主
何かイタミ少将と気不味くなったので、海賊に八つ当たりした。
帰る途中でドラム王国で医学書を購入したり割と好き放題しているつもり。
高速船クルースニク3号の最高速度で海賊を奇襲を繰り返し、海賊船30隻を捕縛した。
やり過ぎたので付近で一番大きい海軍本部第八支部に引き渡しにいくつもり。

・世界政府
本当に成果からすれば魔海の主が無欲過ぎて困り切っている。
後継の件といい滅茶苦茶やっているが、平和への貢献度はそれ以上と評価している。
本当に男が敵にさえ回らなければそれで十分な程の力と成果を出している。
魔海の主の案件は今年の世界会議で間違いなく議題に挙がる。
今まで出なかったのが異常でもあった。

・五老星
この場にいればイタミ少将に良いぞ、そのまま押し倒せと叫んでいた。
実際、魔海の主が無欲過ぎて将来的に暴発されるのが一番怖い。
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