爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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マステマ

 

魔海の主がジャヤコーヒーを本格的に輸入し始め、開店した『カフェ・アビス』。

プッチでは珍しいジャヤコーヒーを安価で味わえる店として人気の店であった。

ジャヤとプッチはグランドライン前半の海の全長およそ1/3の距離である。

しかも無法者の町であり、美味な珈琲の産地でも中々入手が容易ではない。

そんな中で、ジャヤ産珈琲農家でも厳選されたコーヒーが飲める。

プッチの英雄の『カフェ・アビス』は、プッチの人々に受け入れられていた。

販路の難易度をクリアし、高品質のコーヒーが美食の町で流行らないわけがなかった。

 

〇美食の町プッチ『カフェ・アビス』地下応接室

 

開店してから即人気店となったカフェ・アビス。

そんな店に地下室が存在することは働いている従業員しか知らない。

そんな地下室には従業員の休憩室と応接室、ジャヤから運ばれる珈琲保管庫がある。

店の雰囲気を壊さない為に地下に作っている。従業員もその設定を怪しむ者はいない。

だが、地下にある福利厚生施設の存在の半分は建前であった。

 

「しかし、残り1年で新しい密談用の地下室を堂々と作るなんて大胆ね」

世界福祉復興連盟代表セフィ・ローズは目の前の男に言った。

出されたジャヤコーヒーを味わいつつ、想定外すら利用して計画を進める男に思いを馳せてもいた。

 

「世界政府加盟国でもない嘲りの町ジャヤ。有名な不法者の町で産業を開拓する」

男はローズに対して答えるようにプランニングを語った。

 

「ザレシュカ・マーヤという名に注目し、堂々と非加盟国の支援をしている前例とは誰も気が付かない」

ローズは男の言葉を続けた。男も最初の一人がザレシュカは偶然だろうとローズは思った。

だが、ジャヤという世界政府が干渉しない無法者の町に産業の芽を開花させていた。

男が今後、非加盟国に干渉する材料としての布石。男の計画に関わる者以外は気が付かない手であった。

 

「東の海の『コンタディーノ』、南の海の『エレロ王国』。そして、『カフェ・アビス』」

ローズは男の計画に関係する事柄で既に成功した事例を述べた。

計画が想像以上に早く進むことを誰が予想できただろうかとローズは感慨深い気分になった。

 

「…あの娘達に厳し過ぎないかしら?貴方の後継としてもう十分過ぎると思うのだけど」

ローズは自身も受けた試練を遥かに超える課題に努力する少女達を思い出して言った。

ついでに男が娘達と思っているが、娘達の方は違う感情を抱いているのか気づいているのかと暗に言った。

 

「十分強くなりましたが。…親心というか、うーん??」

男はこの間、能力全開で戦った際の反応を思い出した。

何か違う気がしたが、よくわからないでいた。…男はまだ13歳半であった。

 

「イタミ中将は開き直ったのかしら?」

ローズは話を変えることにした。

男の反応を見て少女達の変化には微妙に気が付きかけていると悟った。

ローズは当事者が解決する問題と思ったので、敢えて何も言わないことにした。

 

ローズから見てイタミ中将は開き直っていたが、王手をかけた状態で立ち止まっていた。

故に横から取られても文句は言えないと判断した。

…色々手を組んだ方がやりやすいだろうが少女達も意固地になっているとローズは思った。

ラウフの件もあるし、もう何とかして責任を取るべきとローズは結論付けた。

男が身を固める相手と身を引いて、求婚されても断りを入れているローズはヘタレなイタミに割と怒りを感じていた。

 

「何か滅茶苦茶開き直りましたね。イタミ中将は別件なので詳しくは言いませんが」

男はローズの問に半分答えた。ローズにはこれ通じるという信頼もあったが、イタミ中将は計画には踏み込んでいない。

男はローズの怒りを察した。イタミ中将に自分を押し倒せと思っていると解釈した。

 

…男はローズが理性的に割り切りできる人間だと思っていたので意外過ぎた。

貴族等から求婚もあるだろうに独身なのは神に仕えるシスター故だと解釈していた。

 

「…私も27よ。8年の付き合いで言いたいことはわかるかしら?」

ローズは男がイタミに甘すぎるので遂にキレた。

イタミが危機感を抱いて明後日の方向に努力し出すならローズにも権利があるはずだ。

神に反する決意だが、現状を容認する男にも責任があるのでその責任を取らせることにした。

 

「…わかります。というより、ごめんなさい」

男はローズの剣幕で全てを察した。そして、そこまでの覚悟と察せなかったのを詫びた。

…まだ14歳前の男は女の恐ろしさを学んだ。

 

「…ストックの消費型で良いですか?最近、能力の改良に成功しまして」

男はローズにイタミ中将やラウフの頃とは違う方法を提案した。

男はローズの憤慨は機微を察せなかった自分のせいであると反省した。

男も事前に能力を明かした上で詳細な話をすることにした。

 




・カフェ・アビス
魔海の主が一応店主もしているカフェ。
正確には残り半年でいなくなるので、オーナーである。
数名の店員とバリスタを雇っている。
美食の町プッチでは入手困難なジャヤコーヒーを高品質で大量に仕入れている。
美食の町で流行らないわけがない。ジャヤコーヒー豆等の販売も行っている。

ジャヤ店もあり、ザレシュカと孤児院の子ども達、ペンギン達で営業している。
ザレシュカもそうだが、糞強いペンギン達と魔海の主というバックもありジャヤの町の安全地帯と化している。
ジャヤ島では珈琲農家と教会、カフェ・アビス2号店は同じジャヤとは思えない程平和である。海賊でも利用できるので安心。暴れたら即死なのはジャヤ風。
気品に満ちた美人であるザレシュカの接客見たさに態々来る客も多い。

・セフィ・ローズ
世界福祉復興連盟の現代表にして終身名誉代表でもある。
持ち前の美貌を活動に使う等の交渉テクニックもあるが、シスターなのでと求婚等を徹底的に断る清楚系アイドルみたいな立ち位置で色々頑張っている。

27歳になっても解決しない魔海の主の結婚問題に遂にキレた。
男にはその気がないならともかく、イタミ中将が押し倒せば転びそうなのにと思っている。
14歳未満の男としては、最低18歳になるまではそういう事は良くないと思っているが知らないのでキレるのも仕方がない。
ラウフや後継の少女達が好き勝手やっているのに自分だけ我慢しているのは馬鹿みたいだという感じ。
どうにかして責任取れよと男に言い切った。なお、男がまだ13歳の少年であることは当然知らない。

・魔海の主
中身は14歳目前の少年。外見年齢で考えれば自分が戦犯なのでローズのキレたのは当然だと認識した。
ローズはシスターだし、結婚しないんだろうなとか思っていたので想定外過ぎた。

今回の件で軽く女性恐怖症になりかけてた。
ローズが自分を見限った場合、不老が解除される方式を提案した。
ラウフの時にはできていなかった方法であり、今更ラウフを元に戻すのも難しい。
娘と思っている少女達とイタミ中将が変な戦いをしていることをまだ知らない。
 ・マステマ:魔海の主の技。自分がストックした寿命を相手に投与する。
       対象の技量次第で回復に使用可能になる。
       副次的に不老にもなるが敢えて年を取ることも可能になった。

・イタミ中将
押せば倒れる男を押し倒さない結果、普通の家庭にはなれないことが確定した人。
今更、一人勝ちしようものなら圧倒的恋愛強者のローズが入って来る。
戦力としては頭一つ抜けているが、ヒロインに求められるものではない。
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