爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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食肉植物

〇ボーイン列島

 

魔海の主はトレーネを連れてグランドライン前半のある海域にやって来ていた。

そこはボーイン列島という未知の海域であった。

そこにあるのは一見すると八芒星の形の巨大な島である。

島から漂う甘い香りに誘われて巨大な昆虫や鳥、海獣や海王類が入り込む。

そして、その奥には食物だらけの魅惑の森がある。

最後はそこに魅了された動物達を捕食する。その正体は超巨大食肉花だ。

食肉植物『ストマックバロン』と呼ばれるその花は数多の植物学者にとって死地であった。

 

「…どうですか?トレーネ」

男は連れて来た少女トレーネに問いかけた。

周囲の料理や食物が実る森を貪る動物達を横目に男は適当な木に寄りかかっていた。

男は読んでいた手紙の中身、『MADS』と書かれた書類を破り捨てた。

 

「こちらは終わった。…何か気に入らなかったの?」

トレーネは『ストマックバロン』の掌握が完了したと男に報告した。

トレーネは植物を操る正体不明の実の能力者だった。更に言えば能力は覚醒していた。

列島と見間違う巨大な食肉植物であろうとトレーネに取ってはただの花だった。

 

トレーネは男が読んでいた手紙、そして付随していた書類を破り捨てたのを見て尋ねた。

男が何度も届いた手紙を読んでいたが、手紙を破り捨てるのはかなり珍しい光景だった。

 

「ああ、すみません。時間つぶしに持って来ただけです」

男はトレーネに気を使わせたのを謝罪した。

人目のつかない場所で読んでみたが、やはり気が乗らなかった。

更に言えば着いて来て貰ったトレーネの前で良くない事をしたと男は反省した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

男が持って来たのはとある不法な研究を行う組織『MADS』からの手紙であった。

男はあらゆる分野に手を出していた。役に立ちそうな知識や技術を集めて吸収していた。

そんな中で男は『月刊ロボ&サイボーグ』を購読して、ついでに作品を投稿していた。

掲載されていた作品を見たベガパンクから男、魔海の主へ直接の勧誘が届いた。

勧誘の手紙は光学迷彩等が使われており、手紙の存在がバレないように配慮されていた。

 

だが、男は後のヤバいマッドサイエンティスト達とは距離を置くことにした。

男は自作した準パシフィスタ級のクッキー兵器達を解析されたらと思うと嫌だった。

更に言えば、男が作った兵器達は既に魚人島へ貸し出していた。

男からしてもベガパンクの科学力は魅力的だった。

だが、その他のメンバーに関わると絶対碌な事にはならないと断言できた。

…男の持つ前世の知識と研鑽した技術を以てしてもベガパンクには届かない。

だが、MADSに所属しているメンバーは最悪と断言できる面々だった。

魔海の主の技術を解析したらベガパンクもだが、他の面子が何を仕出かすかわからない。

特に後に参加するであろうガス人間の屑には。男の持つ世界最高峰の毒知識を渡す訳にはいかなかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇ボーイン列島 追いはぎの森『グリンストン』

 

「想像以上に早いですね。…流石です」

男はトレーネが世界最大級の食肉植物を掌握したという事実に驚きつつも称賛した。

 

「面白い花…一気に成長する種も」

トレーネは男の称賛に満足しつつ、ボーイン列島の生態に驚いていた。

男が自分を連れて来た理由がトレーネにはわかっていた。

以前のI.Qと今回の植物はトレーネを更なる高みへと導くものだった。

 

「マグマ沸き立つ活火山でも植物は存在します。…能力が覚醒している貴方は更に上に行けるでしょう」

男はトレーネに断言した。トレーネはそれに頷いた。

 

「この花を複製して、農場の森の奥に…いや、これらの種を…」

トレーネは自身が得た経験を元にどうするかを考えていた。

男が秘密ということで連れて来た島、もとい花だった。

男に頼めばまた来られるであろうが、手間をかけることになる。

能力で得た情報さえあれば再現も可能であるが、最小で最大の効率を計算していた。

 

「考えるのも良いですが、海獣が来たようです。そろそろ花が閉じるのでは?」

男はトレーネが思考に没頭しているのを見て苦笑した。

掌握できていても食肉植物の欲求は制御しきれていないようだった。

 

男は大型の海獣を飲み込むように島が閉じ始めたのを悟った。

トレーネを抱えて大樹に飛び移った。

男は大樹から落ちないようにしっかりトレーネを抱きしめた。

食肉植物ストマックバロンは男とトレーネ以外の生物を全て飲み込み消化した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

トレーネを優遇しているようだが、男は他の少女達と差別はしないように気を付けていた。

 

例えば後継ではないがラウフに渡した8年以上の魔海近辺の詳細な気象データと茶菓子。

ラウフが稀に訪れる空島ウェザリアでの交渉で役立っていると報告がある。

空島ウェザリアの最先端の気象科学はラウフのプラズマの能力の向上に役立っている。

なお、男もラウフから間接的にウェザリアの気象科学を学んでいる。

ついでに現在60代のハレダスの茶菓子の好みも把握している。

 

リピやジモ達魚人空手・柔術を得意とする少女達には魚人島への伝手を作る等していた。

少女達が想定以上に強くなったので不要となったクッキー兵器グランマ達を送っていた。

男は人攫いから救助した魚人や人魚達の伝手でリュウグウ王家と連絡を取っていた。

目に見えて人攫いの被害が激減しているとナマズマを通して報告を受けていた。

準パシフィスタ級の強さのクッキー兵器グランマを20機送って良かったと男は思った。

なお、何故クッキーで動くのか王家から聞かれたので答えたが理解不能という反応だった。

リュウグウ王国は深海にある国なので男の行為は世界政府にはバレていない。

発見されても深海を徘徊する謎の老婆達にしか見えないので男的には問題なかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇ボーイン列島 追いはぎの森『グリンストン』

 

ストマックバロンが食事を終えて再度口を大きく開けた。

八芒星の形の島が再び甘い香りを漂わせ、獲物を呼び寄せるようにし始めた。

 

「…っと、ごめんなさい。咄嗟に」

男はトレーネが誤って捕食されないように強く抱きしめたことを詫びた。

沈黙するトレーネを見て、9歳になる女の子を抱きかかえるのは良くなかったかと思った。

 

だが、

「あ、あの、もうちょっとかかりそうなので…」

トレーネは男にまだ考える時間が欲しいと言った。

男もトレーネが能力でどこまで出来るのか完全には把握していなかった。

 

「わかりました。一応、一日は確保しているのでそれ以上でなければ大丈夫です」

男はトレーネを降ろし、目線を合わせて焦らないようにと優しく言った。

そもそも巨大な島と見間違う花である。男はトレーネの為に一日確保していた。

他の少女へも自分がいる間に学びになりそうな地へ行く時間を割いていた。

 

男は少女も女であることを理解しきれぬまま一日を食肉植物の中で過ごすことになった。

なお、プッチの留守番を任せたイタミ中将に男は怒られた。

 

 




・トレーネ
植物を操る悪魔の実を食べ、能力を覚醒している天才少女9歳。
食肉植物『ストマックバロン』と原作でいう『ポップグリーン』を手に入れた。
原作ウソップの緑星。I.Qやその他植物を能力によりラーニングしている。
超一流のパティシエの腕前を植物の分身体で操れたりするので、原作緑牛よりヤバいことができる。
戦闘で使用される植物には当然のようにマグマすら耐える耐火性もあり、本体にダメージフィードバックがない超人系能力者である。
小悪魔的な魅了する術を持っているが当然のように男には効かない。
だが、我儘を誤魔化す程度は造作もないのでじっくり丸一日考えた。
魔海の主直伝の糞技を会得した。更に改良するので放置したら大変なことになる。

・ベガパンク
どう考えてもバグレベルの技術者がいたので本気で勧誘した。
距離を取ることになったが、魔海の主として違法な組織に入るわけにはいかないと返事が来たので諦めた。
何だかんだで言いくるめてバレない範囲でのやり取りはすることになった。

・ラウフ
天候を科学する国ウェザリアで取引をし、能力の研鑽をしている19(18歳)。
プラズマの能力を最大限活かす努力を惜しまない。全ては自分の神ため。
ハレダス達とは良好な関係を築いているが、手土産の茶菓子は愛する人が作った物と言っている。
もし、男がウェザリアに来たらラウフとの関係について色々聞かれるのが確定している。

・リュウグウ王国
2年前から魔海の主から超強いクッキー婆20体が送られて来た。
自然系能力者すらクッキーパワーとやらでぶっ飛ばす光景を見て愕然とした。
魚人島周辺の深海をうろつく婆達は魚人や人魚を攫う輩をボコボコにするので幼い魚人達の間で変な人気が出ている。
かなり丁寧な文章で仲良くしたいという手紙が来たので魔海の主が来たら国賓並みに持て成す予定である。
クッキーだけで常に働く婆達について男に尋ねたら良くわからない返事がきた。
考えたら負けとナマズマに言われ、そういう存在だと理解した。

・魔海の主
後継の少女達だけでなく、色々な方面で対策を打っている男。
魚人島の人攫いを減らしたいと思い、少女達が強くなり、不要になったクッキー兵器を20体投入した。
準パシフィスタのクッキー婆20体は自然系すらボコボコにできる仕様である。
クッキーを食べるだけである程度自動修復も可能である。
簡単な意思表示が出来る。機械と認識していないと糞強いクッキー婆達にしか見えない。
少女達が戦力不足に陥った場合に備えてもう15体存在する。
コスパ最強の兵器であり、軍艦一隻分のパシフィスタより遥かに安上がり。
クッキーを万全に活かせる男が一体一体手作りしないといけないのだけが欠点。

地味にベガパンクからMADSに誘われたが断った。
悪のマッドサイエンティストばかりの原作メンバーを知っているので関わりたくない。
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