爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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死なない覚悟

魔海の主は後継達への二年の鍛錬を終えた。

後継である13人の少女達と別れの挨拶を終えた男は今後の予定を再確認していた。

今回はティアやイタミ中将も同席である。二人は男と共に新世界に着いて行く。

ティアは男専属の諜報員、イタミは政府の監視という名目の戦力として着いて来る。

 

ティアは17歳となり、準大将クラスの実力者となっていた。

CPとしての素質に男とイタミ中将の鍛錬という拷問を受け続けた結果である。

ティアはカチカチの能力を万全に活かし、護衛として世界最高峰に成長していた。

男から見てもティアが護衛する要人を暗殺するのは至難と断言できた。

要するにほぼ不可能に等しい。能力とティアの献身性はこれ以上ない程噛み合っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

○美食の町プッチ『マストダイ農場』

 

イタミ中将は男が語る内容に頭を痛めていた。

理由は以下の内容であった。

 

「私達は潜水艇ニクロス3号で魚人島へ向かいます」

「2号機までは7千mが限界。魚人島へコーティング無しで行くことは不可能でした」

「しかし、3号機はコーティング無しで海底1万m『海淵』まで到達可能な潜水艇です」

男は世界政府、海軍が絶対欲する潜水艇の概要を淡々と説明していた。

ヤルキマン・マングローブでのコーティング無しで魚人島に行く等人間では不可能である。

イタミ中将はこれを報告すると大変なことになると確信した。

 

「聞かなかったことにします」

イタミ中将は海軍将校として男の開発した劇物を聞かなかったことにした。

2号機の存在すら報告してはいけない。政府に適当に報告して誤魔化すことにした。

 

「そうしてください。同等の潜水艦を作れと言われてもそう簡単にできませんし」

男はイタミ中将の苦悩を知っているが頼んだ。

 

なお、イタミ中将の報告用カバーストーリーは既に出来ているので後で渡す予定である。

ここでそれを言わないのは少女達にイタミ中将は融通が利くことを示したかったからであった。

悩ましいことはこの不良海軍将校に投げて良いと男は少女に目配せした。

そして、少女達はイタミ中将に同情したが、男が良いらしいので遠慮しないことにした。

 

「従来の高速船と試作した潜水艇は置いていきます。必要なら使ってください」

男は新世界まで持って行くには難しい船を少女達に任せることにした。

 

「大破しない限りは大丈夫だと思うのですけど…」

ルビーが少女達を代表して発言した。

完全に一から製造した男が不在になるので一抹の不安要素だった。

 

魔海を全力で守るとなると高速船クルースニクがないと厳しい。

四皇が直接責めてくれば流石に大破は必然であった。

新世界から四皇がこちらに来るのは他が介入するので有り得ない。

だが、男の元で研鑽し続けている少女達は万が一でも油断が存在しなかった。

 

「…来年には一度戻ります。もしもの場合は連絡をください」

男は自分が不在で来そうな海賊ロジャー、シキ、マム、白ひげを考えた。

ロジャーと白ひげは暴れない限りスルーして良いと言っていた。

男としても年内に全船大破はないと思った。

 

だが、ロジャーだけは何をするかわからない為、念のため年内に一度戻ることにした。

最初から二年もいるつもりはなかったので許容範囲であった。

そもそも今回の航海は新世界の視察みたいなものであった。

 

「魚人島で一月程滞在した後は新世界の海賊を殲滅しながら帰って来る予定です」

男は当初の予定を改めて説明した。

年内に戻るとなると少し手間にはなるが、事前にエターナルポース等を確保しているので最低限の計画は確実に遂行できた。

 

「…主君は四皇と戦争するのでしょうか?」

カッツェは男に質問した。二年の修行で馴染んだクナイに手を伸ばしそうになる。

カッツェ的には戦争は構わない。だが、癖が出てしまいそうになるくらいには動揺していた。

 

「いいえ、しないようにするつもりです」

男はカッツェの言葉を肯定しなかった。だが、否定し切れてもいない。

 

「暴走しないでくださいね。前みたいに」

イタミ中将は男に苦言を呈した。

ペンギンがいなくなったからのビックマムと戦争を始めそうになった時は五老星も動揺していた。

イタミも懸命に止めたが、男は本気だった。男一人で行きそうなのが洒落にならなかった。

 

「…はい」

男は以前の醜態を思い出して、イタミ中将の言葉に頷いた。

新世界に長期滞在できない以上、シキを見かけたら殺しに行くくらいで済ませようと反省した。

治安を乱したいわけではないが世界支配を企み古代兵器復活もやりかねないシキは別だった。

 

「今回は無理だと思いますが、新世界側に拠点を作りたいと考えています」

男は追加で説明を加えた。

年内に戻る予定でなければ拠点を作りたかったが無理そうならしない一応の補足であった。

 

「…わかりました。どうか気を付けて」

ルビーは男の目を見て言った。ルビー達は男のことを心の底から心配していた。

 

「ありがとう。こちらでも何かあったら連絡くださいね」

男は以前の告白を思い出し、必ず生きて帰るというのを付け加えて言った。

 

コーティングされた船で七割が死ぬ魚人島への路である。

男の技術の結晶である潜水艇ニクロスでも危うい航路であった。

男としても万が一のある航海だったが、死なない覚悟を改めて心に刻んだ。

 




○潜水艇ニクロス3号
魔海の主が製造した現状で最高傑作。
男本人よりも分身体であるエインヘリャルが魔改造した。
ジャウラから吸収したアミアミの能力により特殊合金の作成に成功したことで海底1万mの魚人島まで行けるようになった。
エインヘリャルは男の代わりに様々な実験をしてくれる為、男が知識を取り込み分身が実験するという圧倒的時間短縮が可能になった。
勿論、コーティング無しで魚人島に行ける潜水艇の存在は世界政府に知られては不味いので性能等は徹底的に隠蔽する。
潜水艦自体は存在するので凄い技術力の潜水艇としか認知されていない。
トレーネの育成したI.Qやポップグリーン等も保管されている。
動力源は勿論クッキーである。

・魚人島
海底1万mにある七割が死ぬ航路にある魚人や人魚が住むリュウグウ王国のある所。
魔海の主が来るという連絡があり、歓待するつもり。
男が解き放ったクッキー婆達のお陰で人攫いが激減したので本当に感謝している。
特に無法地帯である魚人街での被害が減少している。
魚人街ではナマズマ等からのクッキーやら他人攫いから救助された魚人、人魚達の証言もあり、魔海の主は人間と別枠でカウントされている。
魔海の主が人間だと複雑な感情を抱くのが大多数だが、様々な証言からやっていることが滅茶苦茶なので男は人間としてカウントされていない。

・Dr.ランプ
ウォーターセブンの離れで診療所を営んでいる老齢の魚人。
魔海の主からクッキー兵器グランマを渡された。
男から自分が不在になるので警備として使ってと言われた。
自分一人の為には明らかに戦力過剰なので付近の海域で泳がせている。
結果的に魚人島以外の近海でもクッキー婆の伝説が生まれつつある。

・魔海の後継
13人の少女達。いよいよ男が旅立つので心配しつつ見送った。
一年で帰ってくる予定と聞き安堵しつつも、安心して任せられるように更なる鍛錬と知識を積むことを決意した。
ティアが護衛としていくのは納得した。戦闘力は兎も角、護衛としては自分らを上回るために色々託している。

・イタミ中将
魔海の主が魚人島行くと報告していた。万が一があったら世界の損失なので死んでも守れと命令された。
なお、男を止めるのは不可能と判断されている。
新世界で四皇シキを仕留めたがっているらしいのを察している。
男を止めはしないが、その場合イタミ中将も死ぬ気で戦うので結果的に抑止力になっている。
恋愛敗北者であることをまだ自覚していない。

・五老星
恋愛敗北者イタミをまだ応援している五人組。
もうティアに手を出してくれないかなとか考えている。
魚人島との友好関係は大賛成なので応援したいが、七割の確率で死ぬ航路なので本当は止めたかった。

・ティア
後継の少女達に任されたカチカチの実の能力者の元CPの少女。
17歳となり、お淑やかで可憐な少女に磨きがかかっている。
五老星からも少女達からも男との関係を応援されている。
本人も乗り気なのでイタミ中将は女として危機感持った方が良い。

・魔海の主
魚人島へ行く気満々である男。
コーティング無しで魚人島行ける潜水艇の開発をしていたが、エインヘリャルのお陰で成功した。
男一人では不可能と言えたので、エインヘリャルの危険性よりも有益性を認めざるを得なくなった。
エインヘリャルは男よりも科学実験を好む事がわかった。特に男が消極的な人体実験をやりたがる。

分身体の思念に極悪人ならば良いかな?等と考え始めている14歳。
分身体の思考の有益性がわかるが前世の倫理・道徳知識からかなり自粛していた。
男も大概地獄みたいな鍛錬を未成年の少年少女に課す等ネジが飛んでいるので今更でもある。その自覚はない。
分身体エインヘリャルは男のスタンドと化している。主である男の言う事をほとんど聞くが、場合によっては勝手に行動し始めるタイプである。
シュシバルバに能力者を取り込む為に新世界に着いて来る。
能力者の海賊がいれば寄越せと主人に依頼している。
なお、魚人島に行くまでは男と同化している。
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