爆発オチなんてサイテー!   作:kohet(旧名コヘヘ)

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暗黙の了解

 

〇馬鹿視点

 

俺は海軍本部第8支部の取調室にいた。

イタミ大尉と対面式で胞子のリンギに関する取り調べを受けていた。

海軍の佐官の数人の気配も感じるのでリンギ達からの情報を合わせて判断するつもりだということは既にわかっている。

 

「いや、何か懐かしいような気がしますね」

俺は気分転換にイタミ大尉に話しかける。

一年前はこんな感じで10日間くらい監禁されていたものである。

だが、イタミ大尉は可愛らしい顔にしかめっ面したまま反応がない。

 

「…緊急事態なんですよね?」

イタミ大尉が漸く口を開いた。目がマジである。

あ、これキレるパターンだと悟ったので一気に捲し立てることにした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇イタミ大尉視点

 

私は取調室で長い付き合いと化しつつある彼と向き合っていた。

今回はふざけるのは一切無しだ。海兵として全力で事に当たらなければならない。

 

今回起こったテロ活動に関してこの目の前の男が必ず何か突き止めている。

ドミニク大佐とローブスター中将の両名が断言した。

…私は世間話も聞かないでただただ愚直な態度しか取れない。

 

だから、今回は他の歴戦の取調官にした方が良いと強く進言したのだが断られた。

 

ドミニク大佐とローブスター中将曰く、

『多分、君が一番早い』『恐らくあいつが一番焦っている。慣れた奴の方がいい』とのことだった。

 

そして、その言葉通りと言うべきか彼は驚くべき言葉を一方的に捲し立てて来た。

 

「美食の町プッチは良くも悪くも人が来る。そして、政府から近くて遠い」

「エニエスロビーに近く、海軍本部第八支部に近い。だけどすぐ行ける距離でもない」

「あの場所は世界政府に何らかの意志を持つ者にとってのアキレス腱です」

彼は私の目だけを見てそう断言した。いつものふざけた様子はない。

この言葉は真実だと私ですら確信できた。

 

…悔しいことに彼が美食の町プッチの英雄と言われたのは、海軍がそのアキレス腱に気づけなかったところが大きかった。

今、海軍はグランドライン後半、新世界側に多くの戦力が向けられている。

その中でエニエスロビー付近での大規模な事件。

そうなれば、世論的にもこちら側に戦力を割かざるを得なくなる。

 

「このご時世でもし、あの町を一撃で壊滅させられたらと余裕があれば考えもする」

彼は私が言葉を飲み込んだのを理解して続けた。

…普通、市民がそういうことまで考えるかという疑問が沸いたが、話の続きを求めた。

 

「兵器は運搬に問題が。…CPが嗅ぎつけない方がおかしい。故に悪魔の実の能力者」

彼は海軍とは別の世界政府の暗部を担う諜報機関について言及し始めた。

…私はもうこういうのに慣れているが、他の取調官では追及していただろうと思った。

 

「自然系でも動物系でも超人系でもプッチ近郊を短期で滅ぼせるのは、相当の実力者。

 しかし、自然系や動物系も脅威ですが、鍛えないと大した規模の破壊活動はできません」

…私は悪魔の実について知らないから上手く言えないのだが、ここまで断言できるものなのだろうか。

 

「故に、練度が浅くても最悪な結果を残せるのは超人系」

彼はそう断言した。私も超人系悪魔の実を知ってはいるが自然系より脅威とは思えない。

 

だが、

「判明している中ではノコノコの実が最上位に来ます」

「無機物を破裂させるパムパムの実等も候補にあがりますが、最悪なのはノコノコの実です」

「医学が進もうともノコノコの実の広範囲即死の毒に対応できる可能性は限りなく低い」

彼はスラスラと私の知らぬ知識を述べていく。

 

…そして、後ろにいる佐官の方々の威圧感がもの凄く感じる。

最近、私も目に見えない気配を感じ取れるようになってきたが、無くても気づく程強い。

彼は気にもしないでお茶を啜っている。肝が太いとかそういう次元ではない。

 

「能力者を集められる、巨大な犯罪組織、連合、海賊同盟」

彼はお茶を飲み終わってそうぽつりとつぶやいた。

それは、私が、先日捕まえた…。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇馬鹿視点

 

話を捲し立ててみたが、俺は原作の知識からロックス海賊団と断言できる。

俺は能力でインチキをしてブタ箱に放り込んだ賞金首から微妙な繋がりを悟ったが。

時系列も良くわからないので断定はできない。だが、状況証拠が揃い過ぎている。

俺がこれ以上言う必要はない。そもそも万が一に備えるのは基本中の基本だ。

…今回は悪魔の実に関する書籍を読み解けば導き出せる最悪の方程式だった。

 

「何か、いましたね?」

俺はイタミ大尉が悟った顔を見てどちらにせよ彼女が答えに辿りついたと確信した。

 

「…」

イタミ大尉は沈黙を貫く。まぁ、市民に情報漏洩はダメなので答えは不要だと思考を切り替える。

 

「私は軽く調べただけ。そして、これは世界政府の管轄です」

俺は自分のスタンスをイタミ大尉、否、海軍に向けて断言した。

 

だが、

「私の行動はプッチの町を守ること。…ですが、巻き込まれる可能性も踏まえて」

俺は海軍の正義を見せて貰った。だからこそ、自分の好きに行動をさせてもらうことにした。

ある物を彼女に、海軍本部第8支部に見せつけた。

 

「これは…」

イタミ大尉はそれを見て驚いた顔をする。それは彼女と俺があった時になかったものだ。

 

「航海許可状を貰いました」

俺はプッチの市長から頂いたもしもの策を提示することにした。

航海許可証があればこの海で自由な航海が可能。なければ基本的に海賊認定。

 

「私ならばエニエスロビー近辺かつ今、海軍が人手を出せないところをカバーできます」

俺が時間を稼げば海軍が駆けつけてくれる。言外のニュアンスは彼等が既に示してくれた。

今回、海軍がプッチの市民を命懸けで守って、万が一の時間を稼いでいるように。

 

「詳細は上で判断してください。…民間人が勝手にする行動を止める必要があるか否かを」

俺は勝手にする。だが、何か他にあれば受け付ける。言外にそう示して見せることにした。

 

 




・馬鹿
サイファポールの暗躍や悪魔の実のテロ等ヤバい可能性の情報をぶちまけた。
海軍G-8の名も知らぬ海兵達に感化されたかどうかは知らない。
なお、自分が言わなくても真実にはたどり着けるだろうが、後手に回り過ぎて大事件になると確信している。
死ぬ可能性もあるが、ムカつくこの首謀者の一番嫌がることを行ってみたかった。
なお、市長には一切の監視等がない状況で事前に今回のようなテロが起きる可能性を話していた。
根本的にプッチの治安回復しないのはどう考えてもおかしいと主人公側から密談を持ちかけた。

・プッチ市長
プッチの市長はエニエスロビー近郊のテロを有り得なくはないと思った。
その可能性が現実になった。市長は急いで主人公に駆けつけて許可証を手渡した。
それをどういう意図で渡したのかは不明。
プッチの治安が根本的に解決しないかもしれないと思ったのか、何らかの形でも死地に赴くという英雄の支援をしたかったのか。

・イタミ大尉他海軍上層部
イタミ大尉は知らないが、主人公がプッチの町を守りたいのは見るより明らかなので無理やり協力させる気だった。
そしたら、全部合わせても足りない程の提案と情報をぶちまけられたのでどう表現して良いかわからなくなっている。
イタミ大尉は良くわかっていないが、主人公はもし何かあっても海軍や政府は主人公の責任でやったことにして良いと突きつけている。
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