太古の昔。

 人類は永遠の謎とされるゲッター線の採取に偶然の成功を一度限り収める事になった。

 だが、それを期に人類最後の日の始まりになろうとは、誰も知る由はなかった。

 突然の恐竜帝国の襲来により各国家は瞬く間に占拠され、そして、彼らの脅威は人類最後の楽園【ラクリオス】にも広まろうとしていた。

 

 【ゲッターラビット 虚無戦譚 ベル・クラネル】


 ゲッターの導きにより選ばれた1人の少年は、彼らハチュウ人類の【ラクリオス】侵略を阻止すべく、ゲッターが創り出したその鎧を身に纏った。

 そして、そのパワーにより10年に渡る荒野戦争の末、恐怖の侵略者を絶滅する事に成功した。

 だが...

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復活!!悪の恐竜帝国

 「(急がないと...!もっと...もっと速くッ!)」   

 

 オッタルの妨害を潜り抜け、白髪の少年の元へ急ぐ。

 9階層、正規ルートにあるE-16の広間。

 傷付いた小人の少女が教えてくれた情報を頼りに、アイズは

 懸命に駆けていくと、前方に通路の出入口が見え始める。

 そこから飛び出そうとした途端、耳を劈く叫びが聞こえてきた。 

 悲鳴でもなく、絶叫でもない。雄叫びに似た叫びだ。

 

 

 「チェエエエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェンジッッ!」

 

 

 その場に立ち止まり、アイズはその目で見た。

 全身から黄緑色の稲妻を放ち、胸部に身に付けている白い鎧の

 肩部から、途轍もなく小さな深紅のプレートが白髪の少年の腕を

 覆っていく。

 前腕から指先にかけて覆い隠すと上腕部からは白いプレートに

 変わり、下半身の黄色い草摺からも同じ配色でプレートが覆い隠した。

 

 

 「ゲッタァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 紅いヘルメットが被され、頭部の角から2本の角が生える。

 両目が黄色く発光し、両腕を曲げたまま肩の位置で伸ばすと

 再び黄緑色の稲妻が2度迸り、肩当ての背中側から出てきた深紅の

 マントが靡いた。

 

 

 「ゥヮワァンンッ!!!」

 

 

 勇壮たるその姿に、アイズは呟いた。

 

 

 「...紅い...鬼...?」

 

  

 「(おいベル!俺達が来る前にくたばる所じゃなかったかよ!)」

 「す、すみません!普通のミノタウロスと油断してて...」

 「(ったく...まぁ、俺達が来たからには思う存分お返ししてやらないとなっ!

  行こうぜ!ベルッ!)」

 「はい!」

 

 

 ゲッター1の鼓舞に答えるべく、ベルはマントを翻すと右腕を

 前に突き出し片角のミノタウロスに飛び掛かる。

 

 

 ブヴォオォオオオオオオオオオオオオッ!!

 

 「ゲッタァアアアアーーー!!ウィィイングッ!!」

 

 

 片角のミノタウロスは黒い大剣を振り翳し、斬り掛かろうと

 するも、ゲッター線によって伸びた反重力マントが投げ飛ばされてきて

 頭部全体に巻き付かれる。

 それによって動きを止めたミノタウロスに、ベルは拳を握り締め

 腕を引き、勢いよく突き出す。

 

 

 「(ぶちかませぇッ!!)」

 「ゲッタァアアアアアーーー!!パァアーーンチッ!!」

 

 

 反重力マントに隠された顔面に拳を叩き込む。

 骨が砕ける様な音が広間に響鬼ながら、ミノタウロスの頭部を

 覆い尽くしていた反重力マントが解ける。

 片角のミノタウロスは口から血を吐きながら仰向けに倒れ、ベルは

 着地すると直ぐさま接近していき、残っている角を掴むとそのまま

 持ち上げて頭上へ投げ飛ばす。

 

 

 ブヴォオォオオオーーッ!?

 

 「ハァッ...!」

 

 

 反重力マントに搭載されている反重力回路により、初速マッハ0.5で

 まだ宙に浮いている片角のミノタウロスの所まで飛行する。

 飛行しながら加速していき、目の前まで迫った時にはマッハ2にまで

 到達していた。

 

 

 「ゲッタァアアアアアーーー!!キィイイイーーーック!!」

 

 

 マッハ2の速度で総重量200tとなる鎧から放たれるキックが腹部を

 貫く。

 片角のミノタウロスは弾き飛ばされるかの様に広間の岩壁まで

 蹴り飛ばされ、衝突し地面に落下する。

 空中で滞空するベルにゲッター1が追撃を促した。

 

 

 「(弾丸の雨霰を喰らわせてやれッ!)」

 「ゲッタァアアアアアーーー!!マシィィィイインガンッ!!」 

 

 

 前腕部に装着した紅い装甲の下部が開き、中から格納されていた

 アームが展開する。

 アームが掴んでいる銃身の前部と後部が合体する事で、4連式銃砲の

 ゲッターマシンガンへ変形し、トリガーを引くと中央のマガジンから

 供給される弾丸を雷雨の如角のミノタウロス角のミノタウロス

 

 

 「うおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 

 片角のミノタウロスは地面に着弾時した際に巻き上がる土煙に飲まれ、

 姿が見えなくなる。

 それでも容赦無くベルは撃ち続けていると、土煙から抜け出した

 片角のミノタウロスを見つけた。

 

 

 ブヴォオォオオオオオオオオッ!!

 

 

 片角のミノタウロスは大剣をベル目掛けて投げ飛ばし、地面に

 落そうとしてきた。

 ベルは咄嗟に肩部からゲッタトーマークを取り出し、振りかぶって

 投げ飛ばした。

 

 

 「トマホォウゥゥーーク!ブゥゥウウーーーメランッ!!」

 

 

 ゲッタートマホークは横回転しながら飛んでいき、向かって来る大剣を

 弾き飛ばして相殺した。

 ベルは更にもう1本を取り出すと、再び片角のミノタウロスに

 投げ飛ばした。

 大剣を弾かれた事に驚いていた片角のミノタウロスは飛んでくる

 ゲッタートマホークに気付かず、目の前まで迫って漸く気付いたが

 回避は不可能であり、そのまま肩部に深々と突き刺さった。

 

 

 ブヴォオオォオォオオオオオオオオオオオオオオッ!!

 

 

 「(とどめだッ!ベル!ゲッターの恐ろしさを見せてやれッ!!)」

 

 

 ゲッター1に頷いて返答し、ベルは両足を広げた姿勢で構える。

 腹部のシャッターが開いて砲口が現われると、3万度の熱戦に変換した

 ゲッター線が凝縮されていく。 

 

 

 「ゲッタァァアアアアアーーー!!ビィイイイイイーーーームッ!!」

 

 

 ベルの叫びと共に砲口から赤紫色のゲッタービームが発射される。

 一直線に突き進むゲッタービームは片角のミノタウロスの胸部に

 命中し、エネルギーが一定値に尽きるまで照射され続ける。

 片角のミノタウロスの全身の皮膚が最初に溶け始め、次に露出した

 骨格さえもゲッター線により融解されていく。

 

 

 ド ワ オ!

 

 

 そして、魔石にゲッタービームのエネルギーが魔力と混ざり合った事で

 暴走し、大爆発を起こした。

 爆風がアイズや遅れてやって来たベート達の所まで吹き荒れる。

 爆音が消え去り、静寂が訪れるアイズはベルを見た。

 同じタイミングでベルも振り返り、アイズ達が居る事に気付く。

 苦戦どころか一方的にミノタウロスを叩きのめした謎の冒険者。

 迂闊に手を出せば、危険だと誰もが察した。

 その時、ベルは背後から何かを感じ、振り返る。

 

 

 ギャォォォォォオオオオオオオオオッ!!

 

 

 「あれは...!?」

 「(まさか!?奴らが...!奴らが蘇ったってのか!?)」

 

 

 「その通り!我々は地の底から蘇ったのだ!ゲッターよ!」

 

 

 地面から湧き出てきたアメーバの様な微生物がワラワラと集まり、

 異形の人型を形成していく。

 その目は凶悪且つ恐れを知らない勇猛さを醸しだし、鋭い牙が

 備わった口の恐ろしさにアイズは息を呑んだ。

 

 

 「(ゴール!死に損なったトカゲ野郎めッ!!)」

 「フッフッフッフッフッ...!

  相変わらず口の悪さよのう、ゲッター...

  叫び、吠え、呪い、のたうち...

  過去の栄光と地上の生活を求め、夢見て死んでいった同胞達よ...

  愚かなる人類に代わり、今こそ!

  我らハチュウ人類が地上に楽園を気付くのだぁぁぁあああ!!!」

 

 

 「(言いたい放題言ってくれるじゃねぇか...!

  ベル!あんな奴らにビビるお前じゃねえよね?)」

 「はいっ!」

 

 

 帝王ゴールが語り終えると、更にメカザウルスの大群が現われる。

 1人では勝ち目の無い戦いを強いられる事となったベルだが、

 臆する事はなく片手にゲッターマシンガンへを、もう片方の手には

 ゲッタートマホークを構えた。 

 

 

 「悪の炎なんて...全て消してみせるっ!」

 「(行けベルっ!今がその時だ!)」

 

 

 

 ゲッターラビット 虚無戦譚 ベル・クラネル 第一部 完

  

 




このベル君はアルゴノゥトの弟という設定で、ディムを庇い地底に落ちてからゲッター線による仮死状態の永い眠りについてました。
チェンジロボット ゲッター3という初期企画案の変身サイボーグを弄って書きました。
というよりもゲっちゃんを格好良くアレンジしたような感じですね。
で、いつもの通り虚無ります。

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