原作版、漫画版を補完するつもりで書きました
是非ブラックサン公開前に読んでほしいです
序盤はある程度テレビ版に寄せましたが、
中盤の創世王の正体がわかるところからは、
石ノ森先生のテイストを参考にしています
読み切りで1時間程度で読めます
オレはだれだ
俺は、南光太郎
その日は、深夜だと言うのに薄明るく、
不気味に青白く光る月と、
薄く霧がかった淀んだ空気が、
青年、南光太郎の心を、ざわつかせていた
いよいよ明日は運命の皆既日食なのだ
俺は本当に親友と、
秋月信彦と戦わなければいけないのか?
現実感のない、
夢みたいなふざけた話だ
光太郎は寝床に入っても休めず、
じっと窓の外を見つめていた
もうじき冬になろうかと言うのに、
湿気を含んだ暑苦しい嫌な空気が、
光太郎の気持ちをますます重くさせた
眉間に皺を寄せながら、
この一年の出来事を思い返していた
どうしてこんな事になったんだ?
あの日、誕生日のあの日に全てが変わったのだ
南光太郎と秋月信彦は兄弟同然に育った
誕生日が同じだった2人は
ずっと一緒だった
頭が良く冷静な信彦と、
やんちゃで正義感が強い光太郎
この先の人生もずっと一緒だと信じていた
だが予測だにしない出来事が起こった
それは2人の誕生日当日の事だった
祝いの食事をしていたレストランにいた全員が、
ゴルゴムと名乗る暗黒結社の工作員だった
同行した信彦の父ですら悪の手先だったのだ
そして光太郎と信彦はなすすべなく、
その身柄を拘束された
地下深くにある暗黒結社の研究施設に連行された2人は、
怪しげな儀式と施術によって、奇怪な姿へと改造された
それは地獄の苦しみであった
そして施術も最終段階、
とうとう頭部の改造に差し掛かろうとした時
突如謎の男が何処からともなく現れ、
数名のゴルゴムの手先を一瞬で薙ぎ倒し、
光太郎の拘束具を破壊し消えていったのだ
命からがらに逃げ出した光太郎には、
驚異的な変身能力が備わっていた
それから光太郎の元に恐ろしい怪物達が、
次々と襲いかかってくるようになった
だが光太郎は戦い続けた
全ては、悪の手に落ちた親友
秋月信彦を救い出す為だった
戦い続けるうちに、
光太郎は自身が2つのキングストーンを、
信彦と分かち合った世紀王である事、
そして互いに殺し合い、相手のキングストーンを奪った者が、
新たなゴルゴム帝国の王
創世王として君臨する定めである事を知った
だが光太郎は運命に従うつもりは毛頭なかった
秋月信彦を救い出し、
人類の自由と平和を取り戻す事が光太郎の願いであった
どうにかして戦いを止める事はできないのか?
眠れないのですか?
突然部屋に白いローブを纏った仮面の男が現れた
何もない空間の影から、
文字通り浮き出るように姿を表したのだ
異様で怪奇な男だった
いよいよ皆既日食が近づいていますね
男の仮面の奥から不気味に覗く目と
人工声帯のように作った声に最初は驚いた光太郎だったが、
怪物達と戦ううちに慣れてしまっていた
またあんたか、、、
あんたが脳改造の前に俺を助け出してくれたおかげで
仮面ライダーになれた
だけど、、
とてもあんたに感謝する気にはなれない
そのせいで、俺は親友と、
信彦と戦わなければいけなくなった
今更かも知れないが何故俺を助けたんだ?
仮面の男は不気味に笑いながら答えた
ふふ、私はまだゴルゴム神官に成り立てなのでね
と言ってもあなた達の時間では数100年と言った所でしょうか?
何としても自分が受け持った世紀王に勝利して貰って
手柄を上げたいのです
数100年、、、
途方もない時間だ
現創世王は五万年前から、
君臨されています
そして数名の配下も
五万年前から王に仕えています
長く生きてる分だけ頭の硬い連中でしてね
私がゴルゴムに新しい風を吹かせたいのですよ
あんたの思い通りになるつもりはない
俺は明日必ず信彦を救い出してみせる
それは素晴らしいですね
でもどうやって?
、、、それをずっと考えていた
だけど何も思い浮かばないんだ
ふふ、正直な方ですね
方法は一つだけありますよ
なんだ?頼む!教えてくれ!
ふふ、私の事を信用してないのではなかったのですか?
そんな事いってる場合じゃない
時間がないんだ
たとえ嘘だったとしても、、、、、
藁にも縋りたい気分なんだ
ふふ、本当に真っ直な方だ
いいでしょう
方法は一つです
シャドームーンと協力して創世王を倒す事です
なんだと?
創世王はお前達の長ではないのか?
言ったでしょう
私は新人だと
今の体制では出世に時間がかかりそうですし、
あなた方が創世王を撃ち、
新しい時代を作ってくれるならば好都合なんですよ
そもそも創世王とはなんなんだ?
一体俺たちはなぜ戦わないと行けないんだ?
教えてあげたいのはやまやまですが、
これ以上私の口から語る訳には行きません
全ての根源は創世王にあるとだけ言っておきましょうか
時間はありません
決断はお早めに
神官はそう言うと、
出てきた時と同じように闇夜に消えていった
創世王を撃つ、、、
正直考えた事もなかった
目の前の敵を倒す事、
そして信彦を救い出す事に囚われていた
いや、あの神官の言う通りだ
太古からゴルゴムを支配して、
人間の自由を脅かしてきた創世王こそが全ての悪の元凶なのだ
おそらくその力はゴルゴムの怪人達より
はるかに強大なのであろう
だけど、信彦と2人ならば何とかなるかもしれない
そうだ
俺達2人ならばきっと、、、
あれは昔の事
俺たちが小学生の時の事だ
2人でサッカーの練習をして休憩してた時、
信彦が寂しそうな顔で話しかけてきたんだ
なあ光太郎
俺さ時々思うんだ
なんだよ信彦
俺たちずっと一緒に過ごしてきただろ
この先もずっと一緒なのかな?
当たり前だろ
なんで今更?
俺たち大人になったら
どうなっちゃうんだろうな?
どうってなんだよ
わかんないけどさ、
きっと最高の未来が待ってると思うよ
俺は人間の自由と平和の為に働くんだ
光太郎は気楽だな、
そんなに世の中甘くないって
辛い事や、
嫌な事もいっぱいあるだろうし
そうかな?
もしそうだとしても
俺たちだったらいけるって
そうだな
1人じゃ無理でも2人で力を合わせればなんとかなるか
そうだった、、、、
あの時は2人一緒だったらなんだって出来る、
そう思ってたんだ
もう一度あの頃のように
2人で力を合わせる事ができれば、、、
南光太郎の意識は思い出にふけりながら、
いつのまにか眠りに落ちていた
次の日、
光太郎の最悪の寝覚めとは裏腹に、
澄み渡るような青空だった
食欲のない身体に無理やりパンをコーヒーで流し込むと、
ポケットに小さな小瓶を入れた
光太郎はシャドームーンに指定された地点に、
愛車であるバトルホッパーで向かった
約束の地が近づくにつれ、
光太郎の鼓動は高鳴っていった
信彦、、、
本当に今日で全てが終わる
必ず創世王を打ち、
信彦を救い出してみせる
程なくして約束の地
岩肌の剥き出しになった
広い採石場の跡地にたどり着着いた
そこは静かではあったが、
崖の上に数人の人影が見えた
よく来たなブラックサン
超能力で宙を浮きながら光太郎の元に降りてきたのは、
3人のローブをまとった怪人であった
緑の仮面をつけた怪力の大男
バラオム
妖艶な魔術を持つ魔性の女
ビシュム
そして昨夜現れた若き神官
ダロム
彼らこそゴルゴムが誇る大幹部
三神官であった
バオラムとビシュムは怪人を使い、
何度も仮面ライダーブラックに戦いを仕掛けてきた
南光太郎はそれを迎い打ち、
時には神官と拳を交えた事もあったが、
その強大な力の前に決着をつける事は出来ずにいた
バラオムがその巨体から野太い声をあげる
ははは、貴様怖気付いて逃げ出したと思ったぞ
ビシュムが嘲笑うかのように語りかける
ホッホッホ、
ブラックサン、貴方の命運もこれで終わりね
今日こそシャドームーン様の手によって、
キングストーンを奪われて無惨に朽ち果てる事でしょう
そして、若き神官ダロムは
一体何を考えているかはわからないが、
不気味な人口声帯で語りかけてきた
あと数時間で皆既日食です
それまでに全てが終わるでしょう
その仮面の奥の表情は、
先日同様何を考えているのかまるでわからなかった
そして、肝心の信彦、シャドームーンは、、、
光太郎がそう思った時
カシャン
カシャーン
遠くから覚えのある足音が聞こえてきた
金属が擦れ合う独自の音が鳴り響く
ゆっくりとこちらに向かってくる
白銀の騎士
それこそが、
光太郎の友である秋月信彦
もう1人の世紀王
シャドームーンであった
待たせたなブラックサン
こいつを取りに行っていてな
そう言ったシャドームーンの手には、
大きな禍々しい剣が握られていた
なんだその剣は?
これか
これこそが、古代から創世王にのみ
持つことを許された魔剣
サタンサーベルだ
シャドームーンはそう言って鞘から剣を抜き出した
それは青い
透き通る海のような青さの美しい剣だった
サタンサーベル?
そうだ、
全てを切り裂くこの剣は、
ゴルゴム神殿の奥深くに封印されていた
しかし私を次期創世王と認めて復活したのだ
おお、素晴らしい
なんて美しい剣なの
バラオムとビシュムが声を漏らす
そしてダロムは
ほとんど聞き取れないほど小さな声で
なるほど、青か、、、
と呟いた
バラオム、ビシュム、ダロム
下がっていろ
フハハハ
ブラックサン、これで万に一つも貴様の勝機はなくなったな
バラオムがそう言い残し、
三神官は再び高台の上に浮上して行った
さあ、決着をつける時だ
ブラックサン変身するのだ
信彦、、、
しばらくの静寂の後
南光太郎はかつてないほどの力を拳に込めた
ギリギリと皮のグローブが軋む音がする
変、、、身!!
そう叫ぶと光太郎の身体は、
一瞬バッタのようになったかと思うと変異していった
腰に付けたベルトの風車が周り、
キングストーンが発光する
甲冑のような装甲に覆われた、黒く光るボディ
節々からは煙が漏れている
南光太郎は
仮面ライダーブラックに変身した
そして対峙する2人
徐々に緊張感が高まっていく
ふんっ!
先に仕掛けたのは
サタンサーベルを持っているシャドームーンの方であった
切っ先が僅かに体に触れただけであったが、
仮面ライダーの外装はうっすらと切断し、
その切れ味の鋭さを物語っていた
傷口からチリチリと煙が漏れている
ライダーは更に距離を取り、
サタンサーベルの直撃を避けるより方法はなかった
斬撃を交わし、
カウンター気味に攻めるしかない
幾度か矢継ぎ早に繰り出された斬撃を
紙一重で交わし、シャドームーンの懐に潜り込もうとしたライダー
しかし、その動きは読まれていて、
シャドーパンチの直撃をもろに被弾してしまう事になった
ぐぅ、、、
よろめくライダー
シャドームーンはそのまま止まることなく、
攻撃を続けた
何とかサーベルの直撃だけは
免れたライダーだったが、
あまりに分が悪い勝負だった
再度距離を取るライダー
劣勢なのは明らかであったが、
ライダーの狙いが勝利ではないという事に
まだシャドームーンは気付いていなかった
サーベルの切っ先をかわした瞬間、
ライダーは次のシャドームーンの蹴りをあえて食らった
よろめくブラックだったが、
防御に集中していた為、
致命傷にはならなかった
そして、
僅かに出来た距離に覆い被さるように詰め、
サタンサーベルと逆側の腕を掴んだのである
シャドームーンは驚いた
これでは振りかぶれない為、
決定打にはならない物の、
次のサーベルの攻撃を自分から食らいに行っているような物だった
あまりにも不自然な仮面ライダーブラックの戦い方に、
シャドームーンは斬撃を一瞬躊躇した
その間にブラックはシャドームーンに語りかけた
信彦、、、
話がある
話だと?
ブラックサン貴様この後に及んで命乞いか?
違う!このまま聞け
神官達に勘付かれると面倒だ
、、、、一体なんだ?早く言え
今から神殿に行って2人で創世王を倒すぞ
俺たちの戦いはその後だ
!!!なんだと、創世王を?正気か貴様!
急には信じられないかも知れないが、
後ろにいる神官の内の1人から聞いた話だ
信彦、お前は知らないだろうが、
俺はその神官に助けられてライダーになった
もしそれがなければお前と同じく脳改造されて、
世紀王としてお前と戦っただろう
馬鹿な
一体どいつが裏切ったと言うのだ?
何の為に?
悪いがそれは言えない
約束だからな
今の創世王をよく思わない物がいるとしか言えない
貴様、そんな馬鹿げた話をどうやって信じろと言うのだ
ならば、
創世王を倒した後、
俺のキングストーンをくれてやる
それでどうだ?
ブラックサン!?
貴様正気か?
キングストーンは俺たちの体内に同化されている、
取り出したらお前の命はないのだぞ
、、、それでも構わない
信彦、お前が元の人間に戻る可能性がそれしかないのだったら、
創世王を打った後世界の命運をお前に任せる
頼む、、、信彦、
いやシャドームーン信じてくれ
少しの沈黙の後シャドームーンは
ゆっくりと答えた
わかった、、、
ブラックサンお前の言う通りにしよう
、、、だがお前の話を信じた訳ではない
自分の目で創世王に話を聞き、
真実を確かめその上で創世王を打つ
その後俺ともう一度勝負するのだ
俺は施しの様な勝利は御免だ
ふっ、ははは
貴様?!何を笑っている!
いや、信彦らしいと思ってな
お前は昔から曲がったことがきらいだったから
ふざけるな!ブラックサン
ふざけてなんかいないさ、
いいか、
このままここにバトルホッパーを呼ぶ、
到着次第2人で乗って一気に移動するぞ
それまで戦ってるふりをするんだ
ああ、、、
わかった
シャドームーンはまだ動揺しているようだったが、
何度かの切り合いをしているうちに、
バトルホッパーがやってきた
2人の世紀王が瞬時に跨ると、
緑のマシンはゴルゴム神殿に向かって颯爽と走り出した
馬鹿な、シャドームーン様!
これは、いったい!
崖の上のバラオムとビシュムが動揺して声を上げる
ふふ、どうやら話は上手くまとまったようですね
ダロムがそう言うと、
バラオムは激情した声で叫んだ
なんだと!
ダロム貴様!どう言うことだ!
おおむね私の計画通りです
まさかここまですんなりと事が進むとは思いませんでしたが
どう言う事なの?
いったい2人はどこに行ったと言うの?
それはあなた方にはもう関係のない話ですよ
ふざけるなよ、この若造が!
、、、あなたダロムじゃないわね
おや、さすがビシュム様、気付きましたか
そう私はゴルゴムの神官ではありません
私の計画にはあなた方の持っている石が必要でね
残念ですが、ここで消えてもらわなければなりません
この、ガキが!
姿を表せ!
バラオムが巨大な手で、
無理やりダロムの仮面をはいだ
ダロムの素顔を見て2人の神官は驚愕した
ば、馬鹿な、、、
お前は、いや、あなたは、、、、
さようなら三神官
貴方達とは何度も戦いましたが、
願わくばこれが最後になりますように
当たり一面が激しい光に包まれ、
途方もないエネルギーが走った
そして2人の神官は断末魔をあげる暇もなく、
巨大な爆発を巻き起こしたのであった
別れと言うのはいつの世もつらいものですね
そう呟くと、残った2つの石を回収したダロムは、
地面に吸い込まれるように姿を消した
爆炎が治った後、
ゴルゴム三神官は文字通り影も形もなく消え去ってしまった
バトルホッパーの背に乗った
2人は凄まじいスピードでゴルゴム神殿に向かっていた
運転をしているのはシャドームーンである
仮面ライダーブラックはシャドームーンに語りかけた
まさかお前が運転するとはな
何を驚いている?
バトルホッパーは元々創世王の為に作られたマシンだ
俺が操れて当然ではないか
それにブラックサン、
貴様ではゴルゴム神殿のはっきりした場所はわかるまい
なあ、信彦
、、、いやシャドームーン
一体どうして俺の話を信じてくれたんだ?
俺が裏切るとは思わなかったのか?
ふん、くだらんことを
貴様がその気なら今とっくにやっているはずだ
驚くことにシャドームーンは、
後ろに乗るライダーにサタンサーベルを持たせていたのだ
いいか、ブラックサン
俺は必ずお前を倒し創世王になってみせる
だがお前の言う通り、
創世王に駒のように動かされるのは面白くない
改造されたとはいえ、
俺は俺の意志で戦い、頂点に立つのだ
、、、シャドームーン、
お前はやはり信彦だ
、、、ふん、
くだらん事を言うな、
飛ばすぞ、振り落とされるなよ
シャドームーンは更にマシンのスピードを上げた
ゴルゴム神殿の入り口には、2人の門番の影があった
バトルホッパーを止めたライダー達を襲ってきたのは、
金と銀に輝く2人の女性の怪人だった
シャドームーンの付き人であった、
マーラとカーラは、
ライダーと共に神殿にやって来た主人の姿に驚いた様子だが、
やむを得ず襲い掛かかった
青い剣が美しく光る
シャドームーンの
閃光のような一撃が通り過ぎたと思うと、
2人の門番は一瞬のうちに骸になってしまった
恐ろしい威力の剣であった
シャドームーンは付き人であった2人の亡骸を少しの間見つめていた
、、、信彦、、、
、、、行くぞブラックサン、覚悟を決めろ
そう言うと、
ブラックとシャドームーンは神殿内に入って行った
濃霧に包まれ、入り組んだ迷宮のような不気味な洞窟だったが、
主要な怪人もほとんどが倒れた今となっては、
数体の番人が襲いかかってくるのみで、
それも2人の敵ではなかった
内部をよく知るシャドームーンの案内で、
ほとんど迷う事なく最短で奥の大広間に到着した
薄暗い洞窟内も2つのキングストーンのフラッシュに照らされ、
まるで昼間のような明るさであった
程なく大広間に到着する
触手の様にゴツゴツした岩に囲まれた異様な部屋だった
当たりは霧に包まれ、
所々煙が噴き出している
薄い幕に覆われたた
奥の部屋から不気味な声が聞こえてきた
愚かな世紀王達よ
一体どう言うつもりだ
テレパシーで何度も聞いた創世王の声が不気味に響き渡る
ブラックは言った
創世王!
俺たちはお前の思うようにはならない、
お前を倒しゴルゴム帝国を壊滅させる!
シャドームーンは言った
俺もブラックサンと同じ考えだ!
次期創世王になるのは俺だが、
それは貴様を倒した後、
ゆっくりと成し遂げる、貴様の力は借りなくともな
、、、馬鹿めが、
今まで幾多の世紀王が誕生したが、
お前たち程愚かな選択をした者達はいなかったぞ
このゴルゴムの恥晒しどもめ
いいだろう、そんなに死にたいならば、
私がお前たちの息の根を止めてやろう
濃霧の中をゆっくりとこちらに近づいてくる創世王
その正体を見た時、
ブラックとシャドームーンは絶句した
姿を現した
創世王、その正体は肉体のない剥き出しの臓器だったのだ
これが、創世王の正体?
その体はとうに朽ち果てているのだろう
ドクドクと脈を打つ巨大な心臓
驚く2人をよそに、
創世王は光線で攻撃を仕掛けてきた
光線による爆発が辺りを包む
2人はダメージを受けていないとは言えないが、致命的ではなかった
そのまま反撃に転じる
創世王はバリアを張って防ぐ
恐ろしい超能力であったが、
押していたのは2人の世紀王だった
ぐう、
おのれサタンサーベルめ
勝てる
このまま2人で押し切れば、
何とか倒せる
ブラックにもシャドームーンにも手ごたえがあった
このままではやられてしまう
そう感じた創世王は、
回復の時間を稼ぐ為に、
身体から閃光を発した
うっ
たじろぐ2人
その間に
移動し距離を取り奥の間に移動する創世王
聞け、世紀王共よ
この部屋の穴は地球の中心へと続いている
この穴に飛び込めば、地球ごと木端微塵に爆発する
うろたえる2人の世紀王
その隙に次の攻撃を企てる
創世王だったがある違和感を覚えた
おかしい
私は前にもこの場面を見た事がある
創世王に、
若き世紀王が戦いを挑む
この光景は、、、、
その時、
創世王の脳裏に一枚の絵が浮かんだ
それは
荒廃した世界の沈没船の上で
青年が叫んでいる絵だった
写実的ではなくイラストのようだったが、
異様で鬼気迫る絵だ
そう、まるで漫画かなにかのような、、、
これはどう言う事だ?
何故戦っているのだ
どうして創世王に
私は、、、
おしえてくれ
オレは、、、、
だれだ?
絵はバラバラに砕け散り
創世王の脳裏に映像が次々に浮かび上がった
それは創世王にとっては遠い遠い過去
20世紀の記憶であった
緑豊かな大地
鮮やかな四季の情景
海と波音
人々の温もり暖かさ
両親
秋月夫妻
秋月杏子
紀田克美
ゴルゴム
三神官
ビルゲニア
バトルホッパー
ロードセクター
クジラ怪人
クライシス帝国
アクロバッター
トライドロン
霞のジョー
4人の自分
門矢司
昭和ライダー
平成ライダー
泊進ノ介
ヒーロー戦記
そして秋月信彦
シャドームーン
死、分裂、再生、結合
さまざまな時代、場所で戦い続けてきた
永遠とも思えるような時間だった
そうか、、、、
オレは、、
オレの名は南光太郎
皆既日食の日に生まれ
兄弟同然に過ごした親友
秋月信彦、シャドームーンをこの手で倒した
そしてその後、時空を旅した末に、
創世王を倒したはず
オレは一体いままで何を、、、、
眩い光に包まれ、
創世王の体が徐々に人間へと変化していく
それは時間にして数秒の出来事であった
先程まで、
心臓の形をしていたはずの創世王が、
白いローブを纏った男に変わったのである
40代?50代?
その姿は今の南光太郎よりかなり
肉体は成熟していたが、
確かにそれは人間であった
加齢による衰えを補ってあまりある、
眼光の鋭さと、威圧感を纏っていた
そうかそう言うことか
創世王はそうつぶやいた
お前は誰だ?
驚く南光太郎
創世王は言った
オレの名は南光太郎
つまりお前だ、
よくここまできたな
唖然とする、現代の南光太郎、
仮面ライダーブラック
ふざけるな
光太郎はオレだ!
驚くのも当然だ
俺も今の今まで肉体も記憶も戻らなかったのだからな
俺はかつてシャドームーンをこの手で倒した
肉体の加齢から見て、
おそらく30年以上も昔の話だろう
そしてその後
創世王を倒し、次期創世王になった俺は、
キングストーンの力を使い時を超えたのだ
時を超える?
そうだ
2つのキングストーンが合わさると、
それほどの力を発揮するのだ
いったい何のために?
何のため?
俺にもわからないが、
おそらく
、、、、、俺はお前を待っていたのだ
待っていた?
だから何のために?
もう、、、時間がない
皆既日食の時はすぐそこまで迫っている
世紀王が構える
禍々しいまでの覇気が辺りを包み込む
光太郎には、まるで空間そのものが
共鳴して王の味方をしているかのように感じられた
ギリギリと両腕が軋む音が鳴り響く
変身
眩い光があり
神殿全体が震えるように
呼応する爆音が鳴り響く
声と共に創世王の体は
真っ黒な鋼色に染まっていく
その姿は仮面ライダーブラックとも、
シャドームーンとも違っていたが、
確かに創世王と言える姿であった
俺は月と太陽の子
創世王ブラックサン
創世王の禍々しいまでの、
そして神々しい闘気が当たりを包んだ
神殿内のあちこちから煙やガスが勢いよく噴き出した
まるで地球全体が反応しているようだった
創世王は言う
残念だが
お前達のキングストーンはまだバラバラで不完全だ
完全な石を持つ俺には到底叶わない
さらばだ若き日の俺よ、
そしてシャドームーンよ
南光太郎を殺すのも、
秋月信彦を殺すのも、
俺1人で十分だ
話終わるや否や、
仮面ライダーブラックの脳裏には強烈な痛覚が走った
視覚を超越してダメージが遅い掛かってきたのだ
それも今までにブラックが怪人と戦ってきた、
どの痛みよりも鋭く重い物であった
その一撃だけで、
創世王との圧倒的な実力差ははっきり分かった
体制を立て直したブラックの視界に飛び込んできたのは、
自分と同じように創世王に攻撃されたシャドームーンの姿だった
ブラックサン!
ああ、わかってる!
シャドームーンに言われるまでもなく身をもって感じた
これはもはや別々に戦うとかそう言う次元の差ではない
気を抜いたらすぐに、、、、
殺される!
ブラックとシャドームーンがそう理解した時には、
創世王もう次の攻撃を仕掛けていた
ブラックが攻撃を受け止め、
シャドームーンがその隙にサタンサーベルで攻撃を仕掛けた
だが突如創世王の体は、
ゲル状に青く発光しながら攻撃をすり抜けた
そのまま途方もない力でシャドームーンの頭部を掴み、
有に10メートルは向こうにある壁に向かって叩きつけたのだ
ガハッ
信彦!大丈夫か
ブラックは距離を取り、
シャドームーンの援護に向かう
だが創世王はまたもや体の形状を変え、
まるで機械のような姿になり、
手に持った銃で攻撃をしてきた
恐ろしい威力の爆撃が辺りを包む
被弾したブラックとシャドームーンは、
その場にうずくまった
爆炎がゆっくりと晴れていく
心臓の姿とは文字通り桁が違っていた
創世王が言っていた通り
とてつもない実力差であった
その後、何とか立ち上がり、
何度も反撃を試みる2人だったが、
2人がかりでも創世王の身体に傷一つつける事もできぬまま、
消耗していった
幾度かの競り合いを挑んだものの、
2対1の理がまるで感じられない程に弄ばれた
そしてダメージを与えるどころか、
ほとんど触れる事すらできずに、
やがて2人は崩れ去るのであった
弱いな
これが今の世紀王か
やはりお前達ではどうしようもないな
創世王はそう言った
いいか
もう一度だけチャンスをやろう
このままでは勝負にもならん
お前らのうちどちらかが相手のキングストーンを奪え
それでも経験値も力の差もどうにもならないだろうが、
今よりは遥かにマシになるだろう
ふざけるな!
誰がそんな話にのるものか
満身創痍ながらも否定する2人
小さなプライドなど捨てる事だな
どれほど分が悪いか分からないほど
馬鹿ではないだろう?
嫌だって言ってるだろ!
ならば仕方あるまい、
お前を殺し、
無理矢理でも石を一つにするとしよう、、、
創世王はそう言うと、力を溜め始めた
禍々しいオーラが全身を包んだ
そして、その右腕は倍もあろうかと思えるほどに膨張したのだった
そのままゆっくりと倒れている仮面ライダーブラックに近づいくと、
左手でライダーの襟元を掴み、
力を溜めている右手を振りかぶった
これで俺を殺すのは3度目か、
さらばだ若き日の俺よ
創生王が拳を振り翳す!
やめろ光太郎!
その直前シャドームーンが間に入った
信彦ーー!!!
2人の南光太郎が叫ぶ
シャドームーンはブラックを庇うように被さり、
その背中を創世王の拳が貫いた
力を失い倒れるシャドームーン
信彦なぜ?
南光太郎に抱き抱えられる信彦
たったの一撃の拳であったが、
もはやシャドームーンの命が助からないのは明白であった
それほどとてつもない威力だったのだ
シャドームーンの体からは体液が流れ、
チリチリと煙が噴き出ていた
信彦、死ぬな、死ぬんじゃない!
ブラックサン
サタンサーベルを取ってくれ
あれがないと心細くてあの世にいけん
仮面ライダーは近くに落ちていた
サタンサーベルを取るとシャドームーンに渡した
ブラックサン気にするな、
俺は死ぬ、だが勝ったなどと思うな、
お前はこれから一生戦い続ける事になるのだからな
そして天高くサタンサーベルを掲げると
言った
俺こそ次期創世王だ
その言葉を最後にシャドームーンの複眼は光を失ったのだった
シャドームーンは死んだ
仮面ライダーブラック、
南光太郎を庇って死んだのだ
南光太郎は変身を解き、
遺体を抱き抱えたまま、
放心状態になっていた
創世王はシャドームーンの体から
キングストーンを奪うよう言ったが、
光太郎の耳には届いていなかった
もはや創世王に立ち向かう者はいない
いったい誰がゴルゴムを倒し、
この美しい地球を救うのだ
しばしの時間が流れた
南光太郎が立ち上がるのをじっと待っていた創世王だったが
やがて諦めたように語り出した
もう時間がない
最後のチャンスだ
シャドームーンの体からキングストーンを取り出して俺と戦え
そうでなければこのまま俺がお前を殺し、
お前らのキングストーンを奪う事になるぞ
南光太郎は何も答えなかった
創世王は静かにいった
、、、情けないな
俺は昔、今と同じように
シャドームーンの命を奪った、
確かに地獄のような苦しみだったが、
創世王と戦い、それからも悪と戦い続けたのだ
南光太郎は何も答えなかった
所詮戦う覚悟がない者に創世王は務まらん
望み通りこの場で葬り去る事にしよう
南光太郎は何も答えなかった
仕方あるまい
創世王が歩み出したその時だった
お待ちください
テレパシーが鳴り響き、
新神官が皆既日食の闇から姿を表した
ダロム、貴様何しに来た?
、、、、いやお前はダロムではないな
創世王は叫ぶ
お前は誰だ?!
お体を取り戻されたのですね
おめでとうございます
創世王、いや南光太郎と言うべきですか?
そういうと、
神官はローブと仮面を剥ぎ取った
そこには創世王より更に歳を重ねている、
見知らぬ初老の男の姿があった
男はゆっくりと語り出した
あなたの言う通り、私は三神官ダロムではありません
秋月信彦と申します
馬鹿な?お前は俺の知っている信彦ではない
顔も姿も全然違う
それに信彦は俺自身の手で確かに、、、
だが、わかる
感じるぞ
お前は確かに
秋月信彦
シャドームーンだ
これは、一体どういう事だ
男は言った
そう私は秋月信彦です
そして創世王 シャドームーンです
変身!
そう言うと男の身体は発光し、
シャドームーンへと変化した
ただし、銀色ではなく赤い月
鮮烈な血を彷彿させる赤い鎧の騎士であった
そのベルトには2つの石が光を発していた
そしてあなたは南光太郎ですね
ですが、私の知っている南光太郎ではありません
どういう事だ?
一体お前は何を知っている?
創世王シャドームーンは静かに語りはじめた
ゴルゴムの改造手術から脱走した私は
仮面ライダーシャドーとして戦いつづけ、
親友南光太郎であるブラックサン、
そして当時の創世王をこの手で殺めました
その後戦い続けて、
悪を滅した時、私の心には巨大な穴が空いたようでした
いくら戦っても親友を、
南光太郎を殺めたと言う罪の意識は消えませんでした
どこに行っても何をしていてもです
そして追い詰められた私は、
2つのキングストーンの力で時を超えて、
時空を彷徨い歩いたのです
精神を幾つにも分裂させ、
時に融合を繰り返しながら、
皆既日食の黒点が繋ぐ、
時空の消失点を目指しました
長い長い旅でした
そして歴史の終点に君臨していた、
もう1人の創世王の元へ辿り着いたのです
創世王との戦いは熾烈を極めました
ですが最後の戦いに全てを賭け、
私は戦い抜きました
そしてついに創世王を葬り去る事が出来たのです
消えゆく創世王の姿が、
人間に戻っていきました
それを見て私は驚愕したのです
なんと創世王の正体は、
秋月信彦、私だったのです
創世王ブラックサンは言う
馬鹿な、それではまるで俺と同じ
創世王シャドームーンは応える
そう、私はあなたとは違う時空の秋月信彦
そしてあなたは私とは違う時空の南光太郎です
私とあなたの精神は時を超え、
永遠に戦い続けて来たのです
私はあなたを
あなたは私を
永遠に、出会い、友として、
兄弟として、
ときには愛し、そして憎み、
戦い、殺し、殺され
そして自分自身とすら対峙して
消滅、破壊、再生、分裂、融合を繰り返し続けてきたのです
月と太陽が続く限り
永久にです
創世王ブラックサンは悲痛の声を上げる
何故だ!?
何のために俺達は戦わなければならない?
何のため?
全てはキングストーンの意思なのです
未来永劫、全ての時空を支配し続けるためです
キングストーンが2つ合わさると
創世石となり時を超えます
そして時空を旅しながら
時の狭間の終点へと向かうのです
終点?終点には創世王がいるはずだ
そうです荒廃した世界に、
時空を超える前に倒したはずの創世王が
魔王として確かに君臨していました
私もあなたもこう思ったはずです、
理由はともかくこの終点の世界の創世王を倒しさえすれば
全てが終わるはずだと
しかし、、、何も変わらなかった
それもそのはずです
何故ならば倒したはずの創世王は、
自分自身だったのですから
そうだ
俺は確かに創世王を倒した
そしてとどめを刺そうとした時だ、
転生前にゴルゴムを壊滅させた時に消えたはずの、
あの剣が現れたんだ
そうです
その剣こそ時空を超越した剣
不老不死である創世王に唯一とどめをさせる魔剣
サタンサーベルです
創世王シャドームーンが天に手をかざすと、
まるで最初からそこに存在していたかのように、古の剣は姿を現した
しかしそれは、
先程死んだシャドームーンが使っていたものとは違う
エメラルドの様に深く濃い緑色の刀身の剣だった
創世王シャドームーンは続けて語った
時の最終地点、
おそらく私は過去、
そしてあなたは未来であろう時代に移動していたのでしょう
そして自分自身である創世王を倒した時、
時空の牢獄の力により、記憶と肉体は封印され、
全ての時代、全ての時空に君臨し続けていたのです
未来永劫、自分自身を、迎え撃つ
創世王を打てるのは創世王
つまり自分自身しかいません
時の終点の勝敗に関わらず
永久に繰り返されます
そんな、馬鹿な
ではここで、こいつらを打っても、、、
そうです
なにも変わりません
永久に繰り返されるだけです
ただしこの時代、
この時を除けばの話ですが
、、、、どう言う事だ
もう気づいているんじゃないですか?
私とあなたは
本来なら同じ時代に存在出来ません
、、、そうか
そう言う事です
この2人のキングストーンは、
私たちのキングストーンとは少し違います
私の創世石が過去
あなたの石が未来を司っているのに対し、
この2人の石が司っているのは現在
つまり、この石が存在する
この時間こそ、
無数に分かれた時間の交点なのです
元々キングストーンは
初代創世王の遺骨にゴルゴムの秘術で、
月と太陽の加護を授ける事で作られたらしいです
まだ時の輪廻が始まる前の話です
初代創世王、、、
時の終点にいた創世王とは別の存在です
おそらくはただの人間だったのでしょうね
死後も自分の力を誇示したかったのか?
不老不死でも目指していたのか
今となってはわかりません
だが初代創世王の作った巨大な時空の牢獄に、
私たち、いや、私たちだけではなく、
全ての生物が囚われていたという事です
その牢獄を壊す為、
今日この場、
この皆既日食の時に、
3つの創世石を一つに合わせ
時空の牢獄を次元ごと破壊します
そしたら
俺たちは
ええ
消えるんです
私たちも、全ての石も、
ゴルゴムと言う存在も全て消滅させます
3本のサタンサーベルを使って
3本?
あなたが、ご自分の時空の創世王を倒した時の事を
思い出してみてください
勝者となったあなたの元に
サタンサーベルはやってきたはずです
そして創世王に止めを刺すと、
まるで幻のように消えて行ったでしょう?
そうだ、
そうだった
時を越える前も超えた後も
創世王にとどめを刺したのはサタンサーベルだった
これこそが創世王の不滅のカラクリです
本来、同じ時空に1本しか存在しないはずの
サタンサーベルを持ってしか、
5万年間不死であるはずの
創世王の命を奪う事はできないのです
なるほど終点の勝敗
どちらが勝っても、
サタンサーベルが現れ1人の創世王を葬り消える、
そして残ったもう1人がその次元の創世王として君臨し、
また次の皆既日食で新たな創世王を待つのか
だが今サタンサーベルは
貴様とこいつらが持っている2本しかないはずだ
俺の時空のサーベルは創世王を倒し消えてしまった
ありますよ
あなたは出せますよね
太陽の加護を受けた杖を
まさか、リボルケイン?
ええ、
もちろん私にも出せます
月の加護を受けた杖が
なるほど、、、
2人の創世王がベルトに手をかざすと
神々しく発光し
風車から光の杖が生まれた
そして、そのまま2本の杖は交差すると、
発光し、共鳴しあい、
やがてまるで一つの生き物であるかのように、
混じりだしたのである
杖は見る見る間に姿を変え、
まるで最初から存在していたかの様に
魔剣サタンサーベルになった
それは血を連想させる深く赤いサーベルだった
サタンサーベルはこうやって、
違う時空の創世王2人によって作られていたのです
信彦、
いや創世王シャドームーン
お前の言う事を信じてない訳ではないが、
まだ話してない事があるだろう?
俺が封印されている間、
貴様は何をしていた?
お前も創世王であったなら
俺と同じように記憶を封印されていた筈だ
流石ですね気付きましたか
私が記憶と肉体を取り戻したのは、
17年前です
おそらくはその数年前に、
この世界と私の世界は融合していたのでしょう
つまりあなたと私の次元は17年ずれているという事ですね
私は肉体を取り戻した後、
数年で次元の謎に気づき、
自分の次元のゴルゴム帝国を封印しました
そうしなければ、あなたの次元と衝突してしまいますからね
やがてあなたの次元がこの次元に現れた時に、
知恵の神官ダロムと入れ替わりました
ダロムは私に全ての秘密を喋ると消滅したのです
全てを誰にも他言せずに語り継ぐのが、
彼の使命でした
運がいいのか運命なのか、
それとも元々そう言う物なのかはわかりません
ですが時代にずれがなく、
我々2人とも心臓のままだったら、
ぶつかり合って消滅していたかもしれませんね
それとも、また別の時空の時の輪廻を彷徨う事になったのか?
ふふ、まあ、試してないのでわかりませんがね
それはともかく、
私の時空とあなたの時空は17年、
更にこの時空はさらに35年ほどずれています
それが今回の皆既日食が過ぎるまでの間だけ、
一つになっているのですね
世紀王には生まれた時から、
ゴルゴムの工作員による監視体制に置かれます
ところが当時、流行病のウイルスにより、
そこにいる2人は高熱に晒されて、
瀕死の重症だったのです
そこまで語った時であった
おい、待てよ
あんた達
シャドームーンを
抱きかかえてずっと項垂れていた青年
南光太郎が言った
させないよ、あんた達の思い通りには
2人の創世王は少し驚いた様子だったが、
創世王ブラックサンは言った
聞いていただろう
俺たちはこの世界の全てを消滅させる
今更お前如きにどうこう出来るような規模の話ではない
させないって言ってるだろ!
南光太郎は声を振り絞って言った
、、、駄々をこねる子供だな
お前1人で何が出来る
1人じゃないさ
何?
不思議な事が起こった
淡い光を発しながら
絶命したはずのシャドームーンの手が、
僅かに動き出したのである
これは一体、どう言う事だ
確かにシャドームーンは死んだはず
そう、、、
確かに死んだよ、
だからこれを使ったんだ
南光太郎はそう言うと空になった小瓶を見せた
、、、それは、まさか生命のエキス?!
それは南光太郎が唯一心を通わした怪人、
ゴルゴムを裏切ったクジラ怪人の持ち物であった
シャドームーンを
包んでいた光は少しずつ大きくなり
キングストーンと呼応しだした
なんだ、この光は
もう1人のシャドームーン、
赤い創世王は語り出した
先程、言いかけましたが、
彼ら2人が胎児の頃、流行病に感染したのです
ゴルゴムの監視下にあった2人は、
高熱で瀕死の状態のまま
このゴルゴム神殿に連れて来られました
そこで配下のクジラ怪人に伝わる生命のエキスを使い、
2人は助かりました
いや、助かったと言うより、
生き返ったと言った方がいいですね
、、、、そんな事が、
話は終わりではありません
彼らが生き返ると同時に、
心臓だけが残っていた私の体と記憶は元に戻ったのです、
先程のあなたの様に
長い歴史の中では、
2人の世紀王が19歳まで育たない事もあったのでしょう
生命のエキスは、
命を落とした世紀王を生き返えらせる為だけに作られた物です
そして生き返った世紀王は、
爆発的に力をあげます
もう1人の創世王であるブラックサンは答えた
俺も昔、一度はシャドームーンに敗れた、
そして生命のエキスをクジラ怪人に使ってもらって蘇ったのだ、、、、
そしてシャドームーンと、当時の創世王を倒した
そうです
私もそうでした、
私とあなたの時間軸はほとんど鏡のような物ですからね
恐らくは、命を落とす寸前の創世王だったので、
なんとか討伐できたのでしょうね
本来の力ならば、
おそらく1人だけでは到底創世王には及ばなかったはずです
、、、少しだけ話が読めてきたぞ、
つまり俺とお前の封印が解けたのは、、、
そうです
生命のエキスで復活した世紀王2人が、
創世王と対峙する事が、封印を解く唯一の手段なのです
復活した世紀王には、
創世王の超能力によるコントロールは効かなくなります
2人の世紀王が力を合わせ謀反を企てるのを防ぐために、
出来たシステムなのでしょう
、、、だからこの2人を俺の前に連れてきたのか
はい、あなたの封印を解けば、
こうなるのはわかってました
しかし、
これから先はどうなるのかはわかりません
、、、どう言う事だ?
私も計算外でした
これまでの歴史でいないのですよ
生命のエキスで2度復活した世紀王は
あなたが世紀王を抹殺していたら、
私は神官の3つの石を使う予定だったのです
そもそも生命のエキスが2度効く物だとは、、、
シャドームーンを包んでいる光は
キングストーンの力で拡大され、
やがて抱え込んでいた南光太郎をも包み込んだ
そして光は2人の世紀王の意識にまで浸透してきたのだった
それは映像とも声共違う、
意志そのもののようだった
暖かく
優しく
そして悲しい
遠い遠い数10万年も昔の記憶を2人に体験させたのだった
1人の男の生涯の物語
愛する友の命と世界の未来を天秤にかけ、
地球を救った英雄
そしてその後に、
自責の念から秘術を生み出し、
自分の命を触媒にして、
その生涯を終えるまでの物語であった
そして光は更に輝きを増し、
若き世紀王2人を金色のオーラで包んだ
シャドームーンは立ち上がり、
南光太郎に言った
ブラックサン、、、いや、光太郎
戦えるな
ああ、信彦
一緒に戦おう
南光太郎は力強く構えると、
仮面ライダーブラックに変身した
そして2人を包む光は、
彼らの姿を黄金に染め上げたのである
この光はあんた達の言っていた初代創世王、ゴルゴムの意志だ
そう、ゴルゴムはやはりただの1人の人間だったよ
その記憶は劣化して途切れてはいたけれど、
意志は鮮明で純粋だった
それは今も昔も変わらない
結果としてこうなってしまっただけなんだよ
創世王である未来の南光太郎は言う
ふざけた事を、
その初代創世王の呪いこそ、
全ての元凶なのだ!
違う!ゴルゴムは、
世界を守りたかった、
友を救いたかっただけなんだ!
それは、俺たちと一緒だ!
俺は、あんた達も、ゴルゴムも全てを救いたい、だから戦う!
、、、いいか、
全てを救う事などできはしない、
何かを守りたければ、
何かを捨てるしかないのだ、
俺はこの悲しみから、全ての南光太郎と秋月信彦を救う為に、
世界を破壊する!
止めてみせるさ、
絶対できる、俺1人じゃ無理でも、
信彦と2人ならな
ふふ、それでは始めましょうか、
全ての命運をかけた最後の戦いを
皆既日食の闇が世界を包み込もうとしていた
その時、閃光が駆け抜けた
4人のもつ6つのキングストーン、
3本のサタンターベルは呼応し、
宙を浮かんだ
そして彼らの体はエネルギーの塊そのものとなった
初代創世王の力を受け継いだ2人の世紀王と、
同じ次元に存在するはずのない2人の創世王の戦い
それはもはや言葉で語れるスケールの物ではなかった
2人の世紀王を包む黄金
創世王ブラックサンを包む黒鋼
創世王シャドームーンを包む紅赤
闇の中、光の塊だけが燦々と輝いていた
神殿は軋みこの戦いに耐えられる訳もなく、
ボロボロと崩れ始めた
海は氾濫し、火山は噴火し、雷鳴が轟いた
強烈な磁気が発生し、時空を歪ませ、
彼らと接触した物はまるで、
熱したバターか何かの様に消滅した
地球全体が激しく呼応し、振動している
超高速で移動しながら衝突する、
3つのエネルギー
幾度も破裂音と爆発が巻き起こり、
地形は変動した
しかし、、、
均衡は長くは続かなかった
闇が更に深まっていく
昼であるにもかかわらず
皆既日食が辺りを完全に闇に包み込んだ時だった
2人の世紀王を包む光は消え、
地上に落ちたのである
辛うじて息をしていたものの、
完全に力を使い果たし、
意識を失い
もはや指先1つ動かす事は出来なかった
それを見て、
満身創痍の創世王2人はようやく闘気を解き、地上に降りたのだった
ほとんど力を使い果たし、
もはや赤から白銀のバッタに戻りつつあった
創世王シャドームーンであったが、
三神官の持っていた3つの命の石を取り出すと言った
皆既日食が終われば、時空はバラバラになります
早く、2人の体からキングストーンを取り出しましょう
同じく緑のバッタ男に戻りつつある
創世王ブラックサンは
思い詰めた様子で語った
いや、この2人はこのままにしよう
消えるのは俺たちだけだ
、、、何を言っているのです
3つの創世石を全て破壊しなくては、
時空の牢獄は破壊出来ませんよ!
わかっている、
だが少なくとも、この次元以外は全て消失するはずだ
同じ事です、、、
仮に今次元を一つにしたとしても、
やがては新たな憎しみや悲しみが生まれ、
いつかはまた無数の次元が誕生するでしょう
そうなればまた永遠の苦しみが生まれてしまいます
全てを無に返すしかないのです
それに次元を一つにしたら
どんな恐ろしい事が起こるか想像もつきません
、、、それでもいいさ
、、、馬鹿な
それでもこの2人なら、
何があっても大丈夫
そう思うんだ
人を、友を、平和を思う心があれば、
きっと乗り越えていける
、、、何を甘い事を、とても創世王の言葉とは思えません
そうだな、
だけどそれでいいさ、
俺もお前も昔はそうだっただろう?
、、、そうだったんでしょうか?
もう昔の事すぎて覚えてません
そうさ、
俺たちもその為に戦ってきたんだ
ずいぶん回り道をした気がするがな
、、、わかりました
望みは薄いでしょう
でもかけてみましょうか、
この2人の可能性と言う奴に
創世王ブラックサンは
最後にこう言ったのだった
ありがとう
皆既日食の闇からうっすらと日輪が現れようとしている
その時2人の創世王は、
互いのサタンターベルで、
互いのベルトを貫いていた
そして互いのキングストーンは、
互いに打ち消し合い、
その存在すら最初からなかった様に、
消えて行こうとしていた
信彦、終わるんだな
長い長い戦いの日々が
、、、違いますよ、光太郎
これから始まるのですよ
ああ、そうか、そうだったな
次元が一つになろうとしてる時
神殿前に止まっていた
時を駆ける馬バトルホッパーがやってきた
来てくれたのかバトルホッパー
さあ、、、いきましょうか
バトルホッパーの目が赤く点滅する
そして、2人の創世王を乗せると、
天高く飛翔し、光の粒子となり、その姿を消したのだった
闇の中を雨が降り続けた
全てを洗い流す様に
幾日も
幾日も
そして太陽が再び現れた頃には、
ゴルゴム帝国の存在はおろか、
いや、この地球の成り立ちそのものが変化していたのである
そして、、、月日が流れた
荒野となった街に、朝日が登ろうとしていた
もはやこの世界には
人の気配すらほとんどない
怪人や仮面ライダーと呼ばれる凶悪な魔獣が支配する世界であった
だが生き別れになった友人を救う為、
1人悪と戦い続ける青年がいた
教えてくれ
俺は誰だ
青年は廃墟となった摩天楼の前で
ゆっくりとグローブをはめた
絶望が支配するこの世界で、
それでも青年の視線は力強かった
俺は南光太郎
仮面ライダーブラック