ウマ娘の傷跡になりたいだけの男の話   作:橘 翔

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曇らせ増えろ〜増えろ〜(鳴き声)



プロローグ

 

端的に言うと、ウマ娘の世界に転生した。

 

前世の記憶はうっすらとしかないが、可もなく不可もない人生だったはずだ。

 

ウマ娘だってイベント時にすこーし育成して、育成イベントをのんびり読みながらにこにこしていたぐらいだ。

 

なんで転生なんてしたのか分からないけども、転生した先がトレーナーを輩出する名家だったのもあってせっかくなのでトレーナーを目指すことにした。

 

勉強は大変だったが、名家のノウハウと転生チートみたいな勘のお陰で無事中央トレセンにトレーナーとして合格した。

 

さぁ、来年からウマ娘と触れ合うぞーっと意気込んだその時だ。

 

体の至る所に小さな悪性の腫瘍が点在していたのが発覚したのは。

 

医者からすれば見た事のない症状らしく、検査も含めた入院を薦められたが、固い意思で断った。

 

そう、この時点で自分の中である目標が出来てしまったのだ。

 

───ウマ娘に傷跡残して死にてえな、と。

 

どうせこの病気も転生チートの副作用みたいなものだ。俺の勘がそういっている。なら、治そうとするだけ無駄だ。

 

3年、恐らく、いや絶対、3年で俺は死ぬだろう。

 

怖くは無い。今、俺はひじょーにワクワクしている。

 

3年でいかにウマ娘を勝たせるかを、いかに記憶に残るトレーナーとなるかを。

 

いかに、死に際にウマ娘に慕われているかを、目指そうではないか。

 

言ってしまえばゲームと一緒だ。あの3年間を、この現実でもやるだけ。

 

 

「死に際に惜しまれるようなトレーナーにならないとな」

 

 

そう誓った三女神の像は、俺に微笑んでくれた気がした。

 

 

─────────────

 

「やはり考え直した方が.....」

 

「いや、両親と既に何度も話し合いましたから」

 

「.....」

 

目の前の青年を見やる。

今年から新人トレーナーとして中央へ入ってきた彼は、色々と事情があった。

 

なんでも、筆記実技ともにずば抜けた成績を残した期待の新人。そして、医者が匙を投げる難病を患っている。

 

「どうかしましたか?」

 

このいかにも好青年といった風貌を持つ彼は、その実明日には倒れてもおかしくないような状態だという。だというのに彼はここに立っている。

 

───ウマ娘を導かずして死ねるものかッッ!!

 

面接の時に理事長を前にして叫んだ言葉に嘘は無いのでしょう。そして能力的にも、何一つ問題は無い。家族の同意も得ている彼を止めるすべを、我々トレセン学園側は持ちません。

 

「大丈夫です。彼女達を育てきるまで死にはしません」

「それは」

 

育てきったならば死んでしまうような言い方ではないですか?

 

そんな言葉は飲み込み、私は決心しました。もうきっと彼の考えを変えることは出来ません。ならば、私は私のできる限りで、彼をサポートします。

 

「...ッ、ようこそ、トレセン学園へ。これから一緒に頑張りましょうね。トレーナーさん」

「はい!よろしくお願いしますね、たづなさん」

 

元気よく返事した彼は、今も生徒が練習をするターフの方へその視線を送っていました。

 

───あぁ、神様。

 

柄にもなくそんなことを思ってしまいます。

どうか、ほんの少しでもいいから

 

彼が輝き続けますように。

 





三女神(えぇ.....???(困惑))

おう、死んでもえぇ。せっかくならトレーナーしたいんじゃ(自己満足)
なお、その際担当していたウマ娘のケアなどは考え無いものとする。

最低では?(今更)
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