【完】再会した幼馴染オカルトマニアちゃんにお薬飲まされて何やかやあった後の話   作:いらえ丸

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 勘のいい人は前話時点で気づいてるかもしれませんが、キリノは人格に難ありのキャラです。
 今回、明確にそういうトコが出てきます。苦手な人いそうですね。

 あと、アフターストーリーが長くなりすぎたので、完結から連載中に変えました。


【キリノ編2】喜劇って主観的なものだよね。そう言われてるでしょ? 皆も、社会も、まさにそうだよ。善か悪かを主観で決めちゃってる。面白いか面白くないかを決めるのと同じようにね。

 アカデミーの敷地に入ったアタシは、真っ先にリュウ兄に会いに行く事にした。

 前に会ったのは兄が長期休暇の時であり、アタシの時間感覚においては久しぶりの再会である。

 そうして意気揚々とターゲットのいそうなところに向かうと、そこには兄以外に見知らぬふたつの影があった。

 

「あら、リュウキ様、今日はカントー食セットなのですね。コーヒーには合わないのではなくて?」

「ん、珍しい」

「元はこっち派なんだよ。此処のは白で敬遠してたけど、まぁたまにならいいかなって」

 

 一人は金髪巨乳の女子で、もう一人は褐色痩身の女子といった感じだった。どちらも世間一般で「美人」だとか「かわいい」だとか言われそうなビジュアルをしていた。

 兄と美少女二人。怪しい組み合わせである。さっそく調査せねば。

 

「失礼しマニューラ」

「のぉ!?」

 

 空いた席があったのでひょっこり着席すると、三人はびっくりして腰を浮かしかけていた。

 

「ねぇねぇ、その卵焼きもらっていい? もらうね、はむっ。んぅ~? ちょっと甘さが足りないかな、ソーナンス級。お返しに飴ちゃんをあげるね。はい、あ~ん♡」

「い、いらねぇ……あと腹減ってんなら自分で注文しろ」

 

 久しぶりに兄妹愛を確かめていると、知らない二人から“くろいまなざし”を受けてしまった。

 ずいぶん攻撃性の高い女である。まあ、その理由は何となく想像つくが。

 

「あの~、そちらの方は……?」

「あぁ、こいつは……」

「アタシはキリノ。1年、ゴーストポケモントレーナー。性格は冷静沈着で他人に流されない。少し神経質な面もあるが、常に前向きで自信満々に現在を生きているようだ。誕生日は4月1日、血液型はSV型、好きな言葉は……家族愛だ」

 

 そこでアタシはこの男の妹だと自己紹介した。

 すると、件の二人はガラッと態度を変えてアタシを接待してきた。兄はそんな二人を見て不可解そうな眼をしていた。

 

「あら~! 可愛い妹さんですこと! あっ、タルトありますわよ? ぜひぜひお食べになって?」

「ん、リュウキブレンドを飲むべき。兄妹なら味の好みも同じはず」

 

 ふむ、なるほど。状況はだいたい分かった。

 こいつらリュウ兄の事が好きなんだな?

 で、リュウ兄はこいつらの好意に気づいてないんだな?

 

 まあ、リュウ兄の魅力に気づいてるあたり他の有象無象と違って審美眼があるのは認める。割と分かりやすく好意を示してるのも良い。

 けど、そんなもんでこのリュウ兄を堕とせると思ってたら大間違いだ。言っちゃアレだがリュウ兄はアホなので、好意も行為も曲解して受け取ってしまうのだ。急所には絶対当たらない。

 多分この三人、周りからは“そういう”風に見えてるんだろうなぁ。やっぱリュウ兄はバカだ。

 

「なんだよ」

「リュウ兄は成績良い割にバカだねって、改めて思いました。まる」

「はあ」

 

 端から見ると、リュウ兄はなかなか愉快な状況に置かれているようだ。

 しかし、面白がってばかりではいられない。アタシはリュウ兄の妹であり、いわば将来的にこいつらの義妹になるかもしれない存在である。全くの他人事ではないし、何か問題が発生するかもしれない。

 というのも、もし気に入らない相手が兄の嫁にでもなったらアタシの幸福度が著しく下がってしまう。これは死活問題である。

 他人の恋路を邪魔する奴はバンバドロに蹴られるらしいが、知った事ではない。アタシはアタシの幸せの為ならあくタイプにもエスパータイプにもなれるのだ。

 

「ねぇねぇ、連絡先教えてよ」

「えぇ! 喜んで!」

「ん、スマホどこしまったっけ……」

 

 珍しく、他人に興味が湧いてきたのを自覚した。

 

 

 

 という訳で、放課後二人に「三人で話そう」と言ってテーブルシティの喫茶店にお呼び出しする事にした、

 相手は先輩でもこっちは妹だ。兄の嫁になるつもりなら、アタシの義姉になる覚悟をもってもらわないといけない。

 

 店にやってきた二人に座ってどうぞと席を勧め、軽い雑談を交えて彼女等のパーソナリティを探る。

 怪しまれないように、出来るだけ自然体で答えられるよう誘導する。日常会話の中に質問を混ぜて、それらの回答を数字に置き換えてパラメータを作る。人間というのは構成要素が複雑で、質問するだけで人格の全てが分かるはずもないが、目安にはなる。

 別に直球で訊いてもよかったが、こうした方が楽しそうだったので、やってみた。割と楽しい。

 

「ふむふむ」

 

 まず、金髪巨乳お嬢様のシンラ。

 シンラは如何にも上流家庭に生まれましたとばかりの振る舞いをしていて、会話の端々から厳格な教育を受けている素地がある。語彙の豊富さから高い教養と、余裕――に見える技術だ――があった。

 けれども、その割には兄に関する事には一般人的な感性が働いている様で、話から察するにお家事情と思春期女子思考がせめぎ合っている様に思えた。

 

 次に、褐色肌の低身長お嬢様のアニス。

 アニスはそれとは分かり難かったがシンラ同様ドラゴン使いの旧家出身であり、シンラと同等の旧家的教育を受けてきている様であった。

 けれども、アニスの根本的な感性は庶民のそれに近く、どちらかと言えば普通の女の子といった感じだ。

 

 まあ、だいたい分かった。

 二人の人格はある程度把握できた。欲求の方向性と精神の向きも理解した。100パー合致はしないだろうが、75パーは合ってると思う。

 

 シンラの本質は外交的な外交官タイプ。けれど、周囲からの感情と経歴が持って生まれた特質を抑え込んでいる。

 アニスは内向的な番人タイプ。受けてきた教育と感性がちぐはぐで、常にちょっぴり傷ついている。無意識に庇護者を求めているのかもしれない。

 

 どちらも、共感はできないが理解はできた。

 兄やアタシへの攻撃性もない。時間をかければ仲良くなれるだろうと思った。

 

「シンラもアニスも、リュウ兄の事大好きなんだね」

「なっ……!?」

「えっ」

 

 とりあえず、今日のところはこれくらいでいいと思った。危険がないと分かったなら、あとは時の流れに合わせるだけだ。

 本当なら何故兄が好きなのか、今後どうしていきたいのか根掘り葉掘り訊きたいところだったが、それは次の楽しみに取っておこう。

 

 シンラもアニスも、未だ愛を知らぬ処女であった。

 恋に焼かれるか、その先の愛を育めるか、見物しようと思った。

 ま、どうなっても兄が幸せならそれでいい。少なくとも、この二人なら兄を不幸にはしないだろう。

 

 兄の幸せは、アタシにとっての幸せでもあるのだ。

 

 

 

● 〇 ●

 

 

 

 パルデアのアカデミーは、創立約800年を誇る歴史ある教育機関である。

 そんなモンが今なお存続しているのには、相応の理由があるものだ。

 アカデミーの間口は広く、在籍生徒の年齢幅は勿論、学習内容や研究内容もまた幅広い。教鞭を振るう先生方も皆さん個性的で、芸人か部隊役者かみたいな人が結構な数いるあたり相当だ。

 言ってしまえば、バカも天才もごっちゃになってるのが、この学校だった。

 

 そんな学校で、アタシが在籍しているクラスは一定以上の知能指数を持つ生徒だけが入れる特進クラスであった。

 教室には、上は20代から下は10未満までの生徒が集まっていた。彼ら彼女らは皆、例外なくアタシ同様に頭が良いらしい。

 そんでもってどいつもこいつもキャラが濃い。如何にも勉強できますみたいなメガネ君から、如何にも勉強できませんみたいなギャルちゃん。果てはアタシより年下の女の子やロモジちゃんが好きそうな優男系マント君もいた。

 賢い子ってのは不思議ちゃんが多いのかもしれない。彼らに比べればアタシのキャラは薄く感じてしまう。

 

「ほえ~、やったねボチ。アタシ首席だってさ」

「わふっ」

 

 と思っていたら、アカデミー最初の小テストでアタシがクラス一位の点数を取ってしまった。

 確かに此処の授業はスクールでの勉強より難解な内容ではあったが、ちゃんと授業を受けていれば解ける内容だと思った。むしろ此処の先生は話の要約が上手いので、スクールよりも分かりやすいと思う。

 

「へぇ! キリノちゃん理数系全部満点なの!? すごいねぇ!」

「バトル学も最高評価だ。すっごいな~」

「でも倫理の点数だけ異様に低いの何で?」

 

 テスト後。アタシはクラスの子たちに囲まれる事となった。

 如何せん入学当初のアタシは兄と手持ちとドラゴン令嬢としかコミュをしていなかったので、クラスには友達と呼べる存在はいなかった。

 つまり、アタシに集まってる子たちは皆他人なのである。誰も彼も好きでも大切でもない人たちなので、そんなのに囲まれてはアタシの心がどくどく状態だ。

 

 ふと、その時、アタシの脳裏でデンリュウが走った。

 ほう、ロモジちゃんとの経験が活きたな。この子ら、みんな友達にしちまえばよくね? と。

 

 先手必勝、善は急げだ。最初の一手としてアタシはその時近くにいた生徒たちで勉強会なるものを開こうと提案してみた。すると、勉強好きの彼らはいいねいいねと乗ってきた。

 そしていざ会を開くと、彼ら彼女らはアタシが思っていた以上に賢い事が分かった。少なくとも、ロモジちゃんより全然頭が良い。

 で、不思議な事に頭が良い子というのは総じて面白い子であった。脳の回転が早いからか会話がスムーズで、知識が豊富だからかユーモアにも長けていた。

 

 そんなこんなで数日後……。

 

 気が付くと、特進クラスは三つのグループに分かれていた。

 アタシの友達のAグループと、アタシの友達じゃない人たちが群れてるBグループ。それと誰とも仲良くないCだ。

 

 面白い事に、Aグループの大半は成績優秀者が占めていた。そして、その雰囲気もまたふんわりしていた。

 対し、Bグループはヘルガーとルガルガンとゾロアークの寄せ集めといった雰囲気で、彼らは一様に勉強できそうな見てくれをしていた。ちなみにCはバリコオルかサーナイトみたいな感じ。

 パッと見、Aは普通のバカっぽい学生に見えるし、Bは成績優秀な生徒に見えるだろう。だが、実際は逆であった。

 

 そんな中、アタシはAの中の隅っこに属し、決して王様やリーダーといったポジションには就かなかった。

 カヤ姉じゃあるまいし、アタシに大将は向いてない。それに彼らは烏合の衆でもないのだ。放っておいても問題なんて起こさない。

 なんというか、ユルかった。

 

 Aはそんな感じだが、Bの方は割とムクホーク的というか、野生ドラゴン的というか、身内にも身内意外にも割とバチバチやってて必死そうな雰囲気だった。

 どうやら、いつも努力をしてないと不安であるらしかった。

 

「キリノさん、今日の放課後、第三グラウンドでポケモンバトルをしませんか?」

 

 さて、そんな学校生活で、ちょっとした事件があった。

 Bグループの一人のマント君が、アタシに喧嘩を売ってきたのだ。いや喧嘩というかバトルなのだが、アタシはそれを喧嘩を売られたのだと認識した。

 

 相手はリュウ兄と同い年くらいに見える優男風マント君で、未だ11歳のアタシに喧嘩売るとかどうなってんだと思った。何やらお互いの為になるとか勉強では負けるが云々云々……ぶっちゃけ途中からムウマの頭を撫でるのに夢中で聞いていなかった。

 で、最後に有意義なバトルをしようとか言っていたが、その眼は何か他の感情に満ちていた。アタシにも分かるくらいあからさまに。

 

 バトルの前に情報通のAの子に訊いて見ると、どうやら彼はとあるドラゴン使い一族の子であるとか。なるほどあのマントはそういう事か。

 そんなドラゴン使い君が何故アタシに喧嘩を? と思い訊いて見ると、どうやら彼はドラゴンポケモンを6匹手持ちにしているリュウ兄の事が気に入らないらしいとの噂で、そんな気に入らない奴の妹をボコしたいんじゃないかと……。

 いやいや、普通にリュウ兄に凸ればいいじゃんと思ったが、それはそれで兄を囲っているフスベソウリュウコンビの前では難しいのだと。加えて彼はアニスの事を狙ってると……。

 

「えぇ……?」

 

 ぶっちゃけ、理解も共感も難しい感情であった。

 もし噂通りの理由で喧嘩売ってきたのだとしたら、マジでこんな奴実在するんだって気持ちである。

 えっ、そんな事して何が楽しいの? という気持ちもある。

 

 仮にアタシをボコボコにできたとて、新しくドラゴンポケモンを手持ちにできる訳じゃないし、件のご令嬢の気を引ける訳でもない。

 一体全体、何の得があるのだろう。

 

 そんで放課後、マント君曰く有意義なバトルとやらが始まったのだが……。

 

「クリムガン! ジヘッド! 戦闘不能! キリノちゃんの勝利!」

 

 普通に勝った。

 

 真のダブルバトルをご教授しようとか言ってきたマントくんに、アタシは人生初のダブルバトルで圧勝してしまった。

 しかも、これまでろくにバトルしてこなかったボチとムウマのコンビで。

 

「そんな……」

 

 見ると、バトルに負けたマント君は間抜け顔を晒して棒立ちしていた。

 ギャラリーのAの子がはしゃいでいる。Bの子は薄笑いを浮かべている。Cの子は見に来ていない。他のクラスの子もいたが、雰囲気に乗ってアタシに歓声を贈っていた。

 

 もう一度、マント君を見た。

 年上で、背が高くて、端正な顔をしている彼の顔色は真っ青になっていた。「嘘だろ?」とか、「そんな馬鹿な」とかが顔に書いてあった。

 あんまりにも、分かりやすい表情をしていた。

 

 それが、なんというか、こう……。

 

「ふへっ、ふへへへへ……!」

 

 その時、アタシの中にむくむくメラメラと“楽しさ”が湧き上がってきた。

 しかし、その源泉が分からなかった。

 

 勝利の喜び? いや、それは全然なかった。自分より弱い人と戦っても、相手が可哀想なだけで喜びはない。

 優越感? それもしっくりこない、今さらだ。普段から彼はアタシより成績が悪いし、今示されたようにバトルも弱い。そもそも、能力の優劣を見て感情が動くような性格なら、アタシは今頃もっと拗れた性格をしていただろう。

 なら、承認欲求だろうか? ギャラリーから賞賛されて嬉しくなってるのだろうか? どうだろう、これも違う気がした。第一、アタシは目立ちたがりではない。アイドルに憧れないし、インフルエンサーにも全く憧れない。いいねやフォロワーやフレンドの数で一喜一憂するのは正直理解できない。

 

「ザコじゃん……」

「え……?」

 

 強いていうなら……。

 尻尾を振って走り寄ってくるボチを見た時か。

 あるいは、悪戯を成功させてニシシと笑うムウマを見た時か。

 そういう、何か強い感情を放っている存在を見た時に、近い気がした。

 

 青い顔のドラゴン使いのマント君。

 悔しそうで、恥ずかしそうで、現実を受け止められてない表情。

 この人が、もっと感情的になってるトコが見てみたい。

 

 今、この人煽ったらどんな顔するんだろう?

 今、この人に恥かかせたらどんな言葉を返してくれるだろう?

 

 気になる。やってみたい。いや、やるべきだ。

 だって、そっちのが楽しい。

 

「ざぁ~こ♡」

「な、に……?」

 

 PVPのオンゲで遭遇した事のある、煽ってくるばかりの悪質プレイヤー。そういう人を見ると、なんであんなくだらない事するんだろうと心底理解できなかったし、共感もできなかった。

 けれど、今ならその一端が分かる。多分、彼らが煽る理由とは違うのだろうが……。

 

「ざぁ~こ♡ ざぁ~こ♡ アタシより年上なのに負けちゃって恥ずかしくないのぉ? 自信満々にバトル挑んできて、初めてダブルバトルした相手に? 未進化ポケモンに負けちゃって? よっわいねぇ~!」

 

 自然に口角が持ち上がる。自然に横隔膜が震えてる。目は口ほどにものを言うとあるが、今のアタシはまさにそうなんだろう。

 ああ、楽しい。めっちゃ楽しい。煽られて顔真っ赤にしてる人を煽るの。

 

 いや、違うな。これは煽り相手が彼みたいな奴だから楽しいのだ。傲慢で、高慢で、自分の事を強いと思ってる人が……いやこれも違うな。

 

「ねぇねぇ? 今どんな気持ち? 年下の女子に負けて今どんな気持ち? 君、指揮下手だよね? ポケモン、全然言う事聞かなかったね? 才能ないんじゃないの? ねぇ、勝てると思ってたバトルにさ? 自分が有利なバトルにさ? 負けちゃった気分はどぉう?」

「くっ……お前!」

 

 あ、そうか。あれだ。

 

「ふへへっ……!」

 

 アタシは自分より弱い相手をいたぶりたいんじゃない。

 バトル相手に、勝ち誇りたいんじゃない。

 

「……ざぁ~こ♡」

 

 ――身内に害ある人を攻撃して、喜んでるんだ。

 

「……くっ! テメェぶん殴ってやる! このクソガキ!」

 

 マント君がキレた。おもしろ。

 瞬間、ギャラリーの一部が暴れ出したマント君を羽交い絞めして抑えていた。

 陸のコイキングみたいだ。

 

「ねぇねぇ? 兄に手を出せないからって妹に当たるのって惨めにならないのぉ? そんで負けたんだから、次は誰にバトルを挑んでストレス発散するのかなぁ? 話しかけたらポケモンバトル? 目と目が合ったら憂さ晴らしなのかなぁ? 君の家ではそういう風に教わったのかなぁ? かわいそうなお家だねぇ!? 残念な育ちしてるんだねぇ!?」

「このっ! 離せ! クソ! ガキが! ぜってぇ潰してやる!」

「んん~? お父さんに言うのかなぁ? お母さんに言うのかなぁ? 筋違いの嫉妬に狂ってクラス首席にバトル挑んで負けました! 悔しいのでやり返してくださいお父様ぁ~って?」

「ぎぃ……!」

 

 マント君はもう言葉も出ないのか、人間らしい言語が出てくる事はなかった。頭に血が上り過ぎて、運動性言語野が上手く動かないのだろう。

 見ると、Aグループの子の一部がアタシの振る舞いに若干引いている。明日から、あの中から何人友達が減るかな。

 

「ふへへ、楽しいなぁ……」

 

 それにしても、楽しいバトルだった。

 こんな経験、めったにできないぞ。乱用しては脳が壊れるな。積極的に味わいにいくのも面倒が多そうだ。

 ほんのり幸せに生きたいアタシとしては、ほんのスパイス程度に考えておこう。

 

 あー、いや、でも……。

 

「ふへへっ! 癖になりそう……!」

 

 チャンスがあれば、やっていこう。

 そっちのが、きっと楽しい。

 

 

 

 アタシは、割と邪悪な性格をしていたようだ。

 そういう自分も嫌いじゃない。

 自己肯定感は高いのだ。




 感想投げてくれると喜びます。



 つまり、メスガキという事。

 以前頂いた感想で、メスガキオカルトマニアという天啓を得て子供編を書くとなってから、娘の一人はこういう性格にしようと思ってました。
 ただ、上手く描けているかはちょっと自信がないです。現状、表面しかなぞれていませんね。
 メスガキは奥深いですね。
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