【完】再会した幼馴染オカルトマニアちゃんにお薬飲まされて何やかやあった後の話   作:いらえ丸

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 感想・お気に入り登録など、ありがとうございます。
 誤字報告いつもありがとうございます。

 感想もいつも感謝です。書く原動力になってます。
 もう少しで後日談も完結ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

 カヤノ編、リュウキ編、キリノ編の最後にあったスマホの着信。
 その一か月後のスタートです。

 アンケートのご協力、ありがとうございました。
 眠る前のキリノが思い浮かべたのは、「みんな」という事になりました。
 そのようにします。



【カヤノ編5】天使にバースデー・ソングを…

 家族が増えるよ!

 やったね、カヤちゃん!

 

 という報が届いたのは、今からちょうど一ヵ月前の事であった。

 

 

 

 何気ない放課後に、それは唐突に送られてきた。

 清潔そうな病院のベッドで赤ちゃんを抱くママと、その隣にいるパパと、カメラに向かって決めポーズを取っている双子の写真。

 幸せいっぱいな光景であった。

 赤ちゃんめっちゃかわいかった。

 

 けど、私視点それは、「ウェーイwwwお姉ちゃん見てるぅ~?www」という煽りに他ならなかった。

 

 えっ、いつの間に仕込んどった?

 えっ、そんなんもっと前に言ってよ。

 えっ、生命誕生の瞬間、立ち会わせてよ。

 

 そういう気持ちである。

 蚊帳の外の気分というか、仲間外れにされた気分というか、いや気遣いなのは分かってはいるんだけどさ……。

 

 端的に換言すると……、

 

「は゛や゛く゛あ゛い゛だい゛ッッッ……!」

 

 こうであった。

 

「うわ! 会長いきなりなんですか!」

 

 心からの叫びがアカデミー生徒会室に木霊し、それにビックリした書記ちゃんの肩が跳ねた。

 叫びつつ、私は生徒会の仕事を超高速処理しまくっていた。

 

 溜ってたモノ全部。今あるモノ全部。それから近い未来ありえるかもしれないモノも全部。

 マウスを走らせクリックかちかちカタカタカタカタタイピングしまくっていた。

 

「だっでぇええええ! 私が忙しそうだったからって連絡もなしに産んじゃうんだもんマ゛マ゛ァアアア゛! 私子供好きなの知ってるくせにぃいいい! 忙しいけどさぁ! 忙しいけどさぁ! それでも家族優先したいぢゃぁああああんッ! あァァァんまりだァァアァ! HEEEEEYYY!」

 

 叫びながら嘆きながら、次から次へと流れて来る作業を捌き続ける。

 本来の世界線なら、私も分娩室前でスタンバっていたはずなのだ。だが、時は戻らない。生まれたてほやほやの弟――元気な男の子らしい――をこの胸に抱く事叶わなかったのだ。

 それもこれも前任の生徒会長がろくな引継ぎもせずに私に丸投げしてきたのが悪い。今なら怨念エネルギーでダイマックスしそうまである。

 

「まぁまぁ、どっちみち長くはいられなかったんですから。それに、明日会えるんでしょ? 弟妹さんも一緒に」

「そう! 楽しみぃぃぃぃ!」

 

 書記ちゃんの言う通り、赤ちゃんとは明日ついに面会可能となったのだ。リュウくんとキリちゃんも一緒で。

 明日明後日明々後日、アカデミーは三連休だ。この機にご対面である。

 それに、明日はちょうどハスくんとハクちゃんの誕生日である。愛しの双子の誕生日会、何があっても絶対行ってやる!

 

「だからって無茶しないでくださいよ。なによりお体を大切にしてください。エナドリは禁止です」

「了解! ツボツボなましぼりエナジードリンク! ンビ!ンビ!ンビ! ンまあーいっ! うおォン! 私はまるで人間ほのお発電所だ! しみ込んで来やがる……体に! お姉様、アレを使うわ! ええ、よくってよ! やぁッッッってやるぜぇええええええ!」

 

 このあとめちゃくちゃ作業した。

 

 

 

● 〇 ●

 

 

 

 そんなこんなでハスくんハクちゃん誕生日当日。三連休開始日にして、新たな家族と初対面の朝がやってきた。

 昨晩は文字通り徹夜をしていたので一周回ってテンションは最高だ。何度も何度も荷物を確認し、双子ちゃんへのプレゼントを用意したのだ。

 こんなにワクワクするの久しぶりである。

 

「リュウくん! いくよ」

「はあ? 今何時だと思ってんだよ……」

 

 朝一で同行者を迎えに行くと、リュウくんはまだ眠っていた。

 一緒に行こうかと思ったが、リュウくんは後で来るとの事。

 

「キリちゃん! いくよ!」

「ごめんカヤ姉、アタシもうちょっと準備してから向かうね」

 

 続いてキリちゃんを誘うと、なんか色々荷物を整理しているみたいだった。

 用意周到な妹らしい。旅でもあるまいに、色々持ってくものがあるのか。キリちゃんも後で来るとか。

 

 仕方ない、ちょい寂しいが、一人で行くしかない。

 いや、むしろ好都合と考えるんだ。今行けば一番風呂ならぬ一番弟を堪能できるのは私だ。これは姉である私にこそ相応しい。

 そうとなっては善は急げだ。寮抜け門抜け、タクシー乗り場にレッツゴーである。

 

「運転手さん、マックススピードでお願いします」

「へ、へえ……まぁお急ぎってんなら……」

 

 私はリュウくんとキリちゃんに先んじて、一人そらをとぶタクシーに乗り込んだ。

 

「ただいまー! ハスくんハクちゃん、お姉ちゃんが帰ってきたよー!」

 

 空の旅もそこそこに、私は愛しの我が家へと帰ってきた。

 だだっ広い家なのでいちいちチャイムで呼び出すのもアレかと思ったのだ。

 それに、此処は実家なのである。何を遠慮する事があろうか。

 

「あ! カヤちゃん!」

「久しぶりー!」

 

 玄関ドアを開けると、そこには本日誕生日を迎えたハスくんとハクちゃんがいた。

 二人は今日が誕生日というのではしゃいでいるのか、既に頭にご機嫌な帽子を被っていた。

 

「ハスくんもハクちゃんも久しぶりー! わぁ! おっきくなったね~!」

 

 勢いそのまま二人を抱き上げると、前会った時より身長が伸びている様だった。

 最近はアカデミーに隔離されていたので、久しく接種する家族成分が最高にキマる。

 抱き上げられた双子もキャッキャと喜んでくれてるので、これぞウィンウィンだ。まさに幸せスパイラルである。

 

「あら、カヤちゃん早かったね。先に荷物下ろしてらっしゃい」

「はぁい」

 

 家族成分を吸収してるところに、エプロン姿のママが現れて云った。

 ママはつい一ヵ月前に出産したとは思えないくらい元気そうで、今も双子ちゃんの為に料理の準備をしているようだ。

 

「二人にはちゃんとプレゼント用意してるからねー」

「「アギャス!」」

 

 名残惜しいが、双子を解放してから私は自分の部屋に荷物を置きに向かった。

 

 マリナードタウンに居を構える我が家は、おそらく町内で最も大きな家である。

 外観はガラル様式に見えるが、中身は各地方の寄せ鍋状態である。内も外も、けっこう変わった家なのだ。

 単純な敷地の広さもさることながら、その間取りもまた3とか5とかのLやDやKでは収まらない。先述の通り内装もまた独特で、ジョウト式の畳部屋があるかと思えば、パルデア的なリビングやカロス風の客室があったりする。曰く、パパママが結婚する前に行ってた旅の思い出を詰めに詰め込んだ夢のマイホームらしい。

 門を潜れば車数台が余裕で入るガレージがあり、玄関前の庭には大型ポケモンが駆けっこできるようなスペースと、いつでもポケモンをウォッシュできる水浴び場もある。

 それに加えて裏庭やバトルコートやホームジムやら色んなものが、これでもかとぶち込まれているのが我が家である。

 スクール時代、友達を誘ったら皆びっくりしていたのを覚えている。

 

 そんな家の二階にある一室が、私の部屋だ。

 ベッドに机にクローゼット。我ながら飾り気のない自室は、私が旅に出た時から何も変わっていなかった。ママか、あるいはイエッサンが綺麗にしてくれていたらしい。

 

「懐かしいね」

 

 ボールの中のポケモンに呼びかける。

 この気持ちが分かるのは、ブラッキーとマスカーニャとダークライだけだ。思えば、他の子は外で出会ったポケモンだった。

 私にとっての家が此処であるように、ダイケンキにとっての家は私自身なのだ。安心できる親でありたいと思う。

 

 っと、こんな事してる場合じゃねぇ。

 私は洗面所に向かい、手洗いとうがいをするのであった。

 

「か、かわいい……!」

 

 やがて出会った弟は、ベビーベッドですやすやと眠っていた。

 写真でみたマノキ――弟の名前だ――くんはちっちゃなヒコザルみたいだったのに、一ヵ月も経つと凡そ多くの人が想像するだろう人間の赤ちゃんになっていた。

 本当は抱っこしたかったが、流石に安らかに眠る弟を邪魔する訳にもいかず、私はただただボケーッと赤ちゃんの寝顔を見つめるのであった。

 心が癒されるというか、心が満たされていくのが分かった。元来、家族といるとHPを回復できる私だが、こういった小さくて幼い子を見ているとHP上限を超えて回復していく心地であった。

 

 ピンポーン、と。

 そうして弟を眺めていると、来客を示すチャイムが鳴った。

 

「あ、私行ってくるよ。イエッサンはマノキくん見てて」

「リンリーン」

 

 流石に長い間見過ぎて首が痛くなってきたところだ。回復の為、広い家をダッシュして玄関へと向かった。

 多分、リュウくんかキリちゃんが来たのだ。

 

「はぁい」

 

 と玄関のドアを開けると……。

 

「ただいま」

「あら」

「ん」

 

 そこには、リュウくんがいた。それと、いつか見たリュウくんのハニトラ要員……否、義妹二人がいた。

 二人はいつもの制服とマントを着ておらず、如何にも質の高そうなカジュアルドレスを着ていた。

 ていうか、あれ? シンラちゃんとアニスちゃんて今日呼んでたっけと思ってリュウくんを見る。

 

「あー、なんか母さんが友達も連れて来いって言うから……。俺、呼べるのこいつらしかいねぇし」

「あー」

 

 ママにしては珍しい提案だと思ったし、意図も分からなかった。けれど何となく状況は理解できた。

 それと、何故私には友達を連れて来るよう言わなかったのかも分かってしまった。流石にこの家でも入り切らないと思うからね。

 

「あ、ごめんごめん! 来てくれてありがとね! さぁ上がって上がって!」

 

 納得したところで、一拍空けてしまった二人を中に招き入れる。

 二人はお上品な仕草で「お邪魔します」を言うと、リュウくんに続いて敷居をまたいだ。

 

「お休みの日なのに来てもらってありがとね。騒がしい家だけどゆっくりしていって」

「いえ、どうぞお気遣いなさらないでください」

「ん、子供は好きなので私も楽しみです」

 

 二人をリビングに通すと、ママがお茶を持ってきた。弟は二人をほっといて自室に荷物を置きに行っていた。

 私もその輪に混じると、しばらく女だけの空間になった。そこに双子も混ざると、きゃいきゃいと姦しいフィールドが構築された。

 

 ひょっこり戻って来た弟は、「赤ちゃん見に行くわ」と言って子供部屋の方に向かった。

 すると年頃の女子二人も件の赤ちゃんが気になったのか、丁寧に離席の挨拶をしてからリュウキについていった。

 

「カヤちゃんカヤちゃん、どっちがリュウ兄のオンナなの?」

「ハクちゃーん? 普段どんなモノ観てるのかなー?」

「カヤちゃんカヤちゃん、もしかしてどっちもリュウ兄のスケなの?」

「ハスくーん? 最近ヤンキー漫画でも読んだのかなー?」

 

 赤ちゃん部屋に移動した三人を見送って双子の相手をする。

 しばらく見ないうちに、なんかすごい教育に悪そうなモノを摂取してそうな雰囲気だった。まぁ、子供ってそういうの好きだしアレコレ言う気はないが。

 

 ピンポーン、と本日二回目のチャイム。

 するとすぐに、「ただいまー!」という聞き慣れた声が聞こえて来た。

 私の膝の上にいた双子ちゃんは、

 

「「キリちゃんおかえりー!」」

 

 と言って、私の膝から離れていった。

 

 双子に続いて私も玄関に向かうと、そこにはキリちゃん以外にも三人の姿があった。女子二人と、男子一人だ。

 その中のお嬢様っぽい女子はシンラちゃんみたいなカジュアルドレスを着ていて、もう一人の女子はフェミニン系のコーデをしていた。残る男子くんは割と華美な礼服? みたいなのを着ていて、背中にはめちゃくちゃ豪奢なマントを羽織っていた。何かのコスプレかな?

 お嬢様は知っているが、男女二人がちょっと分からなかった。いや、女の子の方は見覚えあるような……。

 

「お邪魔します。キリノさんに呼ばれて参りました」

「あ、ヘリアンちゃんね。うんうん……?」

 

 ヘリアン、その名前は知っていた。たまにアカデミーでリュウくんと話してるところを見た事がある。

 そんな彼女がなんでキリちゃんと一緒に来たのかは分からないけど。

 

「えーっと、カヤノさん……ですよね? キリちゃんの友達のロモジ言います。ウチのこと覚えてますか?」

「え? あっ、あぁ! ロモジちゃんね! はいはい! ごめんね今さっき思い出したよ! え、ホントにキリちゃんと同い年? おっきいねぇ~!」

 

 と思っていると、後ろにいた背の高い女の子は、キリちゃんの幼馴染であった。

 名前を聞くと、思い出す事ができた。というか単にビフォーアフターに違いがありすぎて分からなかったのだ。私の記憶のロモジちゃんはキリちゃんと同じくらいの大きさだったから。

 

 まぁこの二人は知った名であったが、さすがにもう一人の男子の顔には見覚えがない。まさかとは思うが、キリちゃんの彼氏だろうか。

 ややあって視線を送ると、彼は如何にも上流階級的な流麗な動きで挨拶してくれた。

 

「お初にお目にかかります。僕はキリノさんの学友のロライマと申します。この度はこのような祝いの席にお招きいただきまして、たいへん……」

「あ、ロライマ君、先に手ぇ洗ってもらっていい? あとそのダサいマントは脱いでってね」

「あ。はい」

 

 優雅なポーズのまま固まるロライマ君。どうやらキリちゃんとは親しいようだが、彼氏とかそういう関係ではなさそうである。

 

 ともかく新たに4人のティーンを加え、弟妹の誕生日会には予想以上に人が集まって来た。

 賑やかな誕生日会になりそうである。

 

 

 

● 〇 ●

 

 

 

 その後は、穏やかながらも楽しい時間が流れた。

 

 お誕生日会が始まるのは夜である。

 それまでに集まってきた人たちで親睦を暖めていた。

 赤ちゃんもいるので大はしゃぎする訳ではなかったが、それでもリビングには人数相応に楽しげな話し声が絶えなかった。

 

「リュウキさん……は、いったいどのようにして手持ちポケモンと接しているのでしょうか? 何かコツなどあればお教えいただきたいのですが」

「え? あぁ……いや、普通に?」

 

 なんか知らないけど、ロライマ君はリュウくんに積極的に話しかけていた。

 割とコミュ力の低い弟は、如何にもエリート風なロライマ君との会話に上手く応えられてない様だ。

 

「へぇ、キバゴって可愛いのね」

「ん、この子はタマゴから育てた。同種の中でも大人しい性質」

「ドラゴンでも、やはり個体ごとに違いがあるものですわ」

 

 女子三人は固まってお茶をしていた。

 ヘリアンちゃんがお嬢様なのは知っていたが、曰くハニトラ要員であるらしいシンラちゃんとアニスちゃんも普通にお嬢様ムーブをやっていた。

 リュウくんの言うサークルって、何のサークルなんだ。お嬢様サークルにリュウくんが入る訳ないし……ちょっと分からない。

 

「ふへへ、ほら高い高ーい!」

「うわ! 僕もうそんな歳じゃなウィヘェェェェイ!」

「キリちゃんわたしも浮かせて! ウィヘェェェイ!」

 

 キリノちゃんは双子と戯れていた。

 この子、意外と下の子の扱いが上手いのだ。私ほど露骨に家族大好き勢ではないが、私同様に家族愛の深い妹なのである。

 あと、キリちゃんはさっきから私を除く女子勢にチラチラ視線を送っていた。警戒してるのかな? 何だろう、これも分からない。

 

「ふ、震えるぞハート……燃え尽きるほどヒート……! あぁ……ちくせう! ナマモノに手ぇ出すんは流石にアカンやろウチ……! しかも対象が自分の彼氏と友達の兄とか業深すぎやろ……! くっ、でも悔しい……イイ!」

 

 ロモジちゃんはリュウくんとロライマ君の隣で悶えていた。

 まるで男二人を侍らせてるような構図だが、実際には一切会話に混ざっていない。でも楽しそうだ。

 

「あ、そろそろおっぱいの時間。カヤちゃん、こっちやっといてくれる?」

「うん、任せて」

 

 誕生日会前、私はママと一緒にお料理の準備をしていた。

 今夜は双子の誕生日パーティ。しかもそれなりの人数がいるので、作るお料理もいつもの量じゃ足りない。流石にママ一人だとキツそうだったので、私もお手伝いしているのだ。

 

 そんな中、そろそろかなと思ったタイミングでチャイムが鳴った。

 ママも私も手が離せないのでイエッサンに向かってもらう。

 すると……。

 

「ハァッピーバースデー! カエデさんトコで一番いいのを作ってもらったぞー! 産地直送だ!」

 

 我が家の大黒柱のパパがやってきた。

 パパはこれまたご機嫌な帽子を被っており、どこをどう見ても浮かれていた。

 また、その手には煌びやかな包装のケーキボックスがあった。

 

 ついに、家族全員が揃った。

 パパとママと、私とリュウくんとキリちゃんと、ハスくんとハクちゃんと、生まれたばかりのマノキくん。

 それとリュウくんの友達と、キリちゃんの友達。

 

 みんなで、ハスくんとハクちゃんの生誕と、新たな命の存在を祝うのだ。

 

 

 

● 〇 ●

 

 

 

 その日、私は思い出せなかった。

 この家に、“あく”の化身がいた事を。

 

 ゴーストも眠る丑三つ時。 

 法も倫理も通用しない。己の欲を満たす者。

 それは、迷える仔に甘く囁くのだ。

 

 私は、止められなかった。

 ぐっすりと、幸せのまどろみに吞まれていた。

 

 私は、後になって知ったのだ。

 すべてが終わっていた事を。

 

 なにもかも、彼女の掌の中であったのだ。

 

 

 

「ふへへ……計画通り♡」

 

 

 

 闇夜の奥で、悪の華が咲いていた。




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