転ヴェル、転生したらヴェルドラだった件 P.S.タスケテ 作:転生しても物書きだった件
定命の者という単語がある
とあるすっごい面白いオープンワールドゲームでさんざん聞いた言葉
定められた命で定命
つまりは限られた命で生きる者のことを指す。
なぜこんなことをいうかというと
絶賛死んでいるからである。
死んでいるのは少し違うか。
今風にいうなら
1リビングデッドな名無しさん
今走馬灯見てるけど、質問ある?
って感じだろうか。
焼け付くようにあっつい体と冷めた頭が勝手に現実を受け入れる
死にたくない。まだ生きていたい。
主人公にはついぞなれなかったけど
せめてあのドラゴンボーンのように武勇に生きてみたかった。
強く、逞しい体と力で弱きを助けるようなそんなカッコイイ英雄に…………
※※※
な れ ま せ ん で し た
時は死んでから体感でべらぼうに年が過ぎ去った頃!
異世界転生を果たした僕の身体はドラゴンになっていたのだ!
黒い鱗に覆われ黄色い爬虫類のような目
剣も魔法もある世界で今ドラゴンとなった僕がしていることは…………
「……くぁぁぁ」
ドーム状に覆われたバリアの中で毛繕いならぬ鱗繕いをしている真っ最中。
走馬灯中の誓い通り弱きを助けた。
魔物側だったので加護的なのを与えたり、用心棒みたいなことをしたり
作物が干上がりそうなら死に物狂いで力をつけ雨を降らせたり風を吹かせたり
それはもう何から何まで手を出した。やってないことといえば子孫繫栄と身内への反逆ぐらいだ。
「四匹しかいない竜種って言われてもなぁ…普通ドラゴンってたくさんいない?ドラ〇ンボ〇ルでももっといたでしょ。まあもっと正確に言うならドラゴンの姿してる始祖精霊だけど」
ちなみに魔物に肩入れし過ぎて人間の反感をあっという間に買ってしまい。
しかもバタフライエフェクト的なあれそれで壊滅的な災害をもたらしていたみたいだ。
助けに来た姉さんにはこの地で眠って力を蓄えてこれを破壊する。
などと大見えを切ってしまったのであと50年ぐらいは顔を見せないだろう。
「暇だ…」
封印された原因は勇者。
間接的にはおそらく僕を従えようとした国を一つ更地にしてしまったことが原因なのだろう。
大いなる力には大いなる責任が伴うて全人類の隣人の叔父さんが言ってたし、これも一つの罰
そして因果応報でもあるのだろう。
200年ぐらい経過したっぽい世界がどう変わっているか非常に気になる。
どれくらい気になるかというと生前連載していた漫画の最終回並みに気になる。
こうしてさらに80数年
間違いなく姉さん僕のこと忘れてることが確定して30年。
暇で暇仕方ない。ドへたくそパーカッションを練習し始めた頃変化は起きた。
「なにかいる…………?」
何時頃からいたかはわからない。そこに何故か一体の魔物がいた。
それは……スライムだった。
※※※
「もし、そこのスライムさん」
「……?」
「聞こえてますか?」
下手にでる巨大な影。初対面にこうするから下手になめられ
それもまた要因となりあれそれがあったことがあるというのに未だに治らない悪癖を披露しつつその影は一匹のスライムに問うた。
「魔力を介して話しているため貴方にも聞こえ、しゃべるはずです」
『え、まじ?』
胸をなで下ろしてほっとする影。
顔を近づけできうる限り同じ目線であろうとする。
「初めましてスライムさん。ここにはどういったごご用で?」
『いえ、特に何も……目も口もないもので』
「目が見えない……スライムというのなら道理ですね」
むー……とすこし唸る。そして出た結論は
「魔素を感じてここがどこであるか認識してください。こう……頭で広がる何かを受信するような感じで」
『受信……?』
「えと……こうびびっと?」
『ふむ……うーーー…………ん!!』
スライムが唸り少しした後
喜び飛び跳ねる。
『見える!みえるぞ!……あ、そだ』
飛び跳ね水面で己が姿を確認する。
そしてすこし落胆する。
『やっぱオレ、スライムか……』
「見えたようでよかったです」
そしてスライムが初めて目にしたのは超巨大ともいうべき黒き竜だった