転ヴェル、転生したらヴェルドラだった件 P.S.タスケテ 作:転生しても物書きだった件
「説明、願えますか?ヴェルドラ様?」
僕は只今、
腰に無銘の業物を携え、絹織物をその身に纏ったいわゆる和風スタイルになった僕は
机の上に置かれた以前持っていた剣【
「ひとまず、久しぶりです
「ええ、それについてはヴェルドラ様も何よりでございます」
(どうせ森の全てを把握しているのに説明するもなにも……)
「ご説明、お願いします。我らが神?」
封印前も吞気に辺りに恵を与えていた僕を止めたりだとか、ルミナスとも通じてなにやらしていたみたいだし頭が上がらない。
「ぜひ復活の吉報をヴェルザード様やルミナス様に伝えてもいいのですよ?」
「そ、それだけは勘弁を!」
神妙な面持ちでそれを聞いていたリムルはいよいよにやけが止まらなくなっている。
「そこのリムルの方が事細やかに把握してるかと」
「ヴェルドラおまえ!?」
互いに足を引っ張りあい、どうにかこうにかトレイニーを説得ないし説明を終える。
それで生まれた結論は
「ではこの魔剣はこの村に置いておくとしましょう」
「知る人が見れば晴嵐竜の権威の象徴ですからね……」
「それに全盛期に足らない力しか持たないヴェルドラ様ではどの道、十全に振るえないでしょう?」
「おっしゃる通りで…………」
全盛期の何万分の一程度の力しか出せないこの分身体に意識を宿しただけの魔竜では
剣を持ったとしても扱いきれないのはわかりきっていたことだ。
「ドワルゴンで造られた竜種専用の大剣……か」
この魔剣は別に竜種でしか扱えないというモノではない。
ただ膨大な魔素を有していないのであれば魔素をすべて剣に持って行かれるというだけだ。
空間属性の斬撃を放ち、治癒が難しい深手を大地にすらも与える……実はとある魔王に勝つためにそういったようにした剣。
ゲームならアーティファクトやらなんやら言われたい放題になるであろうそれは
一旦この村に置かれることになった。
「話はそこそこに……トレイニー、全盛期の僕を知る君に問います。かの
「残念ながら
「となると……
「だな。ソウエイがその件は動いてくれている。俺たちは部隊の編成、武装を整えないとな」
食べた獲物の能力を得るリムルと同じような能力を持つ彼らにとっては
道行く多種族は進化を促す糧でしかないのだろう。
※※※
とある魔王の領地にて
「ヴェルドラが復活とな?」
「はい、ジュラの大森林に放っていた間者によりますと微量ではありますがかの邪竜と同じ魔素を持つ金髪の男性が確認されたそうです」
「ふむ……肌の色は?」
「色……と申されますと?」
「黒や白、もっと言えば赤などあるじゃろ」
「……確認してまいります」
オッドアイの少女はため息をつき、確認に向かった神父を見送る。
「数百年前の邪竜との決闘からそなたが恋しいぞ、玲瓏竜ヴェルゼルードよ」
※※※
軽くて丈夫、それに何よりも生前着慣れ……てはない着物のような衣服はなかなかうまく着ることができない
そもそも人型もつい最近久々になった姿であり、竜の頃と視点が違うからすこし違和感すら覚えている。
で、ひとつ問題が提示された。
「上ってつけた方がいいのか?」
「知りませんがぁ!?」
女性歴一ヶ月のリムルはそんな疑問を僕にぶつけてくる。
「ヴェルドラくんさぁ?オレを女にしたんだからそういうのも考えてるんだよなぁ?」
ニヤニヤ顔で僕に近寄ってくる盟友約一名。
こういう時水を得た魚になるのはどうなのですかね!
「せっかくだ、大賢者。ヴェルドラ本体から好みの女性をリサーチして姿を真似てくれ」
「ちょっとぉ!?」
魔素で構築された黒霧がリムルを包み、その姿を変えていく。
ポニーテイルにくびれた腰、そして豊かな……って!
「ストーップ!プライバシーの侵害です!」
「オレを女にしたんだ。責任ぐらい取れ!」
「ヒェェェ!!」
その日、リムル・カームが女性であること、そして僕ことヴァロはリムルに大きく出れないことが周知の事実となるのでした。
くそぉ!こうなったらもうやけですよやけ!
「じゃあ、子でもなしますか?本来ものすごく危険な行為ですが」
「子どもって……ん?危険?」
「折角なので魔物が繫殖におけるデメリットを伝えましょう」
本来ならば名付けと同様に子どもを成すという行為は自身の魔素を子どもに分け与えるため親の弱体化が見込められる行為。
そうでもしなければ子どもは弱肉強食である環境下で生き残ることはできない。
この仕組みは僕の兄であり様々な
「ここからはただ単純な好奇心ですが、名付けを行ってもリムルは魔素を著しく消費するだけに留まっており、弱体化はおろかメキメキと力を付けています。それが子を残した場合でも適応されるかどうか…………」
「お前今すっごい変態な感じだぞ、大丈夫か?」
「気になったら止められない性分でして」
「ま、まあ……お前の兄さんでも抗えなかった節理に囚われてないのが気になるっていうのはわかるけどさ……」
「学術的興味は以前変わらず尽きませんね」
そんな会話をしているとリムルの秘書となったシオンが部屋に突撃してくる。
その手には……メモリが刻まれた紐のようなものが。
……なにを採寸する気で
「リムル様!おめかしのお時間ですよ!」
さっとリムルと距離を取り
「どうぞどうぞ。見違える美人になることを祈ってますよ」
「あら、ヴァロ様もですよ?」
「……はい?」
男を着せ替えさせて何が楽しいのやら……
「カイジン様やクロベエが試してもらいたい武具があるそうです」
「なるほどそう来ましたか…………」
「……カッコイイ武人になることを祈ってるぞ」
大方、例の魔剣を見せた結果、職人魂が刺激されたのでしょう。
となると更なる武装が期待できるはず……?
「……ともかく、互いに何とかしましょう。色々と」
※※※
それは誰もがわかっていた。
こちらの戦力はほぼ
まあ、間違いなく防御力は少ない。
故に一撃必殺がいいのだろう。
「……となるのはわかるのですが」
どこからどう見ても3mはくだらない大太刀が広間に置かれていた。
「ささ、ヴァロ殿試し斬りどうぞだべ」
「……まあ、やってやりますか」
この程度の重量ならきっと振り回すことは簡単のはず。
試し斬りの相手はそこらに居た魔物の死骸。
「……空間断絶は抜きの方がいいですね」
踏み込み、斬り払う。
それだけで風が生まれ凪が乱れる。
そして死骸が2枚に切り裂かれる。
「おお、さすが……」
「これだけの長さのを扱うことになるのは驚きでしたが……どうにかなるものですね」
他にも槍やら斧、様々な武具が置かれている。
「ヴァロ殿はリムル様からどんなものでも一流以上に扱えるって聞いてな、武具の試しにはうってつけだろうってな」
「ふむ、たしかに……となると、鍛え方や製法を変えてみたのです?」
「んだべ。刀と同じように打った斧。両刃にした刀もあるべ」
「諸刃!?それはなんとも奇妙な……」
面白い武器であるのは確かにそうではある。
鋭く輝く刀……生前読んでた漫画で逆刃なら見た事ありますが、これはどうも扱うのにさらに苦労しそう……
「200年は武器に触れてこなかったゆえに、どれも目移りしてしまいますね……」
どれもがドワーフと鬼人の合作であり、売ってしまえば家ほどは買えてしまえそうな一品。
……脇差として一本は貰っておこ