「ああぁあああぁぎゃくにうたれたぁああああぁぁあ」
「私のピ○チュウに勝つにはまだまだ甘い、えへん」
「でしょうねー」
驚異の十割打者と化し、ノリに乗っていたDMさん。
そうして勢い付いたまま、彼女はTASさんに挑みかかり……こうして、今までの他の面々と同じように返り討ちにされていたのであった。
……まぁうん、いいとこ三割打者にまで後退したわけだけど、それでも十分凄いから誇って良いと思うよ?
「おかしい……ゆるされない……さんわりだしゃといえば、ほんらいかなりせいせきのよいれいのはず……」
「そうだね。身近に本当の意味での十割打者がいなければ、十二分に褒め言葉として活躍しただろうね」
「ぎゃふん」
「……お兄さん、時々容赦なくなるよね」
「え?なにが?」
俺は単に事実を述べただけなんだけど?
……冗談はともかく、完全に沈黙してしまったDMさんを確認した俺は、そのまま彼女の端末の接続を切り、スタンドアローン状態に戻してから近くの机に置く。
最終的な結果こそあれだったが、まぁいい気分転換になったのではなかろうか?……なので、もうちょっと打ち解けるというか、変な野望とか抱くの止めて欲しい俺である。
「……そういう気持ちで対応してたの?」
「肩書きが邪神なこともあって、あんまりそういう企みばっかしてると、そのうちTASさんの更新に巻き込まれ続けるだけの人生……神生?になりそうな気がしたから、ある意味余計なお節介というか?」
「……そ、そんなことしないよ?」
「おう、こっちの目を見て言おうねそういうのはね」
説得力が無くなるからね。
……わかりやすく敵、かつ何度やられてもへこたれないバイタリティ、というのは平時ならある種の美徳となるが。
これがことTASさん相手となると、いつでも更新欲(?)を満たせるお手頃なボス役にしかならない……というわりと深刻な人権侵害が起きるので、できればそういうのは止めておいた方がいいと言いたくなるというか。
いやだって、ねぇ?迂闊に神殿再建とかできるようになったら、絶対『神殿崩壊TAS』とかやられるよ?
最悪他の面々まで誘うようになって、ここだけで更新合戦が行われるようになるよ?勘弁してくださいって言っても「やだ。寧ろ四人同時にやれるように更に増やすように」とかなんとか凄まじく惨いこと言われたりするようになるんだよ?俺は詳しいんだ()
……まぁそんなわけで、折角こうして交流できるようになったのだから、できれば心穏やかに過ごして貰いたいのである。主に俺の精神安定のためにも。
「……結局自分のため、なんだね」
「幻滅した?」
「別に。お兄さんはいつも通りだなってだけ」
「……これっていちゃついてる、ってことでいいんですかね」
DMさん、うるさい。
「そういうわけで(?)リアルだと怒られるから、ゲーム上で再建して貰うことにした」
「どういうわけなんです???」
「泣くなDM、私もお前の神殿再建手伝ってやるから」
「そしてなんでこのひとは、わたしよりやるきにみちあふれているんです???」
はてさて、時刻は過ぎまして夕方頃。
学校終わりの時間となり、ぞろぞろとうちにやってくる面々達。
今日はMODさんとAUTOさんが夕食を担当する、となにやら張り切っていたので任せた俺は、他の面子がゲームをしているのを後ろから眺めていたのであった。
で、今回のゲームはさっきと違って、ブロックを積み上げて家とか作るタイプの
遊んでいるのは三人で、それぞれTASさん・CHEATちゃん・DMさん。料理組にも入ってないダミ子さんは、俺と同じようにちゃぶ台に肘を付いてゲームの鑑賞中である。
「どこからか『お前は手伝わないのか?』みたいな言葉が飛んできた気がしたので説明しておきますとぉ、私料理が得意ではないんですぅ。……というかぁ、危うく手を切りかけたので出禁になりましたぁ」
「まぁ、手元が見えないから仕方ないね……ってあ痛ぁっ!?」
「……お兄さんは時々セクハラをする。そういうの良くない」
「今のは単に事実を語っただけだと思痛っ!」
……まぁ要するに、手元が疎かになってて危なっかしいので出禁になった、ということである。
いや、本当にそれだけの話なんだけど、さっきからTASさんがあれこれモノを飛ばしてくるんだわすごい痛い()
別にダミ子さんは『気にしてませんよー』って言ってるから良いと思うんだが、なんというかこう……『お気持ち案件ってそういうもの』と言われてしまうと、微妙に反論し辛い俺なのであった。
……気を取り直して、ゲームの話。
DMさんが邪神的なもの、というのは常々話している通り。
なので、彼女が神殿を作りたがるのはある意味習性みたいなもの……みたいなすっごい雑な決め付けにより、TASさんが提供したのがこのゲームである。
そもそも現在DMさんがいるのは電脳空間であるし、そこで作った神殿でも満たされるのではないか?……という話らしいのだが、話の渦中であるDMさん本人はわりと半信半疑である。
あと、ゲーム内なら壊されても再建が(比較的)楽、ということでCHEATちゃんが手伝い……及びTASさんに破壊されないように監視する役目として参加した、という形になるようだ。
……まぁ、今回のTASさんに関しては、壊すより作る方の最短を目指してるっぽいので、彼女の心配はほぼ杞憂であるのだが。
そんなこんなで、唐突なクラフト展開が、我々を襲うのであった。……次回で。
「……なんか今、メタいこと考えてなかったお兄さん?」
「気のせい気のせい。ほら、早く準備して準備」
「むぅ、ごまかされた気がするけど……はーい」