うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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三人寄っても特に何事もなく

「……平日の昼間は、そこまで面白いものもやってませんねー」

「私が言うのもなんですけどぉ~、ちょっと馴染み過ぎなのではぁ~?」

「……まぁ、他の面々と違って家に居る時間が長いからなぁ、俺達」

 

 

 他が若すぎる(学生ばかり)ともいう。

 ……というわけで、ちゃぶ台を囲んでテレビを見ている俺達三人である。

 え?ダミ子さんは学生生活満喫してなかったかって?あれ交換留学って扱いだから、普通に期限切れなんですよ奥さん。

 ……まぁ、そういうのでなんか名残惜しくなって、結局期間が延長される……みたいなことにならなかった辺りは、ちょっとこういうのの例からすると意外かなー、とはなるけども。

 

 ともあれ、ダミ子さんについてはそのくらいにしておくとして、もう一人の方──DMさんについての話。

 最近では別に、ネット利用も解禁してあげて問題ないんじゃないかなー?……みたいな感じにまで落ち着いたDMさんなわけなのだが、彼女は寧ろ逆に「あそこはちょっと私には早い気がしますね……こう、アングラ過ぎるというか……」などと遠慮をし、情報を仕入れる先をテレビとか世間の人の口コミ程度に抑えていたりするのだった。

 それはそれで、情報ソースが偏るのでどうかと思わないでもないのだが……休みの日とかはCHEATちゃんと外で遊んでいたりするみたいなので、そこで情報の精査をしているのかもしれない。

 

 まぁともかく。

 そうなると、平日はバイトが入ってない時も多い俺とか、戸籍が無いので相変わらず外に出る機会が少ないダミ子さんと並び、DMさんも家でゴロゴロしていることが多くなっている…というわけなのでありましたとさ。

 

 

「家の仕事は早々に終わってるからなー」

「DMさんもお手伝いできるようになりましたからねー」

「やっぱり自分で動かせる体があるというのは素晴らしいですね」

 

 

 そう喋りながら部屋の中を見渡す俺。

 掃除機掛けとか洗濯物とか洗い物とか、家事ってやつは毎日毎日やり続けなければいけないもので、その負担というのも意外と馬鹿にならないわけだが。

 そこはこう、人手が単純に()()()あれば、問題なく片付けられるというもの。……やっぱり人手って重要だよな、としみじみ頷く俺である。

 

 ……さて、さっきの説明文において、一つおかしなものがあったことに気が付いただろうか?そう、『三人分』という言葉である。

 現状人の姿をしているのは俺とダミ子さん、その二人だけであり、最後の一人であるDMさんはガス状生命体、もといパッドの中に封印されていて、とてもではないが人手としてカウントすることはできないはずでは?……という疑問が浮かんでくるのは当然の話。

 ならば、そこには必ず答えがある、というわけで。

 

 

「……ホコリを被っているよりは、みたいな感じで提供されたわけだけど、関節動かし辛いとかはないんかいねそれ?」

「元々言語機能にそこまで力を入れてなかったみたいですので、会話するのがちょっと辛いかなーとは思いますが……その他は概ね満足ですね。それと、今の時代メカ娘の需要は十二分にあると思いますので!」<フンス

「……太古の昔存在した邪神が、なにやらメカ娘になっている……というのは、なんというか出来の悪い小説を読んでいるような気分になりますねぇ」

「あら、お嫌いですか?」

「いえ、良いと思いますよぉ?個性的であることは間違いないですしぃ」

 

 

 その答えというのが、以前一度登場したことのあるモノ──すなわちメカTASさんである。

 本来本体であるTASさんが居ない時に、俺の話し相手兼緊急時のガード役として生まれたこのロボットだが、結局ほとんど……というかあの日以外ほとんど起動すらしていなかったため、ほぼほぼ押し入れの肥やしと化していたのだが……。

 それならちょっと改良して、DMさんの駆動体として使い回せば良いのでは?……みたいな案が浮上し、それに悪ノリした周囲の不思議ガールズの手によって生み出されたのが、今DMさんが使っているこの体、ということになるのだった。

 

 元々は見た目的にもほぼ鉄の塊、みたいな感じだったメカTASさん。

 それが、なんということでしょう。

 以前船を直した、という経験を積んだことにより、そういう機械類の製作・改良のスキルツリーが発現したAUTOさんを筆頭に、必要なパーツを取り寄せる役目としてCHEATちゃんが、それらをザクザク組み立てるのにTASさんが、見た目が鉄のままなのはあれなので、そこら辺整えよう……とMODさんが。

 

 ……とまぁ、そんな感じに本気で取り組んだ結果、現状のDMさんはふと見ただけではメカだとはわからないほどに、精巧な外見を持ったガイノイドとして、この世に生まれることに成功したのだった。

 飯まで食べられる辺り筋金入りである。

 

 

「以前青いたぬきと形容されたことから、どうにもインスピレーションを得たらしく。……エネルギー変換効率百パーセントって、どういう動力なのでしょうね?」

「わからんけど、かなり未来の技術なんだろうなぁ、ってことはわかる」

 

 

 なおこのエンジン、製作・開発はAUTOさんである。……人ができることならそれが未来の技術でも問題なしとか、あの人も大概おかしいなぁと思う俺なのでしたとさ。

 

 

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