「……ええと、よくわからんのだけど?」
「以前、サンタがこっちにやって来たことがあったのは、お兄さんも知っての通り。……本来、彼女の来訪はあり得ないことだったけど、DMとの出会いなどの複数の要因により、次元境界線は不安定となって彼女の来訪を許してしまった。ことわざなんかではよく『三度目』というのが取り沙汰されるけど、現実的には『二度目』を迎えた時点で、物事は偶然性を否定される・ないし否定されるような状態となる」
「待ってくれないか、一辺にバーっと喋られてもわかんないよ!」
「なるほど、じゃあ端的に。すべては サンタのせい」
「なんだとぉ!?クソォサンタめ!!」
(……こんな理不尽な怒られ方するサンタとか、他所では考えられませんね……)
いやまぁ、
そんな感じの雑な流れで悪役にされたサンタさんには悪いが、誰か一人に原因を求めてしまうのは人の悲しき性、諦めて悪のサンタとして定義されておいてほしい。
……どこからか「ふざけるなぁー!!」という叫び声が聞こえた気がしたけどスルー。
ともあれ、何度も異世界との関係を持ってしまっていること・及びあからさまに超常存在なDMさんと出会ったことにより、次元境界線とやらが非常に脆くなっているのが今のこの世界、ということになるようで。
「……ええと、もしかして私っているだけで問題だったり?」
「ああ、そこは大丈夫。メカTASを使って新しい体に放り込まれた時点で、貴方が発する悪影響はほぼシャットアウトされたから」
「あ、これ道楽的なモノではなかったんですね……」
「?私の行動は基本無駄はない。お兄さんと居る時はその限りじゃないけど……他の面々に施すあれこれは、基本全部必要なものばかり」
で、その話をしたことでDMさんが、自分の存在云々の話からして『私って居るだけで害悪なのでは?』……という心配をし始めたわけなのだが。
その辺りは流石のTASさん、そもそもこの『メカTASに入っている』という状況そのものが、一種の封印状態として機能しているので、現状DMさんが発していた悪影響は、ほぼ無くなっているとのことだった。
……まぁ、その事実を知ったDMさん自身は『抜けようと思えば抜けられる封印って、封印と言っていいのかな……?』みたいな疑念を抱いていたわけなのですが。
え?それへの返答?『抜けるつもりならボコる』でしたがなにか?流石のTASさんだ、敵対者には容赦がねぇ(白目)
……ともかく、今のところDMさんがこの世界に対しての脅威になる、という可能性はないそうで。
ゆえに、現状残っている問題というのが──、
「短期間とはいえ、他所の世界に繋がってしまった結果こちらに流れ着いた異世界の動植物達。これが、現状の問題」
「なるほど?外来種のもっと規模の大きいバージョン、ということですね」
「そう。今回の私達の目的は、それらの異世界外来種の駆除。そして、それをするのにもっとも適しているのが──」
「食べられるものは食べてしまう?」
「そういうこと。つまり異世界の厄介者を
「ああわかった、わかったから皆まで言わないように。真面目に怒られるから」
「ん、わかった」
なるほど、だから『企画』だったのか(白目)
……どこぞの農業系アイドルの番組に肖ったらしいそれに、思わずため息を吐く俺である。いやうん、単に殺傷するよりかは、食べられるのなら食べる……ってのは良いことだと思うんだけどね?
ともあれ、今回の七草粥が、それに託つけてあれこれ厄介事を片付けようとしている、ということも理解した。……理解したが、それって最早七草粥にはならないのでは?……と、今さら過ぎるツッコミも入れたくなってくる俺である。
「その辺は折り込み済み。今回探すのは、基本的に異世界の植物ばかりだから」
「なるほどなー。……ところで、さっきのファンタジー系家庭の豆知識的なやつはどっから出てきたので?」
「……?お兄さんも知ってるはずだけど」
「あーやっぱりー!?夏の大冒険with俺の時にやってたんだねー俺の知らないところでー!!」
「一応注釈を入れると、このマンドラゴラの種を持ってきたのはお兄さん。知らない間に服に付いてたみたい」
「マジかよ俺戦犯じゃん!!?」
その疑問は、今回集めようとしているのが植物で統一されている、というTASさんの返答によって氷解したが……。
代わりに、『つまりそれって今回の七草粥以外にも、今度は動物系の異世界生物を狩りに行く機会があるってことだよね?』という疑問が生まれたり、はたまた『俺の服に種が付いてたぁ!?』と今回の騒動の一端に俺が関わってることなど、新しい疑問も幾つか生まれてしまったため、相対的にはマイナスになっている感じがしてしまう俺なのであった。
──なお、その後の七草集めは順調に進行し、最終的に生まれた粥(七草粥ではない)はそれなりに美味しかった、ということをここに記しておく。
……内容物?聞くな。そもそも米の時点で違うもの使ってた、って時点で察せ。