うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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繰り返した先に君はなにを見る

「……というか、TASさんの認識的には何度目のループなのですか……?」

「聞きたい?今回のループで大体十万回目くらい」

「それはネタではなく……?」

 

 

 回数になんとなく聞き覚えがあるのですがそれは。

 ……というツッコミに対し、TASさんは首を傾げていたので多分そういうんじゃないと思います。

 

 とまぁ、横道に逸れたので閑話休題(きどうしゅうせい)

 ループしていることを記憶するためには、俺との面識が必要である……ということが判明したわけだが、そうなるとDMさんとかの加入条件面倒勢は加入しっぱ、ということになる。

 感覚的には強くてニューゲーム、みたいなやつということになるのだが……。

 

 

「その場合、例の遺跡ってどうなるんで?」

「ボスだけ居ない状態」

「つまり無事ってことか!?フゥー(Whoo)!!」

(……やっぱりCHEATちゃんって変ですよねぇ……)

 

 

 都合お一人様、別の方向性で喜んでいるのが居たわけだが、そういうことするから変な人だと思われるんだよ、とは突っ込まない俺である。

 さっきの二の舞になってもあれだからね、仕方ないね。

 ……なおダミ子さんと目があったけど、互いに苦笑を浮かべるだけで済みました()

 

 

「……そもそもの話、これがループだとして──最終的な目標はなんなのです?」

「それは勿論、短縮……だけど、その顔だと納得してないのはわかる。だからもう少し詳しく説明」

 

 

 打って変わってシリアス感たっぷりなTAS&AUTO組だが、会話の内容は更に先に進み。

 そもそもの根本的な話──このループはなんのために行われているのか?という部分に着手することに。

 あれだ、起点は俺になってるけど、やってるのTASさんでしょ?……みたいなアレと言うか。

 

 

「まず、大前提として──このまま放っとくと、お兄さんは確実に死ぬ」社会的な意味で

「……ええと、いつものことなのでは?」

「おい」

 

 

 で、そこで飛び出したのが俺の安否、ということだったわけなのだが。……いや俺の扱いよ。確かにしょっちゅう酷い目に合ってるけども。

 そんな風に微妙な顔をする俺達に、TASさんは「そうじゃない」と首を横に振る。

 

 

「現状のお兄さんは、この年の四月以降に生存の目がない状態にある」社会的な意味で

「……なんだって(pardon)?」

「端的にいうと、お兄さんには春がない」

「言い方ぁ!?」

 

 

 それだと意味が変わるぅ!!いや確かに今のままだと俺に春とか来そうもないけど!!

 それであってるのに

 なにを騒いでいるんだろう、みたいな感じで首を傾げるTASさんに頭を抱えつつ、とにかく先を促す俺である。

 彼女は暫く納得がいっていないような態度を取っていたが、やがて気にすることを止めたのか再び口を開いたのであった。

 

 

「私の技能が未来視、というのはみんな知ってると思う。それによると、この四月より先の時間軸において、お兄さんが五体満足・命が無事な状態で過ごしている光景が、一切確認できなかった」命のルビは『こころ』です

「思ったよりエグい話だった」

 

 

 そこで語られたのは、雑に言えば『俺の生存確率0パーセント』というもの。

 ……聞けば、()()()()()()()()この四月を越えた先に、俺が生きてたどり着くことはないのだとか。

 なんというか、実はここにいる俺は動く死体で、四月以降になると動作保証期間外になって止まる……みたいなことを言われているかのようだなこれ?

 

 

「まぁ、ある意味近い。私の頑張り(レベル)が足りてないのか、お兄さんがそうなった直接の原因はよく分からないし」

「それはまた、なんとも……誰かに殺されたのかも、はたまたなにかしらの異常現象に巻き込まれたのかも、全くわからないということですわよね?」

「そういうこと。下手をすると裏切り者がいる、なんて可能性もある」彼の純情を弄んだやつの意

「裏切り者って……」

「また穏やかじゃない話になってきたねぇ」

「あ、でも大丈夫。お兄さんの様子を確認した後、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から。──仮に裏切り者が居たとしても、それは理由のあることだってわかってる」多分フラれる練習、的なやつ

 

 

 だから、仮に裏切り者が居ても、その理由とやらを解消してやればいいだけなのだし。

 ……そんな、ある意味突き放したような言葉に、思わず顔を見合わせてしまう彼女以外の不思議ガールズ達である。

 

 ……うん、これはTASさんが悪いねぇ。

 こつりと軽く拳骨を落とせば、なにを怒られたのかわからない、と言ったように不思議そうな表情を浮かべ、頭を抑えながらこちらを見上げてくるTASさんの姿。

 そんな彼女に対し、努めて柔らかい口調で注意の言葉を投げ掛ける俺である。

 

 

「TASさんにそのつもりがないのは知ってるけど。……今のは喧嘩売ってるって思われても仕方ないと思うよ?」

「……思ったより私も動揺してた。ご免なさい」

(TASさんが)

(謝った!?)

「…………むぅ、失礼なこと考えてる顔してる、みんな」単にお兄さんの恋愛相談なのに、の顔

 

 

 TAS(たす)けない、なんて言葉があるように、彼女は合理を突き詰めた動きをする者。

 いわば人間性小学生みたいなものなので、時々対応を間違えてしまうわけである。

 なので、時々こうして軌道修正してあげなくてはいけないのだが……そういえば、他のメンバーの前でこのレベルの修正が必要な態度を示したことは、あまりないかもしれない。

 

 そう思いながら視線を元に戻せば、他の面々は先の話云々より、TASさんが謝ったという事実の方に気を取られていたのであった。

 ……いやまぁ、気持ちはわかるけどね?うん。

 

 




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