「………?????」
「盛大にフリーズしてるねぇ」
「無理もないですぅ、正直私も意味不ですぅ」
「だよねぇ」
はてさて、超人博覧会みたいなことになった二人の音ゲー対決だが、結局勝負はお流れになった。
お互いの使っていた技術がオーバーテクノロジー過ぎて、結果の確定ができないまま永遠の時の中を揺蕩いそうになったせいである。
……え?なに言ってるかわかんない?じゃあ簡潔に。
……で、その顛末を聞いたCHEATちゃんは、こうしてCHEATちゃん.exeを停止してしまった……というわけなのである。
まぁ、停止しなかった他のメンバーも、停止してないだけであって結構引き気味だったのだが。
「ところで、そうして停止してるのはいいけど……次は君の番だぞ?」
「……ウワーッ!!ヤダーッ!!ソンナノトタタカイタクナイヨーッ!!!」
「おお、久々のクソデカボイス」
とはいえ、いつまでも停止されていては困る、というのも確かな話。
何故かと言えば、次のイベント的な出番が彼女だから、というところが大きい。……いやまぁ、その辺りの正確な話をすると、実際にはダミ子さんの方が出番早いんだけどね。
「でもそれ、こうなる前の私ですからねぇ」
「だねぇ」
ただその時の彼女はまだ、現在のサンタを模した姿ではなく。顔グラがバグったのを直した結果、性転換してしまったという例の初期(?)状態であり、ついでに言うならその時の彼女と俺は、顔をあわしたことすらない。
……要するに画面外判定のサブストーリーに過ぎないため、飛ばしてしまってもなんの問題もないのである。
いや、寧ろ変に組み込もうとするとメインルートをぐちゃぐちゃにしかねないというか。
「そりゃまた、なんでだい?」
「キャラクターとしての初出がそのタイミングでも、配役としての初出は八月を過ぎてからだから……ですかねぇ?」
そんな俺の言葉に、MODさんが不思議そうな声をあげる。
ダミ子さんの出現タイミングがそんなに大事になる理由がわからない、という意味合いの言葉だが……理屈としてはとても単純、彼女は実際に出てくるまでの間、
言うなれば、実際に表に出てくるまでの彼女の動きは不確定事項・箱の中の猫の如くであり、それによって保たれている数値がある、ということ。
……もっと分かりやすく言うのなら、こうして俺達が認識しているダミ子さんと、この当時の彼女・ないし彼は、厳密には別キャラクターなのである。
「!?」
「だから、迂闊に彼女がそこにいるということを証明してしまうと、それによって保たれていた次元境界線が崩れて元の木阿弥に……」
「危なっかしすぎないかこの子?!」
まぁそもそもの話、彼女が変数と重なっている存在である、というのが一番大きいのだろうが……ともかく。
顔グラがバグっていた時の彼女は、言うなれば本人確認のできない状態。
……つまり今のダミ子さんとの照合ができず、ゆえにランダム性を保持したままになっているため、実際にその数値を定め直した八月の某日までの間は、
それが世界安定にも一役買っているため、迂闊に触るべきではない……というのが、TASさんから聞かされていたダミ子さんの現状なのであった。
……まぁもっと雑に言うのなら、元々
そんな感じに、ダミ子さん周りが下手に弄るとおかしくなる地雷の塊である……というところがわかったところで。
改めて、次の出番であるCHEATちゃんの話に戻ると。
「まー、一応出番まではもう少し時間があるし、今のうちに心の準備をしとけばいいんでない?」
「……その時間というのは、どれくらい残っているのですか?」
「ん?えーと……」
確かに次の出番は彼女だが、一人目のAUTOさんから考えるとその間というのは結構空いている。
具体的には、AUTOさんが四月そこらだったのに対し、彼女の出番は梅雨よりは前、というか。
「……なんですかその微妙な範囲の雑さは」
「いやー、三人が揃ってからの話が飛んでるというか……」
なんか認知されていないというか、その次のMODさんの出番が七月であることからの逆算というか?
……なんでか知らんけど、梅雨辺りの記憶がさっぱりというか。
そんなわけで、梅雨に重なってはいないはずなので、大体五月から六月の間のどれか、みたいな大分適当な認識になっているわけなのである。
とまぁ、そんなことを告げたところ、DMさんから返ってきたのは呆れたような可哀想なものを見るような、そんな眼差しだったのであった。……いやこれ俺が悪いの!?