はてさて、結局晴れていないDMさんの黒幕説。
……そもそもの話、この黒板迷宮が現実に存在を許されたとして、それを攻略する側に放り込まれたこっちが納得できるかといえば別の話。
いつまで経っても目的地に着かない現状への苛立ちからの八つ当たり、みたいなものなので整合性とかもはやどうでもいいのである。
……え?じゃあさっきまでのあれこれとかいらないんじゃないかって?愚痴言ってるやつにそんな正論吐いても仕方ねぇだろっ!(逆ギレ)
『なんなんですかこの人?!言うに事欠いた結果最終的に理性まで放り出しましたよ?!』
「うるせー!!だったら今すぐ目的地に導いてみせろー!!」
『そんな無茶苦茶な!?』
それもこれもなにもかも、この黒板を用意した文明が悪い、即ちそこの元締めであったDMさんが悪い!
……ってわけで、どうにかしろDM!とばかりに声を荒げる俺であったが、当初困惑していたはずの彼女の様子が次第におかしくなり……。
『……ふっふふふ、仕方ありません、
「な、なにーっ!?」
そうして明かされた真実に、思わず驚愕してしまう俺である。
……半分以上冗談だったんだけど、マジでお前が犯人だったんかい!?
そうして唖然とする俺の手の内からタブレットがふわりと抜け出し、禍々しいオーラを放ちながらこちらに対峙してくる。
よもやよもやの隠しボス戦だとでも言うのだろうか?こっちにはAUTOさんしか戦力が居ないんだぞ加減しろ!
情けないことを言わないで下さいまし、というAUTOさんの言葉を背中で受け流しつつ、額に冷や汗を垂らしながら邪神と化したDMさんと向き合っていた俺は。
「目を覚ませー」
『ほぐぇっ!!?』
「あっ」
突然天井を突き破って飛び込んできたTASさんの蹴りにより、吹っ飛ばされていくDMさんを見送ることとなったのであった。
……うーん、展開に付いていけないぞ!
『うーん……このタブレット多分ヤバいやつですよ……』
「そんな馬鹿な、これって元々DMさんが入ってたやつ……って、あ」
「……なんですのその、やっちまったんだぜという顔は」
「いやその……このタブレット、DMさんが入ってたやつじゃなくて、AUTOさんが最適化したやつ……」
「──見なかったことに致しましょう」
「デスヨネー」
はてさて、久しぶりの邪神モードを発揮していたDMさんだが、どうやらさっきまでのは彼女自身の意思でやってたというには、ちょっと微妙なところがあったようで。
それというのも、久しぶりにロボからタブレットに思考を移動したところ、なんだか悪いことがしたくて堪らなくなったのだとか。
……要するに悪心を増幅されていた、ということらしいのだが、それを察知していたTASさんが気付け代わりに蹴飛ばした、というのが正解だったわけで。
いや、前もDMさんタブレットに入ってたじゃん、その時は寧ろ善に傾いて行ってたじゃん。……という疑問を覚えた俺は、彼女の入っているタブレットを裏返したことで、その認識に誤りがあったことを知ったのである。
そう、DMさんが入り込んだタブレット。……実はこれ、元々彼女を封印していたやつでは無かったのである。
寧ろ、AUTOさんが弄った結果、最適化されてしまったやつの方だったのだ。
こっちもこっちで大概ヤバいモノなので、基本的には間違って使わないようにしまいこんでいたのだが……どうやら、なにかの拍子に転がり出てきてしまったのをこれ幸い、とDMさんが使用してしまった……ということになるようだ。
最適化したのが危ないのか?……という疑問ももっともな話。
だが思い出して頂きたい、これを最適化したのが誰なのか、そして道具に善悪はあるのかということを。
……まぁうん、簡単に述べてしまうと、だ。
「AUTOの施したモノである以上、『最適化』と言うのもAUTOの認識に寄るモノとなる。……つまり、『最善』を目指すもの。しかもこの『最善』は人にとっての善悪ではなく、単にそれを使用する人物にとって
『……あー、なるほど。私って元々邪神なので、
「あー!!止めて下さいまし私の罪を克明に写し出すのは!!?」
このタブレット、ある種の願望器みたいなモノになってしまっているのである。
使う人の望みや適性を読み取り、それらを最大限発揮できるようにしてくれる……とでもいうべきか。
元々はそうでもなかったかもしれないが、今現在のタブレットなどのデバイスは、すっかり人々の欲望を叶えるためのツールとして発展してしまっている。
ある意味で
……うん、改めて考えてみると、やっべぇなこのタブレット。
ちょっと触っただけでヤバそうな空気が漂っていたため、ろくに機能も調べずしまいこんでいたが……あの時ちゃんと確認しとくべきだったなぁ、と思わず苦笑いしてしまう俺である。
そんなわけで、この危険物タブレットに関しては、DMさんを元のパッドに移した上で、TASさんに厳重に封印して貰うことで満場一致したのであった。