「なんで私がこんな目にいいぃぃぃぃぃぃぃぃ……」
「流石は
「いやあれ……下手するとGが強すぎて死なねぇか……?」
「そこら辺は大丈夫。仮に死んでもすぐさま私が蘇生行為を施すから」
「安全基準もなにもあったものではないですわ……」
はてさて、見せしめ(?)かのようにいの一番に飛行機から飛び出して行った・もしくは射出されたダミ子さんは、その背に飛行機雲を引きながら、あっという間に水平線の向こうに消えて行ったわけだが。
……うん、あの加速力だと何G掛かってるやらわかったもんじゃねぇ、というか。
例え死なずとも気絶くらいは普通にしそうなものだが、どうやらその辺りの補助も兼ねて各人にTASさんが同行する、という形になっているらしい。
──うん、それは補助って言うよりも、単に地獄を加速するだけなんじゃねーかな……。
ともあれ、そんなTASさんの特殊な移動法による空中移動だが、ダミ子さんや端から飛べるDMさんを除いた他の面々には、覚えられるなら覚えてほしいとのTASさんからのお達しである。
「……なんで俺が除外されてないんです?」
「なんでって……できないまでも覚えておくべきだから?」
「イヤな予感しかしねぇ!!」
なお、何故か俺が覚えなくていい組に含まれてなかった理由だが、恐らくこれから何度かある彼女の動きを(無理矢理)トレースさせられるタイミングでこれを使うから、だと思われる。
……要するに死ぬ前に遺書を書くタイミングくらいはくれてやる、ってことだねチクショーッ!!
「……ふと思ったんだけど」
「なんでしょうか、藪から棒に」
はてさて、次々と射出されていく仲間達の姿に、まるで断頭台に向かう階段の前で待機させられているかのような心境となっている俺なのだが。
ふと、ある事実に思い至ったため、近くに居たDMさんに声を掛けるに至った次第である。
先ほども言ったように、DMさんは現在ロボの体であるため、TASさんの力を借りずとも自力での飛行が可能である。
現状では背中の部分から翼を展開し、そこから燃料を放出して飛ぶ、という形式になっているが……ゆくゆくは、スカート部分に反重力装置を設置し、ふよふよと浮くように飛べる形に持っていきたいとの話が、AUTOさんやCHEATちゃんの口から飛び出していたのであった。
……真面目に考えると色々おかしいが、彼女達のやることに一々突っ込んでいてはこちらの体が持たないため、今回はスルーである。
さて、そんな感じで自力飛行できる彼女だが、今回に関してはその能力を発揮することはない、とのこと。
何故ならば、彼女は今回仮拠点となるこの飛行機の操縦を任されているから、である。
「……ダミ子さんに少しでも飛行機操縦の才能があれば、ねぇ」
「彼女に関してはそういうことができないからこその彼女、という面もありますから。……まぁ、私としてもちょっと可哀想だなー、なんてことを思わなかったかと言われると嘘になるのですが」
体がロボであることも手伝って、DMさんは機械類の操縦がとても得意である。
今回の飛行機操縦にしても、高度数千メートルの高さからほぼずれずに居られているのは、彼女の各種センサーが優秀だから……というところが少なからず関係している。
これより上に行きすぎると生身の人間が滞在して居られなくなるし、かといって低すぎれば下からすぐに確認できてしまう。
……いやまぁ、下から云々に関しては、ステルス機能を使ってごまかしているらしいので、そこまで大きな問題でも無いような気がするが。
「いえ、問題はありますよ?この機体のステルス機能はハッチを完全に閉じた状態でしか機能しませんから、今は外から駄々見えの状態ですし」
「……そうなん?」
「はい。それに人体保護云々についても、私がある程度操作しないとすぐに酸欠やら低温状態やらで酷いことになりますし」
「oh……」
……どうやら思った以上に彼女への依存度が高い状態だったらしい。
そりゃまぁ、ダミ子さんがこっちに残れないわけだわ。ただでさえ人手が足りてないんだから、それこそ文字通りに猫の手だって借りたいくらいなのだし。
「……って、DMさんの必要性の話は今は関係なくてだね?」
「はぁ、では一体なんの話をしようと?」
「いやほら、結局表には出ずにここで残ってるんなら、別に関係はないんだけど……」
「はぁ……?」
そこまで考えて、話が大幅にずれ込んでいることに気付いた俺は頭を振る。
彼女が重要、というのは今は関係ないんだ、重要じゃない。
……なんか変な言葉遣いになったが、ともかく。俺が言いたかったのは彼女の重要性ではなく──、
「いやほら。確かに例のスパイ・『MOD』の姿は変幻自在だけど。……明らかにオーバーテクノロジーなガイノイドが飛んできたら、流石に『これは違うだろ』ってなるよなぁ、って思って……」
「………………」
「ははは。……ああうん、それじゃあ「お兄さん、ていくおふー」行ってきまああぁあすぅうぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「な、なんだったんですか今の……」
「多分お疲れだった。そっとしておいてあげて」
「ええー……」
彼女が突然現れたら、それこそ困惑するだけだろうなぁ……という俺のツッコミは、なんとも微妙な間だけをその場に残し、結果俺は星となったのであった。
……うん、オチが付いたから大丈夫だな!(ヤケクソ)