はてさて、みんなが死ぬ気で駆けずり回り、どうにか三日程度の時間経過で全ての依頼を片付けることに成功したわけなのだけど。
「……死んでますね、皆さん」
「でもそのお陰で空中で
「そんなもん合格したく無かったんだが……?」
ご覧の通り、飛行機でみんなを待ってたDMさんと、色んな意味で例外のTASさん以外、居間の机に突っ伏して完全に屍と化しているのであった。
単に疲労困憊……というのもあるのだが、俺とダミ子さんに関しては更に深刻である。
「からだのあちこちがいたいですぅ……」
「きぐうだなぁ、おれもちょっときょうはやすみたくてたまらないや」
「……私たちのようになにかしらの技能もないお二方には、昨日までのあれは重労働以外の何物でもないですからね……」
「まぁその分、私たちの場合は純粋に求められる練度に差があったけどね……」
「お前なー!!TASなー!このやろー!!幾らなんでも限度ってもんがあんだろうがよー!!!」
「…………?ええと、足りてなかった?」
「
そう、俺とダミ子さんの身体スペックは、普通の人と大差ない。
ゆえに、TASさんの言う『人間卒業試験』とやらは、普通に過酷以外の何物でもない苦行だったのである。
いやね?どこぞの人と同じように涙するロボットじゃないんだから、純粋な脚力のみで壁を登らせようとするの止めない?
いやまぁ、他の不思議ガールズと違って、俺達の場合はあくまでも三角跳びの延長線上ではあったけどさ?
……この発言からわかるように、不思議ガールズ達の方は俺とダミ子さんへの要求の八割増しくらい、難度の高い技術に挑戦させられていたりする。
さっきの『脚力のみでの
物理法則的にどうなっとるんじゃい……って感じの技術だが、一応元ネタのような意味不軌道を描いているわけではなく、あくまで
……え?そっちの方が意味がわからないって?大丈夫、俺も理論を説明されてもよくわからんかったから。
まぁ一応?飛行機から各所に向かう時にTASさんが使っていた『空を飛ぶ』技法を応用したもの、ということになるらしいが。……どっちにせよ一般人な俺達には関係ない話である。
「……?多分次かその次のイベントで使うよ?」
「ははははないすじょーく。……っていえないのがかなしいところなんだよなぁ」
「わたしはもう、わたしがまきこまれなければそれでよしとしますぅ……」
「なるほどわかった、次があったらダミ子を優先的にメンバーに加えておく」
「なぁんでそうなるんですかぁぁあぁぁっ!!?」
「……え、そういうフリなんじゃ」
「ちーがーいーまーすーぅー!!!」
なお、無慈悲なTASさんからの死刑宣告が飛んできたが、俺は多分もうダメです(数日ぶりn回目)
「うう……ようやく体がまともに動くように……」
「三日分の疲れが数時間である程度解消できてるんなら、わりとコスパはいいのかも」
「止めてくださいぃもうあんなのはこりごりですぅ!!」
はてさて、そんなやりとりから数時間後。
ようやく筋肉痛が緩和され、無理をしなければ動けるようになった俺達。
そうなればやることは一つ。───今回のリザルトである。
「あれ、やってなかったんだっけ?」
「みんな帰りの飛行機で死んだように寝てたじゃないですか……いやまぁ、完了報告とかはDMさんがきっちり終わらせてくれてたみたいですけど」
「はい、その辺りは滞りなく。……ふと思ったのですが、あれらの依頼の内幾つかはやらなくても良かったのでは……?」
「あれ、そうだったかい?私の計算によれば、どれも取り零してはいけない依頼だったと思うんだが……」
「いえ、改めて計算し直したところ、実際には一割ほど減らせていました。……無論、後々のフラグ建設のための前フラグの可能性もありましたので、あの場での言及は避けましたが」
「へー……って、いやいや君達?私を睨んでも仕方ないと思うんだが?なによりTAS君が承認しているんだし」
結局三日の激務を終えたあと、ほとんどのメンバーが泥のように眠っていたため、その辺りのことは全てDMさん(とTASさん)に任せる形になっていたのである。
……と、そこでDMさんから気になる情報が。
知名度・ないし貢献度というべきそれは、俺達には可視化できないが。彼女にはそれが擬似的に見えるようで、それを確認したところ少なくとも彼女の計算上では、あそこまでの激務は必要なかったのではないかとのこと。
まぁ確かに、人探しだのペット探しだののちまちまとした依頼に関しては、稼げる貢献度的に微妙なのでは?……と思っていた身としては、確かにとしか言いようがない。
とはいえ、それはあくまでも俺の意見であり、他の面々は違ったようで。
静かに怒りを滲ませる少女達に囲まれ、MODさんはたまらず外へと逃げ出していったのであった。
「……で、結局TASさん的にはどうだったん?あれ」
「
「なるほど……ってことはその後のための仕込み、ってことかー」
いわゆる乱数調整できるタイミングがここしかない、みたいなやつなんだろうなーと納得しつつ、追い掛け回されるMODさんを眺める俺とTASさんなのであった。