さて、それから結局小一時間ほど掛け、食事を終えた俺達。
途中、早々に食べ終えた自分が悪いんだけど……と、微妙にバツが悪い感じになってしまっていたMODさんに、寝覚めのコーヒー(濃いめ)を渡したりもしたが、まぁ余分な話である。
……苦っ、って言って砂糖とミルクを求めてきたMODさんがちょっと可愛かったが、指摘すると殴られるのは間違いなかったため
「でも意外だなぁ、MODさんって優雅にブラックコーヒー飲んでるイメージだったんだけど」
「……うるさいなぁ、不意打ちだったんだよそれくらい察したまえ」
「えー?」
先を先導するMODさんに軽口を叩きつつ、その背を追って歩く俺達である。
……朝食が終わり、食器やらテーブルやらをキャンピングカーに片付け、戸締まりを済ませた俺達はそのまま車を駐車場に置き、歩きで件の現場に向かっていたのだった。
何故歩きで?……と思われるかもしれないが、ここは田舎・それもほぼ過疎地域である。
……まぁ要するに、少しばかり大型のキャンピングカーを、そのまま走らせられるような道路がほとんどないのだ。
件の現場が駐車場から更に奥まった場所にあるというのだから、尚更のこと。
結果、虫対策などを十分にしたうえで、件の場所に歩きで向かうことになったのであった。
……なお、ほっとくと一人で突撃しそうなTASさんに関しては、首根っこを捕まえた上で強制連行である。
「むぅ、信用がない」
「寧ろ最大限信頼してるんだわ、ここで手綱を話したら真っ先に飛んでいくだろうなって」
「……むぅ、よくわかってる」
不貞腐れたように言うTASさんに、「だろ?」と返しながらMODさんの後ろを歩くこと暫し。
「──そういうわけで、ここが件の場所だよ、諸君」
「ここが……って、なにもないんだけど?」
彼女の案内でたどり着いたのは、周囲になにもないただの原っぱ。
……そう、比喩でもなんでもなく、そこにはなんにもない。いやまぁ、雑草とかは生えてるので『なんにもない』というのはちょっとばかり過言なわけだが。
ともあれ、なにか目印になるようなモノもない……ということを思えば、ここを目的の場所と定めるのは中々難しいと言うより他ないだろう。
そんなこちらの視線に気付いているのかいないのか、彼女はくつくつと笑いながら目の前の光景に視線を向け続けている。
その瞳はまるで、なにか遠い記憶を思い出しているかのようで──、
「なにもない?そりゃそうさ。なにせここにあった──
「……はい?」
続いて彼女の口から飛び出した言葉に、俺達は思わず呆けてしまうこととなるのであった。
「──なるほど、何故貴方が案内できるのか、不思議に思っていましたが……当事者、だったのですね」
「まぁ、そういうことになるね。……とは言っても、私は間接的にしか関われては居ないのだけれど」
「間接的?」
衝撃的なMODさんの告白よりおよそ三分後。
情報を呑み込んだのか、真っ先に声をあげたのはAUTOさんであった。
……そんな彼女の確認の言葉に、MODさんは自嘲的な笑みを浮かべながら、なにもない広場を見つめ続けている。
「その日はたまたま、私はいつもとは違う行動をしていてね。まぁ、臆面もなく告げるのならば学校からの寄り道をしていた、ということになるのだけれど……」
「……察するに、帰ったら家がなくなってた……みたいな話か?」
「まぁ、そんな感じ。とはいえそれだけ、というわけでもないのだけれど」
「……と、言いますと?」
ポツリポツリと語り始める彼女に、みんなが次々と疑問をぶつけていく。
そうしてわかったのは、次のようなことであった。
まず、事件の当日は平日であり、MODさんは学校終わりに少しばかり寄り道をしていた。
……これは、彼女の
まぁ端的に言えば、彼女は妹と喧嘩をしていたのである。
「思えばまぁ、随分と下らない理由だったような気がするけど……ともあれ、いつもは一緒に帰る道を、私は妹だけを先に行かせ、自分は辺りをぷらぷらしていたわけだ」
その時はまだ、この辺りにも人や活気があり、彼女は近くの駄菓子屋で時間を潰していたのだそうだ。
……とはいえ田舎と言えば周囲の人との関わりが深い、というのも確かな話。
都会のように放ってくれるわけもなく、暫くして駄菓子屋の店主であるおばあさんに追い出されることになったのだという。
「まぁ、思えばそこで追い出されたからこそ、私はここに居るということになるのだろうけど。……なにせ親は先に返ってきた妹を見て、私が意地を張ってることを知って探しに出て来てしまったのだからね」
──告げた声こそ平淡だったが、だからこそそこに込められた思いがことのほか重い、ということはそういうのに鈍いダミ子さんとかにも感じられたようで。
息を呑む彼女の様子に苦笑を返しながら、MODさんは続きを告げるのであった。
「結果、
そして、