うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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問題考察・後(『前』はどこ行った?)

「……そういえば」

「どうした?AUTOさん」

「いえ、太陽の消えたことの影響として、地表の寒冷化ばかり考えていましたが……そもそも太陽系の惑星達は、太陽との引力によって公転軌道などに影響を与えられているはず。……流石に一日そこらでは大きな問題にはならないでしょうが、これって想像以上に不味いのでは?」

『それなら大丈夫』

「TASさん?」

『物事というのは、究極的に見れば【起こるか】【起こらないか】の二択。そのレベルまで選択を細分化すれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()状況を引き寄せることは十分可能』

「……おかしいおかしいとは思っていましたが、幾らなんでもおかしすぎではありませんかそれ???」

『大丈夫。流石にそんな奇跡は無償では起こせない。……具体的には追記数が億を越えてる。ちょっと楽しくなってきた』

「強がりとかではなく純粋に楽しんでやがる……!?」

 

 

 

;・A・

 

 

 

 はてさて、ちょっとした小話を挟んだところで、会話は元の議題に戻っていく。

 

 件のポラロイドカメラの原理が、恐らく

 

 ・被写体をレンズに納める

 ・その時点で被写体のデータ変換が開始

 ・それを更にデータ的に圧縮しつつ、専用の印紙に焼き付ける

 

 ……というような感じのものである、ということがわかったわけだが。

 今現在、単に写真をカメラに戻した結果起きたことが、圧縮データ状態である太陽のミニチュアの現出……という事態であった。

 そこまで状況が進んだところで、これから俺達がするべきことというのは……このミニチュア太陽を件のカメラのレンズを通して宇宙空間に投射し、元の大きさに解凍すること……ということになるはずなのだけれど。

 

 

「物質のデータ変換を実際に行ってるのがこのレンズ、ってことなんだろうけどさ……」

「単にレンズを取り外して、この太陽に翳してみれば解凍が成功するのか、それとも内部機構的なモノもキチンと活用しないといけないのか。……それが全然わからんのよな、今のところ」

 

 

 雑にいうと、分解してみないことには対策がわからなくね?……みたいな感じか。

 

 そもそもの話、物質のデータ変換って時点で想像ができないし、かつそれを圧縮して紙に焼き付けているってのも理解ができない。

 ……あからさまに異世界技術過ぎて、迂闊に触れていいものか迷う、みたいな部分もあるだろうか。

 

 いやまぁ、難しいこと考えずにこのカメラにチートコード打ち込んで逆動作させる、みたいなのが一番簡単な気もするのだけれど。

 

 

「内部構造とか全然わからんから、迂闊にコード打ち込んで止まらなくなった時が怖いんだよなぁ……」

『よくわからないものをよくわからないまま運用する、というのはとても恐ろしいことですからね』

 

 

 CHEATちゃんのため息混じりのぼやきに、タブレット内のDMさんが画面に文字を表示することで答えを返していた。

 ……うん、言葉面的にはなにも間違ったこと言ってないのに、絶妙に『おまいう』感がするのはなんなんだろうね?

 

 まぁそれはともかく。

 チートコードを打ち込んで過程やら機構の解明やらを大幅に短縮するにしても、『なにがどう動いているのか』を確認せずに『とりあえず動くから』とやらかしてしまうと、最悪誤動作からのフリーズを引き起こす可能性はとても高い。

 

 その結果、このカメラが二度と使い物にならない……なんてことになってしまえば、最悪TASさんがあの写真の中から永遠に出てこられない、なんてことになってしまう可能性も考慮しなければいけなくなるだろう。

 ……え?今でも写真の中から乱数調整とかしてるっぽいから、ほっといてもそのうち出てくるんじゃないかって?

 

 

「否定できないところが恐ろしい……」

『ん、会話とか微妙な間とかで調整できる分でなんとかしてるだけだから、流石になんの助けもなしにここから出る……なんてことはできないよ?』

「そこで微妙に人間アピールするの止めませんかぁ……?」

 

 

 この通り、一応TASさんにも無理なことがある、とのお達しであるため、無駄にカメラを使い潰すような行動は避けたいのが本音である。

 ……ただ、そうなるとこのカメラの内部構造がわからないままなので、結局どこを弄ればいいのわからない……という、当初からの問題に逆戻りしてしまうわけなのだが。

 

 

「……いえ、お待ちくださいまし。問題点は結局のところ、内部構造がわからないこと……なのですわよね?」

「まぁ、そうだろうね」

「……恐らく、ですが。私とMODさんが力を合わせれば、そこの問題はどうにかできると思いますの」

「なん……だと……?!」

 

 

 そんな中、なにかに気付いたように声を挙げるAUTOさん。

 どうやら今の一連の会話の中で、なにかしらの突破口を見付けたらしい。

 

 光明の見えぬ状況で、ようやく差した希望の光にみんなが彼女に詰め寄っていく。

 それらの喧騒に落ち着くように指示した彼女は、一つ咳払いをして。

 

 

「それは一体……?」

「それは───」

 

 

 MODさんの手を引き、こう告げたのであった。

 

 

「私と、貴方の共同作業ですわ……!」

「き、共同作業……?」

(……MODがAUTOの言い方のせいで、変な勘違いしてる予感)<ワクワク

 

 

 熱のこもったAUTOさんの視線と(絡まった互いの指と)、その言葉に。

 MODさんはなんと!?……と言わんばかりに目を見開いたのであった。

 ……え、ここに来ていきなりのキマシタワーですか!?

 

 

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