うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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脳内ピンクか、はたまたマッドな科学者か

「い、いやその、いきなりそんなこと言われても困ると言うか……」

「なにを仰るのですMODさん。──今だからこそ、言うのですわ」

(むむ、AUTOの変なスイッチが入った予感)

 

 

 唐突に花開いた百合空間に、各人が戸惑いと困惑を見せる中。

 当事者足るMODさんは顔をほんのり赤く染め、己の手に絡まったAUTOさんの指をチラチラと横目で見つめている。

 対しAUTOさんはと言えば、どちらかといえば責め側みたいな空気を醸し出しながら、MODさんに言い寄っていたのであった。……やだ、意外に積極的……。

 

 

「私と、貴方。……恐らく、私達ならば上手く行くはずですわ」

「そ、そんなわけ……」

「いいえ、上手く行かせるのです。──そう、今の私と貴方なら、作ることができるはずですわ。……あの子を」

「あの子ぉ?!」

 

 

 情熱的な視線を向けながら、AUTOさんは爆弾発言を投下し続けている。

 ……MODさんはたじたじだが、そんな姿を見せられていたこっちは寧ろ『あ、これ多分なにかしら勘違いしてるな?』と現状の齟齬を感じとっていた。

 まぁ、俺以外だとTASさんくらいしか気付いていなさそうだったのだけれど。

 

 ともかく、勘違いを量産しながら爆走するAUTOさんに生暖かい視線を向けつつ、なにをしようとしているのかの同行を見守る俺(とTASさん)。

 そんな視線を向けられているとも知らず、困惑やら羞恥やらで限界のMODさんは見てわかるほどに顔を真っ赤にし──。

 

 

「さぁ、やりましょう!私と貴方で作るのです!()()()()()()()()

「そ、そんな……あの子のコピーだなんて破廉恥…………いや待ちたまえ、コピー???」

「……?はい、コピーですよ、あのカメラの」

「……紛らわしいんだが!?

「い、いきなりなにを怒っていらっしゃいますの……?」

 

 

 そのままいきなり足元を崩された格好となり、恥ずかしさをごまかすように怒鳴り散らかすのであった。

 

 ……まぁうん、勘違いさせるような物言いしてたAUTOさんも悪いけど、いきなり口説かれてると勘違いしたMODさんも悪いかなこれは……。

 

 なお、端から気付いてたTASさんからは『面白そうだったけど、ほっとくとあと三話くらい続きそうだったから追記増や(短縮)しといた』とのありがたい言葉を頂きましたとさ。

 ──TASさん、グッジョブ。

 

 

 

・∀・

 

 

 

「……ええとつまり、このカメラのコピーを使って内部構造の把握に努めよう……みたいな話だと?」

「そ、そういうことになりますわね……」

 

 

 本人からしてみれば、意味のわからないことから詰められる羽目になったAUTOさんだが、彼女はなんとか説明をやりきった。

 

 カメラの内部構造の把握のためにはカメラの分解が必要だが、もしこのカメラの機能が()()()()()()()()()モノであった場合や。

 見た目は単なるポラロイドカメラだが、実は中身がもっと複雑になっており、分解したが最後こっちの技術者では元通りに組み直すことすら満足にできない……なんて場合を想定した結果、『分解する』という行為が半ば禁止されているのが今回の問題点。

 

 ゆえに、どうにかして()()()()()()()()()()()()()()()()()を複製できれば、それを分解することによってこのカメラの真実を白日の元に晒すことができるのではないか──?

 ……というのが、その問題に対してAUTOさんが導き出した答えなのであった。

 

 確かに、とてももっともらしい案だと言えるわけだが……一つ、看過できない疑問点が存在していた。それが、

 

 

「……そもそもの話、なんで私と君との共同作業なんだい?いやまぁ、確かに私の技能的には単純にこのカメラを増やす、というのは難しいが……最悪このカメラの情報を他のモノに上書きして(MODとして被せて)しまう、みたいなことをすればいいんじゃないかと思うんだけども?」

「というか、最悪私がチートコードで所持数増やせばよくね?」

 

 

 何故AUTOさんとMODさんの二人での共同作業なのか、という疑問。

 MODさんの方は半ば言ってみただけで、現状本当にそれができるのかは曖昧みたいだが。

 もう一つの案であるCHEATちゃんの発言の方は、寧ろこっちの方が確実性がありそうに思えてくる。

 

 コピーではなく、それそのものをそのまま増やす……なんて荒業ができるのはCHEATちゃんならではの解決法と言えたが、それに対してAUTOさんは静かに首を横に振ったのだった。

 

 

「MODさんの案の場合、お察しのように()()()()()()に難があると言うことになりますわね。……先ほどの松明は外装自体に効果がある(炎のエフェクト自体が明るい)ので問題はありませんでしたけれど、基本的に貴方のそれは()()()()()()()()()()。こと複製、という用途においては向いてない……と言わざるを得ないでしょう」

「ぬぐっ」

「それからCHEATさんの案の方ですが……確かに、複製品よりも大本をそのまま増やす方がよい、というのは間違いありません」

「でしょー。……でもじゃあ、なんで?」

「お忘れかも知れませんが、このカメラは基本的に厄物──言い方を変えれば呪物です。迂闊に増やせばこの世界によくない影響を与える可能性がとても高い、と言えるでしょう。それに──」

「それに?」

個数カウントできないもの(たいせつなもの)扱いだった場合、そもそも増やせないか、無理に増やそうとするとその時点でバグる可能性も十分にありますわ」

「……うげー」

 

 

 そうして返された答えに、二人は呻き声をあげる。

 

 ……ああうん、言われてみれば確かに。

 個数カウントされてるものならば、単に所持個数のデータを弄れば幾らでも増やすことはできるだろうが。

 仮にイベントとかで使われる重要なアイテムとして割り振られている場合、それを増やすという行為がゲーム進行にどれほどの悪影響を与えるのか、とてもじゃないがわかったものではない。

 

 単にイベントが一つ飛ぶとかで済めば良いが、この場合はアイテム欄で同じアイテムが二つ並ぶ、とかになるわけで。

 ……ダミーデータを潰して出てくるパターンでも、ダミーに密接に関わる人が身近にいるのであんまりやりたくないし、そうでない場合は他の重要なアイテムの枠を潰して増えている、なんて可能性もある。

 

 チートは確かに便利だが、それによって起こることは動作保証外。……そのことはカメラにチートコードを云々、の時点で触れていたのだから最初から気付いておけ、みたいな話というわけだ。

 

 

「……じゃあ、AUTOさんとMODさんの組み合わせだと、その問題を回避できるんですかぁ?」

「──ええ、恐らくは」

 

 

 そうして項垂れる二人に代わり、ダミ子さんから発せられた言葉に、AUTOさんは不敵な笑みを返すのであった。

 

 

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